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平成30年度施政方針

更新日:2018年2月22日

 平成30年度の施政方針を以下のとおり掲載します。また、PDFファイルのダウンロードも可能です。

施政方針

 本日、ここに、平成30年度予算案及び関連諸議案を提出し、ご審議いただくにあたり、施政の基本方針とともに概要を申し上げ、市民の皆さま並びに議員各位のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

始めに

 本市は平成30年4月1日に「市制施行75周年」を迎えます。昭和18年4月1日に人口4万433人で市制を施行した本市は、現在では人口50万人に近づく大都市に成長しました。これまで本市の発展に力を尽くされた全ての皆さまに感謝し、未来へのさらなる発展に願いを込め、市民の皆さまとともにお祝いしてまいります。
 昨年、小金中学校科学部の皆さんが、「ロボカップ2017世界大会」のオンステージパフォーマンス部門で世界一に輝きました。また、レスリング日本代表の須崎優衣さんの世界選手権での金メダル獲得や、第五中学校在学のハッサン・ナワールさんの全日本中学校陸上競技選手権大会の女子200メートル優勝、箱根駅伝で市の出身者が7人も登録メンバー入りするなど、本市ゆかりの若者たちが大活躍しています。
 また、最近の出来事として、子育て関連では、日本経済新聞社関連のランキング調査「共働き子育てしやすい街」の全国編で1位、グランプリに輝きました。待機児童ゼロを二年連続で達成したことや、放課後児童クラブを公立全小学校の校内などに設置したこと等といった、本市の子育て環境のよさが評価されたものと思います。
 音楽関連では、全日本吹奏楽コンクール全国大会で第四中学校・小金中学校が金賞受賞、日本管楽合奏コンテスト全国大会で第一中学校・第四中学校・第六中学校・小金中学校・小金南中学校が最優秀賞を受賞しました。5つもの中学校が金賞・最優秀賞を同時に受賞したのは全国で本市だけです。
 医療関連では、昨年12月に東葛北部保健医療圏を代表する「松戸市立総合医療センター」が千駄堀に移転・開院しました。本市は、高度な医療を担う多くの総合病院などの医療資源に恵まれ、中でも心臓カテーテル手術の実績は全国第一位です。
 このように、松戸として誇れるものが「子育てしやすい街まつど」「音楽の街まつど」「健康医療都市まつど」といった形で花開いてきたと言えるようになってきたと思います。
 さて、日本の将来推計人口は、2053年には人口が1億人を割り、年少人口が全体の10.5%と減る一方、65歳以上の人口が38%を占め、生産年齢人口は2015年と比べ約3分の2に減少する推計となっています。少子高齢の人口減少社会は、本市も例外ではなく、前回の推計では、松戸市の人口は2040年に約41万4千人となるとの予測も出ています。
 一方、「松戸市総合戦略」に基づき、本市は人口減少克服のため、様々な政策を進めてまいりました。その結果、人口は平成30年2月時点で488,552人と引き続き増加し、15歳未満の年少人口は、東日本大震災直後は年間約800人の社会減でしたが、平成29年は31人と微増ながら2年連続の社会増に転じました。
 これからも本市が持続的に発展するためには、東京に近い地理的特性などをいかし、松戸に住む若い人たちの減少を将来にわたって食い止める手立てを今後も堅持していく必要があると感じているところです。

