夏季展「坂川・江戸川水景色」
更新日:2015年8月26日
開催期間 平成27年7月18日(土曜)から9月23日(祝日)
プロローグ
徳川昭武(1853-1910)が愛した戸定邸。その庭園は、今春、国の指定名勝になりました。戸定邸近辺の水景色は、彼の心をとらえました。それは松戸に暮らす人々の生活と共に在る情景でした。明治と平成、およそ100年を経て移り変わる松戸の街並みと、川の流れをご覧ください。
徳川昭武 海外留学したプリンス
徳川昭武は、実家の水戸家から将軍家に入り、兄の将軍・慶喜の名代として1867(慶應3)年のパリ万国博覧会に派遣されました。ヨーロッパの地で彼は、「プリンス・トクガワ」と呼ばれました。ここでは、1868(明治元)年にフランスから帰国する時に、初代日本総領事でと務めたフランスの金融業者フリュリー・エラールから贈られたブロンズの馬や、ヨーロッパから持ち帰った大理石製獅子置物、この獅子の置物をモデルに戸定邸庭園内にあった「楽焼窯」で焼かれた陶製の獅子を展示します。
松戸宿 川がつないだ関係
徳川昭武は、趣味のカメラで旧松戸宿の写真をたくさん撮影しています。松戸神社や、高台の戸定邸から見た旧松戸宿などです。昭武の兄・慶喜や仲の良い親族が戸定邸を訪ね、一緒に松戸の風景を撮影に出かけることもありました。今回の展示では、江戸川を挟んだ対岸の金町、小合を写した写真も展示します。
坂川 殿が見た水景色
戸定邸のすぐそばには坂川が流れ、それはいくつもの小河川の水路へとつながっていました。この水系は、治水、物資や人の移動に欠かせないものでした。徳川昭武が明暗のグラデーションに細心の注意を払って撮影した写真は、水郷地帯であった松戸の一面を改めて認識させてくれます。
江戸川 殿が見た水景色
松戸は、江戸川の水運、旧水戸道中の宿場町として発展しました。江戸川は、物資輸送の大動脈で、人と文化にとって重要な経路でした。白い帆に風を受けて進む船や、鮎の稚魚をとる様子、夕暮れのうつろいゆく川の風景などをご覧ください。