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平成25年度施政方針

更新日:2013年11月25日

 平成25年度の施政方針を以下のとおり掲載いたします。また、PDFファイルからのダウンロードも可能です。
 なお、当日の演説と表現その他に若干の差異があることをご了承ください。

施政方針

 本日、ここに、平成25年度予算案および関連諸議案を提出し、ご審議いただくにあたり、私の新年度の市政運営に臨む所信の一端を述べ、市民並びに議員の皆様のご理解を賜りたいと存じます。

始めに

 本市は、25年4月1日に「市制施行70周年」を迎えます。昭和18年4月1日に、人口4万433人で市制を施行した本市は、先人たちの努力により着実に発展し、現在では48万人、全国で30番目、県下では3番目の大都市となりました。この先人たちの功績に改めて感謝し、未来へのさらなる発展に願いを込めて、新年度の各種事業に「市制施行70周年」の文字を冠して、市民の皆さまとともにお祝いしてまいりたいと思います。主な事業といたしましては、「まつど宇宙と科学の日記念イベント」や「松戸市七草マラソン大会」などを予定しております。これまで松戸が歩んできた歴史に思いを馳せる、またとない機会であります。こうした機会を活かし市民の皆さまには70周年を契機に、より松戸の街への愛着を深めていただくことを願っております。そして、私はこれまで提唱してまいりました「子育て、教育、文化を軸とした都市ブランド創り」「人と人とのつながりを大切にするまち」を様々な形で具現化してまいりたいと考えております。

 そのため、4月には、12年度に導入した本部制を13年ぶりに廃止し、フラットな部制に改組し、多様化する行政課題を効率的に解決できるよう市民サービスの向上を図ってまいります。

 25年度は、松戸市総合計画後期基本計画、第4次実施計画の最終年度となります。「市民が主役の魅力あるまつど」の実現に向けて、残された課題や計画した事業に全力で取り組んでまいる所存であります。

まちづくりに対する基本的な考え方

 次に、まちづくりに対する基本的な考え方について述べさせていただきます。私がこれまでも、そして、東日本大震災以降、特に懸念している問題は、人口の問題であります。22年をピークに人口が減少に転じております。その理由の一つには出生数の低下があります。昭和48年には8,000人台であった出生数が近年では3,900人台となるなど、少子高齢化問題は重要となっております。特に子育て世代にとって、魅力あるまちづくりが必要であると考えております。

 そこで、政策の柱の一つ目としては、「子育て、教育、文化を軸とした都市ブランドづくり」であります。

 私は市長就任以来、子育てするなら松戸と思われるような「魅力ある子育てタウンまつど」の実現を目指してまいりましたが、新たに松戸の中心市街地に子どもと保護者が気軽に訪れ楽しめる場所を創るため、文化ホール内に、おやこDE広場中部を移設いたします。

 また、子どもたちが自然・歴史・文化を大切にし、それを生かした活動ができるように、21世紀の森と広場を活用し、(仮称)森のこども館事業を実施いたします。

 働きやすい子育て環境の整備については、25年4月に東部地区及び常盤平地区に、新たに2か所の民間保育園が開設されます。これにより24年度開設した松戸駅周辺と東部地区と併せまして、4か所の民間保育園が設置されます。

 さらに、26年4月の開設にむけて、北小金駅前と栄町地区2か所に民間保育園の建設支援を行なってまいります。栄町地区については、千葉県初の夜12時までお預かりする夜間保育所が開設されます。

 また、モデル事業として、グループ型小規模保育事業を実施することで、待機児童解消及び就労形態の多様化への対応を図るとともに、夜8時までの延長保育など保育サービスの充実を図ります。

 子ども医療費の助成について、通院は小学校6年生まで、入院は中学校3年生までを対象としておりますが、通院につきましても中学校3年生まで拡大いたします。また、入通院とも中学校3年生までのすべての対象児童生徒が受給券で受診できるようになります。

