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平成26年度施政方針

更新日:2014年2月21日

 平成26年度の施政方針を以下のとおり掲載いたします。また、PDFファイルからのダウンロードも可能です。
 なお、当日の演説と表現その他に若干の差異があることをご了承ください。

施政方針

 本日、ここに、平成26年度予算案及び関連諸議案を提出し、ご審議いただくにあたり、私の新年度の市政運営に臨む所信の一端を述べ、市民の皆さま並びに議員各位のご理解を賜りたいと存じます。

始めに

 市長就任以来、早や4年が経過しようとしております。
 本年度は、市制施行70周年を記念して、いろいろなイベントに冠を付けさせていただきました。これは松戸が市になって70年という歴史を、ぜひ多くの方に祝っていただこうという思いからです。本当にありがとうございました。
 また、1月12日開催の七草マラソンでは、「市制施行70周年」を記念して松戸市初のハーフマラソンを実施しました。今年は昨年より約1,700人多い6,026人の参加がありました。今回は、北海道から沖縄県まで、全国各地から多くのランナーが松戸を訪れ、実際に市内を走っていただきました。マラソン競技を楽しむことはもちろんですが、“松戸”という街を自らの足で知っていただくことができたスポーツイベントだったのではないかと思っています。 
 本年度はいろいろな仕事が進捗した一年間でした。「千葉大学・聖徳大学との包括的な連携に関する協定の締結」子育て、市民関係、経済、街づくり、教育などいろいろな分野で仕事が進捗した一年だったと思います。

まちづくりに対する基本的な考え方

 次に、まちづくりに対する基本的な考え方について述べさせていただきます。
 少子高齢化の進行に伴う人口減少社会の到来は周知の事実であり、早急な取り組みが必要です。とりわけ、生産年齢人口の減少は経済活動の停滞を招き、まちの活力の低下につながるとともに、社会保障においては、年金・医療・福祉などの社会保障関係費・扶助費などの更なる増加が見込まれます。また、歳入の根幹となる市税などの収入が落ち込み、財政硬直化などの状況は深刻になります。このような状況下において松戸市の活力を維持して持続的な発展をしていくためには、まず、第一に安心して子供を産み育てられる環境の整備が重要であり、特に子育て世代にとって、魅力あるまちづくりが必要であると考えています。
 次に、高齢者の増加を活力の低下ととらえるのではなく、地域の特性や年齢構成なども考慮にいれながら高齢者が住みなれた地域で自立した生活が営めるような、施策にも取り組んでまいりたいと考えています。このような取り組みを進めることにより、単に人口規模の維持拡大を追求するだけではなく、市民の皆さまが生き生きとした生活を送ることができる成熟した社会の実現をめざしてまいります。
 私はこれまで提唱してまいりました「子育て、教育、文化を軸とした都市ブランド創り」「人と人とのつながりを大切にするまち」を引き続き、様々な形で具現化してまいりたいと考えております。

子育て、教育、文化を軸とした都市ブランド創り

 さて、子育て支援のうち保育所の待機児童対策は、最優先課題の一つと考えています。地域的な子育て世代住民の増加や共働き家庭の増加に伴う待機児童の解消への対応として、昨年9月に「待機児童解消対策計画」を策定いたしました。この計画に基づき、平成27年4月の開所に向けて民間保育園5ヶ所に対し、建設費の一部を助成いたします。
 さらに、本年度、小規模保育事業所の整備を進めておりますが、新年度においても3ヶ所の小規模保育事業所の整備を図ります。
 次に、教育施策につきましては、東部小学校区において児童数の増加が見込まれるため、松飛台駅前にある学校予定地に(仮称)関台小学校を平成28年4月開校をめざし、新年度は建設工事に着手します。
 また、快適な教育環境を提供するために小学校及び中学校の冷房化設備の導入に向けた、教育施設の整備を進めてまいります。児童生徒などの安全性の確保、震災時の収容避難所などの応急活動拠点としても重要な役割を担う学校施設につきましては、安全で安心な学校づくりに向け、小学校及び中学校の校舎耐震改修工事などの施設の整備を引き続き実施します。
 次に、文化施策についてでございます。
 文化芸術の視点からまちを活性化することで、街の賑わいを取り戻し、また、子どもを生み・育てたくなる「文化の香りのする街・まつど」にする取り組みにつきましては、新たな市民文化の醸成を促し、既存の観光資源などを活用した、文化・観光・国際交流を融合した先駆的イベントを実施します。
 また、松戸アートラインプロジェクトについては、「暮らしの芸術都市」に名称を変え、日常生活と芸術の接点を探るアートの裾野を広げた活動に取り組んでおります。芸術家の創造的な活動を地域が応援し、市民と交流しながらまちづくりやアートについて一緒に考えていける土壌を育んで行くための地域の運営体制「松戸まちづくり会議」を支援します。

