第1回松戸市景観表彰(平成23年度)

白くすっきりとしたデザインの洗練された身近で開放的なキャンパス

「まちかど広場」となるオープンスペース

　流通経済大学は、新松戸けやき通りの「まちかど広場」となるオープンスペースや、誰でも入れるお店など、地域に開かれた、身近で開放的なキャンパスです。白くすっきりとしたデザインは、周囲の建物にも影響し、新松戸のイメージを洗練された都会的なものにレベルアップさせています。地域に開かれ親しまれていること、オープンスペース等の空間が地域に寄与していること、デザインも優れていること等、大賞にふさわしい建物です。

　活動に取り組む団体は13団体を数え、主に民有樹林地16カ所で活動を展開しています。長年にわたり管理が行きとどかずに放置されていた樹林を、所有者に代わって維持管理する取組みは、景観形成にとって重要な緑地の美観を、良好に保つ役割を発揮しています。また活動は相互を支えあい、緑の担い手の育成講座や、緑の大切さを知らせるガイドツアーなど、多彩に行われています。

　10年を迎えた活動は、地域に密着し、地域に愛される活動となっています。

常盤平駅前さくら通り、けやき通り交差点から建物を望む

けやき通り沿いのゆとりのある空間

　セブンタウンは、さくら通り、けやき通りをはじめとした“みどり多い常盤平のまち”との関係を意識した街並みと調和する建物です。建物の高さや広告物も、さくら、けやきを意識しコントロールされ、全体的なまとまりがあります。経済性、合理性が優先される時代に、景観に充分配慮した商業ビルとして、他の模範になる優秀賞にふさわしい建物です。

　根木内歴史公園を「身近な自然とふれあえる場」として、市民に愛され、活用されるよう、多彩な活動が行われています。湿地のヨシ狩りや四季を通して行われる景観や安全に配慮した手入れ作業や、家族連れ・子どもたち・お年寄りが参加するイベント開催など、手作り、ふれあいを大切にする活き活きした雰囲気の活動です。

　敷地内にはランドマークとなる樹木が保全され、曲線を活かした優雅な建物と、高くそびえるけやきが一体となって、美しい景観を形成しています。落ち着いた外観は周辺と一体となって、まとまりあるまち並みを形成しています。生活都市である松戸の生活環境のシンボルと言える建物です。

　1998年より、まちづくりにおける景観、人工物の色彩、植栽の効用など、色彩に特化した景観啓発活動に、早期から着手し、松戸の色彩景観を長くリードして来ました。

　今後もみどりと歴史溢れる松戸のまちの魅力を大切にし、新たな時代のまちの色を紡ぐ活動を、多くの人と幅広く展開されることが期待されます。

　松戸市が発行する「回廊マップ」の制作に参加する聖徳大学の皆さんの活動です。活動は、マップを楽しく、分かり易く身近なものにする重要な役割を果たしています。ルート設計からマップづくりまで、活動に一貫性があって、マップは市民の皆さんに好評です。

　未来を支える若い学生の皆さんには、社会人になっても、ぜひ松戸の魅力を全国に広げる役割を果たしてください。

　20年にわたる地域に密着したまちづくり活動は、研究会が中心となって、通行や景観を阻害する歩道橋の撤去や、みのり台駅南口の開設、駅前の歩行空間の充実など、地域の皆さんが求める具体的な成果として実現しています。今後は、策定された計画実現のため、地域一丸となったまちづくりを展開されることが期待されます。