アポイントメントセールスで契約した絵画
更新日:2013年11月25日
相談事例
自宅に同じ女性から何度も電話があり、話すうちに親しみがわき「旅行とかに興味はない?会員になれば安く行けるので、一度会って話がしたいわ」と言われ、会いに行った。
駅で待ち合わせをしたが、連れて行かれたところは絵画のギャラリーで、そこで女性と男性店長から「絵画を購入して会員になれば、旅行や商品が安くなる。今日は特別招待で来てもらったから、半額にするので購入しなければ損。ローンにすれば、月々5,000円ぐらいで済むので、後で絵画の値が上がれば儲かるよ」「女性ともせっかく仲良くなれたのだから」としつこく勧誘され、断っても帰してくれず、気がつくと終電がなくなっていた。帰りたいがため、仕方なく50万円の絵画を購入し、信販契約書にサインをした。その後女性からの電話はなくなり、ローンの支払いが苦しい。
問題点
ここ数年とくに増えている若者をターゲットにした商法です。相談のように、若い異性が電話で「会って話がしたい」など、デートを装う手口もあり、せっかく仲良くなったのに断りづらい、といった気持ちにさせるのです。呼び出されて事務所や喫茶店に出向くと、契約するまで帰らせてくれず、6時間以上の長時間に渡る勧誘被害も多く、電話の段階できっぱりと断ることが大事です。もし断りきれなかった場合でも出向かないように!
解決法
アポイントメントセールスは、契約書面を受け取ってから8日間はクーリングオフ(※1)することができます。クーリングオフの期間を過ぎてしまっても、相談のように断っているのに帰してくれず、帰りたいがため、仕方なく契約した場合など、消費者契約法(※2)により契約を取り消しすることができます。(6ケ月間)
20歳になったとたん、ダイレクトメールや電話の勧誘が増えますが、自己責任を考え、安易に呼び出しには応じないようにすることが重要です。
※1
- クーリングオフとは、訪問販売や電話勧誘販売など特定の取引方法で契約した場合、いったん申込みや契約をした後でも一定の条件を満たせば、消費者が一方的に契約をやめることができる制度。
- クーリングオフにより契約をやめる時には、特別な理由はいりません。何らかの費用を負担する必要もありません。しかし以下の場合、クーリングオフ期間内でもクーリングオフができません。
(1)3,000円未満の商品などを現金で購入した場合
(2)乗用自動車(乗用自動車は特定商品取引法の指定商品ですが、クーリングオフの適用除外品
(3)訪問販売などであっても、開封したり一部使用してしまった消耗品(化粧品、洗剤など)
(4)営業目的の取引
※2
- 2001年4月1日に、消費者被害の事前防止と被害が生じた場合の迅速な救済を目的として制定された消費者契約基本法。
- 消費者と事業者の間で結ばれる全ての契約が対象ですが、仕事やアルバイトなどの労働契約や事業のための契約は対象となりません。