人と人とのつながりを大切にするまち

 私は、市民の皆さまがそれぞれの地域社会の中で、お互いに助け合いながら生きていくということを共有することがとても大切なことだと思っています。
 また、近年は、地域が元気になる活動やソーシャルビジネスに対する社会的認知度の向上など、人々の社会に対する意識に新しい兆しがみられます。
 「市民の皆さま一人ひとり」が社会に目を向け、主体的に地域をよくしていこうとする意識が更に高まる必要があると考えています。
 本市では、人と人とを結びつけ、人の活動を支援してまいります。

元気なまちづくり

 松戸駅周辺も変わり始めています。
 松戸駅周辺の活性化につきましては、多様な都市機能が集積する快適で活力のある中心拠点としての強化や、水や緑、歴史などの地域資源を活かした魅力ある街づくりを推進するため、平成24年度から2ヵ年かけて「まちづくり基本構想」の素案を作成しております。今後、広く意見を求め成案化を図るとともに、優先度の高い事業につきましても、整備計画の検討を進めてまいります。
 また、松戸駅につきましては、JR東日本を中心に、駅のバリアフリー化も含めた駅舎の改良工事や、新たな駅ビル建設が進められております。すでに準備のために西口交番が移転しており、平成31年度の完成をめざして新年度から本格的な工事が予定されています。本市でも、駅舎改良の完成時期にあわせて、東西デッキにエレベーターやエスカレーターなどのバリアフリー整備を進めてまいります。
 松戸駅周辺の中心市街地の活性化につきましては、空きテナントへの入居を促進するための補助を行い、中心市街地の商業活性化を図ります。   
 松戸駅周辺の景観形成に関しましては、駅舎改良工事の着手と併せ、松戸市の正面玄関である駅周辺の景観の改善に取組んでまいります。
 戸定が丘歴史公園は、平成3年の開園以来、市内外の多くの方が訪れる本市を代表する施設であり、その中の戸定邸は国の重要文化財に指定されています。昨年3月には、この貴重な公園に隣接する福島県学生寮の跡地、約2,500平方メートルを取得しました。現在、公園の拡充整備のあり方について千葉大学園芸学部の先生方をはじめ、有識者の方々のご協力をいただきながら検討しています。すでに戸定邸の庭園は、千葉県の名勝に指定されていますが、今後は、さらに跡地を加えて国の名勝指定をめざして行きたいと考えています。千葉県内においては、唯一野田市の高梨氏庭園が、国の名勝指定を受けていますが、この指定を受けることにより、知名度がさらに上がり、本市の風格・魅力の向上につながることと考えています。

経済状況

 さて、我が国経済の動向につきましては、景気はゆるやかに回復しています。また、先行きについては、輸出が持ち直しに向かい各種政策の効果が下支えするなかで、家計所得や投資が増加し、景気の回復基調が続くことが期待されております。ただし、海外景気の下振れが、引き続き我が国の景気を下押しするリスクとなるとともに、消費税率引上げに伴う駆け込み需要及びその反動が見込まれています。
 国においては、大震災からの復興を加速させるとともに、デフレからの早期脱却と経済再生の実現に向けて全力で取り組んでいるところです。このため、「経済財政運営と改革の基本方針」に基づき経済財政運営を進めるとともに、「日本再興戦略」の実行を加速化し、強化するとしております。また、経済の好循環の実現に向け、「好循環実現のための経済対策」を含めた経済政策パッケージを着実に実行するとしております。本市では常にその動向を注視し、迅速に対応を図ってまいります。