まちづくりに対する基本的な考え方

 それでは、まちづくりに対する基本的な考え方について述べさせていただきます。
 「松戸市人口ビジョン」の実現のため、策定した「松戸市総合戦略」では、5か年に取り組むべき政策目標・施策をまとめ、4つの基本目標を設定しています。
 一つ目は、「子育て・教育・文化を軸とした都市ブランドづくり」です。
 子どもたちと、その親の世代にとって魅力的なまちづくりを進めることが、活力のあるまちを持続することにつながると考えています。
 子育てに関しては、子どもたちを元気に育てる環境を作り、家庭中心で行われてきた保育・教育を社会全体で補えるよう、様々な支援を行っています。
 妊娠・出産・子育て期の支援としては、6か月から7か月乳児健康診査を開始し、1歳未満の乳児健康診査を3回に増やしたほか、人口45万人以上の自治体では初となる、おたふくかぜ2回接種、ロタウィルス、B型肝炎3種類の任意予防接種費用の一部助成を行っています。また、予防接種のスケジュール管理や母子健康手帳の記録などをサポートする「まつどDE子育てアプリ」を12月から導入しました。市内3か所の保健福祉センターに併設した子育て世代を包括支援する「親子すこやかセンター」には、全国初となる、保健師・助産師・社会福祉士といった3種類の専門職種が専任で対応する体制を整え、様々な相談支援を行っています。乳児家庭全戸訪問時に絵本をプレゼントする「ブックスタート」や、お母さんと赤ちゃんの心身ケアや育児をサポートする産後ケア事業を宿泊型・訪問型・日帰り型の3つの方法で行っています。
 保育環境では、昨年6月に市内全駅の駅前・駅中における小規模保育施設の整備が完了し、市内全体では県内一位の61か所の小規模保育施設を4月に整備完了予定です。市内の民間保育園で働く保育士には、新卒保育士個人に給付する上限月額3万円の家賃補助や、給料とは別に、勤続年数に応じ毎月4万5千円から7万2千円を上乗せする「松戸手当」の支給を始めました。3歳児以降では、幼稚園での預かり保育実施園が12園となり、保護者へは、預かり保育を利用しても保育園での保育料とほぼ同じ負担額となるよう、最大月2万5千円まで助成することで、保護者が就労していても幼稚園での教育を選択できる環境を整えています。
 乳幼児期の支援としては、概ね3歳までの乳幼児と保護者の遊び場を市内23か所に設置し、子育ての悩みや疑問を相談できる子育てコーディネーターが常駐しています。未就学児の一時預かり施設や、病気や病気の回復期の児童を預かる病児・病後児保育室も整備しています。
 昨年オープンした市立総合医療センターには、産科一般病棟や小児病棟と同じ階に新生児集中治療室、継続保育・新生児治療回復室、小児集中治療室を備え、東葛北部保健医療圏で初の地域周産期母子医療センターや、小児医療センターを設置し、24時間安心できる小児医療体制を実現しています。建物内に設置した夜間小児急病センターでは、夜23時まで小児科医が診察する体制を整えています。
 教育環境では、全公立保育所に通う5歳児への月1回の英語あそびから、中学校3年生までの10年間を見通した英語教育を推進しています。英語実態調査によると、本市は小・中学校ともに全国平均を上回り、中でも中学校3年生は市内全校で全国平均を上回っています。
 文化に関しては、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の事前キャンプを実施することに関する覚書をルーマニアオリンピック委員会と締結しました。また、松戸宿の歴史と伝統をふまえ一宿一芸をコンセプトにアーティストの国際的な滞在制作拠点を目指すパラダイスエアでは、昨年は48組のアーティストが滞在制作し、世界と松戸をアートでつないでいます。
 今後も「共働き子育てしやすい街」全国編1位との評価に見合い、結婚・出産・子育てを希望する世代にさらに選ばれるよう、利用者の目線に立ち、本市ならではの施策を展開します。
 二つ目は、「高齢者がいつまでも元気に暮らせるまちづくり」です。
 多くの市民が持つ「可能な限り、住み慣れた自宅や地域で生活し続けたい」との希望を実現するため、介護が必要になったり、病気になったときに、必要な医療・介護・予防・住まい・生活支援が一体的に提供される仕組みが地域包括ケアシステムです。
 市では、高齢者の総合相談窓口であり、地域包括ケアシステムの要となる「地域包括支援センター」を町会・自治会連合会や地区社会福祉協議会の区割りと同じ15圏域に設置し、市役所内には、市直営の基幹型地域包括支援センターを設置しました。
 このシステムを深化・推進し、地域共生社会を実現するためには、地域包括支援センターを中心に、医療機関や介護サービス事業者、はつらつクラブ・社会福祉協議会・民生委員・町会・自治会・ボランティア等地域で関わる皆さまと一体になり、地域力を高めていくことが欠かせません。
