体外式膜型肺を要する急性呼吸不全患者の胸部CT画像に関する画像データベースの構築
更新日:2023年8月10日
研究について
意義・目的
急性呼吸窮迫症候群 (Acute Respiratory Distress Syndrome; ARDS) は何らかの先行する急性侵襲を伴う患者さんに合併する、単なる心不全や輸液過剰では説明がつかない、画像上両側の浸潤影を伴う急性低酸素性呼吸不全と定義されます。ARDSの重症度は様々ですが、最重症例では通常の人工呼吸管理では血液の酸素化を保てず、体外膜型肺 (veno venous extracorporeal membrane oxygenation; VV-ECMO) による管理を必要とします。現行のガイドラインでは重篤な低酸素血症という症候に対して一様にVV-ECMOによる管理を推奨しており、VV-ECMOに関するこれまでの臨床研究も管理を必要とした患者さんを単一の群として解析したものがほとんどでした。しかしながら、本来VV-ECMOを必要とするARDSの病態は血管透過性の亢進やそれに伴う体内水分量貯留、感染性肺炎の合併など様々な要素が複雑に絡み合って構築されるものであり、傷害された肺の範囲や障害の大きさも一様ではないと考えられます。肺傷害の病理像は胸部CT検査により最もよく類推が可能であり、CT画像を用いて型分類 (phenotyping)を行える可能性があるという考えを基に、この研究課題はVV-ECMOが必要となったARDS患者さんの胸部CT画像のデータを多施設から収集し、それらの胸部CT画像にはどのような特徴があるのかを明らかにすることが目的です。
研究期間
2022年1月から2032年3月まで
対象者
2000年1月から 2031年3月の間に、VV-ECMO管理による治療を受けられ重症呼吸窮迫症候群と診断された患者さん
研究代表者
広島大学大学院 医系科学研究科 救急集中治療医学
助教 錦見 満暁
方法
この研究は、診療録(カルテ)及び撮影された胸部CT画像情報を調査して行います。
カルテから使用する内容は年齢、性別、転帰 (30日及び90日死亡の有無、ICU退院時死亡の有無)、発症からVV-ECMO挿入までの期間、身長、体重、血液ガス検査結果、血液検査結果、VV-ECMO挿入時の人工呼吸器の設定、入院後の治療内容、撮影した胸部CTの読影レポートです。
共同研究機関
東京医科歯科大学 M&Dデータ科学センター生物統計学分野
研究責任者 高橋 邦彦(統計解析担当)
個人情報保護について
調査内容につきましては、プライバシー保護に十分留意して扱います。情報が個人を特定する形で公表されたり、第三者に知られたりするなどのご迷惑をお掛けすることはありませんのでご安心ください。提供されたデータは、今後構築予定のオンラインデータベースに登録されます。データベースには個人が特定できる情報は含まれません。このデータを用いて将来新たな研究が実施・計画される可能性があります。その場合は、改めて倫理審査を受けた上で使用します。
研究にご自身の臨床データを提供したくない場合は研究参加後半年以内までにお申し出ください。お申し出いただいても不利益が生ずることはありません。なお、すでにこの研究の結果が論文などで公表されていた場合には提供していただいた情報や、試料に基づくデータを結果から取り除くことができない場合があります。
問合せ・苦情等の窓口
松戸市立総合医療センター 救命救急センター
副部長 八木雅幸
電話:047-712-2511(代表)
応対可能時間:8時30分から17時(平日)
関連リンク
お問い合わせ
松戸市立総合医療センター
千葉県松戸市千駄堀993番地の1
電話番号:047-712-2511 FAX:047-712-2512
