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広報まつど2022年11月15日号 角田 寛和さん

更新日:2022年11月15日

被災地への「無関心の壁」を壊したい

FIFA公認ファンリーダー 角田 寛和さん

 サッカー日本代表戦のテレビ中継で、手作りの甲冑に身を包み、ちょんまげのかつらをかぶっているサポーターを見たことはありませんか。その観客は、新京成八柱駅ビル1階で長年靴屋を経営している角田寛和さん、通称「ちょんまげ隊長ツンさん」です。
 松戸市出身で、常盤平第三小・常盤平中・小金高と進学したツンさんですが、サッカーとは無縁の人生。バスケ部に入り、趣味は野球観戦だった靴屋の息子をサッカーの熱狂的サポーターにしたのは、1993年の「ドーハの悲劇」でした。「ワールドカップ出場を逃した選手たちの悲しみ方が尋常ではなかったことに心を打たれました」と振り返ります。「サッカーの世界大会では、サポーターが自国のモチーフの仮装をしていることが多いので、自分もと思ったんです」と、2008年の北京五輪からちょんまげスタイルに姿を変えると、途端に海外メディアが頻繁に取り上げるようになりました。
 そんなツンさんの人生第二の転機が、東日本大震災でした。「連日テレビで流れるショッキングな映像を見て、靴屋なら靴の寄付くらいはできると思ったんです」と、在庫を手に東北へ向かったそうです。「ボランティアを行う中で、被災生活で我慢している子どもたちに、何か楽しい体験をさせてあげたいと思うようになりました」と企画したのが、渡航費用の寄付を募り、被災地の子どもたちをサッカーワールドカップに連れていくこと。その結果、国内外のメディアから多く取材され、震災復興の現状を世界中に伝えることにつながりました。2014年のブラジル大会、2018年のロシア大会で子どもの招待を行ったことで、ツンさんは2022年カタール大会のFIFA(国際サッカー協会)公認ファンリーダーとして認められ、東アジアから唯一、昨年のワールドカッププレ大会に招待されました。
 国内の大雨災害などの被災地へ支援の幅を広げ、障害者や海外の貧困地域の支援も行っているツンさん。ボランティアを続ける秘訣は「“断続”は力なり」だと教えてくれました。「無償奉仕を常に“継続”するのはすごく苦しいこと。無理せず、自分ができるときにだけやるようにしています。チームの応援で地方に遠征するように」と笑顔で話します。「ボランティアは高尚なものだと思われ過ぎています。そうではないことを、子どもや学校の先生方に伝えたいですね」と言い全国で500回以上もの講演会を行っているツンさんは、活動をまとめた本の出版も視野に入れているそうです。「支援の最大の敵は無関心。時間が経つにつれてボランティアは減っていきます。思い出してもらうためには、何かで注目される必要があります」と振り返り、「『トモにカタールへ』を合言葉に、今回も子どもたちを招待します」と言うツンさん。今回のワールドカップの中継でちょんまげ姿のサポーターを見かけたら、その周囲に注目してみてください。そこにいる子どもたちは、松戸の靴屋が連れてきた、さまざまな被災地の子のはずです。


各国のサポーター(右から2番目:角田さん)

関連リンク

「トモにカタールへ」公式サイト

広報まつど2022年11月15日号

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総合政策部 広報広聴課(広報担当)

千葉県松戸市根本387番地の5 新館5階
電話番号:047-366-7320 FAX:047-362-6162

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