松戸市立小金中学校吹奏楽部が全日本吹奏楽コンクールで銀賞を受賞!
更新日:2023年12月25日
“自分たちの奏でる音楽を聴いた人に感動を与える”をモットーに、4年ぶりの全日本出場へ
2023年10月21日に愛知県名古屋市で開催された「第71回全日本吹奏楽コンクール」に、千葉県代表として松戸市立小金中学校吹奏楽部が4年ぶりに出場し、銀賞を獲得しました。顧問の須藤卓眞先生は、松戸市立和名ケ谷中学校、松戸市立第四中学校でも吹奏楽部の顧問を務め、全国大会へと導いた名伯楽です。
松戸市立小金中学校吹奏楽部のみなさん (提供:大阪フォトサービス)
音楽はスポーツのような勝負事ではない
須藤卓眞先生 (提供:大阪フォトサービス)
そんな須藤先生が小金中学校に異動した2021年は、現在の3年生が入学した年でした。自身と一緒に小金中学校に入学した生徒たちが最後の年に全日本出場を果たしたことについて、須藤先生は「そこを目指していたわけではないので、『出られた』ぐらいの感覚なんです」と答えてくれました。この答えの背景には、須藤先生が指導者として抱くひとつの想いがあります。「全国大会出場や金賞を獲ることを目標にすることは悪いことではありません。しかし、それらを目標にしてしまうと、結果が出なかったときの生徒たちを思うと残酷でならない。音楽に、スポーツのような勝ち負けを求めてはいけませんから。自分たちが納得のいく演奏をすることが一番なので」。
第71回全日本吹奏楽コンクールで演奏する小金中学校吹奏楽部 (提供:大阪フォトサービス)
部長として部員をまとめてきた南屋美香さん
須藤先生の想いは、生徒たちにも伝わっています。今年部長を務めた 南屋 美香さん(3年)は、「先生からいつも『いろんな人に聴いてもらって感動してもらう音楽を創ろう』 と言われていたので、そこを大事にやってきました。昨年は全日本に出場することができずみんなで涙を流しましたが、東関東大会で悔いのない演奏ができた時には、やってきてよかったねと話をしたことをすごく覚えています」と笑顔で答えてくれました。それでも、今年の全日本で金賞を獲れずに銀賞になったときは、生徒たちみんなが涙を流して悔しがったそうです。そんな生徒たちに須藤先生は、「自分たちの演奏が劣っているわけじゃない。たまたまこういう結果になっただけで、恥じることはない。全国にはここに出たくても出られない学校がたくさんある。その場所に自分たちは出られているのだから、それだけで素晴らしい」と言葉をかけたと教えてくれました。
子どもたちは必ず成長してくれる
自分たちの音楽で人々に感動を与える。今回の全日本出場は、先生からの教えのもと頑張ってきた生徒たちへのプレゼントのようにも思えてきます。そんな中で南屋さんに、全日本出場までの苦労について聞いてみると次のような答えが返ってきました。「今年の夏休み期間がとても長かったなと思います。演奏以外の小さな問題が出てしまい、なかなか思うように練習時間を割くことができず、部長の私と、副部長、セクションリーダーの3人が集まって、どうすればうまくスケジュールどおりに進むかをたくさん話し合ったことがとても印象に残っています」。
自分たちで話し合いながら、課題を解決していったことを、須藤先生は3年生の成長した点として挙げてくれました。「これまでも、できるだけ生徒に考えさせるようにしてきましたが、今の3年生はそれをしっかりできるようになった。そこが一番の成長かなと思います」。
体育館での練習風景
その言葉通り、全日本吹奏楽コンクールの翌週10月28日に出場した「第29回日本管楽合奏コンテスト全国大会」では、「全日本の時は、緊張やプレッシャーもあり100%の力が出せなかった(南屋さん)」「心に余裕がなかったかな(須藤先生)」と感じた悔しさと課題を短期間で見事に克服。「これまでの大会の中で一番気持ち良く演奏ができました。皆が悔いなく演奏できた最後で最高のコンクール」と声を揃えて話してくれた通り、最後の大会で最高の演奏を披露し、聴く人々に感動を与えた小金中吹奏楽部は最優秀賞・審査員特別賞を受賞し、有終の美を飾りました。
日本管楽合奏コンテストでの集合写真 (提供:株式会社フォトライフ)
3つの“気”を忘れず人を大事にしてほしい
赴任と同時に入学してきた3年生について須藤先生はこのような話もしてくれました。「生徒には常に本音で伝えています。子どもたちには辛いものもあったと思いますが、それをわかっていても伝えないといけない場合もあるので、そこだけはブレないようにしてきました。私の言ったことに納得できない子もいるはずです。そんな中でも3年間、よくついてきてくれたなと、そう思うと、今の3年生が私のことを一番理解してくれているのかもしれませんね」。
さまざまな想いの中で過ごした3年間。南屋さんは「最後のコンクールが終わった後、これで終わりかと思うと、とても悲しくなり、もう少しやりたいなという気持ちになりました。いろんな困難があり、みんなで悩んだり、泣いたりしたときもたくさんありましたが、最終的にはみんなで乗り越えられたので、やってきて本当に良かったと思います」。
3年生の集合写真 (提供:大阪フォトサービス)
南屋さんは、後輩たちへ「個性派が多かった私たち3年生に比べて、今の2年生は真面目な子が多いですが、これから待ち受けている困難を乗り越えられる力は持っていると思う。だから、私たちの代と比べるのではなく、自分たちのカラーを打ち出して頑張ってほしいです」とエールを送ります。
そして須藤先生は、来年から新しい道へと進む3年生、そしてこれからも活動を続ける2年生・1年生へ向けてこんな話をしてくれました。「私が部活動の中で一番大事にしているのは、人とのつながり。同級生だけでなく、先輩、後輩、私たち教師も含めて。吹奏楽部のように、人数が多ければ多いほど人との関わりはとても大事になる。自分のことを優先に考える人が多くなりましたが、それではいけない。集団の中で自分がいなくてもいいと思ったらそれで終わってしまう。だから『あなたが必要なんだ』と思える仲間意識はとても重要なんです。今の3年生はその部分がわかってくれたのかな。私から見ればまだまだ物足りませんが(笑)」
そして3年生には「人を大事することを絶対に忘れないでほしい。これは吹奏楽だけでなく、どんな道へ進んでも同じこと。これはずっと生徒たちに言っていますが、人に対して、“気が付き”、“気が利き”、“気を配り”ができるようになってもらいたいです」。勝ち負けではない音楽の世界で、たくさんの経験をした生徒たちは、それぞれの進む道で今後もこの言葉を胸に大きく成長してくれるに違いありません。
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