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松戸市教育委員会
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「人と人のつながりを求めて『教育はみんなで』」その2

更新日:2022年2月8日

-コロナ禍と情報化-松戸市教育長 伊藤純一


タブレットを活用した授業の様子

 暦は落ち着いた秋を迎えているはずですが、新型コロナウィルス感染症対策が続く日々に季節への感覚は容易には戻りません。そのような中、やっとのことで緊急事態宣言を抜け出すことが出来たのは市民の皆様のがんばりの結果だと思います。本当にお疲れ様でした。

 収束にはまだ長い道のりかもしれませんが、これまでの努力を無駄にしないためにも慎重な生活を心がけるようにしたいと思います。

 この1年8ヶ月、休校措置等のコロナ禍の影響は、悔し涙を流したほどのとてつもなく大きなものです。友人達と共に学ぶ学校教育の本質について、改めて深く考えさせられると同時に、子ども達が失ったものを挽回するには長い時間がかかると覚悟しました。

 この間、新型コロナウィルスに関しての様々な情報に私たちは右往左往しました。情報化社会の名の通り、新型コロナウィルスに限らず、実に多くの情報が身の回りに存在します。デジタルの情報を扱う機器は、懐かしいフロッピーからCDやDVDを経てUSBやHDと変化し、扱う情報量の単位はMB(メガバイト)からGB(ギガ)、TB(テラ)等から今はZB(ゼタバイト)ととんでもない大きさになっています。

 その情報量は、この10年で約60倍に増大しているということです。例えて言えば、毎朝読む新聞のページ数が60倍になっていると言うことです。世界で一日に約三千億通のメールが送られ、フェイスブックには約5億の近況報告が発信されているそうです。でも私たち一人が確認できるものは一日当たり百程度でしょうか。他の膨大な数の情報は知らないうちに消え去ってしまいます。

 その情報化社会の持つ課題の一つは、その中にいわゆるフェイクがたくさん含まれているということです。新型コロナウィルス感染症に関する情報についてもそうです。そうなると、私たちは情報をすぐに信じるのではなく、まずは疑ってみるという日本人には苦手な思考を身につける必要があります。さらに、ネット探索で初めの2、3項目だけを参考にするのではなく、併せて他のメディア、書籍や資料等から多くの情報を集める能力も身につけなければなりません。そして、その中から正確性や必要性を判断し、確かな情報を選ぶ能力と選んだ後で取る行動を的確に判断する能力が求められます。ですから、家庭で、社会で、そして学校で、それらの情報リテラシーの向上に努力しなければなりません。

 学校ではご存知の通り、いわゆるGIGAスクール構想がスタートしています。

 子どもたちには、将来さらに進展するであろうICT化社会の中で生きる力を育てなければなりません。松戸市では現在、一人一台のタブレットの多様な活用方法に各学校で挑戦を続けている段階です。折角の「文房具」ですから、学力の向上、学校生活の利活用、あるいは緊急時の活用など研究を深めていかなければならないと考えています。

 

 メディアでは、あたかもICT化によって学力は向上するような発信が相次いでいますが、今のところ、根拠は見当たりません。松戸市教育委員会としては、少なくとも対人、対面の授業の代わりになるものではなく、ICT化の過信は禁物と捉えています。

その他の情報等で言われているようなタブレット等のICT機器の使用による子どもたちへのメリット、デメリットについては、調査、分析をして、学校教育に活かしたいと考えています。その一つとして、東北大学脳科学センターと連係して、まずは現状の調査に着手したところです。ICT化の急激な変化には、活用を進めながら、検証も行うようなスピード感を持って対応しています。

 ICT化を含む現代の文化の方向性と内容について、私は大きな危機感を持っています。最も大きな危惧は文化の進み方がヒトという生き物にとって最も大切な「人と人のつながり」に危機を生み出していることです。子どもたちにそのことを伝え、それらの課題に向き合う力を育むことは私たち大人の責務です。

 松戸市教育委員会では、以前から、幼児教育では家庭教育学級を中心として脳科学の視点からの発信を、学校教育では市独自の教科として進めている言語活用科のことばの教育を、教育活動全体で情報リテラシー等の取り組みを進めています。

 平成生まれの子どもたちは、生まれた頃から私などよりはるかに多くの情報に囲まれて過ごしています。その情報をどのようにコントロールしていくか、ということがこの社会の大きな課題となっています。松戸市教育委員会としても重要な課題として捉えていますが、抱える課題の困難さはますます増しています。今後も皆さんと「教育はみんなで」の通りに力を合わせて解決に向かいたいと思います。

よろしくお願いします。


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