 こうした取り組みを、より充実させていくために子ども部を設置し、特に、要支援家庭への支援充実や児童虐待の早期発見と対応の充実を図るため子ども家庭相談課を新設いたします。

 次に、教育施策につきましては、東部小学校区において児童数の増加が見込まれるため、松飛台駅前にある学校予定地に(仮称)関台小学校を28年4月開校を目指し、25年度は実施設計を行います。

 また、本市の「言語活用科」は県内外からも注目されております。特に25年度は千葉県内初の試みとして、中学校英語科で「デジタル教科書」を全市的に導入し、ICTを活用した授業を展開してまいります。更に、小学校での英語の学習を生かした「中学校英語カリキュラムの研究」にも着手し、小中連携を強化した学力対策を一層推進します。

 次に、文化施策についてでございます。文化芸術の視点からまちを活性化することで、街の賑わいを取り戻し、また、子どもを生み・育てたくなる「文化の香りのする街・まつど」にするため、学識経験者の方々からご意見を伺い「松戸市文化芸術振興基本方針」を策定します。

 また、松戸アートラインプロジェクトについては、4年目となってまいりますので、メイン月間に行うアートイベントを超えて、まちづくりとアートが融合する街「クリエイティブ シティ」へ向けた取り組みを強化してまいります。そのために、地域住民、学生、アーティストが共に取り組むための運営体制「松戸まちづくり会議」を支援してまいります。さらに、常盤平団地およびその周辺地域につきましても、地域住民、アート関係者、UR、行政等で構成する「常盤平団地等地域活性化検討協議会」を中心に、アートイベントをきっかけとして、地域活性化を図り、常盤平団地地域の魅力を市内外に広く知っていただき、イメージアップに積極的に取り組みます。

 こうした取り組みが、二つ目の政策の柱である「人と人とのつながりを大切にするまち」の構築につながるものと考えております。

 その二つ目の政策の柱の実現に向け、後期基本計画のリーディングプランで定めた未来像の一つである「自分たちのまちは自分たちでつくる元気な街」を実現する「地域の問題は地域で解決する」地域の仕組みづくりについて、これまでも様々な検討を行ってまいりました。25年度は「地域の仕組みモデル試行事業」を実施するとともに、さらなる検討をしてまいります。

 また、協働のまちづくりにつきましても、豊かで活力ある地域社会の実現を目指して取り組んでおりますが、改めて協働の必要性を見つめ直し、本市と公共サービスを担う協働のパートナー育成に重点を置いた支援制度の拡充に向けた検討に着手します。

 そこで、高齢化が進む社会への対応といたしましては、24年2月より、高齢者の皆さまがボランティア活動を通じて、社会参加や地域貢献を行うとともに、自らの健康管理を図ることを目的とした介護支援ボランティア制度を実施しているところです。この制度の拡充に向け、市民皆さまのご協力をいただきながら、今後も積極的に進めてまいります。さらに、住みなれた地域で安心して過ごすことができるように、地域包括支援センターを現在の3か所から11か所に増設し、介護予防や総合相談等の機能を強化することで、医療・保健・福祉が連携して、地域全体で高齢者を支える地域包括ケアシステムの構築を図り、急速に進展する超高齢社会への備えを万全にします。

 これらの政策を実現するためには、「元気なまちづくり」が大切だと考えます。

 私が人口問題とともに課題と考えているのが雇用の問題です。産業の振興を支援するとともに、雇用の問題に対応していきたいと考えております。そのため、本市の経済振興に資することを目的に、新たな企業を誘致し、雇用の拡大を図るため、市内において新たに事業を行う事業者に対して、補助金を交付します。これにより、工場、商業施設、大型事務所などを、積極的に誘致してまいりたいと考えております。

 また、若者の就労支援として、「まつど合同企業説明会」を実施します。市内で頑張っている中小企業と就職を希望する若者とのマッチングの場を提供することで、ひとりでも多くの若者が就職につながるよう、また、中小企業の人材確保につながるよう支援します。

