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令和5年度施政方針

更新日:2023年2月21日

 令和5年度の施政方針を以下のとおり掲載します。また、PDFファイルのダウンロードも可能です。

施政方針

 本日、ここに、令和5年度予算案及び関連諸議案を提出し、ご審議いただくにあたり、施政の基本方針とともに概要を申し上げ、市民の皆さま並びに議員各位のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

はじめに

 昨年は新型コロナウイルス感染症に加え、原油価格・物価の高騰などが、市民生活や事業活動に大きな影響を及ぼし、多方面において厳しい状況が続いた一年でした。新型コロナウイルスの感染拡大が始まって3年が経過いたしましたが、これまで厳しい行動制限などにより、高齢者は外出を控え、人との関わりが少なくなったりすることで、身体の動きや認知機能が低下するコロナフレイルが懸念されています。加えて、子どもたちは成長の過程でいろいろなことが吸収できる大切な時期に、人との交流が制限されるような状況が続いてきました。
 しかしながら、市民の皆さまの感染予防に関するご理解とご協力で、これまで中止されていたイベントなどが基本的な感染対策を徹底したうえで再開されるなど、徐々に日常を取り戻してきていると感じています。本市でも、3年ぶりに花火大会を開催することができました。
 また、昨年の市政を振り返りますと、4月には、新たな総合計画をはじめ、今後のまちづくりの方向性を示す多くの計画がスタートいたしました。また5月には、内閣府より「SDGs未来都市」及び「自治体SDGsモデル事業」に選ばれました。11月には、ドミニカ共和国のコンスタンサ市と「パートナーシップ協定」を締結しました。
 持続可能な開発目標「SDGs」については、先月公表された、日本経済新聞社関連の「第3回全国市区・SDGs先進度調査」において、県内1位、全国35位の評価をいただきました。引き続き、企業や大学などと産学官民で連携しながら、取り組みを推進してまいります。
 子育て世代への支援としては、「子育ては、社会みんなで応援していくもの」との理念のもと、各種の施策を展開してまいりましたが、日本経済新聞社関連の「共働き子育てしやすい街ランキング」の全国編において1位、東京を含む総合編においても2位に選ばれるなど、引き続き高い評価をいただきました。子育て支援に関わる全ての皆さまに、この場をお借りして、改めて感謝申し上げます。
 市内中学校のスポーツ分野においては、常盤平中学校の女子駅伝部が県大会2連覇を果たし、全国大会でも昨年の順位を上回る活躍をされました。また、音楽分野においても全国レベルでの活躍がめざましく、多くの賞を受賞しました。市立松戸高等学校では、弓道部が全国選抜大会で千葉県勢初となる男子団体優勝を果たし、吹奏楽部が日本管楽合奏コンテスト全国大会で最優秀賞を受賞するなど、各方面での活躍がありました。
 また、大相撲では、松戸市出身で市内佐渡ケ嶽部屋に所属する琴ノ若関の三役昇進など、明るい話題もありました。本市出身では70年ぶり、また、祖父の横綱、父の先代琴ノ若の佐渡ケ嶽親方と、親子3代での三役は史上初とのことです。
 松戸市在住のBMXプロライダー、佐々木元選手は11月に行われた世界選手権のフリースタイルフラットランドで初優勝を果たし、世界ランキングも自身初となる1位となりました。
 また、本市出身の須崎優衣選手(「崎」は「たつさき」が正式表記)は、10月に行われたレスリング23歳以下の世界選手権で優勝し、世界で初めて主要5大会を制覇、レスリング界での「グランドスラム」を達成されました。
 引き続き、松戸にゆかりのある方々の活躍を、皆さまとともに応援してまいりたいと思います。

令和5年度予算

 それでは、本市の令和5年度予算について説明いたします。
 新年度の一般会計予算は、子育ての負担軽減や見守り体制の強化、都市の再生、まちのにぎわいの創造などに要する事業費を計上しつつ、新型コロナウイルスワクチン接種やPCR・抗原検査費用助成の継続など、感染症対策経費を確保いたしました。一般会計予算総額では、建設事業の完了等により前年度比48億3,000万円減の、1,694億6,000万円を計上いたしました。
 歳入については、市税収入は、国の税収の動きと同様に推移し、前年度比22億9,600万円増の、722億2,000万円とし、過去最大の税収を見込みました。
 財政調整基金繰入金は約25億円を見込みますが、残高は近年と同水準の100億円を上回る額を確保しており、財務体質の安定性を維持しながら、メリハリのある予算を作ることができたのではないかと考えております。

