こどもがつくるこどものまち「ミニ★まつど」を初開催!
更新日:2025年12月19日

令和7年11月9日(日曜)、流通経済大学新松戸キャンパスで「ミニ★まつど」を開催しました。
「ミニ★まつど」は、全国各地で開催されているこどもだけのまちで社会体験をするイベント「こどものまち」の松戸版です。こどもは、まちの市民になって、仕事をして、このまち独自の通貨でお給料をもらい、まちの中で自由に使います。まちの中にはお店だけでなく、市役所・銀行・警察・学校などのブースもあり、楽しみながら社会の仕組みを学ぶことができます。
「こどものまち」の特徴のひとつが、準備段階からこどもたちが主体となって企画・運営をして、イベントを作り上げていくことです。
「ミニ★まつど」でも、イベント開催のおよそ4カ月前から、公募で集まった市内の小・中学生35人が、まちのルール作りやお店の構成などについて会議を重ねて、イベントに遊びにくるこどもたちが楽しい時間を過ごせるように準備をしてきました。
イベント当日は、まちの中のどのブースにも、たくさんのこどもたちが集まりました。お店の売り上げが上がるように呼び込みをしたり、お待たせしないように導線を見直したり、アルバイトを増やしたり。こどもたちはアイデアを出し合って働き、稼いだお金の分だけ買い物やゲームを楽しんで、笑顔があふれるイベントになりました。

当日は約150人のこどもたちが集まりました。「ミニ★まつど」がどのように開催されたかを紹介するよ!
事前会議から始まったまちづくり
事前会議もこどもたちが運営
「ミニ★まつど」のこどもたちは、運営メンバー・クラブメンバー・こども市民の3つに役割分担されます。
事前会議でまちの仕組みやルールづくりを担う運営メンバー、運営メンバーとともにイベントを支えるクラブメンバー、そして、当日遊びにきてくれるこどもたちはまちのこども市民として参加します。
令和7年7月から始まった7回の事前会議では、運営メンバーとクラブメンバーが、仕事やお店の種類、「ミニ★まつど」の通貨の名前やデザイン、まちをどのように運営するかなどを、自分たちで話し合いながら形にしていきました。

「ミニ★まつど」の通貨、ドリー
会議の結果、まちの通貨の名前は「ドリー」に決定。その由来は、松戸市のこども・子育て応援マスコット「まつドリ」から。運営メンバーの一人一人が考えたたくさんのアイデアの中から何度も投票して決定しました。
通貨のデザインも、通貨の名前と同じように、たくさんのアイデアの中から投票して決定しました。
「こどものまち」では、 こども同士で何度も話し合って決定をします。悩んだ時には、「こどものまち」のサポートメンバーの高校生・大学生たちがフォローします。こどもたちが、自分たちの力を十分に発揮できるようにサポートする仕組みです。
看板や飾りつけも意見を出し合って準備
また、会議を進める中でこどもたちから、
「せっかくきてくれるからお客さんが楽しめるように工夫したい」
「小学1年生でも中学3年生でも楽しめるようにしたい」
「説明をわかりやすくしたい」
「お客さんをお待たせしないように工夫したい」
といった声も聞こえました。
射的の投げる位置はどこがいいか検証
運営メンバーは「まち」のルールについて、自分たちで考えてアイデアを出し、準備を重ねていきます。
そこには、
「笑顔あふれるまちにしたい」
「自分が楽しかった遊びを取り入れたい」
といったこどもたちが自ら考えた“やってみたい!”が詰まっています。
社会とつながるチャレンジ

市内4社の企業協賛で実現した「まち」のコンビニ
どんなお店を開くか検討している中で「食べ物屋さんをやりたい」という意見が出ましたが、予算がありません。そこでこどもたちが使ったのは、「企業協賛」という社会の仕組み。市内の食品を取り扱う企業として、商業施設のアトレ松戸店、株式会社メリーチョコレートカムパニー、山崎製パン株式会社松戸第一工場、白玉粉メーカーの川光物産株式会社の4社に、「ミニ★まつど」の趣旨と商品提供のお願いを手紙に書いて送りました。