 同時に、高齢になっても元気に暮らしていくためには、心身ともに自立し、健康的に生活できる期間である健康寿命の延伸が重要と考えています。本市では、平成28年にスタートした「まつど健康マイレージ事業」により、市民自ら健康維持に取り組むことを推進しています。また、千葉大学予防医学センターとともに、都市型介護予防モデル「松戸プロジェクト」を実施することで、企業から退職した高齢者が多い都市部である本市ならではの、住民主体での介護予防活動も推進しています。
 また、病気になっても住み慣れた地域で暮らすことができるよう、医師会の協力により地域包括支援センターごとに、センターへの相談支援及び、必要に応じて訪問支援を行う、地域サポート医が配置されています。地域サポート医を配置しているのは全国で本市のみです。
 今後も、高齢者の社会参加への支援や就労機会の確保といった、高齢となっても健康で生活できるための取組を地域の皆さまと推進していきます。また、要介護となっても住み慣れた地域で暮らし続けられるよう、小規模多機能サービスや定期巡回・随時対応サービスの整備・普及を推進していくことで、医療や介護が必要になっても安心して生活しつづけられる環境を整備していきます。
 三つ目は、「まちが再生し、賑わいのあるまちづくり」です。
 本市の人口は、高度経済成長期の約20年の間に30万人を突破し、その後も首都圏での人口増を背景に、都市の成熟が進みました。
 今後、ファミリー層を始めとした人々に選ばれ、転入者が増える街とするためには、賑わいのあるまちづくりを進める必要があります。
 平成27年に開業した「上野東京ライン」は、昨年10月のダイヤ改正で、東京駅・品川駅とを結ぶ列車数が大幅に増加し、さらに利便性が向上しました。計画から50年かかった高速道路「東京外かく環状道路」は、6月までの開通を予定し、本市初の「松戸インターチェンジ」が設置されることで、アクセスの向上が期待できます。開通する東京外かく環状道路と成田空港を最短で結ぶ北千葉道路は、県が環境アセスメント及び都市計画変更の手続きに着手しました。
 これらの交通基盤の整備が、具体的な移動時間の短縮につながることで、東京に隣接している本市の立地条件の良さを、市民や、松戸を訪れる皆さまに感じていただけるのではないかと考えています。
 「松戸駅周辺まちづくり基本構想」の進捗に関しては、今年度末までに新拠点ゾーン整備基本構想を策定します。松戸駅周辺地域は、全国から新たな街の魅力を引き出すデザインやアイデアが寄せられる「まちの活性化・都市デザイン競技」の対象地域として選定され、国土交通大臣賞等が授与される予定であり、昨年12月には国から都市再生緊急整備地域の候補として選定されるなど、民間活力を中心とした都市再生を推進する機運が高まっています。松戸駅西口駅前広場では、エレベーター・エスカレーターが6月までの完成を予定し、JR松戸駅構内では、来年度末よりエスカレーターなどが、順次供用開始される予定です。こうした取組を進めることで、将来の松戸にふさわしい松戸駅周辺地域を市民の皆さまをはじめ、議員各位とともに作り上げてまいりたいと思います。
 また、他の地域においても、地域の皆さまとともに魅力向上のための検討を行うなど、市域全体の魅力を高めるまちづくりに向けて進めていきます。
 四つ目は、「経済が活性化し、安心して働けるようになるまちづくり」です。
 本市の中心市街地は、来月の伊勢丹松戸店の営業終了を前に、活性化は急務であり、緊急事態ととらえています。人々が松戸に来たくなるような仕掛けや、訪れたくなる店舗等を呼び込むことで、中心市街地に新たな賑わいが生まれるよう、さらに力を注いでまいります。
 さて、本市の昼夜間人口比率は約82%となっており、昼間に人が集まり、まちの賑わいを取り戻すには、雇用の創出を市を挙げて進めることが重要と認識しています。
 昨年閉鎖した北部市場跡地には、複数の大型店と専門店が集積した商業施設が平成30年度に着工される予定です。
 また、本市のコンテンツ産業振興事業の担い手として、平成28年に設立された、松戸コンテンツ事業者連絡協議会は、現在34事業者が参画しています。コンテンツ産業といえば松戸という認知を得られるよう、東京ゲームショウやコミックマーケットなどの全国的に注目を集めるイベントへの出展を行っています。
 こうした地域での雇用の創出につながる動きや、働きやすくするための環境を整備することで、地域経済を活性化し、本市で自分らしく働きたいと望む皆さまの希望がかなえられるようにしていくための努力を続けてまいります。
 安全・安心なまちづくりでは、昨年の3月には大変痛ましい事件がありましたが、地域の皆さんが見守り活動を全市的に行っていただいたこともあり、平成29年の犯罪の認知件数は4,355件と、前年に比べ14.7パーセントの大幅減となりました。今後も皆さまとともに、防犯への取組を引き続き行ってまいります。
 以上、4つの基本目標を柱にまちづくりの基本方針を述べさせていただきました。

