給与所得者の特定支出控除
更新日:2021年2月19日
特定支出控除とは
給与所得者が特定の支出をした場合に、その年の特定支出の額の合計額が、「特定支出控除額の適用判定の基準となる金額」を超えるときは、その超える部分の金額を給与所得控除後の所得金額から差し引くことができる制度です。
※年度によって違いがありますので、下記表をご覧ください。
給与等の収入金額が1500万円以下 | 平成25年度まで | 特定支出の合計額が給与所得控除額を超える場合、その超える部分の金額を給与収入から控除できる |
---|---|---|
平成26年度から |
特定支出の合計額が給与所得控除額の2分の1相当額を超える場合、その超える部分の金額を給与収入から控除できる | |
平成29年度以降 | 特定支出の合計額が給与所得控除額の2分の1相当額を超える場合、その超える部分の金額を給与収入から控除できる | |
給与等の収入金額が1500万円超 | 平成25年度まで | 特定支出の合計額が給与所得控除額を超える場合、その超える部分の金額を給与収入から控除できる |
平成26年度から |
特定支出の合計額が125万円を超える場合、その超える部分の金額を給与収入から控除できる | |
平成29年度以降 |
特定支出の合計額が給与所得控除額の2分の1相当額を超える場合、 その超える部分の金額を給与収入から控除できる |
どんなものが特定支出控除として認められるか
下記の表で示しているものは、職務に直接必要なものに限られます。
また、給与の支払者から補填される部分があり、かつ、その補填される部分に所得税が課税されていないときは、その補填される部分は特定支出から除かれます。
平成25年度まで | 通勤費、転居費、研修費、資格取得費、帰宅旅費 |
---|---|
平成26年度以降 | 通勤費、転居費、研修費、資格取得費(注釈1)、帰宅旅費、勤務必要経費(図書費、衣服費、交際費等)(注釈2) |
(注釈1)平成26年度以降については、弁護士、公認会計士、税理士等の資格取得費も特定支出の対象となります。
(注釈2)勤務必要経費については65万円が上限額になります。
計算例
- 給与収入 400万円
- 給与所得控除 134万円
- 特定支出(実額の必要経費) 180万円
平成25年度まで
特定支出控除の算出
180万円(特定支出)-134万円(給与所得控除)
=46万円(特定支出控除)
給与所得の算出
400万円(給与収入)-(134万円〔給与所得控除〕+46万円〔特定支出控除〕)
=220万円(給与所得)
平成26年度以降
特定支出控除の算出
180万円(特定支出)-(134万円〔給与所得控除〕×2分の1)
=113万円(特定支出控除)
給与所得の算出
400万円(給与収入)-(134万円〔給与所得控除〕+113万円〔特定支出控除〕)
=153万円(給与所得)
特定支出控除を受けるために必要なこと
下記、4点が必要となります。
- 税務署への確定申告(所得税の申告が必要ない方については、個人市民税・県民税の申告)
- 特定支出に関する明細書
- 給与の支払者の証明書
- 支出した金額を証する書類