まちづくりに対する基本的な考え方

 続きまして、新年度のまちづくりに対する基本的な考え方について、述べさせていただきます。
 今年4月に、松戸市は市制施行80周年の節目を迎えます。昭和18年に松戸市が誕生した当初、人口は約4万人でしたが、高度経済成長期、急激に膨張する首都東京の住宅需要の受け皿として、新しい市民が全国各地から移り住み、全国有数の生活都市に発展し、現在は約50万人の大都市になるまでに成長しました。記念事業や地域のイベントを通して市民の皆さまとお祝いし、市の歴史を振り返り、まちづくりに貢献していただいた多くの方に感謝の気持ちを伝えていきたいと思っています。
 本市には、従来から都心にアクセスしやすいという強みがあることに加え、都市生活に潤いをもたらす豊かな自然が残されているという、幅広い層を惹きつける魅力があります。
 そのような魅力を活かしながら、子育て世代をはじめとする若い世代を呼び込み、子どもから高齢者まで皆さまが安心して暮らせる環境を整備し、多世代がともにいきいきと思い思いに暮らすことができるまちづくりをしてまいりたいと考えております。
 そのため、子どもたちを元気に育てることのできる環境づくりを進め、子どもの育ちを社会全体で支えていけるよう、妊娠・出産から子育てまで切れ目のない支援を行うとともに、団塊世代が全て75歳を迎える2025年、さらには団塊ジュニア世代が65歳を迎える2040年を見据え、地域の人々がみんなで助けあっていく社会、地域共生社会の実現に向けた取り組みをさらに進めてまいります。
 一方、本市では、人口急増期に整備された都市基盤の老朽化対策が必要となっております。
 新たなにぎわいの創出に向けては、市内主要駅周辺の整備や活性化を推進することにより、住宅地としてはもちろん、商業地としての魅力の向上にも引き続き取り組んでまいります。
 以上のような考え方を基本に据えて、広い視野から将来を予測し、また優先順位をつけながら、課題に全力で取り組んでまいります。

