小児脳神経外科
更新日:2023年4月1日
トピックス
2023年2月
小児脳腫瘍 新患者数が県内で最多でした。「病院の実力2023」掲載より(PDF:378KB)
2023年1月
佐々木みなみ医師が、スタッフに加わりました。
当科で行った研究成果が発表されました。
2022年12月
宮川が分担執筆した本が刊行されました。
「小児内科2022年54巻増刊号 小児疾患診療のための病態生理3 改訂第6版」
2022年7-12月
産業医科大学、浜松医科大学、千葉大学でそれぞれ小児脳神経外科学の講義を行いました。
2022年11月
地域連携医療セミナーで宮川医師が講演を行いました。
Webにて視聴可能です。ぜひご覧ください。
2022年8月
2022年7月
小児脳神経外科について
小児脳神経外科のホームページへようこそ
小児脳神経外科部長 宮川 正
松戸市立総合医療センター 小児脳神経外科のホームページにお越し下さいましてありがとうございます。
私たち小児脳神経外科は、こども達の神経系に発生する外科疾患(手術などの外科的治療が必要となる病気やケガ)を担当しています。
小児脳神経外科では、診療、研究、教育を重視し、最先端かつ最良の医療、そしてこども達や家族から信頼される医療を提供すること、多くの医療者に認めていただける臨床研究を行うこと、更に優れた脳神経外科医、小児脳神経外科医を輩出することを目的として活動しています。
受診案内
受診をご希望のお子さんやそのご家族の方へ
私たち小児脳神経外科では、自ら掲げたミッションとビジョンを達成するため,高度かつ専門的な最新の小児脳神経外科医療を提供しています。その目的達成のため、頭部打撲などの軽症頭部外傷に対する診療は困難となっています。まずは他の医療機関をご利用いただき、専門的な医療が必要と診断された場合、ご紹介頂きますようお願い申し上げます。
お子さんが頭を打ったとき
ちょっと目を放した隙に、こども達は転んだり、落ちたりして頭を打つことがよくあります。そんなときは、病院へ連れて行ったほうが良いのか、そのまま様子をみていて良いのか悩んだ時の参考としてご覧ください。
お子さんが頭を打ったとき(PDF:1,027KB)
受診に関する関連リンク
診療内容・特色
小児脳神経外科のミッション(The Mission in the Department of Pediatric Neurosurgery)
私たちは、以下の2項目を小児脳神経外科のミッションと考え、診察を展開して参ります
- 脳神経外科診療を受けたこども達が、成長し、やがて成人となって社会に船出した時、社会で活躍することを通して、この国の未来に貢献すること
- 脳神経外科疾患を持ったこども達に関係する全てのステークホルダー、(例えば、家族、医療者、学校関係者、地域の人々など)が、こども達を通して自らの存在意義を感じられるような医療を提供する組織になること
小児脳神経外科のビジョン(The Vision in the Department of Pediatric Neurosurgery)
その子らしく、その子のために
一人ひとりのこどもたちがその子らしく生きるために、その子に合った医療を考案し、提供する "その子らしく、その子のために" を、私たち小児脳神経外科のビジョンとしています。
小児脳神経外科とは
胎児を含む18歳以下のこども達に発生する、脳、脊椎・脊髄、末梢神経疾患の診断と外科治療を担当しています。
また、脳神経外科手術を受けたこども達、移行期医療に達した成人のフォローアップも行っています。
こどもは、大人のミニチュアではありません。こども達の脳や脊髄といった神経系は、発育や発達段階によって大きく変化することから、それを診療するためには高度かつ専門的な知識、技術、経験が必要となります。私たちは、小児脳神経外科の専門家として、関連各科との密接な連携のもと、より高度で包括的な医療を提供しています。
小児脳神経外科では、脳脊髄腫瘍、頭蓋縫合早期癒合症や二分脊椎などの奇形疾患、頭部外傷、水頭症などの診療を重点的に行っています。