平成26年度松戸市当初予算

 次に、本市の平成26年度予算についてご説明申し上げます。
 新年度の一般会計予算は、4月から予定されている消費税率の引き上げに伴う地方消費税交付金の増や臨時的な負担軽減対策費を含め、本年度より6.4%増加の1,360億4,000万円を計上いたしました。
 まず、歳入につきましては、回復の兆しが見えてきていることや消費増税を前にした住宅建築の駆け込み需要をそれぞれ勘案し、市民税は、前年比 1.3%増、固定資産税は2.3%増としました。その結果、市税は前年度比1.7%増の664億円を見込み計上しております。
 歳出につきましては、民生費が9.4%増加し、構成割合は47.6%と最も大きく、次いで衛生費が11.3%、土木費の9.8%の順となっております。それぞれの主なものといたしましては、民生費では、臨時福祉給付金、子育て世帯臨時特例給付金、小規模保育支援業務、民間保育所建設費補助金、障害者関連事業などを計上しております。衛生費では、和名ヶ谷クリーンセンター基幹整備事業の最終年次分、新たに高齢者を対象とした肺炎球菌ワクチン予防接種業務など、土木費では、自転車駐車場関連事業、公園照明灯のLED化事業、橋りょう長寿命化計画に基づく橋りょう補修業務などを計上いたしました。
 財源が厳しい中ではありますが、健全財政の確保を基本とし、出来る限り次世代への負担を抑制すると共に、「市民が主役の魅力あるまつど」の実現に向けて、必要な施策には積極的に投資をしてまいる所存です。

 続きまして、後期基本計画の政策展開の方向に沿って、新年度の主要な施策について、ご説明申し上げます。

第1節 連携型地域社会の形成

 「連携型地域社会の形成」をめざす施策について申し上げます。
 地区の各種団体が連携し、地区の課題を解決していく方策につきましては、地区との連携を図りながら、モデル地区の試行に取り組んでまいります。
 協働のまちづくりの取り組みにつきましては、協働事業提案制度では、農家の人手不足の解消を図るため、ボランティアを養成し、農家とのマッチングを行う事業に負担金を交付します。
また、市民活動助成制度では、学校を拠点とした地域での防災訓練の実施などを通して自主防災の重要性を周知する事業など、8件の市民活動に助成金を交付します。
 市民センターのバリアフリー化につきましては、八ヶ崎市民センターに、エレベーターや外部スロープなどを整備いたします。