子育て・教育・文化を軸とした都市ブランドづくり

 ここからは具体的に、新年度の主要な施策について、松戸市総合計画の基本目標ごとに6つの視点から説明いたします。
 1つ目の視点は、「子育て・教育・文化を軸とした都市ブランドづくり」でございます。若い世代の結婚、出産、子育ての希望をかなえるとともに、子育て世代にも魅力的な「子育てしやすいまち」として選ばれるまちづくりを進めてまいります。
 国は令和5年4月に「こども家庭庁」を発足させ、子ども政策をさらに強力に進める体制を構築いたしますが、本市におきましても、すべての妊産婦・子育て世帯・子どもの包括的な相談支援等を行う「こども家庭センター」の機能を整え、体制の強化を図ります。
 妊婦及び概ね0歳児から2歳児の保育サービスを利用していない子どもがいる家庭の孤立解消や見守り体制を強化し、虐待リスクの高まりを防ぐため、「おやこDE広場」などを、新たに「マイ・サポート・スペース」として活用し、一時預かりやアウトリーチ型の訪問家事支援などの取り組みを織り交ぜ、子育ての負担軽減を図ってまいります。
 「出産・子育て応援交付金事業」では、妊娠届時より、全ての妊婦・子育て家庭に寄り添い、出産・育児等の見通しを立てるため、必要な支援につなぐ「伴走型相談支援」を充実させるとともに、「経済的支援」も一体として実施してまいります。
 妊産婦への支援では、出産時の入退院、産婦健康診査受診時に加え、新たに妊娠36週以降の妊婦健康診査受診時のタクシー乗車料金を助成いたします。
 不妊治療については令和4年4月より体外受精などの基本診療が全て保険適用となりましたが、保険診療と併用して行った先進医療について、新たに助成を開始し、経済的負担の軽減を図ってまいります。
 給食費につきましては、保育園や幼稚園などに通う第2子、第3子以降を対象に助成範囲を拡大します。小中学校については引き続き、食材の値上がり分を市が負担するほか、第2子の半額、第3子以降の全額を無償化し、子育て世帯の経済的な負担の軽減を図ってまいります。
 保育需要に対しては、引き続き少子化の動向等を注視しつつ、施設整備など、適切に対応してまいります。
 また、保育所の空き定員等を活用した国の預かりモデル事業に参加表明し、今後の少子化を見据えた保育所のあり方について、調査研究を進めてまいりたいと思います。
 また、子ども医療費助成制度を高校3年生相当年齢まで現物給付化し、進学等で市外に転出した子どもを新たに助成対象といたします。
 子ども食堂の取り組みにつきましては、松戸市子どもの未来応援基金を活用し、新規開設や運営を引き続き支援してまいります。
 教育に関しては、教育環境の整備を進めるとともに、「教育はみんなで」を合言葉に、学びの文化が本市に定着するよう、さまざまな施策を展開してまいります。
 文化・芸術活動に関しては、世界の多様な文化芸術に触れる機会を創ってきた「パラダイスエア」が事業開始10周年を迎えます。これを記念したイベント、展示会の開催や記念誌の発行などを予定しております。
 また、戸定邸を中心とした松戸駅周辺で開催しておりました「科学と芸術の丘」については、開催エリアや期間など、規模を拡大して開催いたします。
 松戸市とオーストラリア・ホワイトホース市が姉妹都市提携を結んだ5月12日を含む1週間を、「ホワイトホースWeek」と銘打ち、両市の交流を広く周知してまいります。
 ドミニカ共和国・コンスタンサ市とは、国際協力機構(JICA)草の根技術協力事業として採択された梨の栽培支援を継続するなど、パートナーシップ協定のもと、農業・スポーツ・教育・文化・環境分野における連携を進めてまいります。
 令和5年は日本とベトナムの外交樹立50周年を迎えることから、新たに交流事業を開催し、多文化共生のまちづくりを推進してまいります。
 音楽の分野では、引き続き音楽フェスティバルを開催し、「音楽のまち松戸」の裾野を広げてまいりたいと考えております。
 東京オリンピック・パラリンピックを契機にアーバンスポーツやニュースポーツが注目されるようになりました。スポーツの多様化に対応し、既存施設にアーバンスポーツの設備の整備を進めるとともに、今後のスポーツ施設整備についての方向性の検討を進め、気軽に多様なスポーツを楽しむ機会の充実に向けて取り組んでまいります。

誰もがいきいきと暮らせるまちづくり

 2つ目の視点は、「誰もがいきいきと暮らせるまちづくり」でございます。誰もが生涯を通じて、自らの健康に関心を持ち、心身ともに健康でいきいきと暮らせるまちづくりを進めてまいります。
 地域共生社会の構築に向けては、地域の誰もが気軽に利用できる場づくりとして、「まつどDEつながるステーション」の創出を引き続き進めてまいります。
 高齢者がいつまでも住み慣れた地域で暮らし続けることができるよう、市内全15地区の地域包括支援センターに、介護予防や自立した生活を続けるための体制づくり、高齢者が役割を持った形での社会参加、認知症になっても安心して暮らせるまちづくり、これら3つの機能を担う多機能コーディネーターを配置し、一体的な実施に努めてまいります。
 高齢者の地域活動や社会参加を促進するため、グリーンスローモビリティによる地域の小さな移動を拡充し、人と人とのつながりの強化や地域の活性化を図ってまいります。さらに、超小型モビリティの実証調査を行いつつ、地域導入を目指してまいります。
 介護サービス、障害福祉サービスについては、それぞれ「いきいき安心プランVIIまつど」、「まつど3つのあいプラン」に基づき、適正に供給してまいります。
 医療的ケア児に対しては、保育所等での受入体制を整備する費用を補助していくほか、在席する小中学校における支援体制を充実させてまいります。
 また、障害福祉サービスの報酬における医療的ケアの加算がない日中一時支援事業所に対して、地域生活支援給付費として市独自の「医療的ケア体制加算」を新たに創設いたします。
 障害者の就労環境の強化の取り組みにつきましては、障害者就労施設と専門的なスキル・経験をボランティアとして提供するプロボノワーカーのマッチングを行い、工賃向上にむけ課題解決に取り組む事業所を支援してまいります。
 AYA世代とも呼ばれる39歳以下の若年のがん末期の患者は、介護保険が適用されないなど経済的な負担が大きいことから、在宅での療養に必要なサービス利用の費用を新たに助成してまいります。
 総合医療センターについては、東葛北部保健医療圏の基幹病院として三次救急や周産期・小児医療、感染症対策など、民間医療機関では負担が大きい政策医療を担うという役割を果たしつつ、経営の効率化による持続可能な病院経営を行ってまいります。
 東松戸病院と梨香苑については、令和6年3月31日に廃止となりますので患者や利用者の皆さまが必要な医療や介護を受けることができるよう、取り組んでまいります。
 再編後の医療提供体制の確保等については、民間医療機関の参入の促進など、病院事業再編計画に基づき、引き続き進めてまいります。

