なくならない脱毛施術による危害
更新日:2017年5月15日
全国の消費生活センター等には、2012年度以降の約5年間に、脱毛施術により危害を受けたという相談が964件寄せられています。(下図参照)件数は2013年度以降減少傾向にありましたが、昨年度は前年度同期に比べて増加傾向がみられました。危害事例の内訳をみると、エステで受けた脱毛によるものが680件、医療機関で受けたものが284件でした。
また、国民生活センターで実施したインターネットアンケート調査では、回答者の約4分の1が、過去3年間に脱毛を受けた後に、やけど、痛み、ヒリヒリ感などの身体症状が生じた経験があると回答しました。
図 危害件数の推移 「 2017年2月末までの登録分 ※カッコ内は前年同時期件数(2016年2月末までの登録分)」
脱毛について
医療機関では、レーザー等により毛の発生源を破壊する等、高い効果が得られる脱毛を受けることができます。皮膚内部の組織を破壊する行為ですので、やけど等の皮膚トラブルが起きるおそれもありますが、トラブルが起きた際も直ちに医師の診察を受けることができます。
一方、エステでは、光を照射すること等による一時的な除毛・減毛など、医行為に該当しない範囲の施術しか行うことができません。
主な危害事例
エステで受けた施術による事例
- 事例1
毛穴に針を刺して毛根を熱で死滅させる永久脱毛の施術を受けたら赤く腫れあがった。 - 事例2
肛門周りの光脱毛でやけどを負い、完治までに1年以上かかることもあると言われた。
医療機関で受けた施術による事例
- 事例1
美容外科でひざ下のレーザー脱毛を受けたらやけどのように腫れ、色素沈着が残った。 - 事例2
レーザー脱毛を受けたら蕁麻疹(じんましん)が出て、完治に半年かかると言われた。
問題点
エステにおける脱毛の問題点
- 全国の消費生活センター等には、エステで脱毛を受けて危害が発生したという相談が約5年間で680件寄せられており、中には医師法等に抵触するおそれがある施術を受けたという相談もみうけられました。
- 施術前のリスクの説明が不十分と思われるケースをあります。
- 医師法に抵触するおそれがある施術をイメージさせる表現や安全面で消費者に誤認を与えるおそれのある広告・ホームページがみられました。
医療機関における脱毛の問題点
- 施術前のリスクの説明が不十分と思われるケースがあります。
- 危害を受けた場合の対応が不十分・不適切と感じている消費者がいます。
- 医療法等の関係法令に抵触するおそれのある医療機関の広告がみられました。また、消費者に誤認を与えるおそれのあるホームページがみられました。
消費者へのアドバイス
- エステで受けることができる脱毛と医療機関で受けることができる脱毛の違いをよく理解しましょう。
- 脱毛を受ける場合は、ホームページや広告の情報を鵜呑みにせず、自ら十分な情報収集を行うとともに、施術前にリスク等に関する説明を十分に求めましょう。
- 脱毛により危害を受けた場合は、速やかに医療機関を受診するとともに、消費生活センター等に相談しましょう。
ご相談は消費生活センターへ
相談:047-365-6565(相談専用)
受付:月曜日から金曜日(祝日・年末年始を除く)午前8時30分から午後4時