第2節 豊かな人生を支える福祉社会の実現

 続きまして「豊かな人生を支える福祉社会の実現」をめざす施策について申し上げます。
 子育て支援施策につきましては、国の制度改正に対応するとともに、松戸市の子ども・子育て支援の新たな方針を定める計画を新年度中に策定し、子育て環境の総合的な整備を図ります。また、幼児教育への支援として、私立幼稚園児補助金を増額し保護者負担の軽減を図るとともに、長時間の預かり保育を実施する幼稚園への補助により、実施園の増加と保護者負担の軽減を図ります。
 保育所の耐震改修につきましては、耐震化計画に基づき北松戸保育所については移転建て替え、コアラ保育所については既存建物の耐震改修工事をめざし、実施設計を行ないます。
 児童虐待への対応については、1歳6か月児健診、3歳児健診の未受診世帯を対象に家庭訪問を実施し、子育て環境の確認を行うとともに、家庭相談員・母子自立支援員・婦人相談員を増員することにより虐待の早期発見と対応の充実を図ります。
 放課後児童クラブについては、児童の安全確保を図るため、学校外に設置している施設の移設を進めており、新年度は常盤平第2小学校並びに八ヶ崎小学校の2ヶ所について小学校の敷地内に移設します。 また、放課後KIDSルームについては新たに3ヶ所の小学校に拡大し、学習支援や遊びなどの活動を行うとともに、小学生の放課後の居場所の充実を図ります。
 青少年育成支援施策については、まつど・こどもフォーラムの子どもたちの意見を基に企画・実施した「森のこども館」事業について、新年度もさらに拡大・継続し、21世紀の森と広場の豊かな自然を生かし、子ども達が自由に遊びや体験を行うことのできる事業を実施いたします。
 健康増進・疾病予防につきましては、昨年に引き続き、30歳・35歳の女性の子宮がん検診に加えて、HPV(ヒトパピローマウイルス)検査を実施し、より正確に早期の発見に努めてまいります。また、肺炎球菌ワクチンの予防接種につきましては、国の定期予防接種化を注視しつつ、新たに65歳以上の方に対して、費用の一部を助成します。さらに、新たな取り組みとして、自殺予防対策である国の「地域自殺対策緊急強化基金」を活用し、パソコン・携帯電話でストレス度などが気軽にチェックできるメンタルヘルスチェックシステム「心の体温計」を導入し、心の健康の保持に努めます。また、感染症対策の一環として、本年度、新型インフルエンザ等対策に対する市の行動計画を策定し、併せてマニュアルなどを整備し、市民生活に不安を招かせぬよう最大限努めてまいります。
 食育につきましては、新たに第二次計画を策定し、食育を着実にステップアップできるよう推進してまいります。
 国民健康保険につきましては、保険給付費などが増大しておりますが、一般財源を投入し、保険料の据え置きを図ります。また、国民健康保険や後期高齢者医療保険の被保険者に対して、特定健康診査の受診勧奨を引き続き行うとともに、受診のできる場所や日数を増やすなどの機会の充実を図り、更なる受診率の向上をめざします。
 高齢者に関する施策につきましては、本年度3ヶ所から11ヶ所に増設しました地域包括支援センターの機能を充実し、高齢者がなんでもご相談できる総合的な窓口として役割を果たすとともに、医師、歯科医師、薬剤師、介護支援専門員などの多職種が連携した、在宅医療連携拠点事業を推進するなど、高齢者が住みなれた地域で安心して過ごすための、地域包括ケア体制の整備を図ります。また、介護予防の取り組みとして、現在力を入れている、介護支援ボランティア制度につきましては、多くの方に参加していただけるよう、更なる制度の充実と周知を図ります。
 老人福祉施設の整備につきましては、紙敷及び金ヶ作に建設する特別養護老人ホームの建設費を一部補助し、広域型・地域密着型併せて129床を整備します。また、根木内と中和倉に開設予定の認知症グループホームに対して、準備経費の一部を補助します。
 障害福祉施策につきましては、第2次松戸市障害者計画に重点施策として位置づけております、相談支援体制の充実や一般就労の支援、そして障害者優先調達推進法に基づく官公需の拡大や働く障害者の工賃向上をめざす取り組みを引き続き推進してまいります。また、かねてから障害のある児童生徒の保護者の方をはじめ、議会などからご要望が寄せられておりました、移動支援事業の通学などへの拡大につきましては、新年度から、送迎や付添いなどが困難なため、通学や通級などができない児童生徒の方々に対しても、サービスのご利用ができるよう制度の見直しをいたします。
 こども発達センターにつきましては、サービス等利用計画、いわゆるケアプランの作成件数の増加に対応するため、相談支援専門員を増員するなど、障害児支援の更なる充実を図ります。
 高齢者や障害者など、災害が発生した時に自ら避難をすることが困難で、特に支援を要する避難行動要支援者事業につきましては、12の市政協力委員連合会単位で、馬橋地区をモデル事業とし、加えて現在、小金地区・常盤平地区・本庁地区の3地区で体制の整備を進めております。新年度はさらに3地区を予定しており、順次地区の拡大を図ります。
 生活保護につきましては、被保護者の就労支援を強化するとともに、被保護世帯の児童に対し、学習支援及び安心できる居場所を提供し、基礎学力を向上させる支援などにより「貧困の連鎖」の防止を図る取り組みを実施します。また、不正受給防止対策として専属チームを組織し、生活保護の適正な実施を図ります。
 市立病院においては、新病院の開設に向け、質の高い看護体制確保に努めてまいります。なお、PICU(小児特定集中治療室)につきましては、これまでに施設・機器などの整備及び看護師の養成を進めてまいりましたが、平成26年4月に4床を開床いたします。さらに、東松戸病院におきましては、在宅医療を充実させるため訪問看護を24時間体制とするなど、所要の整備を図ります。また病院事業では、平成26年度から28年度までの3年間を計画期間とし、病院事業の経営の効率化に加え、公立病院として安全安心で良質な医療サービスを提供するための取り組みを定めた「経営計画」を策定し、推進してまいります。
 新病院建設につきましては、昨年10月に設計・施工一体方式(プロポーザル方式)による公募を実施したところ3社から参加表明がありましたが、当局の示した上限提案価格を超過してしまうとの理由から各社辞退となったところでございます。しかしながら、新病院建設は本市における重要事業です。市民の皆さまが、安心して本市に住める生活環境の整備の一つでもあることから、新病院を完成したいと考えております。