 まちの再生として、本市の中心部である、松戸駅周辺の活性化につきましては、駅周辺に人が集い、賑わい、活気のあるまちの実現を目指し、地元をはじめとする、関係者の皆さまと連携を図りながら、24年度から進めております、まちづくり基本構想を策定します。

 本市の都市計画については、24年度までに行ってきた都市計画基礎調査などの検証結果から、本市のまちづくりの特性、課題を整理し、まちの将来像を明確にするため、25年度は県が定める市街化区域および市街化調整区域の区域区分および「都市計画区域の整備、開発及び保全の方針」について、見直し作業に着手します。

 さらに、再開発の適正な誘導と計画的な推進を図ることを目的に定められている都市再開発方針についても併せて、変更を予定しております。

 また、安全・安心の対策といたしましては、学校の耐震化工事を引き続き27年度の完了を目指し、25年度は19校の耐震改修事業を実施いたします。放射能対策につきましては、市民の皆様の安全・安心を最優先に考え、「松戸市放射能対策総合計画」に基づき、除染は学校施設をはじめ子ども関係施設を完了し、公園やスポーツ施設、また、住宅の除染につきましても、25年3月末を目途に主な生活空間における平均的な空間放射線量の低減化が図れるよう努めているところです。25年度におきましては、さらなる除染対策として、住宅以外の民有地などの除染も行ってまいります。防犯対策では、更に市民の安全を図るため、千葉県内においてひったくり件数が多くなっている現状の犯罪抑止対策として、新たに防犯カメラを設置いたします。これにより、さらなる治安の向上を図ります。

 引き続き市民の皆様が、安心して健康的な日々を送れるよう努めます。

経済状況

 さて、我が国経済の動向につきましては、景気は弱い動きとなっていますが、一部に下げ止まりの兆しもみられます。また、先行きについては、当面は弱さが残るものの、輸出環境の改善や経済対策の効果などを背景に、再び景気回復へ向うことが期待されております。国においては、日本経済を大胆に再生させるため、大震災からの復興を前進させるとともに、「強い経済」を取り戻すことに全力で取り組み、適切な政策対応により景気回復につなげるとしております。

 国政におきましては、24年12月16日の衆議院議員総選挙により政権が交代し、大きな変化が生じてきております。25年1月に閣議決定した「日本経済再生に向けた緊急経済対策」においては、日本経済再生に向けて、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の「三本の矢」で、長引く円高・デフレ不況から脱却し、雇用や所得の拡大を目指しております。本市では常にその動向を注視し、迅速に対応を図ってまいります。

平成25年度松戸市当初予算

 次に、本市の25年度予算についてご説明申し上げます。

 一般会計予算は、24年度と同額の1,278億3,000万円を計上いたしました。

 歳入につきましては、徐々に回復の兆しが見えてきていることから下げ止まり感が伺え、市税は前年度比1.4%増を見込み計上しております。

 歳出につきましては、民生費が3.6%増加し、構成割合は46.3%と最も大きく、次いで衛生費が11.9%、教育費の9.4%となっております。

 主なものといたしまして、民生費では子ども医療費助成費、民間保育所の建設費補助金、介護保険特別会計繰出金の増額を計上しております。

 衛生費では、和名ヶ谷クリーンセンター基幹整備費など、教育費では、小中学校大規模改造耐震改修事業などを計上いたしました。

 財源が厳しい中ではありますが、健全財政の確保を基本とし、出来る限り次世代への負担を抑制すると共に、「市民が主役の魅力あるまつど」の実現に向けて、必要な施策には積極的に投資をしてまいる所存です。

 続きまして、後期基本計画の政策展開の方向に沿って、25年度の主要な施策について、ご説明申し上げます。

第1節 連携型地域社会の形成

 はじめに「連携型地域社会の形成」をめざす施策について申し上げます。

 まず、市民の利便性の向上を目的に、松戸駅東口構内に設置している行政サービスセンターにつきましては、市民の皆さまがさらに利用しやすくなるよう、一部業務の民間委託を推進して、7月より平日および土曜日に加え、毎月第2・第4日曜日も窓口を開庁します。

