「2つ、お願いします のつづき」
更新日:2021年4月6日
松戸市教育長 伊藤純一
シルバーウィークから二週間が過ぎようとしています。新型コロナウィルスの感染状況を考察しますと、今後を占う重要な時期とも言えます。なんとか良い方向に向かってくれることを願うばかりです。
5月の緊急事態宣言の際に市民の皆様、児童生徒の保護者の皆様に「2つ、お願いします」をこのホームページ上で述べさせていただきました。あれから、5ヶ月が過ぎようとしていますが、改めて2つのお願いのつづきを掲載させていただきます。
1つ目は、「人と人がつながる社会を!」ということです。
現在、私のところに届いている学校に関する「新型コロナウイルス感染症」の情報は.441件になります。松戸市の公立学校は児童生徒及び周辺に感染者や濃厚接触者が確認された場合に感染予防措置をとっています。その都度に検査が行われるわけですが、幸い、小中学校では児童生徒間の感染は無く現在に至っています。
その一件一件について、保護者の皆様あるいは保健所からの指示等により、公表の内容は異なっています。その指示は周囲との人間関係などへの危惧が原因となっていると思われます。本来、被害者である方々にさらに心理的な苦痛を与えている状況が現在の日本では、残念ながらある、ということです。
先月、本郷谷市長から人権尊重緊急宣言が発出されました。
感染したからと言って、つながりを絶つような言動は温かい社会を作りません。子どもたちをみんなで育てる文化にはなりません。ヒトは一人では育ちませんし、家族だけでも育ちません。地域のたくさんの人のつながりの中で育ちます。他人への思いやりや異なる価値観の理解などがあって、人は人とつながり、温かい社会になります。
このような時こそ、社会の在り方そのものが問われます。非常事態だからこそ、強い社会が求められます。強いつながりが求められます。私たちの営んでいる社会は一人一人が力を合わせて構築されているものです。年度初めに、HPのこの欄で皆様にお伝えした「みんながつながるまちに」を目指したいと強く願っています。
次に学習についてのお願いです。
例を挙げると、皮肉にも現在のコロナ対策のように、なかなか正解が見えてこない課題が増えてきています。今までは正解を導く復習中心の学習で学力を身につければ、社会の中でとりあえずなんとかなるという面が強くありました。しかし、AIの進展などによる社会の変化を考えると今後の課題さえ見えにくい状況があります。これからは情報を的確に収集・整理したり、批判的に思考したり、課題は何かを考えたりなどの「多様な学び」に挑戦していくことが必要になります。以前お願いした予習を中心とした学習もその一つです。
本年度、小学校からスタートしている新学習指導要領は、そのような背景を基に作成されています。これからの子どもたちは、私たち大人が経験していないような学びの時代に入っていかなければならないと言うことです。
その中の一つとして、特に「予習型学習」を進めていますが、従来の学習のイメージとの違いに戸惑われたようでした。
これまでの復習型の宿題では、その日に理解したことの再確認の学習が中心ですから、家庭学習はわかることの反復などが中心でした。しかし、予習となりますと「わからない」ことが不思議ではなくなります。予習では、わかるところとわからないところを明確にして、「わからないこと」をしっかり言えるように取り組むことが大切です。
市教育委員会としては、GIGAスクール構想を4年間前倒しして、1人1台のタブレット配布に大至急の作業を進めています。クラウド環境は既に整備されました。小学校は教科書も新しくなり、学習の転換を始める年度になっています。休校で心配された授業時数もなんとか平常時に追いつけそうです。
人はそれぞれに長所短所があります。運動が得意な人、音楽が得意な人、様々です。学習についても復習型が得意な人、予習型が得意な人がいます。自分の「学習の型」をこれからの「多様な学習」の試行錯誤の中で見いだし、児童生徒一人一人が自分の生きる力を身につけていただければ、と願うところです。
キンモクセイの香りが季節の移り変わりを知らせてくれていますが、コロナ禍への対策につきましては、皆様方のご協力がまだまだ必要な状況です。今後とも宜しくお願いします。
教員向けに出したメッセージを参考に添付いたします。よろしければご覧ください
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