第3節 次代を育む文化・教育環境の創造

 続きまして「次代を育む文化・教育環境の創造」をめざす施策について申し上げます。
 戸定邸が本年で落成130周年を迎えます。これを記念し、戸定歴史館所蔵の写真、文書などで戸定邸の歴史を紹介する企画展「戸定邸落成130年 プリンス・トクガワの屋敷」を開催いたします。
 千駄堀多目的スポーツ広場の整備につきましては、多くの市民の皆さまにスポーツに親しんでいただくため、第1期工事として約21,000平方メートルを整備いたしましたが、引き続き第2期工事として駐車場を含め約16,000平方メートルを整備し、市民の皆さまがスポーツ活動をしやすい環境づくりの整備に努めてまいります。
 平和事業につきましては、今年で戦後69年を迎えますが、戦争を体験した人が少なくなる中で、後世に着実に平和の大切さや戦争の悲惨さを継承していくとともに、世界の恒久平和にも目を向けた取り組みを行い、市民の平和意識の高揚を図ります。また、平成27年は世界平和都市宣言から30年、そして戦後70年の節目を迎えることから、新年度には、拡充した平和記念事業を準備してまいります。

第4節 安全で快適な生活環境の実現

 続きまして、「安全で快適な生活環境の実現」をめざす施策について申し上げます。
 消防の使命である火災などの災害から市民生活を守るため、組織一丸となって取り組んでおります。その組織力を最大限に発揮できる体制の確保に向けて、松戸市南部地域の災害対応力の更なる強化を図ることを目的に、中央消防署の建て替え計画の策定に着手します。また、老朽化が著しい防災行政無線につきましては、災害発生時における市民の安全確保のために、迅速かつ的確な情報伝達が行われるよう機器を更新するとともに、子局を増設するなど再整備を行い、災害に強いまちづくりを進めます。
 地域の防犯活動の支援につきましては、これまでの防犯灯よりも寿命が長く、電気料金などの維持管理費を抑えられるLED防犯灯への移行をこれまでも行ってまいりましたが、さらに短期間で実現させるため、リース方式を導入します。さらに、安全・安心なまちづくりを進めるため、地域ぐるみでの防犯対策としては、全国初の試みである「市民参加型街頭防犯ネットワークカメラ」の設置を開始し、第1号機を昨年12月に設置いたしました。今後も青色回転灯装備車両によるパトロールなどを引き続き行うことで、防犯活動を積極的に支援し、安全・安心なまちづくりをめざします。
 消費生活につきましては、市民の皆さまが安全で安心に暮らせるよう、今後とも、消費者被害の防止と自立した消費者の育成など消費者行政の充実・強化に取り組んでまいります。
 次に環境施策について申し上げます。
 地球温暖化防止事業につきましては、平成21年度に創設した住宅用太陽光発電システム設置費補助金に加え、千葉県からの補助金を受け、住宅用省エネ設備設置費補助金を交付します。この補助金は家庭用燃料電池システム、定置用リチウムイオン蓄電システムや電気自動車充給電設備の設置に対し交付するもので、市内の住宅における再生可能エネルギーや省エネ設備の普及をめざすものです。
 また動物飼養管理事業につきましては、市内に生息する飼い主のいない猫の不妊・去勢手術費用の一部を助成することにより飼い主のいない猫の増加を抑えることで、近隣に対する被害及び迷惑を未然に防止します。
 和名ヶ谷クリーンセンター基幹整備につきましては、施設の寿命を延長するため、3年間をかけて老朽化した設備を大規模改修していますが、新年度が最終年度となっております。これにより、平成41年度まで稼動できるよう、施設耐用年数の延長を図ります。
 また、資源循環型社会の構築に向けた3R(リデュース、リユース、リサイクル)の取り組みを一層進め、ごみの減量化及び資源化の促進を図ります。
 放射能対策につきましては、住宅や子ども関係施設などの除染は一定の目途が立ち、引き続き「松戸市放射能対策総合計画」に基づく、食品安全対策・環境放射線低減対策・廃棄物処理対策・健康管理対策などの一連の取り組みを通して、市民の皆さまの不安を軽減してまいります。