居心地の良い魅力的なまちづくり

 3つ目の視点は、「居心地の良い魅力的なまちづくり」でございます。主要駅の市街地整備、住宅政策の更なる推進に加え、都市計画道路の整備を含めた市内道路整備、公園の整備及び緑地の保全、河川整備、下水道整備等、総合的なまちづくりを進めてまいります。
 本市の顔ともいえる松戸駅周辺については、現在、JR東日本と新京成電鉄により、松戸駅の改良工事が進められています。本市においても、松戸駅西口駅前広場にエレベーターやエスカレーターを設置し、さらにはデッキ床などの整備を進めております。
 松戸駅東口の新拠点ゾーンについては、相模台の官舎跡地や松戸中央公園等の国有地を活用し、道路等の公共施設の整備改善及び宅地の利用増進を図り、賑わい交流拠点の形成を行うことを目的として土地区画整理事業を実施してまいります。
 昨年12月に開催された国有財産関東地方審議会での審議の結果、新拠点ゾーン内南側国有地を松戸市に対し、市役所敷地として時価売払いすることを適当と認める答申がなされました。今後は、国との土地売買契約の締結に向けた手続きを進めてまいります。
 旧松戸宿周辺の坂川沿いは、市民の皆さまからの寄付で植えられた河津さくらが成長し、早春の訪れを告げてくれます。水とみどりと歴史が感じられる同地区で、周囲の景観と調和した散策路を整備するため、令和5年度は市民の皆さまとともに、景観に配慮した散策路の設計検討を行います。
 新松戸駅東側の土地区画整理事業については、引き続き、地域の皆さまとともに取り組んでまいります。あわせて、常磐線快速列車の新松戸駅停車に向け、JR東日本への働きかけを続けてまいります。
 昨年都市計画決定した北小金駅南口東地区の再開発については、地域の皆さまとともに、組合設立認可に向け取り組んでまいります。また、北小金駅周辺地区については、駅南北の連携やにぎわい創出等、まちづくりを推進するため、都市再生整備計画の策定を目指してまいります。
 UR都市機構の大規模団地があるまちに関しては、UR都市機構、団地住民、あるいは地域の皆さまと意見交換を重ねながら、まちの再生や活性化に取り組んでまいります。
 常盤平地域については、まちづくりの方針について検討してまいります。
 昨年4月、新たな都市計画マスタープランがスタートいたしました。令和5年度は、市街化調整区域における土地利用方針の策定に向けた検討を引き続き進めてまいります。
 外環道と成田空港を結ぶ北千葉道路については、松戸市と市川市を通る3.5kmの区間が令和3年度より新規事業化されました。この北千葉道路へ接続する都市計画道路3・3・7号横須賀紙敷線においては、引き続き、河原塚地先の道路整備に向けた用地取得を進めてまいります。
 また、外環道と東部地域のアクセス向上として、都市計画道路3・3・6号三矢小台主水新田線の和名ケ谷地先における用地取得を、新年度より進めてまいります。
 道路の舗装や橋りょうなどの道路インフラの長寿命化については、予防保全型の修繕を継続して行ってまいります。
 放置自転車対策として、新たな市営自転車駐車場の設置及び民間自転車駐車場設置の支援を継続してまいります。
 公園については、住民参加でのワークショップのご意見等を踏まえた、柿ノ木台公園と新松戸中央公園の再整備工事を実施いたします。
 また、21世紀の森と広場の施設内に、公園利用者の利便性向上を図るため、Wi-Fiを設置してまいります。
 河川については、大雨による浸水対策として、紙敷川、上富士川などの改修・整備を継続してまいります。
 下水道事業については、長津川雨水幹線工事を継続実施してまいります。引き続き、業務の効率化、サービスレベルの向上により、健全経営に努めてまいります。
 水道事業では、水道管の耐震性を高め、いつでも安全・安心に水道が使えるよう、引き続き、老朽管の更新に努めてまいります。

