松戸市の中学生選抜野球チーム「松戸BC」が全国大会へ出場!
更新日:2024年8月2日
松戸BCが千葉県中学生選抜野球大会で2年連続優勝の快挙!
松戸市内の公立中学校に通う野球部員の選抜メンバーで構成する強豪 「松戸BC(松戸ベースボールクラブ)」が、昨年に続いて千葉県中学生選抜野球大会(KC杯)を制覇。見事に同大会連覇を達成し、8月3日(土曜)から6日(火曜)まで開催される「令和6年度 第7回全国中学生野球大会 in 岩手」に出場します。
千葉県中学生選抜野球大会で優勝した松戸BCの選手たち
令和6年4月29日から5月4日にかけて開催された「令和6年度 千葉県中学生選抜野球大会(KC杯)」で、富津選抜・千葉マリーンズNeo・オール柏・山武オーシャンズ・ALL東総と、強豪5チームを打ち破り、見事優勝しました。松戸BCは、下記5名の代表・監督・コーチの指導のもと、各市立中学校野球部に所属する選手からセレクションで選ばれた精鋭20名で構成されています。
- 代表:和氣 史生(わけ しろう)先生、松戸市立第三中学校顧問
- 監督:吉澤 和真(よしざわ かずま)先生、松戸市立小金中学校顧問
- ヘッドコーチ:永井 康雄(ながい やすお)先生、松戸市立第一中学校顧問
- コーチ:磯田 僚史(いそだ ともふみ)先生、松戸市立小金南中学校顧問
- コーチ:鈴木 慎吾(すずき しんご)先生、松戸市立常盤平中学校顧問
その強さの秘密に迫るべく、全国大会直前の松戸BCを取材しました。
※この記事の内容は、2024年8月1日現在のものです。
千葉県大会で躍動する選手たち
主将・矢吹優真(やぶきゆうま)選手
副主将・鈴木翔塁(すずきかける)選手
石原颯太(いしはらそうた)選手
友寄景斗(ともよりけいと)選手
“野球教育の松戸モデル”で全国大会に挑む松戸BCに要注目!
各都道府県大会の優勝チームが“国内最強中学野球チーム”の称号を争う「全国中学生野球大会 in 岩手」では、16のグループリーグに分かれて8月3日(土曜)・4日(日曜)の2日間にわたりリーグ戦を戦い、大会3日目の8月5日(月曜)に16グループのトップが決勝トーナメントを戦います。この決勝トーナメントで勝ち上がった3チームが、8月6日の決勝リーグに挑み、国内最強中学生野球チームが決まります。
松戸運動公園で最終調整(8月1日)
「いまこの場に立てる、全国大会に出場できるというありがたみを感じながら、感謝の気持ちを忘れず、このメンバーで精一杯、戦っていきましょう」そんなコーチ陣の言葉と、「はいっ!」という選手たちの声が響きわたるここは、松戸運動公園野球場。
8月3日からの全国大会に向けて、松戸BC のメンバーが朝9時に集結。選手たちはランニング・キャッチボールなどでアップを行い、2時間後の紅白戦へと集中力を高めていきます。
実戦を想定した練習とサインプレーの確認
松戸市立小金中学校野球部顧問の吉澤和真(よしざわかずま)先生が監督を務める松戸BCは、実戦を想定した守備練習やサインプレーを、猛暑にも負けず、何度も確認。 その後もランナーを置いて、「1アウト、走者1・2塁、内野ゴロ」「1アウト、走者2・3塁、スクイズ」といった様々なシチュエーションに応じた連携プレーを確認し、要所でダブルプレーを取るなど、選手たちの動き・声がさらにヒートアップしていきます。
なぜ松戸市の野球が強いのか
松戸市内の公立中学校に通う野球部員の選抜メンバー(全員中学3年生)で構成する「松戸BC」 が、なぜ千葉県大会を連覇するほど強豪チームへと成長したのか。そして、松戸市出身としては初のメジャーリーガーとなった上沢直之選手(松戸市立第一中学校軟式野球部出身)をはじめプロ野球選手を多数排出している松戸市に根付く、どこにもない“野球教育文化”とは―――。
専修大学松戸高等学校を経て、松戸市内中学校の野球部顧問として松戸市立第四中学校を全国大会に導くなどのキャリアを積み、2023年から 松戸BC の監督を務める吉澤監督に聞きました。
オール松戸で”広報”・”育成”・”進路”をサポート
吉澤和真先生