第5節 魅力ある都市空間の形成と産業の振興

 続きまして、「魅力ある都市空間の形成と産業の振興」をめざす施策について申し上げます。
 事業者ならびに起業希望者への経営支援といたしましては、引き続き中小企業経営相談を実施します。また、新たに、千葉県制度融資及びマル経融資利用者に対し、利子補給を実施することにより、市内中小企業の経営の安定化が図られるよう支援します。
 若者の就労支援策として、引き続き個別就職相談窓口や就職能力向上講座などを実施するとともに、「まつど合同企業説明会」を開催し、中小企業と就労を希望する若者とのマッチングの場を提供することで、より多くの若者の就労に結びつくよう支援します。
 市内への企業誘致につきましては、産業振興アドバイザー2名の専門的な知見を活かしつつ、引き続き関係団体と連携し、積極的に誘致活動を行っていくことに加え、新たに、既存の工場などに一定規模以上の設備投資を行う場合にも支援することで、雇用の増加、税収面の向上をめざします。
 農業政策につきましては、都市農業の更なる推進をめざし、農業生産法人設立への支援や、農商工連携を推進します。また、経営基盤の強化策として、農業後継者の育成、補助金交付基準の緩和、作業効率化のための農業機器導入への支援、省エネルギー機器導入への支援を行ってまいります。
 卸売市場につきましては、食の安全に配慮した生鮮食料品の提供に努めます。また流通形態の変化に伴い、効率的で自由な民営市場の実現など、市場のあり方について検討を進めます。
 広域幹線道路の整備につきましては、本市の道路ネットワークの基幹的な役割を担う北千葉道路について、事業未着手となっている市川市から鎌ケ谷市間の早期事業化に向けて、引き続き国や県に働きかけてまいります。
 都市計画道路3・3・6号につきましては、八ヶ崎八丁目から国道6号二ツ木交差点まで、都市計画道路3・4・35号につきましては、東部地域の利便性向上のために、それぞれ平成28年度の供用開始をめざし事業を進めます。
 道路のバリアフリー化につきましては、交通バリアフリー基本構想に基づき、重点整備地区である松戸地区の整備を進めております。新年度は、西口地区につきまして、松ノ木通りに引き続き高砂通りのバリアフリー化整備を進めます。
 橋梁の老朽化対策につきましては、長期間、安全・安心に利用していただくために、昨年度、市で管理する337橋に対する橋りょう長寿命化修繕計画を策定し、新年度より本格的な修繕及び補修工事に着手します。
計画期間は50年と長期にわたる計画ですが、従来の対処療法型から予防保全型の維持管理に切り替えることにより、事業費の平準化、及び50年間で大幅なコストの縮減に努めてまいります。
 放置自転車対策といたしましては、自転車対策の総合的な検討を進めるため、市内でも特に放置が著しい松戸駅や新松戸駅などにおける自転車駐車場整備計画の策定に着手します。
 鉄道駅のバリアフリー化につきましては、新京成線「松戸駅」とJR武蔵野線「新八柱駅」のエレベーターなどの設置工事において、鉄道事業者に対する必要な支援に努めるとともに、一日も早い供用をめざします。
 また、バス路線網の充実といたしましては、一昨年開通いたしました 3・3・7号(幸谷・二ツ木区間)を活用し、小金原地区と新松戸駅を結ぶバス路線の新設に向け、必要な支援をしてまいります。これに伴う小金原線の再編の中で、北小金駅と八柱駅間を結ぶ路線の運行時間帯を朝から夜まで拡充するなど、更なる利便性の向上につなげてまいります。
 土地区画整理事業につきましては、紙敷、関台、秋山、二ツ木・幸谷において組合施行により事業が進められております。秋山土地区画整理事業は、再建計画に基づいた事業推進。二ツ木・幸谷土地区画整理事業につきましては、換地計画に基づく換地処分に向け、引き続き事業推進の支援をします。
 また、新松戸東部につきましては、地元と協働で将来の街の方向性などを検討するため井戸端会議などを重ねてまいります。 
 市営住宅につきましては、住生活基本計画に基づき、定期的な修繕などを実施します。
 住宅の耐震化につきましては、これまでの木造住宅耐震改修費に加え、同時に行うリフォーム工事費用についても費用を助成することで、耐震化を促進し安全で安心な住環境を確保してまいります。
 水道事業といたしましては、石綿管更新事業が本年度末で終了します。今後も安全な水を安定的に供給するため、幸田配水場の機械電気 計装設備の更新を平成27年度完了に向けて取り組むとともに、計画的に老朽管の布設替えを行ってまいります。
 下水道事業につきましては、約33ヘクタールの面整備、改築及び修繕を実施します。また、液状化によるマンホールの浮上防止対策や、公共下水道を利用した水洗式仮設トイレを小中学校に設置する下水道の地震対策事業を引き続き実施します。
 次に、浸水対策といたしましては、昨年の台風26号でも被害を受けました、栄町西二丁目地区について、排水機場のポンプ増強整備を進めます。また、排水路の整備につきましては、引き続き春木川中流、紙敷川中流・下流や、上富士川上流などの整備を進めます。