地域経済が活力にあふれ、自分らしく働けるまちづくり

 4つ目の視点は、「地域経済が活力にあふれ、自分らしく働けるまちづくり」でございます。各種産業の環境整備と振興に努め、経済活性化を促すとともに、働きたい人が生きがいを持って自分らしく働けるまちを目指してまいります。
 地域経済の活性化に向けては、まちのにぎわいを創造する取り組みとあわせ、事業者の稼ぐ力を高める取り組みを進めてまいります。
 松戸駅周辺のにぎわい創出に向けては、西口デッキや公園など、公共空間を活用したイベントを定期的に開催してまいります。昨年、3年ぶりの開催となった松戸花火大会についても、今年は市制施行80周年を記念し、打ち上げ数を25,000発とする県内最大規模の大会にいたします。
 市内事業者の稼ぐ力を高めるために、創業から経営までの、成長段階に合わせた切れ目のない支援を引き続き実施してまいります。
 創業支援については、「松戸スタートアップオフィス」では、事業拠点や交流の場を提供するとともに、インキュベーションマネージャーによる創業者への伴走支援を行ってまいります。また、「まつど創業塾」では、創業に必要な知識を総合的に学ぶ講座を実施いたします。
 経営支援については、昨年7月に開設した松戸ビジネスサポートセンター「ビジまど」では、中小企業診断士を中心としたアドバイザーを常時配置し、創業後の事業者への伴走支援を行うとともに、セミナーや交流イベントを開催してまいります。また、専門家相談では、税務・法務・労務・特許等、経営管理上の専門的な相談を行ってまいります。
 産業振興に関しては、サテライトオフィスやシェアオフィスを開設する事業者に対する補助制度を拡大し、多様化する働き方に対応してまいります。
 雇用に関しては、市内事業者が、就職情報会社の主催する合同企業説明会に出展する際の補助を新たに実施いたします。働く場を求める人と、人材を確保したい市内事業者のマッチングの機会を支援してまいります。
 農業に関しては、松戸産農産物のブランド力及び生産性向上のため、農家への支援を引き続き行ってまいります。また、農業資材等においても価格高騰が続いていることから、経費の一部を補助してまいります。

安全で安心して暮らせるまちづくり

 5つ目の視点は、「安全で安心して暮らせるまちづくり」でございます。快適な生活環境を保全し、市民の皆さまの暮らしをいつでも守る安全安心なまちづくりを進めてまいります。
 災害発生時の本市の対応拠点ともなる市庁舎の建替えについては、課題を整理しつつ、早急に検討を進めてまいります。
 消防については、大規模災害等の複雑多様化する災害に対応するため、現場指揮体制の強化を図ってまいります。
 また、令和4年の救急出場件数は32,105件で、前年比約23%の大幅増加となり、過去最多の出場件数となりました。救急出場件数の増加に対応するため、令和5年度は中央消防署に新たに救急車を1台追加配置し、市内13台体制で、市民の皆さまの安全確保に努めてまいります。
 防犯対策に関しては、令和4年の刑法犯認知件数は2,608件で、全体として減少傾向は続いておりますが、いわゆる電話de詐欺への対策強化に加えて、子どもの見守り・安全安心を中心に据えた取り組みに一層力を入れてまいります。
 通学路を中心に子どもが集まる場所、公園、塾などへの経路となる場所に、優先順位をつけて街頭防犯カメラを増設いたします。公園の内外からの見通しを、年間を通して良くするため、公園の草刈りの回数を増やします。今年1月に開始したGPS端末購入時の初期費用の補助について、令和5年度も引き続き実施いたします。地域の方々のご協力による見守り活動、新入学1年生への防犯ブザー無償配布についても引き続き実施いたします。
 松戸駅周辺の客引き行為等への対策も、指導監視員の増員、客引き対策専従の警備委託の実施など、体制を大幅に強化し、夜間でも安心して松戸駅周辺を利用できる環境づくりを進めてまいります。
 消費者対策に関しては、市民の皆さまの安全・安心な消費生活の実現を図るため、近年の新たな消費者問題への対応を含めた取り組みを継続してまいります。また、若者から高齢者までの幅広い世代に対し、消費者被害の未然防止に向けた取り組みを推進してまいります。

