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歴史がテーマのコンテスト「博物館アワード」

更新日:2022年12月1日

 市立博物館では、小・中学生による歴史をテーマとした自由研究やイラストなどを表彰する「博物館アワード」を開催しています。7回目の開催となる今年は、市内外の小・中学校31校から応募がありました。
 社会科や美術を専門とする市内小・中学校の校長先生、市学芸員からなる審査員を唸らせるレベルの高い作品ばかりが揃い、自由研究部門192点、イラスト部門262点の中から選ばれた各部門の特別賞・優秀賞を11月27日(日曜)に表彰しました。

祝っているまつまつ

特別賞を受賞した皆さんと作品を紹介するよ!

自由研究部門

市長賞 「江戸の河川水運~松戸の鮮魚(なま)街道と河岸(かし)~」

小金南中学校1年・伊東(いとう) (はゆる)さん

審査員講評

銚子で採れた魚を江戸に運ぶために、どうして鮮魚街道を作って運んだのか、どうやって川をさかのぼって運んだのか、河川水運について歴史的背景を考察しており、すぐれた自由研究となっている。

研究紹介

鮮魚街道や河岸の役割、通船堀の仕組みなどの技術を資料や写真を使ってまとめました。
地図や実際に現地で見た風景・測定した記録などを照らし合わせながら、当時の状況を考察しました。

研究テーマを選んだ理由

昨年度の自由研究では、幕末の松戸を中心に新撰組や徳川家、勤労の志士について調べました。その研究の過程で、松戸に鮮魚街道があることや、川は移動の他に、荷物の運搬や情報伝達に使用されていたことを知りました。今とは違う使われ方で大活躍していた川や、魚を運ぶために整備された道に興味が湧き、もっと調べてみたいと思って今回の研究テーマである「鮮魚街道と河岸」に決めました。

どこまでも想像が広がるフィールドワーク

松戸の平潟河岸から鮮魚街道を実際に歩いて調査しました。道幅や所要時間を測ったり、周囲をよく観察したりする中で、「ここで昔は人や馬がたくさん行き交っていたのかな」「真夏なのに風が通って涼しい道だな!」「この道がこんなに広いのは松戸宿の本陣前だからかな」といった発見や気づきが多くありました。当時の生活を想像しながら鮮魚街道や河岸の発展を考察し、「もし将来石油燃料が枯渇したら、河川水運が復活して未来の松戸はまたターミナルタウンとして栄えるかもしれない。そうしたらお米に転生して、川舟で運ばれて旅をしたいな!」と想像が広がりました。

次々と湧く興味と探求心

研究に取り組む中で、次々と新しい疑問が溢れてきました。掘り下げて調べたときの発見の多さや、歴史の点と点が繋がって世界が拓ける経験は、学ぶことの楽しさを教えてくれました。これからも湧き上がる疑問を大切にして学ぶことを楽しみたいと思います。

教育長賞 「松戸の標識柱・説明板もう少しでコンプリート集」

河原塚小学校6年・矢内(やない) 橙悟(とうご)さん

審査員講評

松戸の標識柱や説明板をテーマにその歴史的背景を写真とともに取材し、時代別にていねいに整理されています。2年間かけてコンプリートし、4冊にまとめられ、すぐれた自由研究の集大成となっています。

研究紹介

市内にある文化財や遺跡などの標識柱や説明板148カ所を2年以上かけて巡り、それぞれの歴史と感想を4冊にまとめました。冊子は標識柱の年代ごとに色分けしたインデックスをつけて見やすくしました。
一緒に作成した3択クイズは、標識柱などの写真の裏に、そこに関連するクイズと冊子の番号が書いてあり、答えを確認しながら説明も読むことができます。冊子とクイズをリンクさせ、楽しみながら読めるように工夫しました。

研究は3兄弟共通の趣味

兄が博物館アワードに向けて楽しそうに自由研究をしていて、その結果令和2年度に市長賞、令和3年度に教育長賞を受賞していたのを見て、自分もやってみたくなり始めました。研究の意見交換など、兄弟で話題が尽きません。兄からはアドバイスや刺激を受け、弟からも意見をもらいながら読みにくい漢字にふりがなを振っています。どんな人が読んでも分かるような文章にしています。