平成30年度予算

 次に、本市の新年度予算についてご説明申し上げます。
 新年度の一般会計予算は、1.5%増の1,480億円を計上しました。歳入の根幹をなす市税につきましては、景気は緩やかな回復基調にあり、市税全体では、平成29年度より3億円増の678億円を見込んでおります。
 歳出の構成比につきましては、民生費が50.2%と最も高く、次いで衛生費の10.7%、土木費の9.2%の順となっています。
 本市はこれまで、管理職の削減、俸給表の見直しなどによる、人件費の削減や、防犯灯のLED化リース事業による補助金の削減などの経費節減に努め、また、ごみ焼却施設の発電設備を増強し、売電収入での歳入確保などをしてまいりました。
 今後は、ごみ焼却施設を将来的に1つに集約し、ごみ処理コストの抑制に努めるとともに、東松戸まちづくり用地については、公民連携により事業費の節減を図ろうとしております。
 このように経費節減や事業の見直しを実施しながら、市税等自主財源及び健全財政の確保に心を配りつつ、本市が将来的に発展していくため、優先度の高い施策には積極的に投資してまいります。
 続きまして、新年度の主要な施策について、ご説明申し上げます。

子育て・教育・文化を軸とした都市ブランドづくり

 最初に「子育て・教育・文化を軸とした都市ブランドづくり」です。
 まずは、就労していても子どもを安心して育てられる取組です。待機児童ゼロを続けるため、今後も保育需要の増加が見込まれる2歳児までを預かる、小規模保育施設を10か所以上整備します。
 また、3歳児以降では、保護者が就労していても幼稚園の教育を受けられる預かり保育事業を行う園を増やすため、幼稚園が保育所を運営する法人に事業を委託できる仕組みを導入します。
 送迎保育事業としては、現在の松戸地区とは別に、新松戸駅前に幼稚園に通うお子さんの送迎保育ステーションを開設します。
 保育士確保対策としては、保育士を目指す学生を対象に無利子で修学資金を貸し付ける制度を導入します。幼稚園教諭確保対策としては、市内幼稚園で働く教諭補助者を対象に免許取得費用の一部を補助します。
 子育て支援拠点のさらなる充実を図るため、おやこDE広場と子育て支援センターを未整備地区に開設します。また、常盤平児童福祉館を改修し、おやこDE広場と乳幼児の一時預かりを新規開設します。
 小学生の放課後の居場所づくりでは、放課後児童クラブの定員を拡大するとともに、サービスの質の向上と平準化をはかるため、平成31年度からの放課後児童クラブの委託化に向けた準備を進め、放課後KIDSルームの開設校を20校から23校に増やします。
 医療的なケアが必要な児童が地域で安心して暮らせるよう、新年度からスタートする障害児福祉計画に基づき、対応できる介護職員や看護師・相談支援専門員の養成に取り組みます。
 子どもの貧困対策は、今年度中に策定する「松戸市子どもの未来応援プラン」に基づき、総合的に推進します。放課後や夏休み期間中などの子どもの孤立を防止し、支援につなげるため、新たに市内5か所に学校や家庭以外の中高生の居場所を設置します。また、常盤平児童福祉館に家庭教育相談員を配置し、小中高生の居場所として支援の充実を図ります。そのほか、子どもたちの学習機会が広がるよう、子どもの学習支援事業において、小中学生クラスを1か所増設し、高校生クラスの開催を週2回に増やすことで、さらなる充実を図ります。
 こうした取組を子育て世代に伝えるため、映画館でのCMを活用した動画プロモーションを継続し、駅や電車内への広告掲示など、PRの幅を広げます。
 学校教育では、今年度、県内で初めて市職員として固定配置したスクールソーシャルワーカーを3校に拡大し、複雑・多様化した課題を抱える児童生徒を支援することで、子どもたちが安心して学校生活を過ごせるようにします。
 図書館では、本館3階に新たにWi-Fi環境を整備し、利用者の利便性向上を図ります。
 次に文化に関しては、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会のホストタウンとして、ルーマニア及びドミニカ共和国と、事前キャンプ実施に向けた具体的な交渉を進めます。また、ドミニカ共和国との交流を図るため、梨の栽培の専門家を派遣し、苗木育成の担い手の育成支援を行います。
 また、大会を契機として国内外から本市を訪れる皆さまが増えることが想定されます。対応するボランティア育成を図るとともに、大会成功の機運醸成を図るための市民への啓発事業を引き続き実施していきます。特に日本での滞在日数や消費額が急増しているベトナムや台湾からの観光客をメインターゲットとし、市内にある観光コンテンツを訪日外国人誘致につなげる取組に着手します。ガイドマップは日本語版・英語版に加え、新たに中国語版・ベトナム語版を製作します。
 年々増加している外国籍市民と地域住民がお互いを理解できる多文化共生のまちづくりを進めるため、外国籍市民と地域住民との交流によるマナー講習会を行います。
 「文化の香りのする街・まつど」の取組としては、戸定邸庭園を徳川昭武が設計し完成させた明治期の姿に復元する工事が完了し、戸定邸の建物と庭園の調和が生む歴史的、学術的な価値と魅力が高まります。この復元完了に伴い、記念行事をはじめ様々な企画展を開催し、多くの観光客に松戸ゆかりの歴史に触れる機会を創出します。
 21世紀の森と広場は開園25周年を迎えることから、森のホール21・博物館との連携による和太鼓公演の開催や、戸定歴史館との連携による音楽会など、文化の発信に努めます。さらに、魅力アップと有効活用の一環として、遊具の設計等将来ビジョンを策定します。

