2019年11月16日・17日に「科学と芸術の丘2019」を開催しました!
更新日:2020年1月17日
科学、芸術、自然をつなぐ国際フェスティバル「科学と芸術の丘2019」
Matsudo International Science Art Festival 2019
2019年11月16日(土曜)・17日(日曜)の2日間、先端科学と芸術が融合した、国内では数少ないフェスティバルを昨年に引き続き開催しました。
会場は、国の重要文化財に指定されている戸定邸(とじょうてい)と、松雲亭、戸定が丘歴史公園。
水戸藩最後の藩主で徳川慶喜の弟である徳川昭武は、パリに留学しヨーロッパ各国を歴訪。松戸の街を見渡す丘の上に戸定邸を建てた昭武は、当時最先端の庭園を造り、常に新しい文化や技術を暮らしに取り入れたグローバルな先駆者の一人でした。
私たちは、メディア技術、ロボット技術、人工知能、生命科学に代表される科学・技術が目覚ましく発達する社会の中で生きています。その環境の急激な変化は、人間とは何か、社会とは何か、そして信頼するものは何かという根源的な問いを私たちに突きつけています。その変化の中で、自分自身の考えを持ち、行動を起こし、21世紀をしなやかに生きてゆく、「Citizens of the Future(未来の市民)」が2019年のテーマです。
世界最大のメディアアートの文化機関「アルスエレクトロニカ」をはじめ、世界で活躍し、時代を切り開く研究機関や研究者、アーティストたちが、新たな未来への提案や最新のテクノロジーをたずさえて松戸市に集まり、徳川昭武の革新の歴史が残る戸定が丘を舞台に、人類の未来を考える特別展覧会やトーク、ワークショップを開催しました。
- 詳しい情報は、科学と芸術の丘・公式ホームページ(外部サイト)
科学と芸術の丘2019~未来の市民~ドキュメンタリー映像
特別展覧会・トーク・ワークショップ
Ars Electronica Futurelab~小川秀明&Nicolas Naveau(オーストリア)|未来の社会
世界最大のメディアアートの文化機関「アルスエレクトロニカ」のアート×リサーチのためのアトリエ・ラボ。最先端領域に着目し、まだ見ぬ未来へのシナリオを芸術・実験的に具現化。本フェスティバルでは、探求・創造など、作品展示やワークショップ、トークを通じて、「未来の市民」の集う広場を創造。
- SWITCH
人の動きで絵が変わるインタラクティブなボードにワークショップの参加市民が松戸の今と未来を描き、作品として展示。
- Questioning News
展示物に浮き上がっては消えるニュースに「?」が付いたら。真実とは、信頼とは、21世紀に何を信じるかを問う作品。
- Listening to Nature
松雲亭の庭園に広がるミクロな世界の音と哲学的な問いを、静かな空間でサウンドスケープとして体験。
市原えつこ(日本)・渡井大己(日本)|未来の儀式
市原えつこ:日本の文化・習慣・信仰をテクノロジーによって新しい形で表現する新進気鋭のメディア・アーティストで妄想インベンター。国内外の各種芸術賞を受賞。
渡井大己:メディアアーティストでテクニカルディレクター。テクノロジーがもたらす未来とオルタナティブな世界を具現化。アルスエレクトロニカにて受賞。
- デジタルシャーマンプロジェクト(市原えつこ)
家庭用ロボットに3Dプリントの故人の顔をつけ、口癖など身体的特徴を死後49日間再現。科学技術が発展した現代向けに、新しい弔いのかたちを提案。
- 仮想通貨奉納祭(サーバー神輿)(市原えつこ・渡井大己)
世界中から仮想通貨を集めて、着金に応じてインタラクションするサーバー神輿に反映。後に再分配するという未来の新たな祝祭や伝承をつくる「神事のアップデート」。
東京大学・生産技術研究所 山中俊治研究室(日本)|未来のものづくり・未来のプロトタイピング
様々な研究者や企業と連携し、先端製造技術がもたらす新しいものづくりや、人の身体と人工物が関わる医療分野へのデザインの導入を試み、未来の人工物のありかたを研究。
- 構造触感
コンピュータを用いて微細な構造を設計し、付加的に造形して新しい触感を実現。複雑な形を自由に作ることが可能な3Dプリンティングがひらく「未来の手ざわり」を提示。
- READY TO CRAWL
複数部品でも初めから連結した状態が可能な3Dプリンターで動力源のモーター以外を一体成型、生物のように完成された状態で生まれてくるロボット群を展示。
- 美しい義足
最先端のデジタル技術を用いてデザインした3Dプリンターによる義足や、カーボンとチタンで作ったアスリートのための高性能な義足を展示。
田所 淳(日本)|未来のものづくり(プログラミング)
