乳腺外科
更新日:2024年6月3日
乳腺外科について
乳腺外科部長 竹内 男
当科では、消化器疾患、乳腺疾患、その他一般外科疾患の患者さんを対象に7名の常勤医師と3名の非常勤医師に2名前後の初期臨床研修医が加わって診療しております。
胃がん、大腸がん、食道がん、肝臓がん、膵臓がん、胆道がん、乳がんなどの悪性疾患に対する治療を主軸に、胆石、ヘルニア、虫垂炎、肛門疾患などの良性疾患に対しても幅広く診療し、年間に約600件の手術を行っています。腹腔鏡を用いた手術を積極的に行うよう心がけており、高評価を得ております。
日本内視鏡外科学会における審査で認定された技術認定取得者が手術に携わり、腹腔鏡下の鼡径ヘルニアの手術では術後2日で、胆石の手術では術後3日から4日で退院することが可能です。胃がんや大腸がんなどの悪性疾患に対する腹腔鏡下手術では術後7日から10日で退院することが可能です。食道裂孔ヘルニアや食道アカラシアなどの食道良性疾患に対しても積極的に腹腔鏡手術を行っております。腹部緊急疾患として急性虫垂炎、腸閉塞、胆石胆のう炎、腹膜炎についても迅速に対応しております。
肝胆膵外科領域に於いては、2020年に当院は日本肝胆膵外科学会が定める高度技能専門医修練施設(B)に認定され、これまで以上に高難度肝胆膵悪性腫瘍手術に取り組んでおります。高度技能指導医、高度技能専門医が在勤しております。
高齢化や飽食の時代である我が国において、外科治療が必要となる患者さんも心臓や肺に合併症を有したり、糖尿病や高脂血症などの代謝疾患を抱えたりする方が増加しておりますが、そのような患者さんに対しては循環器内科、呼吸器内科、代謝内科など複数の診療科との協力体制で手術・治療に当たっております。
日本外科学会、日本消化器外科学会、日本内視鏡外科学会、日本肝胆膵外科学会、 日本大腸肛門病学会、日本肝臓学会、日本胆道学会、 日本消化器病学会等の専門医・指導医を配し、特に地域がん診療連携拠点病院として、消化器内科、化学療法内科、放射線科、病理診断科と協力し、レベルの高いがん診療を目指しております。また、日本外科学会、日本消化器外科学会、日本胆道学会の指導施設の指定を受けています。
松戸市の公立病院として、市民の皆様が気軽に受診できるような体制を整え、安心で分かりやすい医療を提供することをモットーとして診療に取り組んでいます。
受診案内
乳腺疾患
乳腺疾患の治療の主軸は乳がんの治療です。乳がんの治療では手術・放射線治療・ホルモン療法・化学療法を組み合わせた集学的治療が行われており、専門的な知識が必要です。かつての胸筋合併乳房切除から胸筋温存手術・乳房温存手術へ、センチネルリンパ節の概念の登場による腋窩郭清の省略など、乳がん手術は時代と共に縮小化されています。乳がんは女性ホルモンの刺激により増大する性質があるので、腫瘍組織中のホルモン受容体の発現状況を調べます。近年はホルモン受容体に加えHER2という遺伝子の発現状況も調べ、患者さんをタイプ分けしてそれに応じて治療を行うという、いわゆるオーダーメード治療が行われるようになりました。当科では2018年度より非常勤の乳腺専門医を配してこの複雑な乳がん治療を行っており、化学療法内科や放射線科との連携によりスムーズで良好な治療が行えるようになっています。
「乳房のシコリ」について
乳房のシコリを心配して外科外来を受診される方は大勢いらっしゃいますが、ここで乳房にシコリの出来る代表的な疾患について説明します。
- 繊維腺腫
好発年齢は20歳から35歳代です。シコリの境界は分かり易く、形は球状ないし卵円形で、表面は平滑です。可動性は良好で、皮膚にえくぼ様変化はみられません。シコリの痛みはありません。治療法は切除ですが経過観察ですませる場合も多いです。 - 乳腺症
好発年齢は35歳から50歳代です。1側ないし両側の乳房にシコリあるいは硬結を認めます。腫瘤様の硬結は平板状、円盤状であり、境界はわかりづらいです。表面は粗大顆粒状を示し、可動性は良好です。触診ではがんとの区別がつかない場合もしばしば見られます。皮膚にはえくぼ様変化はみられません。乳腺症の特徴として乳房の痛みがあります。自発痛ないし圧痛です。痛みは生理前に増強し、生理終了後に軽減することが多いです。時には乳頭からの分泌をみることもあります。分泌液の性状は漿液性、乳汁様、水様のことが多いです。乳腺症の原因はわかっていませんが、乳腺症が中年期に好発し、閉経後に減少することから内分泌的要因が関係していると考えられています。治療は特に行わず、慎重に経過を観察します。 - 乳がん
好発年齢は40歳から60歳代です。シコリの境界は比較的分かり易く、形は不正形、表面には軽い凹凸があります。シコリは固く、時に皮膚にえくぼ様変化が見られることもあります。 血性の乳頭分泌がみられることもあります。がんが進行すると乳頭の陥没、皮膚浸潤や発赤が見られシコリの可動性がなくなります。乳がんのシコリは痛まない場合が多いです。主な治療法は手術で、補助療法として放射線治療、薬物治療があります。
以上、代表的な3疾患について説明しましたが、症状等はあくまでも目安ですので、心配な方は外科外来を受診してください。
スタッフ紹介
尾形 章(病院長、昭和60年卒)
専門分野 | 外科一般 |
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資格 | 医学博士 |
竹内 男(副院長 兼 部長 兼 医療技術局長、平成7年卒)
専門分野 | 外科一般 |
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資格 | 医学博士 |
金子 高明(兼緩和ケア科部長、平成10年卒)
専門分野 | 外科一般 |
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資格 | 医学博士 |
三浦 世樹(副部長、平成11年卒)
専門分野 | 外科一般 |
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資格 | 医学博士 |
神谷 潤一郎(副部長、平成15年卒)
専門分野 | 外科一般 |
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資格 | 医学博士 |
山田 千寿(医長、平成12年卒)
専門分野 | 外科一般 |
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資格 | 医学博士 |
鈴木 崇之(医長、平成18年卒)
専門分野 | 外科一般 |
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資格 | 医学博士 |
八木 翔太郎(医長)
専門分野 | 外科一般 |
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資格 | 緩和ケア基礎研修会修了 |
荒井 学(非常勤医、平成10年卒)
専門分野 | 乳腺外科 |
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資格 | 日本外科学会専門医 |
お問い合わせ
松戸市立総合医療センター
千葉県松戸市千駄堀993番地の1
電話番号:047-712-2511 FAX:047-712-2512