松戸ならではのアートとは?「松戸アートピクニック シンポジウム&コンサート」
更新日:2019年3月1日
自然の中でたくさんのアートに触れられた「松戸アートピクニック」、ご覧になりましたか?
松戸でのアートの広がりが楽しみですね。
昨年開催された「自然と交歓する芸術祭/松戸アートピクニック 車窓からのアートとの出会い」。2017年(平成29年)10月28日から11月5日までの9日間に、約6万3千人の方がアートを楽しみました。
このアートピクニックの関連イベントとして、2018年(平成30年)5月6日(日曜)、シンポジウムが森のホール21 レセプションホールで開催されました。コンサート「PROJECT1867 森と広場のアンサンブル」も同時開催され、振り返るだけではなく、感じることもできるシンポジウムとなりました。
第一部 コンサート「PROJECT1867-森と広場のアンサンブル-」
新日本フィルハーモニー交響楽団主体のメンバー8名によるアンサンブルが、拍手の中登場しました。クラシックの名曲やテレビ・映画のテーマ曲などが演奏されました。
好天に恵まれたこの日の選曲は、どの曲も公園にお出かけしたくなるような気分にさせてくれます。緑豊かな公園「21世紀の森と広場」に隣接した森のホール21ならではの演奏に、大きな拍手が送られていました。
そして満を持して演奏されたのが、「1867」です。この曲は、徳川昭武が将軍名代として参加した1867年パリ万国博覧会と昭武の運命に着想を得た、荒川洋氏の作品です。激動の時代をくぐり抜け、松戸にある戸定邸に住んだ昭武。彼の生きた時代、場所、運命の流れを感じる楽曲が会場に響き渡り、観客はその世界にどんどんと引き込まれていくようでした。
アンコールでは、なんと荒川洋氏とマルコス・ペレス・ミランダ氏の歌声も!この場所でしか聴くことができない演奏に、最後まで大きな拍手が送られました。
アンサンブル1867メンバー
- 荒川 洋氏(フルート)
- マルコス・ペレス・ミランダ氏(クラリネット)
- 吉鶴 洋一氏(ヴィオラ)
- 田村 直貴氏(ヴァイオリン)
- 山本 のり子氏(ヴァイオリン)
- 藤井 将矢氏(コントラバス)
- 山田 徹氏(パーカッション)
- 間瀬 利雄氏(チェロ)
第二部 21世紀の森を考えるシンポジウム
田原 唯之氏作品「殺法と活法のパタフィジック」
シンポジウムは、「自然とアートとの共生」をテーマに開かれました。
松戸アートピクニックの総合監修を務めた愛知県立芸術大学教授の土屋 公雄氏、アートピクニック出展作家の田原 唯之氏、千葉大学大学院教授の三谷 徹氏がアートピクニックの振り返りと21世紀の森と広場に関して幅広い意見を交わしました。
土屋 公雄氏
土屋氏は、海外での事例も交えながら「この21世紀の森と広場のように、都市部でありながら自然を尊重するという公園はあまりなく貴重なもの。もっと多くの人に知ってほしい」と、まず21世紀の森と広場そのものの魅力を語りました。その上で、「今回のアートピクニックでは、作家にも見る人にも、まずここに来てほしかった。ここでしか作れないものを作り、ここでしか見られないものを見てほしかった」とアートピクニックに込めた思いを語りました。
田原 唯之氏
田原氏は、アートピクニックで展示した作品「殺法と活法のパタフィジック」の解説を交えながら、「松戸という都市部でありながら、この公園には多様な環境があって驚いた」と最初の印象を語りました。また、「今回の作品の場所を決めるときには、公園の中でありながら、公園として整備される前の環境に近い部分を探した。自然に少し人の手が加わった場所が見つかり、ここでしかできない作品作りができた」と制作にあたって考えたことを披露してくれました。
三谷 徹氏
三谷氏は、アートピクニックについて「率直に言って『これは本物だ』と実感した」と感想を述べた上で、「今後も世界の先進であってほしい。『単なる自然の中ではなく、公園の中でアートをやる意味』や『公園とは何なのか』を考えさせられるアートで、魅力を発信してほしい」と語りました。
最後に三谷氏と土屋氏は、「この公園の運営体制そのもの、バックヤードや人の動きを見せるアートにできればおもしろい」「プロセスをうまく発信していけば、新たな役割を持ちえる」「日常の延長線でありながら、日常から一瞬離れられる場所になってほしい」と語り合い、21世紀の森と広場を舞台とした今後の展開に期待を示しました。
関連リンク
自然と交歓する芸術祭「松戸アートピクニック」(松戸市ホームページ)
五感で感じて~松戸アートピクニック~(松戸市ホームページ「まつまど」から明るい話題をお届け)
おいしいたのしい秋の公園「松戸モリヒロフェスタ&松戸アートピクニック」(松戸市ホームページ「まつまど」から明るい話題をお届け)