第6節 都市経営の視点に立った行財政運営

 続きまして、「都市経営の視点に立った行財政運営」をめざす施策について申し上げます。
 まず、財政状況につきましては、歳入の根幹をなす市税収入に回復の兆しが見えてきており、市税全体としては本年度当初予算額を上回るものとなっています。一方、歳出では扶助費などの社会保障費の増加など、新年度も厳しい状況が想定されることから、引き続き国や県の補助制度や交付金制度の積極的な活用を図るとともに、自主財源の確保に努めてまいります。
 行財政改革に関する取り組みにつきましては、計画的に職員定数の適正化を図ります。また、本年度に実施しました組織改革に伴う組織体制につきましても、地方分権の進展及び市民ニーズの多様化などに対応しながら、引き続き見直しを継続し、市民サービスの向上をめざします。
 また、松戸市の障害者雇用率を継続して達成するため、知的障害や精神障害のある方に公務職場における働く場を提供し、市役所での就労経験を活かして民間企業などへの就職をめざす仕組みである「チャレンジドオフィスまつど」につきましては、平成26年4月1日から設置いたします。
 平成28年1月から利用がスタートする社会保障・税番号制度につきましては、個人情報との整合性と、個人情報保護の運用体制整備とともに、住民サービスや業務効率の向上に向けた関連システムの改修を行います。また、国のオープンデータの活用推進に併せて、統計データや地図情報システムなどを活用した位置データなどを、官民協働サービスでの利用がしやすいように更なる充実を図ります。
 次に、本市の重要課題となっている公共施設の再編につきましては、再編整備のあり方を検討するため、市民を対象としたアンケート調査を実施いたします。これらの調査結果を分析して課題を整理し、公共施設の再編整備に関する基本的な方針を定めてまいります。
 また、学校跡地につきましては、新松戸地域学校跡地の有効活用を図るため、基本計画に定めた機能を持った施設などの整備を進めてまいります。
 さらに、市役所本庁舎につきましては、大規模地震が発生した際の建物崩壊を防止するため、新館及び本館の柱補強工事を実施します。
 基礎自治体としての権限を強化し、市民サービスの充実を図るための中核市への移行につきましては、庁内における検討体制を整備し、検討を進めます。
 シティプロモーションにつきましては、本年度に策定しました「まつどシティプロモーション推進方針」に基づき、新たな街の魅力や情報を市内外の人々とともに発見・創造・発信する「情報共創型」プロモーション活動を推進し、本市の認知度や都市イメージの向上を図ります。

結び

 以上、新年度の主要な施策について、その概要を申し上げましたが、財政状況をはじめ本市を取り巻く環境は依然厳しいものがあります。このような時こそ、将来の松戸市のために、今やるべきことを確実に実行することが大切であると考えております。
 新年度は、総合計画第5次実施計画のスタートとなる年です。本市の行政課題、めざす方向を再確認し、「市民が主役の魅力あるまつど」の実現に向けて、各分野における取り組みを着実に推進してまいります。私は、市民の皆さまが豊かさを実感でき、安全で安心して暮らせるまちづくりに引き続き取り組んで行きたいと考えています。
 今年の6月にはサッカーワールドカップが開催され、2020年には東京オリンピック、パラリンピックの開催が決定するなど、景気回復感も含めそこに向かって行く時代のムードも変わりつつあります。新年度には、JR常磐線の東京駅乗り入れが予定されています。
 私は、都心から近く交通の便も良いなどの松戸の潜在力が再評価され魅力的な街になるために更に一歩踏み出し、常に、市民の皆さまと共に感じ、共に汗を流し、まちづくりに努力してまいります。
 以上、平成26年度の市政の基本方針を申し上げましたが、市民の皆さま並びに議員各位のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

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関連リンク

平成26年度教育方針と主要施策

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千葉県松戸市根本387番地の5 新館5階
電話番号:047-366-7072 FAX:047-366-1204

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