 また、松飛台市民センターにつきましては、バリアフリー化整備を行い、エレベーターを設置します。

 東部市民センターおよび梨香台保育所の複合施設につきましては、耐震改修工事に併せてバリアフリー化整備を行い、エレベーターを設置します。

 次に、交通安全対策につきましては、高齢者の自動車運転による交通事故を減少し、市民の安全に寄与するため、高齢者運転免許証自主返納支援事業として、運転免許証を自主返納した65歳以上の人に、身分証明書となる写真付きの住民基本台帳カードを無料で交付します。

 協働のまちづくりの取り組みにつきましては、協働事業負担金を交付して松戸の農業をサポート・農業ボランティア養成事業など、4件の協働事業を推進します。

 また、世代間交流を促進するため、お年寄りが理科実験を通して子どもの科学に対する興味を育む科学教室事業など、4件の市民活動に助成金を交付し、将来の公共サービスの担い手の育成に努めます。

第2節 豊かな人生を支える福祉社会の実現

 続きまして「豊かな人生を支える福祉社会の実現」を目指す施策について申し上げます。

 子育て支援施策につきましては、急速に子育て環境が変化する中で、保育を必要とする方々のニーズに対応できるよう事業を展開します。

 地域の子育て拠点「おやこDE広場」「子育て支援センター」に配置している「子育てコーディネーター」については、国からも先進自治体の取り組みとして紹介されるなど、全国的な評価をいただいているところですが、今後も本市を代表する取り組みとして、更なる充実・強化を図ります。

 障害福祉施策につきましては、障害者総合支援法の施行などの制度改正や新たな課題に対応するため、25年度は、平成32年度までを計画期間とする第2次松戸市障害者計画がスタートいたします。現在、本計画についてのパブリックコメントを実施しているところでありますが、障害のある方がいきいきと安心して暮らしていける地域社会をめざし、相談支援体制の充実や就労の支援などを重点施策として位置づけているところです。

 そこで、25年度は、地域における相談支援の拠点といたしまして、ワンストップの総合相談を担う基幹相談支援センターを開設します。障害のある人と、そのご家族のさまざまな課題を受け止め、その解決に向けて、他の相談機関や地域の社会資源と連携しながら支援を行ってまいります。

 就労の支援に関しましては、障害者優先調達法に基づき、障害者就労施設等が提供する物品やサービスに対する官公需の拡大を進めるとともに、新たに新商品の開発などの取組みに対する補助制度を創設し、働く障害者等の工賃向上を推進してまいります。

 また、新たに東葛地域に設置される「重症心身障害児入所施設」に対し、関係各市と施設整備費の一部を負担します。

 松戸市こども発達センターにつきましては、従来の事業に加え、新たに障害児相談支援事業所として指定を受けるとともに、地域の民間児童発達支援事業者と連携し、障害児支援の更なる充実を図ります。

 また、国民健康保険料の収入につきましては、ペイジー口座振替受付サービス導入により、保険料支払の口座振替手続きの簡素化を図りながら、収納率をあげていきたいと考えております。

 次に、雇用情勢が大変厳しい中で、不安定な状況に置かれている生活保護受給者が増加傾向にありますが、就労実現に必要な支援の強化を図ります。

 次に、女性のがんの早期発見と早期治療を促進するために、子宮頸がんの細胞診査の際、30歳・35歳の希望者に対してHPV検査を実施します。

 高齢者支援策としましては、新設する特別養護老人ホームおよび養護老人ホームの建設費の一部を補助してまいります。また、五香と小金原に開設予定のグループホーム施設に対し、開設時から安定した質の高いサービスを提供する体制を整備するための準備経費の一部を補助します。

 介護支援施策としましては、現在、地域包括支援センターの拡充について、準備を進めております。在宅介護支援センターを集約し、市民の皆様の身近なところに地域包括支援センターを増設して、医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスが連携した、地域包括ケアシステムの構築を図ってまいります。