脳腫瘍では、脳神経外科、小児科、放射線科との協働により集学的治療を施行しています。また、間脳下垂体腫瘍では、神経内分泌障害の周術期管理、長期管理を小児内分泌の先生方と一緒に行っています。さらに脳腫瘍治療では入院期間が長期に及ぶことから、ソーシャルワーカーや院内学級の協力により治療中の学校生活や復学支援にも力を入れ、退院後こども達がスムーズに地域社会に戻っていけるような支援体制を整えています。
頭蓋縫合早期癒合症に対しては、形成外科と協働で積極的に手術を行い、こども達の精神運動発達と整容の2つの面からこの疾患に対してアプローチしています。また、二分脊椎のこども達には、小児脳神経外科、小児外科、リハビリテーション科など複数の科が診療に当たり、ひとりひとりの疾患や重症度に応じたオーダーメードの医療を提供しています。
医療機関の先生方へ
脳腫瘍などの集学的治療が必要な疾患や複数診療科の協力が必要な疾患(例えば二分脊椎、頭蓋縫合早期癒合症、頭部外傷など)については、小児専門医療機関である当センターならではの特色をいかし、積極的に診療を行っています。脳神経外科では、ニューロナビゲーションシステムを導入し、蛍光手術顕微鏡やエコーとリンクさせながら可及的多量の腫瘍摘出を目指しています。また、脳腫瘍、てんかん、脊髄手術などでは、術中電気生理学的モニタリングやマッピングを使用し、後遺障害を回避する工夫を行っています。神経内視鏡を装備し、より侵襲の少ない手術や手術顕微鏡の欠点を補うような工夫をしています。
主な対象疾患
小児脳神経外科疾患=こども達の神経系に発生する外科疾患、を担当しています。
具体的には下記のような疾患です。
分類 | 特徴 | 具体的な疾患など |
---|---|---|
腫瘍性疾患 | 脳や脊髄に発生する悪性腫瘍、良性腫瘍 | 脳腫瘍、脊髄腫瘍、頭蓋骨腫瘍、脊椎腫瘍など |
奇形性疾患 |
骨の先天奇形 | 頭蓋縫合早期癒合症、軟骨無形成症・骨形成不全症、外傷に関連する頭蓋頚椎移行部病変など |
神経系の先天奇形 | 脊髄髄膜瘤、二分脊椎、脊髄脂肪腫、脊髄係留症候群、キアリ奇形、脊髄空洞症など | |
頭部・脊椎脊髄外傷 | 事故、虐待などによる外傷 | 頭部外傷、脊椎・脊髄外傷、その後に続発する外傷関連疾患など |
機能的脳神経外科疾患 | 機能予後を問題とする疾患 | 痙性麻痺、痙縮、難治性てんかんなど |
脳脊髄液関連疾患 | 髄液に関連する疾患 | 水頭症、ダンディーウォーカー症候群、くも膜のう胞など |
脳血管障害 | 脳血管に関連する疾患 | もやもや病、脳動静脈奇形、脳動脈瘤など |
末梢神経障害 | 末梢神経に関する疾患 | 腕神経叢障害、引き抜き損傷、下肢末梢神経障害など |
クリニカルインディケータ
2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | |
---|---|---|---|---|---|
入院患者総数 |
1816 | 1819 | 1632 | 1961 | 1875 |
新入院患者数 |
196 |
176 | 179 | 242 | 214 |
病床稼働率 | 124% | 125% | 112% | 134% | 103% |
定床数(床) | 4 | 4 | 4 | 4 | 5 |
手術数 | 91 | 77 | 72 | 88 | 81 |
手術率 | 46.4% | 43.2% | 39.7% | 35.1% | 37.9% |
外来患者総数 | 1347 | 1403 | 1241 | 1374 | 1171 |
新患総数 | 348 | 348 | 291 | 308 | 291 |
手術実績(2018年から2022年)
臨床、手術実績を提示します。
2018年から2022年に施行した手術内訳は表のようでした。
病名 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | |
---|---|---|---|---|---|---|
水頭症 | hydrocephalus | 32 | 9 | 11 | 2 | 10 |
シャント新設 | 3 | 0 | 1 | 0 | 2 | |
シャント再建 | 6 | 6 | 2 | 0 | 2 | |
神経内視鏡手術 | 2 | 2 | 1 | 0 | 1 | |
