松戸市立第四中学校吹奏楽部が日本管楽合奏コンテストで文部科学大臣賞・最優秀グランプリ賞を受賞!
更新日:2023年12月22日
28人という少数精鋭で挑んだ全国大会
2023年10月28日から11月5日まで東京都の文京シビックホールで開催された「第29回日本管楽合奏コンテスト全国大会」。松戸市立第四中学校の吹奏楽部は、中学校A部門で文部科学大臣賞・最優秀グランプリ賞を獲得しました。同校は昨年も同大会に出場し、中学校B部門で最優秀賞と審査員特別賞を受賞。小編成で出場した今大会でも見事グランプリに輝きました。
松戸市立第四中学校吹奏楽部のみなさん (提供:株式会社フォトライフ)
全国へ行きたいという強い想い
この快挙の裏には、今年度の東関東吹奏楽コンクールで金賞を受賞しながらも、全日本への出場を逃したことで、部員たちがより「全国で演奏したい」という気持ちを高めていったことがあります。顧問の栢木幸宏先生は、当時のことをこう振り返ります。
栢木幸宏先生 (提供:株式会社フォトライフ)
「かつて四中の吹奏楽部は100人近い部員数を誇っていました。しかし、現在は、コロナや拘束時間の長い部活動を敬遠する時流により部員が減少し、昨年は40人ほどいましたが、今年は28人となりました。そんな状況でも、生徒たちは昨年、ひとつ上の先輩たちが出場した全日本吹奏楽コンクール出場への意欲を燃やし、練習に励んでいました。部員がA部門(主に人数の多い団体が出場する※)で勝負したいという気持ちを見せてくれたので、挑戦してみようとなったんです」。栢木先生は「生徒自身に考えてもらうため、常に質問を投げかけるようにしている」と言います。また「道に迷った時は、辛い方、“茨の道”を選んでほしい」と伝えているそうです。
※吹奏楽コンクールでは「A部門」が大編成の団体の部門、日本管楽合奏コンテストでは「B部門」が大編成の団体の部門となります。
部長の羽生田千温さん
そんな“茨の道”を自ら選んだ部員たち。部長の羽生田千温さん(3年)は、「昨年の全日本を経験していることもあり『全員で力を合わせて下級生の力を引き上げていけばできないことはない。やってみよう』と意見をまとめて挑むことにしました」と言います。
県大会を勝ち抜き迎えた東関東吹奏楽コンクール。今年の課題曲が難しく、1人が複数の楽器を担当するケースもある中、栢木先生は「いろいろと大変な部分は多くありましたが、生徒たちが頑張ってくれました」と話します。羽生田さんも、「自分自身の練習もしなければいけない中で、下級生の指導も不可欠になる。まずは自分が早くできるようになり、2年生、1年生を高いレベルに引っ張ってこなければいけないことがとても大変でした」と教えてくれました。
大会前のホール練習の様子
全日本出場を逃した悔しさをバネに
入部する生徒のほとんどが楽器初心者。そのため、基礎をしっかりと教える必要があります。かつては、入部した1年生がある程度楽器を扱えるようになったとき、保護者の前でソロ演奏会を実施。1位から3位になったパートには先生がシュークリームをごちそうするという“お楽しみ”も行われていたそうです。しかし部員減少とともにこの“お楽しみ”もなくなり、今では、1年時からコンクール出場のため必死に個人がコツコツと練習を重ね、上級生がアドバイスするというスタイルになっています。
そんな厳しい練習環境の中で迎えた東関東吹奏楽コンクール。「ミスはありましたが、良くなったと思う」と羽生田さんが振り返れば、「細かい部分はさておき、しっかりと自分たちの演奏ができたのは良かった。今年7月に完成したばかりの美しいホールが会場だったので、それだけでも十分かと思いました」と栢木先生。結果は金賞受賞となったものの、全日本への切符は掴めませんでした。それでも「全国で演奏するという気持ちがすごく強かったので、とても悔しかったと思います。でも大会はこれだけではなかったので、生徒たちには次もあるからと気持ちを切り替えさせるようにしました」と栢木先生は話してくれました。羽生田さんも「とても悔しかったですが、ひとつのことに向かって皆で取り組めてきたことが、結果として実感できたのがとても嬉しく、その気持ちの方が大きかった」と教えてくれました。
グランプリよりも来年への不安が……
次の大会は、昨年最優秀賞・審査員特別賞を受賞した日本管楽合奏コンテスト。予選は音源審査となるため、栢木先生は東関東吹奏楽コンクールでの演奏をそのまま送付したと言います。そして見事全国への切符を掴み取り、本番へ向けた練習がスタートしました。
「日本管楽合奏コンテストは自由曲のみなので、吹奏楽コンクールで演奏した『メトロポリス1927』にしました。微妙に音がずれる部分など、細かい部分を修正する形で練習に励みました(栢木先生)」。部員たちは、一度逃した全国での演奏を悔いなく終えるため、必死の努力を積み重ね、本番では素晴らしい演奏を見せてくれました。
第29回日本管楽合奏コンテストで演奏する第四中学校吹奏楽部 (提供:株式会社フォトライフ)
結果発表の時、先にスコアを手にした栢木先生は「これは、やばい」と思ったそうです。「満点が複数あって、もしかしたらグランプリかもと。グランプリになると来年の同大会で招待演奏をするんです。28人中3年生が12人なので、もし新入部員が入らなければ16人になります。グランプリを獲ったら、来年の演奏ができるかの不安が大きくなりました」。
そんな栢木先生の不安をよそに、見事文部科学大臣賞・最優秀グランプリ賞を受賞。ステージ上でその発表を聞いた羽生田さんは「学校名が呼ばれたときは本当に嬉しかった。全員で必死に努力してきたことが報われたので良かった」と振り返りました。栢木先生も、来年の心配はありながらも「この人数での演奏がしっかり認めてもらえたことはすごく嬉しかった」と最後は笑顔で話してくれました。
絶対に諦めずに皆で取り組んでほしい
悔しさも喜びも味わった3年生12人。栢木先生が第四中学校赴任と同時に入学したこともあり、その成長はよくわかると言います。「今年の3年生はやる気がある生徒が多く、横のつながりも強くまとまりがあった。そういった団結力の部分も演奏に良い影響を与えたと思います」。
中学3年間を振り返って羽生田さんは「吹奏楽は団体での活動ですが、個人の努力もとても大事です。勉強との両立がすごく難しかったですが、努力した分、その結果はしっかり返ってくるとわかったことで3年間の成長につながりました」とコメントしてくれました。そして、1・2年生に向けて「自分たちでやらなければいけないことが多いですが、本気でやればいい結果が出ることを体験できたことは財産になると思います。みんなでまとまれば納得できる演奏は絶対にできるので、諦めないで取り組んでほしい」とエールを送りました。
部員減少という課題がある中でも、今回の経験を後輩たちが引き継ぎ、これからも四中吹奏楽部の素晴らしい音楽を響かせてくれるでしょう。
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