 新病院の建設につきましては、「新病院整備基本計画(改訂版)」に基づいた基本設計業務を進め、その後、公募型プロポーザル方式により、実施設計と施工を一括で発注する、いわゆるデザインビルドにより進めてまいります。

 病院事業につきましては、救命救急医療の充実を図ることを目的に、この3月からドクターカーの運用を開始いたします。また、医療器械の更新など引き続き患者さまへ質の高い安全安心な医療を提供するとともに、経営の自立化、安定化、経営基盤の強化に取り組みます。

第3節 次代を育む文化・教育環境の創造

 続きまして「次代を育む文化・教育環境の創造」をめざす施策について申し上げます。

 文化施策につきましては、先に述べました基本方針を策定します。その趣旨を広く周知し、文化によるまちづくりを推進するため、講演会等を開催します。

 次に、本市、名誉市民で宇宙飛行士の山崎直子さんが、スペースシャトル「ディスカバリー」で宇宙にお持ち頂いた「松戸白かぼちゃ」の種が、子供達に夢と希望を与えたことに因んだ、「松戸白宇宙かぼちゃ・ディスカぼちゃん」が出来上がるまでの物語を紙芝居にして、夢と希望を後世に伝承していくことを目的として市内の幼稚園、保育所、小学校などで公演を行います。

 また、松戸白宇宙かぼちゃを材料に商品を開発したものや、この種による5,000校以上との交流から得られたお手紙や、「希望のたね」として東日本大震災被災地の小中学校にお送りした学校からの、感謝状や手紙などの展示を関係団体の皆様と共に開催します。

 4月20日には「まつど宇宙と科学の日記念イベント」を開催します。基調講演のほか、松戸市を舞台とした演劇や宇宙に関連する展示等を通して、次代を担う少年少女に宇宙や科学に興味を持っていただき、未来への希望を抱いていただけたらと思います。

 千駄堀スポーツ広場は、施設整備工事を行い、多目的スポーツ広場として利用できるようにします。

 平和事業につきましては、25年度も引き続き、中学生を平和大使として、長崎市で開催される「青少年ピースフォーラム」に派遣いたします。戦後68年を迎え、戦争を体験した人が少なくなる中、平和語り部や戦中戦後の市民生活等に関する資料を収集するなどの保存・継承事業を通じて、次の世代に平和の大切さや戦争の悲惨さを伝えてまいります。

第4節 安全で快適な生活環境の実現

 続きまして「安全で快適な生活環境の実現」をめざす施策について申し上げます。

 まず、4月から、千葉北西部消防指令センターが本市消防局内に開設され、松戸市ほか5市による指令業務の共同運用を開始します。共同化により、複雑多様化する災害、広域的大規模災害、および増加する救急要請に迅速かつ的確に対応します。

 次に、昨年、全国で初めて、市民ボランティア団体が活動している民有樹林を、土地所有者の協力を得て市民に公開するイベントとして実施した「オープンフォレストin松戸」については、大変好評をいただき、25年度についても、第2回目のイベントを5月に実施する予定です。このイベントを市と共催する実行委員会とともに、関係団体、市民の緑化意識の高揚と参加機会の拡充を図るため、積極的に取り組みます。

第5節 魅力ある都市空間の形成と産業の振興

 続きまして「魅力ある都市空間の形成と産業の振興」をめざす施策について申し上げます。

 松戸の観光と矢切地区の情報発信の拠点としては、矢切の渡し近くに観光案内所、矢切インフォメーションセンター「野菊の蔵」がオープンします。柴又側から矢切の渡しに乗って来られた観光客などに、地元の方々の協力で松戸、矢切地域の歴史や見所を伝え、また、物産のPRや販売などを行うことで、地域の賑わいづくりにつながればと期待しております。