「松戸市内の公立中学校野球部は、各校の監督・コーチなどの関係者で構成される”野球専門部”が、『広報・育成・進路』という一貫した“オール松戸ビジョン”で日々取り組んでいます。例えば“広報”の取り組みとしては、我々チームが練習している場所・時間などを野球部のある高校15校などに随時伝えています。練習時点から松戸選抜メンバーを含めた様々な選手たちの成長・可能性を見てもらい、大会での選手たちの活躍をチェックしてもらうことで、高校での戦力としてジャッジする機会を共有しています。だから、軟式野球の松戸BCも他の強豪硬式野球チームと優劣や遜色のないフラットな視点で、選手たちの実力・戦力・可能性を見てくれています(吉澤先生)。」
“中学野球の魅力” “松戸の魅力”をオール松戸で
「育成という面でも、他市にはない取り組みを積極的に展開しています。例えば、松戸BCは、松戸市立松戸高等学校をはじめとした近隣の高校をお借りして他市の選抜チームとの練習試合を重ねることで、生徒にとっては高校のグラウンドでプレーができ、より“高校野球”をイメージしやすくなります。一方、高校にとっても地元の高校へ目が向く機会となり、高校進学への選択肢が増えるという、両者にとってもメリットの多い取り組みとなっています。一方で、野球やソフトボールで活躍する小学生たちにも松戸の中学校の野球部の魅力を伝える活動もしています。小学生たちに『(吉澤先生が勤務する)小金中学校の練習に参加してみないか?』といった声もかけながら、“中学野球の魅力”を共有する機会を作っています。もちろん野球だけではなく、“松戸の学校生活の楽しさ”や“松戸の魅力”も伝えています。こうしたアクションは、松戸市内の公立中学校の先生たちの自主的な活動です。だから、野球の試合では各学校は競合相手ですが、『野球と教育を松戸の魅力として盛り上げていこう』という共通の想いをもって、オール松戸で取り組んでいます(吉澤先生)。」
担当制で選手をサポート
「松戸BCのもう一つの特長は、監督一人が指導・采配するのではなく、各選手にそれぞれベストなコーチや指導者がつく“担当制”でサポートしているところです。監督・コーチ・スタッフがみんなで役割分担して、ミーティング時でも監督の話が終わったら、各担当者が選手一人ひとりに目標設定やアドバイスなどを共有するようにしています(吉澤先生)。」
練習前のミーティング
コーチ陣が選手たちの動きを共有
全国大会直前の選手たちにインタビュー
全国大会「令和6年度 第7回 全国中学生野球大会 in 岩手」を2日後に控えた松戸運動公園野球場での直前練習で、松戸BCの主力3人は、こう意気込みます。
(左から)石原選手、鈴木選手、平野選手
長身の本格派左腕・石原颯太(いしはらそうた)選手(松戸市立六実中学校)
「このチームは、選手同士だけでなく監督やコーチと選手間の仲も良く、チーム内でのコミュニケーションも取りやすいので、高いレベルで楽しく野球をやれる環境が整っています。走攻守全て揃ったチームですが、特に今年のチームは足の速い選手が多いので、足を絡めた野球で『全国制覇』したいです!」
副キャプテンとしてチームを牽引する扇の要・鈴木翔塁(すずきかける)選手(松戸市立第四中学校)
「このチームは、皆が明るくて、仲も良くて、笑顔が溢れるいいチームです。選抜チームなので全員が集まれる時間は少ないですが、試合を通じて一致団結できるようになりました。投手力が自慢のチームなので、キャッチャーとしていいリードをして、チームを勝利に導き、『全国制覇』します!」
チャンスに強い主軸・平野陽咲(ひらのようさく)選手(松戸市立第五中学校)
「昨年9月のセレクション(選抜)決定後、いつもはライバルなのに仲が良く、プレーを重ねるごとに連携したチームプレーができあがってきて、このチームでする野球がとても楽しいです。(打順は5・6番を打つことが多いので)ランナーがいる場面で回ってくることが多い打順なので、しっかり打って得点へとつなげていきたいです。苦しい場面もあると思いますが、笑顔を忘れず、全国優勝を目指して頑張ります!」
全国に“野球の松戸モデル”を示す絶好の機会
吉澤先生をはじめとする松戸市内の学校から動き始めた、オール松戸で挑む中学校野球の「広報・育成・進路」。
“野球の松戸モデル”とも言える先生方のこうしたアクションは、全国大会「令和6年度 第7回 全国中学生野球大会 in 岩手」で、どんなインパクトと結果をもたらすのか、今後も松戸BCの挑戦に注目です。
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