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戸定が丘歴史公園の全体像についての検討

更新日:2013年11月25日

基本理念の設定

本公園を日本の近世をしのぶ歴史公園として、敷地の大部分を占める旧徳川昭武別邸(戸定館)を中心に整備するにあたり、基本理念を設定する時の背景となるものを以下にまとめます。

  • この戸定館が建てられた明治17年頃は、300年近い鎖国と政治体制の変革を経て、世の中に落ち着きをとりもどしはじめた頃である。
  • 明治期の庭園の特徴として明るい西洋風の庭園の発生があげられる。芝生の広庭と白砂の園路で構成されるその庭園様式は、当時の庭園鑑賞家である近藤正一をして、当世風、明治式と呼ばしめた。
  • 当世風、明治式と言われた庭園は貴顕の人々、富豪の人々の庭園であり、戸定館庭園も又徳川昭武という貴人の庭として明治式庭園を代表する庭園の一つである。
  • 一方、庶民に許された野外レクリエーションと言えば物見遊山といった「行楽」が主流を成しており、「花の名所」がその核となっていた。
  • そんな中で当時の庭園樹や園芸品にも特徴がみられ、江戸中期以降、日本の庭園樹は成長の遅いことが条件であり、更に刈込物が主流であった。
  • 庭木として多く用いられたものとしては、アカマツ、モッコク、シイ、カエデ(高木類)やアセビ、ツツジ、サツキ等(低木)であった。
  • 又、江戸期後半からアサガオ、キク、ハナショウブ等の草本花卉園芸が広まり、梅園、ショウブ園、菊人形等が人々の行楽対象ともなり、園芸はますます隆盛を極めていた。
  • このような状況が庶民のレクリエーション形態と共に、花を契機とした野外行楽の活発化を促したと言える。

以上のような時代背景をもった歴史的資源である本計画地を、歴史公園として整備する上で基本理念(メインテーマ)を次のように設定しました。

日本的な心を享受し、次代に伝える公園

  • 今日まで人々は日常生活の中において利便性、機能性を追いつづけてきた。次に求められるものは、「伝統的な生活の良さを見直す」、「文化的な生活」といった、「心」の問題である。
  • 身近に自然を感じることが少なくなって来た今、自然的な要素を多く取り入れることにより、人々が「自然(森羅万象)を愛でる心」、「路傍の草木に美を感じる心」といった日本人固有の伝統的文化、感受性を感じ取ることが出来、さらにそれらを次代に伝えてゆく場を作る事ができる。

 上記のメインテーマを計画に反映させてゆくために次のようなサブテーマを持って展開していきます。

静かなしっとりした空間づくり

  • 隣接する千葉大学園芸学部を概念的には歴史公園と一体として取り込むことにより、歴史と文化の融け合った格調高い雰囲気をつくることができる。
  • 静けさの中に過ぎ去った時(歴史)を感じ取ることにより、戸定館、庭園と歴史公園との一体感をつくることができる。

丁寧な風景づくり

  • 1つ1つのパート(部分)を緻密に美しく構成し、風景の変化を創ると共にその風景各々がスムーズに連続しながら全体を構成することにより、日本的、伝統的な空間の構成、美しい場を創ることができる。

時と共に成長する美観づくり

  • 単に過去の歴史に触れる場としてのみならず、利用者自身のときを刻むことにより、自らの原風景、思い出の空間を創ることができる。

 以上の基本理念を具現化するために次のような展開をはかります。

花の名所づくり

  • 明治の息吹をつたえる。

上流階級の生活を感じる場

  • 戸定館とその庭園

庶民の生活を感じる場

行楽のスペース(戸定館とその庭園を除く公園全域)

  • 日本人の心、情緒に深くかかわっている季節感を目で感ずるものの一つとして「花」があげられる。
  • 「花の名所づくり」とは、単に花をみることを目的とする場にするのではなく、花を通して古くから続けられて来た行楽、節句といった伝統的な行事、芸術、芸能を体感し、楽しめる場を創ることである。
  • 本計画地で行われる利用形態、方法としては以下のようなものが考えられる。

 行事・・・花見、月見、紅葉狩り、七夕祭り、菊花展、盆栽展等
 芸術、芸能・・・野点、能、旬会、歌会等

松戸市公園緑地部『戸定が丘歴史公園基本設計説明書(概要版)』平成元年3月より一部転載
なお、一部事項校正しました

関連リンク

戸定が丘歴史公園の紹介

戸定が丘歴史公園の基本設計について

施設案内(戸定歴史館)

お問い合わせ

生涯学習部 文化財保存活用課 戸定歴史館

千葉県松戸市松戸714番地の1
電話番号:047-362-2050 FAX:047-361-0056

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