高齢者がいつまでも元気に暮らせるまちづくり

 続きまして、「高齢者がいつまでも元気に暮らせるまちづくり」です。
 本市では「健康松戸21スリー」に基づき、市民の健康増進に向けた取組を推進しています。今年度実施したアンケート調査結果など、市民からの意見を踏まえ、計画の中間見直しを図ります。
 7月には本市で健康都市連合日本支部の総会を主催します。この機会に本市の健康都市としての取組を全国にPRしてまいります。
 また、健康づくりへのきっかけとなる環境づくりとして、運動公園や親水施設である川の一里塚に健康遊具を新たに設置するほか、健康マイレージ事業については、企業・団体等で構成する「健康松戸21応援団」と協働し、周知・拡大に努めます。
 40歳以上の国民健康保険被保険者には引き続き、特定健康診査や人間ドックを受診した場合にインセンティブとしてクオカードを付与し、健康無関心層を含め受診のきっかけづくりや継続受診への働きかけを行います。
 胃がん検診については、50歳以上の市民を対象に、胃内視鏡検査を隔年で選択できるようにします。
 地域共生社会の実現に向けた体制づくりでは、基幹型地域包括支援センターを、分野横断の福祉の丸ごとワンストップ相談窓口として、多職種の専門職を配置し強化を図ります。医療・介護が必要な人を迅速に適切な機関へとつなぐため、4月より医師会を通じて、在宅医療・介護連携支援センターを創設し、在宅医療に携わる医師を増やせるように努めます。また、地域力を高める担い手である町会・自治会の集会所整備を補助します。
 介護が必要な状態になっても、住み慣れた自宅で生活し続けられるよう、小規模多機能サービスの整備・普及を推進するための補助制度を充実させるとともに、早期入所が必要な方のために、特別養護老人ホーム100床を整備します。
 認知症対策については、平成28年度から本市独自のプロジェクトとして開始した「まつど認知症予防プロジェクト」の定着・拡充を図り、7つに増やす認知症初期集中支援チームなどへ相談しやすい体制を構築します。
 外出しやすい環境づくりについては、中和倉でのコミュニティバス実証実験により検証を進めます。