アルゴリズムを用いた音響合成による即興演奏やインスタレーション作品展示を行うクリエイティブコーダー。前橋工科大学准教授。松戸市出身。
- 自律同期するリズム/共鳴する間
小さな装置から出力される音と映像が互いに制御し合いながら空間全体でリズムパターンをリアルタイムに生成。自律的に変化する音と映像を体験。
Space Art Project(アメリカ)|未来へのメッセージ
国境を越えた学芸プラットフォーム。芸術、科学、宇宙、生命を結び付け、人類の未来を創造し、革新的なビジョンで進める国際的なコラボレーションプロジェクト。
- Space Art DNA Time Capsule
宇宙と未来の人類への視覚的なメッセージを収集し、DNAにデータとして保存。DNAは宇宙飛行用の極小の軽量容器に包まれ、ロケットまたは衛星に乗って低地球軌道に打ち上げ。来場した皆さんもメッセージを記載。過去に人類が宇宙へ打ち上げた宇宙アートも展示。
千葉大学園芸学部 応用昆虫学 野村昌史研究室(日本)|アウトドアワークショップ
昆虫やダニ類に関する、害虫や天敵類の生活史や行動、植物と昆虫、分子系統解析や共生微生物などの基礎研究と、環境に優しい害虫防除を実践する応用研究の2つの柱を軸に研究。
- 科学と芸術の丘探検隊
野村先生や大学生の皆さんと一緒に、自然いっぱいの戸定が丘歴史公園内を探検しながら、昆虫や植物を観察したり絵やメモを描くアウトドアワークショップ。
松戸市少年少女発明クラブ(日本)|未来へのチャレンジ
昭和58年発足、松戸が世界に誇るマブチモーターなど地元企業の支援を受けて、新松戸を拠点に、小学3年生から中学生が豊かなアイデアと発想力でものづくりの楽しさを体験。
- 全国少年少女チャレンジ創造コンテスト受賞作品
全国大会10年連続出場。からくりのパフォーマンスが楽しい、未来を築く子どもたちによる創造性豊かな発明作品の中から、コンテストでメダルを受賞した作品と動画を展示。
特別ゲスト 基調講演
世界最高齢84歳のアプリ開発者・若宮正子氏による基調講演(日本)
現在84歳、国連情報社会世界サミット大賞日本大会で最優秀賞を受賞、米国Appleの世界サミット「WWDC2017」に招待され話題に。TED×Tokyoなど世界中で登壇し、首相官邸「人生100年時代構想会議」の有識者メンバーにも選出。
- 世界最高齢84歳アプリ開発者に学ぶ 人生100年時代の生き方とイノベーション
アプリを開発するに至った経緯、生きる上でモットーにしていること。創造的でありたいと、テクノロジーを駆使してアプリを開発し、AIを毎日フル活用しながらいきいきと人生を楽しむ若宮正子氏の貴重な講演。
丘のマルシェ
丘の上のガーデンカフェ・丘のマルシェ
松戸を中心に活動する若手が運営するカフェや雑貨店などが集まるガーデンマルシェ。2日間限定のおしゃれなテントやテーブルセットが並ぶ自然いっぱいのガーデンで、美味しいコーヒーやドリンク、フード、雑貨との出会いを楽しみました。
開催概要
日時
2019年11月16日(土曜)10時から17時(丘のマルシェは16時まで、オープニングトークは12時30分から戸定邸にて)、11月17日(日曜)10時から16時(戸定邸は17時まで開館)
会場
戸定邸・松雲亭・戸定が丘歴史公園
料金
無料(戸定邸のみ入館料一般250円、高校大学生100円)
主催・協力・協賛・後援・運営
- 主催:松戸市
- 協力:Ars Electronica(アルスエレクトロニカ)、東京大学生産技術研究所山中研究室、千葉大学園芸学部応用昆虫学野村研究室、松戸市少年少女発明クラブ
- 特別協力:松戸シティガイド
- 協賛:コールマンジャパン株式会社、OKdo、プラーレ松戸、株式会社千葉銀行、株式会社千葉興業銀行、東京ベイ信用金庫(順不同)
- 後援:JOBANアートライン協議会、松戸商工会議所、一般社団法人松戸市観光協会、公益財団法人松戸市文化振興財団、公益財団法人松戸市国際交流協会、松戸市教育委員会
- 運営:0!(Zero Factorial)
- 総合ディレクター:清水陽子
- プロジェクト・マネジメント:omusubi不動産
- テクニカル・エンジニア/アーティスト・マネジメント:吉田尚弘
- デザイナー:久世茉里子
- 建築設計:つみき設計施工社
- コミュニケーター統括:下防さおり
- 映像制作:Sam King/Thomas Beswick
- 写真撮影:加藤甫
関連リンク
お問い合わせ
文化スポーツ部 文化にぎわい創造課
千葉県松戸市小根本7番地の8 京葉ガスF松戸第2ビル6階
電話番号:047-366-7327 FAX:047-711-6387