ありそうでなかなか見つからない

常盤平の子和清水近くにある「鮮魚街道」の標識柱を見つけて、初めて「標識柱」というものがあると知りました。市内には他にどんなものがあるのだろうと興味が沸いたのがきっかけで調べました。
私有地にある標識柱を見るために許可を取ったり、標識柱の住所で調べてもなかなか見つからなかったり、夏は特に暑い中でたくさん歩き回ったので大変でした。今回「もう少しでコンプリート」という題名にしたように、まだコンプリートができていないので、完全コンプリートを目指して引き続き調査していきたいです。

博物館長賞「江戸・明治の大工事!利根川東遷(とうせん)と利根運河」

流山市立鰭ヶ崎(ひれがさき)小学校4年・尾上(おのうえ) 凜太郎(りんたろう)さん

審査員講評

利根川の「東遷」という言葉について、とてもていねいにわかりやすく説明をしています。同時に写真や地図などから、利根川の水運について具体的に紹介しています。

研究紹介

東京湾に向かって流れていた利根川の流れを、太平洋へ流れるように東側に遷した「東遷」や利根運河の概要、その大工事が行われた背景や日本にもたらした影響、立役者、工事の方法などを詳しくまとめました。実際に関宿城博物館に行って調べたことや、写真・地図・イラストを使いながら自分の言葉で説明し、立役者のシルエットクイズを織り交ぜて、楽しく読んでもらえるようにしました。

研究テーマを選んだ理由

夏休みの初めに「家康、江戸を建てる」というテレビ番組を見ていたとき、徳川家康が江戸に水害をもたらす利根川の流れを変えるように指示する場面があり、興味を持ちました。その後、現代と江戸時代では利根川の流れが大きく違うことにとても驚いて更に興味を持ち、もっと知りたいと思って調べました。利根運河は家からも近いので、実際に見て調べたいと思ったのも理由の1つです。

研究の副産物

今まで字を書くことがあまり得意ではなかったのですが、今回の研究をまとめるためにたくさん字を書いたので、字が上手になって書くことに抵抗がなくなりました。夏休み前と比べて、ノートの取り方がきれいになったと言ってもらったのも嬉しかったです。

昔の人たちの偉業によりもたらされた今の暮らし

東遷が無かったら、流山市・松戸市や東京都の東側で洪水が頻発していたはずで、もしそうだったら今のような街の発展や暮らしはなかったと思います。昔の人たちのさまざまな思いで行われた利根川東遷という大土木工事の影響は、自分が生きている現代にも及んでいると知って、本当にすごいと思いました。

イラスト部門

市長賞「祈り」


「祈り」

流山市立西初石中学校3年・埴原(はいばら) 一真(かずま)さん

審査員講評

土偶と手をモチーフに「祈り」というテーマを表現するという発想に、豊かな個性を感じました。黒色の背景や黒いペンによる線描、淡彩による着彩により、神秘的な雰囲気が表現されています。技能の高さを感じさせる作品です。

作品紹介

土偶は呪いや呪術などのネガティブな祈りを表し、背景の漆黒はさまざまの人の思い、千手観音の手は崇拝など良い意味の祈りを表しています。正反対の「祈り」を淡い色と黒の対比で自分なりに表現しました。画材は水性ペン・ポスターカラー・水彩絵の具を使用しました。

独学で磨いた技術

元々絵を描くことが好きで、中学は美術部に入りたいと思っていましたが、総合文化部しかなかったので、他に興味のあったテニス部に入部しました。SNSなどでたくさんの作品や写真を見て、自分なりに勉強し続けてきた中で、中学生最後の記念として自分の絵を何かに応募したいと思い、博物館アワードに出品しました。普段は生き物を描くことが多いので、今まで描いてこなかった題材にも挑戦してみたいと思いました。

