佐渡ケ嶽部屋・琴ノ若関(松戸市出身)が大関に昇進
更新日:2024年2月22日
大関・琴ノ若関(写真提供 日本相撲協会)
千葉県・松戸市出身力士では松登関以来69年ぶりの大関昇進
琴ノ若関は令和6年大相撲初場所で13勝2敗の好成績を残し、千秋楽で横綱・照ノ富士関と優勝決定戦にもつれ込みました。惜しくも初優勝は逃したものの、三役で臨んだ直近3場所の勝ち星の合計が大関昇進の目安とされる「33勝」に届き、大関昇進に向けた臨時理事会の開催が決まりました。
そして1月31日、臨時理事会での審議の結果、満場一致で琴ノ若関の大関昇進が決定。入門から8年余り、26歳2カ月の琴ノ若関は、初土俵から所要49場所での大関昇進となりました。また佐渡ケ嶽部屋からの大関誕生は、平成23年秋場所後の琴奨菊関(現秀ノ山親方)以来13年ぶり7人目の快挙です。
佐渡ケ嶽部屋で行われた大関昇進伝達式
昇進伝達式(写真提供 日本相撲協会)
大関昇進の決定後、使者が力士の元を訪れ、昇進を伝える「昇進伝達式」が行われました。
1月31日10時15分ごろ、佐渡ケ嶽部屋で昇進伝達式に臨んだ琴ノ若関。使者の花籠理事(元関脇・太寿山関)と鳴戸審判委員(元大関・琴欧洲関)が到着し、大関昇進が伝えられると「謹んでお受けいたします。大関の名に恥じぬよう、感謝の気持ちをもって、相撲道に精進してまいります」と、口上を述べました。
会見に臨む琴ノ若関と佐渡ケ嶽親方(写真提供 日本相撲協会)
伝達式後の会見には大勢の報道陣が集まり、お祝いムードで華やいだ雰囲気の中進められました。口上について聞かれると「緊張しました。口上は数えきれないくらい練習しました。難しく考えないで、自分の思っていることを素直に伝えようと思いました」と明かした琴ノ若関。小さい頃から先代に言われていた“感謝の気持ち”を口上に盛り込み、「たくさんの方々に支えられてきたので、そういう思いも込めたくて“感謝の気持ち”を入れました」と話しました。
入門後8年余りで大関にまで駆け上った琴ノ若関は、「この8年は色々な経験をさせていただきました。新型コロナウイルスでお客さんがいなかったり、自分のケガもあったりと中身が濃い8年間だった」とこれまでの道のりを振り返ります。「できる限りのことをしっかりやってもっと強くなりたい。上がって終わりじゃなく、今まで通り上を目指して稽古に励み、(横綱になった)その景色を師匠と見られるよう精進したい」と、佐渡ケ嶽親方と共に祖父と同じ相撲の最高位を目指す固い決意を表しました。
新大関・琴ノ若関と鳴戸親方(写真提供 日本相撲協会)
大関昇進を伝えた使者の1人である鳴戸親方は、琴ノ若関にとって同じ部屋出身の偉大な兄弟子。伝達式の後に2人は固い握手を交わし、鳴戸親方が琴ノ若関に声をかけて激励しました。
祖父のしこ名「琴櫻」を襲名する意向も
大関昇進と同じく注目を集めたのは、しこ名の襲名。会見で出たこの質問に、琴ノ若関は春場所に「大関・琴ノ若」で臨み、夏場所から元横綱で祖父のしこ名「琴櫻」を襲名して土俵に上がる意向を明かしました。「この名前(琴ノ若)を大関に上げたかった。ひと場所でもこの名前で(大関として)土俵に上がりたい思いがあった。そこから琴櫻の名前を継がせていただこうと思います」と、父で師匠の佐渡ケ嶽親方から継いだしこ名を大関に上げて恩返しがしたいと話しました。
佐渡ケ嶽部屋の稽古場にある琴ノ若関の木札が大関の地位に付け替えられていたことで、「(しこ名をまだ変えない)ネタばれじゃないかなと思った」と新大関が報道陣を沸かす場面もありました。
また伝達式は元横綱・琴櫻関の写真が見守る中で執り行われ、会場の佐渡ケ嶽部屋では琴櫻関のしこ名にもある「桜」が飾られていました。おかみさんがまとう着物や帯にも桜の刺繍が華やかにあしらわれており、元横綱・琴櫻関への思いが随所に見られました。
父であり師匠でもある佐渡ケ嶽親方が語った思い
佐渡ケ嶽親方(写真提供 日本相撲協会)
佐渡ケ嶽親方は、13勝を収めた琴ノ若関の初場所の活躍を「13勝はびっくりした。(大関)霧島に勝ったその日の夜も稽古場で稽古をしていました。本人は落ち着いていて冷静だった。先代が乗り移ったかのようでした」と振り返ります。
「(しこ名について話し合ったときに)琴ノ若の名で恩返ししたいという気持ちが強いと分かった。私が関脇で引退したので、そのしこ名を大関まで上げてくれて感謝したい」と話し、大関昇進を「こんな日が来るとは、師匠としても、父親としても、本当に嬉しい。最高に嬉しい。先代や応援していただいている皆さんに感謝しています」と目を細めていました。
琴ノ若関のこれからについて、「もっともっと強い琴ノ若になってほしい。(初優勝の)楽しみは次に取っておきます。大関は通過点。あとは先代に並ぶだけ」と話しました。
琴ノ若関
佐渡ケ嶽部屋の前で騎馬に乗る新大関・琴ノ若関(写真提供 日本相撲協会)
松戸市出身(松飛台小学校、埼玉栄中学・高校卒業)
母方の祖父が元横綱・琴櫻関(先代の佐渡ケ嶽親方)、父が元関脇・琴ノ若関で現在の師匠佐渡ケ嶽親方という3代続けて幕内力士の相撲一家で生まれ育ちました。
2歳ごろからまわしを締めて土俵に立ち、力士に憧れて幼稚園に行くときも雪駄を履いていたそうです。毎朝のように先代親方の祖父の隣で稽古を見学し、相撲少年として松戸市で幼少期を過ごしました。
松飛台小学校卒業後は相撲部の強豪埼玉栄中学・高校へ進学し、卒業後に佐渡ケ嶽部屋に入門しました。
佐渡ケ嶽部屋
佐渡ケ嶽部屋の皆さん(写真提供 日本相撲協会)
佐渡ケ嶽部屋は平成6年に墨田区から松戸市串崎南町に移転。数々の幕内力士を輩出する名門です。
これからもみんなで佐渡ケ嶽部屋を応援しよう!
力士紹介や後援会・ファンクラブの入会など、詳細は佐渡ケ嶽部屋ホームページを見てね!
関連リンク
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