 広域幹線道路の整備につきましては、外かく環状道路が27年度の千葉県区間の開通に目処が立ちつつあることから、成田方面から整備が進められている北千葉道路につきましても、本市を含む市川市から鎌ヶ谷市間の早期事業化に向けて、引き続き国や県に働きかけます。

 都市計画道路3・3・6号につきましては、八ヶ崎8丁目から国道6号二ツ木交差点まで、都市計画道路3・4・35号につきましては、東松戸方面から松戸方面に向かう道路の利便性向上のために、整備を進めます。

 また、道路のバリアフリー化につきましては、基本構想の重点整備地区である松戸地区において、松戸駅から主要施設までの特定経路を計画的に進めております。既に、松戸駅東口地区につきましては、23年度に全て完了しており、西口地区につきましても、引き続き松ノ木通りを無電柱化とあわせてバリアフリー化の整備を実施します。

 JR東日本の車両基地である小山電車庫を横断する通路につきましては、歩行者の安全を確保するため、地下歩道の工事をJR東日本に委託しており、26年4月の開通を目指します。

 本市の管理する道路照明灯につきましては、明るいまちづくりの一つとして、主要幹線道路の安全や防犯を目的に、車両の安全運転並びに歩行者を認識できるように設置しております。

 現在、道路照明灯は電気料が大幅に高騰しており、また設置から15年以上経過したものが約9割を占め、維持管理を再検討する状況にあります。

 これに対し、25年度には市内全域の道路照明灯全てを対象にLED化を実現し、CO2の削減とともに今後15年間で維持管理費を約4割削減します。

 鉄道駅のバリアフリー化につきましては、新京成線「常盤平駅」南口において、エレベーター設置工事を予定しています。

 また、昨年度に引き続きJR武蔵野線「新八柱駅」のエレベーター設置工事を実施するとともに、25年度は流鉄流山線「幸谷駅」のスロープ設置工事に着手するため、鉄道事業者に対し必要な支援を行います。

 松戸駅では、本市が分担するエスカレーターなどの実施設計を進めます。

 大型集合住宅等の整備、再編については、24年度に引き続き、梨香台団地を対象にUR都市機構による団地再生の先進事例などを地元の意見を聞きながら研究してまいります。

 また、市営住宅につきましては、市営住宅ストック総合活用計画に基づき、定期的な修繕等を実施します。25年度は横須賀住宅の耐震改修工事を実施します。

 土地区画整理事業につきましては、二ツ木・幸谷土地区画整理事業は造成工事の早期完成、換地計画の作成により、できる限り早期の事業結了を目指して事業を進めてまいります。また、秋山土地区画整理事業については、導入した賦課金の計画的な徴収および保留地の早期処分により事業費を確保し、建物移転補償、道路整備および宅地の整備を実施することにより事業を推進します。

 市街地整備事業につきましては、六実駅周辺地域および北小金駅南口周辺地域における地区マスタープランの策定を引き続き行うとともに、まちの将来像の実現化に向け、地元組織とともに、まちづくりを推進します。

 公園につきましては社会情勢の変化により、防災、バリアフリーなどのニーズに対応するため、松戸市公園再整備ガイドラインの策定作業を進めております。25年度はガイドラインを基に、最初に再整備する公園の地域別ワークショップを行いながら整備計画を策定します。

 戸定が丘歴史公園については、公園と隣接する福島県学生寮跡地約2,532平方メートルを福島県より24年度中に取得いたします。戸定が丘歴史公園を拡充するため、25年度は千葉大学園芸学部、関係団体等とワークショップを行いながら整備計画を策定します。

 松戸駅周辺には、徒歩圏内で「江戸川」、「ふれあい松戸川」、「坂川」といった水辺空間があります。これら貴重な自然資源をより多くの市民や来訪者に親しんでいただくため、河川管理者および関係機関との意見交換を踏まえ、良好な水辺環境づくりに向けて取り組みます。