その他 | 21 | 1 | 7 | 2 | 5 | |
先天奇形 | congenital anomaly | 32 | 36 | 35 | 40 | 37 |
二分頭蓋 | 1 | 0 | 2 | 2 | 1 | |
脊髄髄膜瘤 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | |
脊髄係留症候群 | 24 | 28 | 24 | 26 | 24 | |
頭蓋縫合早期癒合症 | 2 | 7 | 6 | 8 | 11 | |
嚢胞性病変 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | |
頭蓋頚椎移行部病変 | 5 | 2 | 2 | 4 | 1 | |
腫瘍性病変 | neoplasm | 9 | 8 | 6 | 11 | 6 |
脳腫瘍 テント上 | 5 | 3 | 4 | 4 | 5 | |
脳腫瘍 テント下 | 4 | 4 | 2 | 2 | 1 | |
骨腫瘍 | 0 | 1 | 0 | 5 | 0 | |
外傷 | Trauma | 6 | 5 | 11 | 11 | 4 |
急性硬膜下血腫 | 1 | 4 | 5 | 3 | 3 | |
硬膜下液貯留 | 3 | 1 | 1 | 4 | 1 | |
急性硬膜外血腫 | 1 | 0 | 2 | 1 | 1 | |
脳内血腫 | 1 | 0 | 3 | 3 | 0 | |
皮下血腫 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
ICPモニタリング | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
血管障害 | vascular | 5 | 4 | 3 | 3 | 1 |
EDAS | 4 | 1 | 1 | 2 | 0 | |
AVM摘出 | 1 | 3 | 2 | 1 | 1 | |
感染 | infection | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 |
脳膿瘍 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | |
その他 | others | 6 | 15 | 6 | 21 | 21 |
頭蓋形成術 | 4 | 1 | 0 | 3 | 3 | |
その他 | 2 | 14 | 6 | 18 | 18 | |
計 | 91 | 77 | 72 | 88 | 81 |
Priceless Assets
子ども達から頂いた心温まる宝物です。
年度別業績
スタッフ紹介
常勤医2人
宮川 正(部長 兼地域医療連携局副局長 兼リハビリテーション科部長 兼入退院支援センター長 兼医療福祉相談室長)
専門分野 | 小児脳神経外科学(特に脳・脊髄腫瘍の集学的治療や機能予後を重視した外科治療、頭蓋縫合早期癒合症の外科治療、虐待による頭部外傷の診断・治療) |
---|---|
資格 | ECFMG・アメリカ医師免許 |
その他 | 小児神経外科学会評議員・学術委員 |
佐々木 みなみ(医長)
専門分野 | 小児脳神経外科 脳脊髄腫瘍 神経外傷 |
---|---|
資格 | 脳神経外科専門医 PALS provider ICLS Provider 緩和ケア研修会修了 The Hospital for Sick Children Division of Neurosurgery(トロント小児病院 脳神経外科) クリニカルオブザーバーシップ修了 |
所属学会 | 日本脳神経外科学会 日本脳神経外科コングレス 日本小児神経外科学会 国際小児神経外科学会 こども病院神経外科学会 日本脳卒中学会 日本血管内治療学会 日本神経内視鏡学会 日本頭蓋底外科学会 日本定位・機能神経外科学会 |
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お問い合わせ
松戸市立総合医療センター
千葉県松戸市千駄堀993番地の1
電話番号:047-712-2511 FAX:047-712-2512
