体外式模型人工肺管理中の血栓止血学的合併症に関する観察研究
更新日:2023年11月14日
研究について
体外式膜型人工肺(ECMO:Extracorporeal membrane oxygenation)は、重症急性呼吸促拍症候群、心原性ショック、難治性心室細動などに対して救命治療の一環として集中治療に用いられています。一方、集中治療管理を行う上でECMOの治療成績を改善していくには血栓止血学的合併症を予防する方法が必要ですが、 ECMO管理中における出血・血栓イベントのリスク因子などについては十分な知見が得られていないことがこの研究の背景となっております。
ECMOは様々な合併症が生じ、特に出血・血栓に伴う合併症が重要とされています。
研究代表者
名古屋大学医学部附属病院 救急科
病院助教 春日井 大介
当院研究担当者
松戸市立総合医療センター 医療技術局臨床工学科
臨床工学技士 林 佑樹
研究の意義・目的・科学的合理性の根拠・研究期間
意義
この研究によりECMO管理中の出血・血栓症のリスクに関する統合的な知見が得られると期待されています。
目的
この研究の目的は多施設共同後ろ向き観察研究により、主解析として以下を明らかにします。
- ECMO管理中の大出血イベントの発生頻度
- ECMO導入時の大出血リスク因子
- ECMO管理中の大出血リスクと関連する検査データの推移
科学的合理性の根拠
電子カルテデータとDPCデータを組み合わせた敗血症のデータベースは本邦ではこれまで存在せず、最適な治療方法を解析する上で科学的に合理的です。
研究期間
研究実施の承認日より2026年3月31日まで
研究対象
対象となる患者さんの選択基準
2016年4月から2021年9月に当院集中治療室に入室し、ECMOを使用された方
除外基準
- 15歳未満の患者さん
- 心臓外科周術期に待機的にECMOを導入した症例
- 外傷症例
- 導入時点で明らかな活動性出血・出血性ショックの症例
試料・情報について
収集する情報等
- 診療目的で採取された既存情報
病歴、ECMO管理中の出血・血栓症などのデータ、検査結果、集中治療室入室中の経過等 - DPCデータ
情報の提供方法
共同研究施設(当院)から名古屋大学医学部付属病院救急科研究室データセンターへのデータの提供は、個人を直ちに判別できる情報を取り除くよう加工した上で特定関係者以外がアクセスできない状態で行います。対応表は当院の研究担当者が保管・管理します。
予測される利益と不利益
利益:この研究にデータをご提供いただくことで生じる個人の利益は、特にありません。
不利益:過去における電子カルテからのデータ収集のみであるため、特にありません。
個人情報保護について
個人情報の保護のため、研究責任者は診療情報から個人を識別できる情報を削除し、無関係の番号を付し、匿名化されているもの(どの提供者の情報であるかが直ちに判別できないよう、加工又は管理されたもの)とします。
また、研究責任者等がこの研究で得られた情報を公表する際は、研究対象者を特定できる情報の保護に十分配慮し、転帰およびデータの信頼性の調査のために、当院において登録データと診療録の対応表を作成します。対応表は当院において外部環境から適切に保護されたPCに保存され、当院においてのみ使用されます。
また、対応表を研究データと別の場所に保管し容易に連結できないようにします。
同意の撤回、問い合せについて
この研究にデータを使用されたくない場合には、下記の問い合せ先までご連絡下さい。取り止めの希望を受けた場合、それ以降に希望された方のデータがこの研究に使用されることはありません。また研究対象者、または代諾者になりえるかをご確認されたい場合、この研究に関して不明な点やご心配等がありましたら、併せて下記の問い合せ先までご連絡下さい。なお、お申し出をいただいた時に、すでに研究結果が論文等で公表されていた場合につきましては、完全に除外することができない場合があります。
問い合せ先
松戸市立総合医療センター 医療技術局臨床工学科
林 佑樹
電話:047-712-2511(代表)
応対可能時間:8時30分から17時(平日)
関連リンク
お問い合わせ
松戸市立総合医療センター
千葉県松戸市千駄堀993番地の1
電話番号:047-712-2511 FAX:047-712-2512