 水道事業といたしましては、安全な水を安定的に供給するために進めてきました、石綿管更新事業につきましては25年度に終了します。

 今後とも、安全な飲料水の確保、供給のため、国、県と緊密な連携を図ります。

 下水道事業につきましては、約32ヘクタールの面整備、改築および修繕を実施します。また、液状化によるマンホールの浮上防止対策や、公共下水道を利用した水洗式仮設トイレを小中学校に設置する下水道の地震対策事業を引き続き実施します。

 次に、浸水対策としましては、24年度に引き続き、春木川中流の高暮橋から爽やか橋までの区間の改修事業を、26年度を目途に完了をめざします。紙敷川につきましては、下流部に加えて中流部においても改修を進めます。また、排水路の整備事業につきましては、上富士川上流や上矢切地区などを引き続き整備します。

第6節 都市経営の視点に立った行財政運営

 続きまして、「都市経営に立った行財政運営」をめざす施策について申し上げます。

 本市の財政状況につきまして、歳入につきましては、その根幹をなす市税収入に回復の兆しが見えてきており、市税全体としては微増ながら、24年度の予算額を上回るものと見込まれています。さらに、25年度から「松戸市債権管理条例」を施行します。公正かつ公平な徴収を確保し、市の債権管理の適正化を図ります。

 職員人件費につきましては、給料の水準を示すラスパイレス指数が県内で高かった問題にも一定のめどが立ったと考えています。24年4月からは、2年間の期間限定ではありますが、市として初めて管理職の給料削減を行っています。また、25年度からは、長期的な対応として給料表の見直しをすることにより、適正な水準の維持に努めます。

 行財政改革の一環として実施した組織改革につきましては、課や担当室を見直し、管理部門の縮小を図るとともに、市民サービスを担う事業部門を充実させます。また、広報広聴を集約し、基本政策の企画、総合調整を担う「総合政策部」を設置することで、市民ニーズを活かした都市経営の実現や市民サービスの向上を目指します。

 本市の重要課題となっている公共施設の再編につきましても、24年度中に作成する公共施設白書を市民の皆さまと共有するとともに、大規模改修や建替えの時期を迎えている公共施設の今後のあり方について、議会および市民の皆様と共に検討するための準備を進めます。

 学校跡地につきましては、民間活力を導入し、「新松戸地域学校跡地有効活用事業」を実施します。

 広報につきましては、フェイスブックなど新しいメディアを活用し、松戸の魅力発信に取り組んでおりますが、子育て世代を本市に呼び込むことをねらった、新たなシティプロモーションを展開します。

結び

 以上が25年度の主要施策ですが、財政状況をはじめ本市を取り巻く環境は依然厳しいものがあります。

 このような時こそ、将来の松戸市のために、今やるべきことを確実に実行することが大切であると考えております。

 本市は、4月に市制施行70周年を迎えます。

 26年度中には、JR常磐線の東京駅乗り入れが予定されています。また、外かく環状道路の千葉県区間も27年度の開通目標に向け整備が進んでいます。

 私は、まちが成長を続けるためには、厳しい財政状況の中でも、まちづくりに投資をしていかなければならないと考えています。

 市民の皆さまが豊かさを実感でき、安全で安心して暮らせるまちづくりのため、市民の皆さまとアイデアを出し合いながら、未来に向けての新たなスタートの年にしたいと考えています。

 さて、本市の都市ブランドを示す「ロゴマーク」「スローガン」を全国から公募しました。その中で、スローガンは「やさシティ、まつど。」に決定しました。

 「楽しく、おしゃれで元気な街。全ての人を柔らかく包み込む 優しい都市(とし)、優しい人々。ここで始まる新しい暮らし やさシティ、まつど。」この様な街をめざして、常に、市民の皆さまと共に感じ、共に汗を流し、まちづくりに努力してまいります。

 以上、25年度の市政に臨む私の所信および市政の基本方針を申し上げましたが、市民の皆さま並びに議員各位のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。


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平成25年度教育方針と主要施策

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お問い合わせ

総合政策部 政策推進課

千葉県松戸市根本387番地の5 新館5階
電話番号:047-366-7072 FAX:047-366-1204

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