夏季展「坂川・江戸川 水景色」
更新日:2016年10月25日
開催期間 平成28年7月16日(土曜)から9月22日(祝日)
写真が趣味であった徳川昭武はおよそ百年前の坂川、江戸川流域を撮影しました。明治時代の庶民と水の暮らしの写真は希少です。観覧後はきれいに整備された坂川の遊歩道の散策もどうぞ。徒歩6分ほどです。
こちらは2015年の写真です
こちらは2015年の写真です
こちらは2015年の写真です
プロローグ 時の流れ~川の流れ
徳川昭武(1853-1910)が愛した戸定邸。明治時代の松戸、戸定が丘の周辺はどのような景色だったのでしょうか。
パリ万博・留学から帰国した昭武は、明治天皇に謁見する特権を与えられながらも政治の表舞台からは遠ざかり、趣味の時間が彼の人生に彩りを添えました。今回の展示では、水景色にちなんで、昭武の趣味のひとつでもあった釣りに関する資料をご紹介します。
坂川 殿が見た水景色
坂川は、流山市から松戸市北部を経て江戸川へと流れる川で、流域に暮らす人々の生活に深く関わってきました。
徳川昭武は、趣味のカメラで、坂川の風景を数多く撮影しています。時には、兄の慶喜が同行したこともありました。昭武は、松戸をはじめとした水郷の風景を好んで撮影しました。彼が舶来の高価なカメラで切り取ったのは、川と共に暮らす人々の生活や松戸の雰囲気そのものでした。昭武がいなければ伝わることのなかったかけがえのない情景です。
松戸町小山立体写真
江戸川 殿の外出
江戸川は、東京と千葉を分ける境界であると同時に、川に接する地域をつなぐ水路でもありました。昭武をはじめとした松戸ゆかりの写真愛好家たちは、戸外に遊び、行き交う船や、ゆったりと流れる川、眼の前に広がるのどかな景色を好んでカメラにおさめました。
戸定邸や庭園からは江戸川、眼下の松戸と対岸の街並み、遠くには富士山を見晴らすことができます。昭武もこの見晴らしを日々楽しんだことでしょう。
国分台(国府台)
特集展示 「徳川家の夏休み」
夏の暑さを避けたいのは、今も昔も変わりません。昭武や徳川家の人々も涼しい場所を求めて避暑をしてきました。
昭武の子供たちは、大きくなると通学の為に東京の本邸に移って生活していました。夏休みは、普段離れて暮らしている子供たちが松戸を訪れ、親と共に過ごす貴重な時間だったことでしょう。昭武の撮影した写真によって、100年以上前の夏休みにのひとときがよみがえります。
水着姿の温子・直子
コーナー展示 「昭武 フランスの思い出」
昭武は、万博参加と留学の為、ふた夏をフランス・パリで過ごしました。
パリで迎えた二度目の夏、昭武は、明治維新と日本の国内情勢を知らされます。昭武は、帰国してから役立つようにと思ったのでしょう、二度にわたってフランス北西部を巡り、軍艦や海軍の設備、民間の工場などを視察しています。
昭武がヨーロッパから持ち帰った思い出の品をご覧ください。
昭武がヨーロッパから持ち帰った《大理石獅子彫刻》