広報まつど2023年1月15日号 莊司ゆうさん
更新日:2023年1月15日
師匠に続け!世界の頂点へ
BMXプロライダー 莊司ゆうさん
「元さんと一緒に表彰台に上がることを目標にしていたので、それが叶ってすごくうれしいです」と笑顔で話すのは、昨年5月にフランスのモンペリエで開催された「FフィズISE World Series」BMXフリースタイルフラットランドで2位に入賞した莊司ゆう選手。弱冠21歳の普段見せる少年のようなあどけない笑顔からは想像できない迫力あるパフォーマンスで、観客を沸かせます。
莊司選手がBMXを始めたのは小学5年生のとき。友達に誘われて、市立博物館前の広場でBMXの練習をしている人たちを訪ねたことがきっかけでした。中学2年生のときにプロライダーの佐々木元選手に弟子入りするも、「100時間練習してもできなかったら聞け」という教えに、「両足が血だらけになるほど練習しました」と、根っからの負けず嫌いな性格と気合いで応えたそうです。「BMXの魅力は練習した分だけ技がうまくなるところ。技の種類が本当に豊富で、乗り方も選手それぞれ違うんです」と語ります。
めきめきと技術を高めていった莊司選手ですが、トップライダーのほとんどがオリジナルの技を持つこの世界で、「どうやったらオリジナルの技を生み出せるのか全然分かりませんでした」と振り返り、佐々木選手と一緒に何回も試行錯誤しながら独自の技を考えたと言います。そのとき磨いた技が、前輪と後輪をジャンプで交差しながらさまざまな技を繰り広げる豪快な「トランスファー(入れ替え)」です。これを武器に、SNSに自身の動画を投稿するコンテスト「Masterof Creativity」に参加。自分のオリジナルトリックを世間に披露するのは初めてだった莊司選手ですが、世界で活躍するライダーたちが参加するプロクラスで見事4位の成績を収め、「世界のたくさんの人に知っていただき、称賛のコメントをもらえたときは自信につながりました」と背中を押してくれたチャレンジだったと話してくれました。
転倒して怪我をする恐怖との闘いでもあるBMX。自身が運営するスクールでは、「その怖さに勝てたとき、成長のスピードが格段に上がる」と子どもたちに教えています。「自分のその瞬間を今でも覚えていて、元さんができるまで絶対に帰してくれなかったんですよ」と笑顔で振り返ります。
佐々木選手と表彰台に上がるという目標は達成しましたが、「自分はまだ世界大会で優勝したことがないので、来年こそは皆さんが驚くような新しい技で優勝したいです」と新たな目標に向かって2023年シーズンに臨む荘司選手。
2028年のロサンゼルスオリンピックで新種目採用への期待が高まるBMXフラットランド。世界王者・佐々木選手に続くライダーは、確実に育っています。
※莊司選手の活動やスクールの詳細はインスタグラムで。
トランスファーを決める莊司選手
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