人と環境にやさしいまちづくり

 最後、6つ目の視点は、「人と環境にやさしいまちづくり」でございます。市民の皆さまが、安心して住みやすく、満足していただける持続可能なまちを実現すべく、行財政運営に邁進いたします。
 地球温暖化対策では、2050年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロにすることを目指す「ゼロカーボンシティ」宣言を踏まえ、「(仮称)脱炭素市民会議」を立ち上げます。
 新焼却施設については、環境影響評価、施設整備調査、PFI等導入可能性調査及び、測量等の各種調査を実施し、整備を進めてまいります。
 SDGs未来都市・自治体SDGsモデル事業に選定されたことを受け、昨年に引き続き、Z世代を起爆剤とした常盤平団地エリアのリ・ブランディングの取り組みを推進いたします。令和5年度は、新たに常盤平団地に住むことを希望し、SDGsの活動に参加する学生に対し、団地への入居を支援する制度を創設してまいります。
 また、松戸市版のSDGs宣言登録制度を創設し、登録認定企業等の紹介、研修実施、市内全域への普及啓発活動などを通じて、SDGs達成に取り組む多様な主体の裾野を広げてまいりたいと考えております。
 人権施策については、令和4年にパートナーシップ宣誓制度に係る都市間連携協定を、千葉市、船橋市及び松戸市の3市間で締結いたしました。これにより、パートナーシップ宣誓制度を利用している方々が、3市間で転入転出する際の手続が簡素化され、負担を軽減することにつながりました。引き続き、誰もが自分らしく生きることができる地域社会の実現に取り組んでまいります。
 平和事業については、平和大使として、市内の中学生を長崎市で開催される「青少年ピースフォーラム」へ派遣します。
 また、もう一つの被爆地である広島市との関わりも継続してまいります。
 戦争体験者の減少が進むなか、平和語り部などの継承事業や世界で起きている紛争等の現状を伝える事業などを通じて、引き続き次の世代に平和の大切さや戦争の悲惨さを伝えてまいります。
 デジタル社会の実現への取り組みについては、昨年10月より、スマートフォンや自宅のパソコンで様々な手続や申請を可能とする松戸市オンライン申請システムが54手続きについて稼働し、先月末から新たに133の手続きを追加したところでございます。市民の皆さまの利便性を向上させながら、引き続き、「安全・安心・便利・快適」なスマート行政を目指してまいります。
 公共施設の再編に関しては、松戸市公共施設再編整備推進審議会の意見を伺いながら、将来的な財政負担の縮減と平準化を見据え、公共施設等総合管理計画の改訂を行い、安定した公共施設サービスの提供に取り組んでまいります。
 また、地方公共団体が行う地方創生の取り組みに対する企業の寄附について、法人関係税を税額控除する、企業版ふるさと納税制度の導入に向けた検討に着手してまいります。
 以上、新年度の主要な施策について、その概要を申し上げました。

おわりに

 松戸市の市制施行80周年とともに、今年は千葉県誕生150周年となる年です。記念式典及び誕生150周年事業のスタートとなる記念行事が、松戸市を会場に開催されることが公表されました。地元松戸が盛り上がり、みんなでお祝いする機会になるよう、千葉県に協力してまいりたいと考えております。
 来月開幕する、春のセンバツ高校野球の出場校に専修大学松戸高等学校が選ばれた、という嬉しいニュースもございます。甲子園で躍動する球児たちの姿は私たちに再び大きな感動と勇気を与えてくれるものと期待しております。
 今年も新型コロナウイルス感染拡大防止と社会経済活動の両立を図りながら、さまざまな分野で市全体の活性化に取り組んでまいります。
 結びになりますが、子どもから大人まで、あらゆる世代がともに安全・安心に暮らせる、住みやすい「持続可能なやさしいまち」の実現に向けて、引き続き全力で市政運営に取り組んでまいりますので、改めて、市民の皆さまと議員各位のご支援、ご協力を賜りますことをお願い申し上げ、新年度の施政方針とさせていただきます。

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電話番号:047-366-7072 FAX:047-366-1204

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