山崎製パン株式会社松戸第一工場からの協賛品
その結果、全社から協賛をして頂き、協賛品を販売する「コンビニブース」が実現しました。
「手紙を書くのは緊張したけれど、自分たちでお願いできてよかった!」
「会社の人が応援してくれて、本当のまちみたいになった!」
こどもたちは自分たちの行動が社会とつながる経験を通じて、大きな学びを得ました。
「ミニ★まつど」がオープン
イベント当日は、市役所や銀行、交番などの暮らしを支える機関と、こどもたちが考えた9つのお店が並び、ひとつの小さな「まち」が完成しました。
スライムづくりや射的、宝探し、ハンドメイドショップ、コンビニなど、どれもこどもたちのアイデアが形になったお店ばかりです。
松戸市長も驚く完成度のハンドメイド商品
こども市民として参加したこどもたちは、まず、まちの学校で「こどものまち」の仕組みを学び、まちに市民登録をします。銀行でもらった「ドリー」で買い物やゲームを楽しみ、お金がなくなると、まちの掲示板で募集しているアルバイトを探し、またお金を稼ぎます。労働と消費。まちの中でこどもたちは自然に経済を動かしています。
ワクワクが広がる土を使った宝探し
「落とし物を警察所に届けて、市民に知らせるためにアナウンスしてもらおう」
「商品が少なくなってきたから、売上金から商品を仕入れてこよう」
「レジが混雑してきたから、お客さんに待ってくださいと伝えよう」
どのお店が印象的だったかを投票する選挙
まちのさまざまな場面で、運営メンバーとクラブメンバーが主体的に活動していました。メンバーの動きを見たこども市民たちも、お店の宣伝にまちを回ったり、知っているこどもにお店に寄るように声をかけるなど、売上げに貢献できるよう、アイデアを出して動いていました。
また、こども市民のなかには、働いたお給料を貯めて、お店を開くこどももいました。実は運営メンバーたちも「当日参加する子ども市民のなかに、自分のお店を持ちたいという子がいるかもしれない」と予想して、起業相談所を開設していました。相談所では、お店を開くためにかかる費用の計算や、アルバイトの募集方法などを運営メンバーが丁寧に説明します。お店を出した後も、声がけなどのフォローを忘れません。
アルバイトの募集であふれかえるまちの掲示板
運営メンバー、クラブメンバー、そしてこども市民の、どのこどもたちからも、まちを動かすアイデアと行動力が溢れていました。
こども市民からは、
- 働いてお金をもらうのが楽しかった
- いろんな仕事をして大人になったみたいだった
- レジをするのは大変だったけど、お客さんがたくさん来てうれしかった
との声があがりました。

働いて、選んで、楽しんで。“まち”を動かしていたのは、こどもたち自身だったよ!
「ミニ★まつど」振り返り会

振り返り会でのグループワーク
令和7年11月30日(日曜)、運営メンバーとクラブメンバーは8回目の会議として、イベントを含む「ミニ★まつど」全体の振り返り会を開催しました。
メンバー一人一人に、「ミニ★まつど」への貢献を称えた終了証の授与と、印象に残った店の選挙結果や売上ランキングの発表なども行い、メンバーたちはお互いに頑張りを認め合いました。
振り返りのグループワークでは、
- 最初は意見が言えるか不安だったけど、みんなの前で言えるようになった
- 話し合いをまとめることができた
- マニュアルを作って大変だった
- お客さんに分かりやすく説明できた
- 移動販売がうまくいった
といった、成功体験や成長に繋がった意見・感想を聞くことができました。
「来年も参加したい人はいますか」の問いかけには、「ミニ★まつど」でぐっと成長し自信に満ち溢れた表情のメンバーたちが、全員手を挙げてくれました。
「ミニ★まつど」を企画した子ども政策課から
「ミニ★まつど」を企画したきっかけは、国が推進する「こどもの権利」で大切にされている社会参画や意見表明の機会の検討でした。その中で、他の地域で開催されていた「こどものまち」を知り、こどもたちが安心して自分の意見を持って表現し、どのようにすれば成功するかを自ら考える機会になるのではと考え、開催にいたりました。
また、自分の気持ちや考えが取り組みに活かされる体験から、こどもたちの自己肯定感や自己有用感を高めたいとの思いもありました。
この半年で、こどもたちは自分の意見を考えたり、友達の意見を聞き、仲間と協力してひとつのまちをつくる体験を通じて、社会の一員としての気づきを得ていました。
ひとりひとりのユニークなひらめきのおかげで「ミニ★まつど」は大成功。私たちが当初考えていた「まち」よりも、もっとずっと何倍も社会的で自律的な「こどものまち」をこどもたちは実現していました。その様子を目の当たりにし、どんなこどもたちも安心して話せる居場所や機会があれば、大人と同じように自分の気持ちや考えを形にできる、と改めて感じました。こどもたちの声がまちづくりに反映されるこの経験は、こどもたちの今後の成長や、松戸の地域発展にも繋がっていくと考えています。
こどもたちや若者のみなさんが「自分の想いや考えに気が付いて、それを大切に育てること、そして意見として表現していくこと」また、「そのために大人たちがどんな工夫をすればいいか」の視点を大切に、こどもたちの意見の形成や表明および社会参画の取組みを引き続き進めていきます。


