みんなで体験・できる楽しさ!広がる未来!生涯×パラスポーツ体験会を開催しました
更新日:2025年3月18日
ボッチャの体験
令和7年2月9日(日曜)に柿ノ木台公園体育館で「生涯×パラスポーツ体験会」を開催しました。参加者は競技用車いすに乗って車いすラグビーや車いすバスケットボールを体験したり、生涯スポーツとしても楽しめるボッチャ、室内モルック、ゴールボールを体験しました。
ゲストには、パリ2024パラリンピック車いすラグビー金メダリストの羽賀理之選手と、車いすバスケットボール元日本代表の湯浅剛選手をお迎えし、それぞれの競技のデモンストレーションを披露したほか、体験ブースで来場者とともにパラスポーツを楽しみました。
会場の柿ノ木台公園体育館にはおよそ100人が来場して、5つの体験ブースごとにパラスポーツを楽しむ人で盛り上がったよ。
ゲスト参加選手
パリ2024パラリンピック車いすラグビー金メダリスト・羽賀理之選手
プロフィール
羽賀理之選手
- ペプチドリーム株式会社 所属
- 市立第三中学校卒
- 専修大学松戸高等学校卒
- リオ2016パラリンピック 銅メダル
- 東京2020パラリンピック 銅メダル
- 2023ワールド車いすラグビー アジア・アセアニア チャンピオンシップ 優勝
- パリ2024パラリンピック 金メダル
デモンストレーション
羽賀選手(左)の力強いタックル
羽賀選手はデモンストレーションとして、車いすラグビーのタックルを披露してくれました。
羽賀選手の車いすが勢いよく動き出すと、あっという間に相手の車いすと激突。「ガッシャーン」と車いす同士がぶつかると、とても大きい音が体育館中に鳴り響き、タックルを受けた相手の車体が一瞬宙に浮くほどの衝撃でした。
来場した親子からは、「金メダリストのタックルを間近に見て感動した」、「テレビで観戦するよりも実際見たほうが迫力がすごかった」との声が上がり、その圧倒的な迫力にとても驚いていました。
羽賀選手のコメント
車いすラグビーは、両手両足の麻痺など比較的重い障害がある人が対象です。僕自身も指を「グー・チョキ・パー」にすることが難しいです。
競技には、普段使用する車いすではなく、専用の競技車両「ラグ車」を使います。他のパラスポーツとは違って、車いすラグビーはルールで車いす同士のぶつかり合いが認められているため、競技車両は装甲車のように重たく補強されています。オフェンス用とディフェンス用で車いすの作りが違うことも特徴のひとつです。ディフェンス用の車いすは、足元に角のような形のバーがついていて、身を守る形状になっています。乗ってみると、安心した作りであることがわかるので、ぜひ体験してみてください。
オフェンス用のラグ車
ディフェンス用のラグ車
パリ2024パラリンピックで獲得した金メダル
車いすバスケットボール元日本代表・湯浅剛選手
プロフィール
- 車いすバスケットボールチーム「NO EXCUSE」所属
- 市立東部小学校卒
- 市立第五中学校卒
- 車いすバスケットボール元日本代表
- 車いすボディビル 第1回日本社会人車いすOPEN大会 男子ボディビル 優勝
- IFBB Men’s World cup Wheelchair bodybuilding 優勝
デモンストレーション
湯浅選手のスピード感あふれるドリブル
湯浅選手はデモンストレーションとして、車いすバスケットボールのドリブルとシュートを披露してくれました。
目で追うことが難しいほどのスピードで車いすを走らせながらドリブルする湯浅選手。カラーコーンの間をすり抜け素早く回転したり、コートを駆け回ったりと、車いすで軽快な動きを見せてくれました。
また、湯浅選手は、車いすバスケットボールだけでなく、車いすボディビルの選手でもあることが会場で紹介されました。令和6年に開催された「第1回日本社会人車いすOPEN大会男子ボディビル」で初代王者に輝き、日本代表として出場した同年の「IFBB Men's World Cup Wheelchair Bodybuilding」で見事世界チャンピオンになりました。
ボディビルのトレーニングで鍛え上げた筋肉を使ったシュートはとても力強く、参加者からは「シュートする姿がかっこよかった」、「車いすであのスピードを出すには相当な力が必要だと思うので、腕の筋肉を見てみたい」など、驚きの声が上がっていました。
湯浅選手のコメント
「ハ」の字が特徴の競技用車両
車いすバスケットボールの競技用車両は、日常で使う車いすとは違って、タイヤが片仮名の「ハ」の字になっていて旋回しやすいことが特徴です。足元にはバンパーという鉄の棒があって、接触したときに体より先にぶつかるので、足を守ってくれます。シートベルトもあって、体が外に飛び出ないような作りになっています。競技用車両に乗ると、ぶつかったり、スピードが出ても安全に守られていることがわかります。ぜひ競技用車両に乗って車いすバスケットボールを体験してみてください。
各ブースの様子
車いすラグビー
