第3回松戸市景観表彰（平成25年度）

　マブチモーター株式会社本社棟は、上質な煉瓦やガラスで仕立てられ、松戸の地形・原風景をモチーフにした庭園と一体となり形成する空間には、「暮らしや社会、産業を支える」グローバル企業の風格と気品が漂います。
　周辺道路環境を向上させるだけでなく、さくら並木の敷地内への再生などによって、地域のみどり豊かな環境が増進されています。
　また、平成25年から新たに着手された地域固有の植生に配慮した庭園管理は、本社棟建設コンセプトのメインテーマの一つである「地域社会への貢献」を具現化し、景観形成の継続の重要さを理解した質の高い取り組みです。

　栗ヶ沢バプテスト教会は、街路樹の美しい小金原「あめりかふう通り」に面しています。
　コンクリート打ち放しの剛健なイメージの礼拝堂と、柔らかく仕上げられた木造の教育館・ホールが、芝生の中庭を取り囲むように建てられており、この教会の佇まいが、まちの印象をより一層上質なものにしています。
　庭の中央には、初代牧師が植樹したけやきの木がみごとに枝を張り、訪れる人をやさしく迎え、包み込んでくれます。
　温かいおもてなしと開放的な雰囲気が満ちあふれる教会です。

　パークホームズ松戸グランフォレストは、周辺の建物より規模が大きいマンションですが、まち並みに配慮し低層部は近隣と色彩を合せ、品の良い外観の分節を施しています。
　外周にみどりをテンポよくレイアウトすることで、周辺との調和とまち並み景観の向上に貢献しています。
　奇抜な色やデザインに頼らず、落ち着きのある色彩やデザイン、植栽を組み合わせることで、単調になりがちなまち並みに上品な変化を与えています。

　江戸川松戸フラワーライン実行委員会は、平成7年からスタートし、多くの市民、団体に支えられた息の長い協働の取組みを行っています。
　その活動舞台である江戸川をレンゲ・コスモスなどで彩り、多くの市民を江戸川に誘いました。
　1年に行われる様々な活動・イベントにより、松戸のシンボル・江戸川は市民の身近な存在となり、その雄大な水とみどりの景観が参加者の記憶に深く刻み込まれています。
　水辺の魅力を広く伝え、市民の江戸川への愛着を培ってきた活動が、江戸川の景観づくりのため、さらにその役割を果たすことが期待されます。

　矢切地区風致保存会は、矢切の美しい自然と文化を大切にし、郷土に貢献する事を目的に設立されました。
　「野菊の墓文学碑」の建立、「野菊苑」「矢切苑」の管理、矢切の里文学祭の開催など、昭和39年から半世紀にわたり活動を展開して来ました。
　矢切の古民家を再現し、平成25年春完成した観光案内所「野菊の蔵」は、松戸を代表する矢切の魅力を訪れる人に伝え、松戸ブランドをより広めるための重要な役割を果たすことが期待されています。

　ときわ平サニーハイツは「常盤平けやき通り」に面しています。
　外壁の改修に当たり、けやき並木のみどりに配慮し、当初計画していた外壁色を見直し、暖かみのある色で、建物の形に合わせ塗り分ける計画にしました。
　お店のある1階はやや明るく鮮やかに、バルコニー・飾り柱を外壁と区分することで、建物の表情が豊かになり、けやきのみどりも一層引き立っています。
　松戸市塗装組合に加盟の施工業者と管理組合の協力で、良好な景観づくりを果たした景観形成の模範となる取組みです。