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論理的思考力・批判的思考力 非認知能力  

更新日:2020年4月7日

松戸市教育長 伊藤 純一

 桜の花吹雪を心待ちにしていたこともあり、どことなく忙(せわ)しなさを感じていた平成31年度が、いつもの年のように始まりました。本年度も松戸市の「子育て・教育・文化」の向上のために精進させていただきます。

 世界の様々な分野での発展、特に高度情報化社会の進展は社会に急激な変化を及ぼしています。その中で、OECD(経済協力開発機構)は教育分野の活動として、2010年に21世紀型スキルを示し、AIやIoTによる変化など様々な課題に対し、「生き延びる力」をどのようにして身につけさせるかと、その目指すところを提唱してきました。

 我が国の、いわゆる戦後の学校教育制度は、その教育内容を昭和52年の学習指導要領から「ゆとりと充実」へと流れを新たにしました。社会の進展や変化に対応していくために「自己教育力」「新しい学力観」「生きる力」と変革を続け、「生活科」や「総合的な学習の時間」を生み、現在までその流れを続けてきていると感じています。

 「令和」という新しい元号も定まり、令和2年には新学習指導要領の完全実施が小学校で始まります。新学習指導要領では、その流れがいよいよ明確になり、OECDが以前より求めてきた教育の方向性、特に平成30年2月に公表された「エデュケーション2030(Learning Framework 2030)」と“同期”するレベルに入ったことを私達に示しています。

 その“同期”を示すものの一つとしてとして、「資質・能力」の育成が大きなキーワードとしてあります。昨年度のホームページの拙欄において、「能力の育成」を一貫したテーマとして述べさせていただいた経緯はそこにあります。

 これから学校段階毎に順次実施される新学習指導要領では、高等学校の内容が最も大きな変化を要求されています。市立松戸高校では、この流れに先行して準備を進め、いよいよこの四月から、単位制への移行を柱とする「市松改革」を本格的に開始します。

 その中で、市松独自の学校設定教科として「言語活用」を設置します。本市の小中学校では平成25年度から独自の教科「言語活用科」を実施しています。「言語活用科」では、論理的な思考力や批判的な思考力などを身につけるために日本語と英語を松戸市独自の内容と手法で学習しています。市立松戸高校では以前から小中学校から更に進んだ形として「クリティカルシンキング」などが実施されていましたが、この「市松改革」の一環として、「言語活用科」の教科「言語活用」を始めることになったわけです。

 令和4年度実施の高校の新学習指導要領においても、国語科の選択教科として「論理国語」や「国語表現」等が新設され、従来の「現代国語」を中心とした教科からの脱却が迫られています。「あうんの呼吸」などと言われた日本のコミュニケーションの在り方は、デジタル化やグローバル化の中で、論理的あるいは批判的に考えて、自分とは異なる価値観を一旦は共有できる力を持ち、相手とコミュニケーションあるいは議論する力を身につける方向に向かわなければならないということです。

 予測困難な時代を「生き延びる力」には、これまでよりレベルを上げた知識や技術の習得を基として、様々な資質・能力の育成が必要とされるということになります。

 例えば、我慢強さ、思いやる心や共感力などの「非認知能力」は、これまで家族や小さなコミュニティの中で幼少期に自然に身につくものと考えられてきました。しかし、社会の発展につれ、人と人とのつながりは薄くなってきており、それと共に非認知能力の弱体化が問われています。「非認知能力」は人と人とのつながりの中で身につくものです。子育ての中で大人も我慢を覚えます。子どもも大人も、人は人とつながる中で育つものです。

「教育はみんなで」です。みんながつながる教育行政を進めていきますので、よろしくお願いします。

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