羽賀選手がラグ車の乗り方をレクチャー
羽賀選手のタックルの衝撃に驚きと笑みがこぼれます
車いすバスケットボール
湯浅選手が車いすの乗り方をレクチャー
低い位置からでもナイスシュート
ボッチャ
ボッチャは「ジャックボール」と呼ばれる白いボールに向かって、赤・青それぞれ6球ずつのボールを投げたり、転がしたり、他のボールに当てたりして、いかに自分のボールをジャックボールに近づけるかを競うスポーツです。
シンプルなルールでありながら、相手が先に投げたボールに当ててはじくことで、自分のボールを有利な位置に置くこともでき、投げ方や戦略など、選手のテクニックが光るところが面白さのひとつです。
また、ボッチャはパラリンピックの正式種目であり、障害によりボールを投げることが難しい場合でも、「ランプ(勾配具)」を使い、自分の意思をランプオペレーターに伝えてプレーすることができます。
初めての人にはスポーツ推進委員がルールを説明
相手のボールをはじきとばそう
室内モルック
モルック(木製の棒)を投げて、倒れたスキットル(木製のピン)の内容に応じて得点を加算し、先に50点ちょうどになったほうが勝ちというスポーツです。スキットルには、数字が書かれていて、モルックを投げて倒れた本数が得点となりますが、1本だけ倒れた場合は、倒れたスキットルに書かれた数字が得点となります。倒れたスキットルはその場に立て直してから投球を再開するため、戦略だけでなく、運も勝敗を左右します。「モルックを投げる」ことさえできれば、子どもから高齢者、障害のある人も一緒に楽しむことができることから、生涯スポーツとしても注目されています。
誰でも楽しめるからこそ、初心者同士でも試合が盛り上がります
狙うは得点の高いスキットル
ゴールボール
目隠しをして、鈴が入ったボールを転がし合い、ゴールに向かって得点を競い合うスポーツです。攻撃側は、ボールを転がすように投げて、相手ゴールを狙います。守備側は、ボールの音や相手の足音を聞き分け、全身を使ってゴールを守ります。静寂の中、選手は視覚以外の感覚を最大限に研ぎ澄まし、激しい攻防を繰り広げます。
全身を使ってボールを止める練習
目隠しをしいても鈴の音を頼りにボールをキャッチ
参加者の声
車いすラグビーと車いすバスケットボールを体験した40代男性
車いすラグビーでは羽賀選手のタックルを体験しました。車いす同士がぶつかる音はとても大きくて驚きましたが、羽賀選手の説明どおり、車いすの設計が安全であることが分かりました。
車いすバスケットボールは、これまでやっていたバスケットボールと違ってドリブルが難しかったり、タイヤとコーンの間の距離がつかみにくかったりして、車いすを動かすのが難しいと感じましたが、その難しさが楽しくて、また挑戦してみたいと思いました。
ボッチャを体験した小学5年生の女の子とそのお母さん
ボッチャのボールが見た目よりも重くて、ほかのボールに当たるように投げるのが難しかったけど、当たった時はとてもうれしかった。またやってみたい。
室内モルックを体験した50代男性
初めてモルックを体験しました。スキットルに当たっても、点数がそれぞれ違うので、運もあってそれが面白かったです。
ゴールボールを体験した小学2年生
鈴の音だけでボールがくるのを考えて動くのが見えなくても楽しかった。ゴールをとめられてうれしかった。
イベントの協力者にインタビュー
このイベントは、順天堂大学スポーツ健康科学部の尾高邦夫准教授とゼミの生徒、松戸市スポーツ推進委員のみなさんと一緒に運営しました。
順天堂大学スポーツ健康科学部・尾高邦夫准教授
大学では特別支援学級の先生の養成課程やパラスポーツの研究をしています。普段から「スポーツっていろんな人ができるということを知ってほしい」と思っています。難しく思えても、実はちょっとした工夫で誰でもスポーツはできます。今日体験できるスポーツでいえば、ゴールボールは、「聞こえないという条件を合わせて楽しむ」スポーツです。ルールの工夫や競技者の工夫で、誰でも一緒に楽しむことができます。今日のイベントのように、来てくれた人にも、そのエッセンスを感じてもらい、楽しかったと思ってもらうことが、「スポーツって誰でもできるんだ」と知ってもらう第1歩です。今日はたくさんの人が楽しんでくれてよかったです。
松戸市スポーツ推進委員連絡協議会・加藤和孝会長
昨年より多くの参加者が来てくれていて、特に親子で参加してくれた人が多くてうれしいです。みなさん、スポーツに興味をもってきてくれた人が多いので、これを機会に、地域で実施しているスポーツ教室にも足を運んでほしいです。
だれでも同じように楽しめるスポーツ。大人も子どももみんなが一緒になって楽しめていたよ。
スポーツ推進委員が実施するスポーツ教室でもパラスポーツが楽しめるんだ。
教室の日程は広報まつどの各1日号に掲載しているよ。ぜひ参加してみてね!
関連リンク
悲願のパラリンピック金メダル!車いすラグビー・羽賀理之選手が松戸市役所を訪問

