千駄堀池外来生物調査結果について
更新日:2020年11月15日
令和2年7月19日(日曜)に実施した千駄堀池外来生物調査の結果を報告します
21世紀の森と広場における千駄堀池(面積約5ヘクタール)の外来種対策の参考とするために、本格的な生物調査を平成5年の開園以来で初めて行いました。
さらに今回の結果を広く周知することで本公園の自然環境について関心を深めていただきたいと思います。
名称 | 捕獲数 | 備考 |
---|---|---|
モツゴ | 412 | 千葉県の絶滅危惧種 |
ギンブナ | 111 | 千葉県の絶滅危惧種 |
ヌマチチブ | 3 | 千葉県の絶滅危惧種 |
ヨシノボリの仲間 | 5 | |
ナマズ | 1 | 人が持ち込んだ可能性もある |
スジエビ | 870 | 千葉県の絶滅危惧種 |
テナガエビ | 310 | 千葉県の絶滅危惧種 |
モクズガニ | 2 | 千葉県の絶滅危惧種 |
コオニヤンマのヤゴ | 1 |
名称 | 捕獲数 | 備考 |
---|---|---|
リバークーターのなかま | 4 | |
ミシシッピアカミミガメ | 4 | |
クサガメ | 1 | |
ウシガエル(幼生) | 19 | 特定外来生物 |
カワリヌマエビのなかま | 1 | |
カダヤシ | 10 | 特定外来生物 |
オオクチバス | 84 | 特定外来生物 |
カムルチー | 8 | |
ブルーギル | 570 | 特定外来生物 |
コイ | 9 | |
タイリクバラタナゴ | 3 | |
スゴモロコ | 2 | 国内外来生物 |
ツチフキ | 11 | 国内外来生物 |
千駄堀池の生きもの紹介
外来生物調査で見つかった、千駄堀池の生きものの一部を紹介します。
ここで紹介されていないものにつきましては下記よりダウンロードしてご確認ください。
在来種
ギンブナ
コイ科
全長:15から40センチメートル
川や池沼を始め幅広い淡水域に生息し、全国的に広く分布している。千駄堀池でも数が多い。
オスはほとんど存在せず、メスは他の魚の精子の刺激を利用して繁殖する(受精はしない)
そのため、生まれる子どもはメスのクローンとなる。
コオニヤンマのヤゴ
サナエトンボ科
全長(ヤゴ):約3.5センチメートル
樹林が近くにある川や池を利用する大型のトンボ。
基本的に川に住むため、今回捕獲したヤゴは上流から流れてきたものと考えられる。
ヤゴ(幼虫)は平たく枯れ葉のような姿で、2年から4年間水中で過ごし、成虫は初夏から秋頃によく見られる。
オニヤンマ(オニヤンマ科)に似るが科が異なり、こちらは胴体の割りに頭が小さく、後足が非常に長い。
スジエビ
テナガエビ科
全長:3.5から5センチメートル
名前の通り、体にしま模様がある淡水のエビ。
テナガエビの仲間だが、こちらは手が長くならない。
千駄堀池には非常に多くの個体数が生息しており、ヨシやガマなど池の中にみられる植物が安全な隠れ家になっていると思われる。
外来種
カダヤシ(特定外来生物)
カダヤシ科
全長:3から5センチメートル
ボウフラを食べることから『蚊絶やし』と名付けられ、蚊の繁殖を防ぐためにアメリカなどから輸入された。
姿はメダカに似ているが、メダカよりも環境汚染に強く、人工的な水路でも繁殖可能であるため急速に国内での分布を拡大している。
食欲旺盛で、メダカやその他の在来魚の卵、稚魚、昆虫などを捕食する。
ウシガエル(特定外来生物)
アカガエル科
全長(オタマジャクシ):約15センチメートル
食用にアメリカから輸入された大型のカエル。池沼や川などに生息し、「ヴォ~、ヴォ~」と牛のような声で鳴く。
口に入る大きさで動くものには積極的に襲いかかり、在来のカエルや魚、時には野鳥なども捕食する。
繁殖力も旺盛で、期間は5月から9月と長く、一度に6千個から4万個もの卵を産む。
定着すると環境への被害が甚大となる。
今回の捕獲数は少なかったが、水中にはまだたくさんのオタマジャクシが泳いでいた。
ミシシッピアカミミガメ
ヌマガメ科
甲長:23から28センチメートル
北アメリカ原産で、1950年代からペット用に輸入され始めた。
幼体は5センチメートル程度でおとなしいが、成長するにつれ徐々に攻撃的になる。
寿命は20年から30年と長生きすることから、飼いきれなくなり捨てる人が続出し、全国の池沼、川などに大量に廃棄され定着した。
水草を食べ、在来種が住みづらい環境にしてしまう。
目の後ろの赤いラインや、顔、手足、尾に薄黄色の模様が特徴。
スゴモロコ(国内外来種)
コイ科
全長:9から12センチメートル
琵琶湖の固有亜種で、千葉県には本来生息していない。
琵琶湖産のアユが利根川などに放流されたときに、スゴモロコも混ざっていたためそこに定着。その後、水域を通じて千駄堀池にも入ってきたものと思われる。
本来の生息地である琵琶湖では個体数が減少し、環境省のレッドデータブックでは『絶滅危惧2類』に指定されている。
雑食性で、水生昆虫や小型の巻貝などをよく食べる。
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