教育長のページ
更新日:2025年4月3日
「みんなで願う安心安全」
~ 教育の力でみんなが“笑顔”になれる地域社会を目指して ~ 松戸市教育長 波田 寿一
令和7年度(2025年度)が始まりました。今年の春は、寒暖差の激しい日が続き、季節の移り変わりを実感できない状況でした。そのような中でも桜の開花が進み、松戸市内の随所で満開の桜が人々の心を温かくしてくれています。新しい年度のスタートを感じられる季節となりました。教育は「今」の積み重ねにより「未来」を創造する営みであり、未来とは「希望」です。教育の力でみんなが夢や希望を持つことができる「未来」を築き上げたいと強く願い、教育長としての思いをお伝えいたします。
私は、子どもたちや市民の皆様が豊かな生活を実現するために、「安心安全」を実感することができ、自主的に学ぶことができるように教育環境を整えたいと思います。教育の力でみんなが“笑顔”になれる地域社会の実現を目指したいと強く願っています。
令和6年度は、新型コロナウイルス感染症の影響から脱殻し、令和としての新しいスタートを切った1年でした。松戸市はもとより日本全国で、これまで多くの先人の努力により築き上げられてきた様々な事柄が、一時期大きく停滞し、新たな価値観とともに変革を余儀なくされてきた状況がありました。子どもたちの学校教育活動や市民の皆様の文化スポーツ活動も思うようにできずにいたと感じています。このような時期を終え、再出発できたのが昨年でした。このように、変化に対応する力が人々には身についてきました。また、社会に目を向けますと、国際的な社会情勢不安や地球規模の課題もあります。VUCAの時代(変動性、不確実性、複雑性、曖昧性)との声を聞き、先行き不透明な時代へと社会が急速に動いていることも事実です。これに加え、国内では物価高騰の影響や甚大な自然災害への危惧もあり、人々の生活には大きな変化が生じています。
しかし、「変化」にばかり気を取られていては、豊かな生活は営めません。政治や経済の力で、生活を安定させることは大切ですが、人を思いやる心や互いに相手を尊重し、認め合い助け合うことで心理的安全性を担保し「安心安全」を実感することができる環境づくりこそ、生活基盤の「基本」ではないでしょうか。そこで今、成すべきことは「変化への対応と基本の徹底」であると考えます。
そこで、まず考えたいことは「徹底すべき基本」とは何か、との問です。松戸市では教育の指針として「学びの松戸モデル」を策定し、2030年以降の社会に目を向け取り組みを進めています。その基本理念は「ことばを育み 人がつながる 学びの松戸 ~文化と教養のまちづくり~」と定めています。この中で、特に大切にしたいことは「人がつながる」という考え方です。
「ことば」は人と人とを結びつける大切な要素です。この「ことば」は、単純に話しをする言葉ではなく、多くの意味をもっています。文字を介して話す・聞く・読む、以外にも自然や崇高な物事を感じ取るなどの心に迫る意味合いもあります。人は、相対する人や物事と「対話」を通じて「つながる」という考え方を大切にする必要があります。この対話こそが「学び」ではないでしょうか。そして「学ぶ」ということは、全ての人々が自分の「好き」を見つけることです。「学ぶ」ことは、生涯にわたって重要なことであり、人が豊かに生活していくための「基本」ではないでしょうか。相手との共通の話題を探り、相手の好きに合わせ、相手の心に興味を持って対話することで、多くの発見があり、自分自身の世界が広がります。だからこそ、思いやりのある優しい言葉かけなど、自らが発する「ことば」を大切にしなければなりません。
人生100年時代において、人々の大きな願いは、生涯にわたり健康で豊かな生活を送ることです。「教育」の目指すところは、「安心安全」な環境を作り、「みんなが笑顔になれる社会」を築くことです。改めて、「ことば」と「つながり」を大切にした、教育行政の必要性を感じます。夢のある未来社会を生きる子どもたちのために、そして、すべての市民の皆さんの健康で豊かな生活を実現するために、今年度も「教育施策」を実行してまいります。
どうぞ、皆様のお力添えをお願いいたします。
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