未来に関わる大きなきっかけに

自分が今まで描いたことのないテーマ・形に挑戦し、ほとんどコンクールなどの応募経験がない中で賞をもらうことができ、今回の受賞が将来の進む道を決める覚悟や夢につながる自信になりました。
コロナで行事や大会が中止になることが多い中学校生活でしたが、学校生活の中で大事なものがつぶれたりしても、自分で行動を起こして挑戦すれば、賞がもらえたり自分の決断に大きく関わるものを手にできると知ることができました。受賞は自分の中でとても大きいものとなり、挑戦してよかったと思っています。

教育長賞「萬満寺の本殿」


「萬満寺の本殿」

馬橋北小学校6年・中村(なかむら) 瑠人(りゅうと) さん

審査員講評

自分の目で見た萬満寺をモチーフに、ていねいに描いた作品です。景色全体を描くのではなく、自分の興味関心を大切にしながら、上手に切り取っています。アクリル絵の具による単純化した着彩も独特の雰囲気を作り出しています。

作品紹介

左右対称の構図を意識して、形を捉えながら鉛筆で下描きをしています。兄のアクリル絵の具を借りて色を塗りました。

思い入れのある萬満寺を形に

4年生のときに自由研究部門で佳作をとったので、今度はイラスト部門に挑戦したいと思っていて、萬満寺は小さい頃から初詣などでよく行っていたので、描いてみようと題材に決めました。
絵を描く前、実際に現地へ行って写真を撮り、それを見ながら描き上げました。正面から左右対称になるようデッサンをして、写真の色に近づけるために絵の具を何度も混ぜながら色を作って描きました。細かいところや、左右対称に絵を描くところが大変でした。
受賞を聞いたとき最初は信じられなかったけれど、今まで受賞したことが無かったので嬉しかったです。萬満寺を知らない人にも、絵を見てもらって知ってほしいです。

博物館長賞「ねがいよとどけ、灯ろう流し」


「ねがいよとどけ、灯ろう流し」

中部小学校3年・家高(いえたか) 将大(まさひろ)さん

※家高将大さんの「高」は「はしごだか」が正式表記です。

審査員講評

身近な祭りである「灯ろう流し」に興味を持ち、受けた印象を素直に表現した作品です。灯ろうのぼんやりと灯った感じ、画面全体の夜の雰囲気などがとても上手に表現できています。サインペンで線描し、色鉛筆で着彩という表現技法も効果的です。

作品紹介

サインペンで輪郭を描き、色鉛筆で色を塗りました。灯ろうや夜空のぼんやりとした部分は、色鉛筆の芯を定規で削って、ティッシュでぼかして表現しました。川は流れている動きを表現するために線を残しながら描きました。

夏休みの思い出の1コマを

今年の夏、松戸宿坂川献灯まつりに初めて行き、家族みんなの健康とコロナの終息を願って灯ろうを流しました。その日に見た、思いをのせて川に浮かんだたくさんの灯ろうと、夜空にたたずむ松戸神社の光景を思い出しながら描きました。
コロナでなかなか遊びに行けなくて、夏休みの朝や夕方にお母さんと松戸神社へ散歩に行ってお参りするのが日課になっていました。松戸神社には献灯まつりだけじゃなく毎日の散歩などの色んな思い出もあって、前から描いてみたいと思っていたので、頑張ってチャレンジして良かったです。

渡辺尚志館長の全体講評

今年4月に就任したので今回が初めてのアワード審査でしたが、応募作品を一見して、そのレベルの高さに驚きました。イラスト部門・自由研究部門とも、史跡などの現地をしっかり見て作った作品が多かったことも素晴らしいと思います。

みんなの力作が勢ぞろいしているよ!ぜひ見に来てね!

作品展

自由研究部門の特別賞・優秀賞・佳作の作品と、イラスト部門の全応募作品を展示しました。
※作品展の展示は終了しました。
期間 12月11日(日曜)まで ※月曜休館。
時間 9時30分から17時(入館は16時30分まで)
会場 博物館企画展示室
費用 無料

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生涯学習部 文化財保存活用課 博物館

千葉県松戸市千駄堀671番地
電話番号:047-384-8181 FAX:047-384-8194

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