まちが再生し、賑わいのあるまちづくり

 続きまして、「まちが再生し、賑わいのあるまちづくり」です。
 まず、松戸駅周辺地域については、地域の魅力を引き出すため、新拠点ゾーン整備基本構想に基づき、土地利用や公共施設整備などの具体的な方向性を示した基本計画の策定に着手します。
 また、「まちの活性化・都市デザイン競技」に寄せられた多くのデザイン作品や、受賞作品等の提案されたアイデアを本市で検討している個別計画等に反映し、新たな街の魅力の創生を図ります。あわせて、都市再生緊急整備地域の候補として選定されたことを受けた取組として、「産官学金」による準備協議会を設置し、具体的なエリアや都市再生の目標・方針となる地域整備方針案などを検討します。
 さらに、松戸駅周辺の活性化に結びつく矢切地区の観光拠点は、都市公園や関連道路の詳細設計などを実施します。
 新松戸地域では、流山市木地区と接続する交通ネットワークの整備については、地域の皆さまの理解を得ながら丁寧に説明して進めていきたいと思います。また、新松戸駅の東側約3ヘクタールの土地区画整理事業については、利便性の高いコンパクトな市街地の形成をめざし、地区の皆さまの合意を図りながら、事業認可に向けて着実に推進していきます。あわせて、常磐線快速列車の新松戸駅停車に向けて、調査研究を行います。
 千駄堀地域では、新規市街地整備の実現に向けて、地域の皆さまの意見を確認し、豊かな自然資源と一体となった広域的な文化交流拠点である千駄堀地域の特性をいかし、持続可能なまちづくりの方向性を検討するための基礎調査を実施します。
 そのほか、松戸駅西口・東口、馬橋駅東口、六実駅、北小金駅周辺についても、引き続き、地域の皆さまとともに良好な市街地形成に向けた取組を進めます。
 道路交通では、東松戸駅周辺から中心市街地等へのアクセス、並びに主要な幹線道路とのネットワーク化を目的とした3・4・35号和名ケ谷紙敷線の事業完了を予定しています。さらなる道路ネットワーク強化のため、3・3・6号三矢小台主水新田線、和名ケ谷区間で、大山橋から国道464号線二十世紀が丘交差点までの延長1,200メートルの早期事業化に努めます。
 また、自転車利用者と歩行者が安全で快適に目的地へアクセスできる交通環境の実現に向けた『自転車走行空間ネットワーク整備計画』の策定を推進します。
 都市計画では、望ましい都市づくりの将来ビジョンなどを示す、新たな都市計画マスタープランの策定準備に着手します。
 住宅については、八ケ崎市営住宅の廃止に伴い、新たにUR都市機構から複数戸を借り上げ、市営住宅として供給します。

経済が活性化し、安心して働けるようになるまちづくり

 続きまして、「経済が活性化し、安心して働けるようになるまちづくり」です。
松戸駅周辺の中心市街地の新たな賑わいを創出し『いつもなにか素敵なことがある まつど』を演出するため、定期的に松戸駅周辺を訪れ、回遊する人々を増やすためのイベントを集中的に行います。あわせて、モニュメントやイルミネーション等の設置、無料循環バスの運行などにより、中心市街地のイメージアップを図ります。
 新たな雇用創出と税収確保のため、本市に立地を希望するIT・コンテンツ関連企業に対する企業立地補助金の補助要件を一部緩和します。
 いまや13兆円産業ともいわれるコンテンツ産業については、クリエイターの育成や市内への誘致を実践的に進めます。松戸コンテンツ事業者連絡協議会に加盟する事業者間でのコラボレーションや異業種間のマッチングを支援するとともに、第一線で活躍するクリエイターや経営手腕に長けた人材から学ぶトークセッションを実施します。さらに、創業と経営を支援するため、中心市街地の空きオフィスに、スタートアップに適したインキュベーション機能などを持った施設を整備します。あわせて、自然、科学、芸術をつなぐ国際芸術祭や、アニメやゲームなどのポップカルチャーフェスティバルを実施します。
 平成28年度より実施している海外販路拡大を目指す事業者に対する支援をさらに強化し、海外展示会に出展する際の補助拡充を図ります。
 商店街の活性化を支援するため、空き店舗対策として、開店時の店舗改装費の補助を追加します。
 女性の活躍推進としては、「女性センターゆうまつど」に開設した家庭と仕事の両立に関する総合相談窓口に新たに就労先の紹介と起業に関する相談をスタートすることで、再就職のみならず、広く女性のセカンドキャリアに向けた支援を可能にします。また、人手不足に悩む市内企業の労働力確保を後押しするため、これまで実施してきたまつど合同企業説明会のほかに、再就職を希望する女性を対象とした合同企業説明会を実施します。
 障害者の就労について、障害者本人・家族だけでなく、職場の上司や指導担当者等に対して具体的にアドバイスを行うジョブコーチによる支援体制を強化し、障害者の就労定着率を増加させます。
 農業については、都市農業振興計画を策定し、本市農業の持続的な振興に関する方向性を示します。ねぎ・梨・えだまめを中心として、松戸産農産物のブランド化を促進するとともに、大会誘致に向け『全国ねぎサミット2018in 新潟』に参加します。
 県が運営する東葛飾旅券事務所の閉所前に、新たに旅券事務窓口を来年3月に開設し、市民へのサービスを継続して提供します。
 北部市場跡地の大型商業施設の立地計画に伴い、予想される周辺道路の交通渋滞については、オープン後の交通シミュレーションによる渋滞予測を行い、交通管理者の意見を踏まえながら、交差点の改良など、渋滞緩和に向けた対策を実施します。
 以上、総合戦略の基本目標に基づく主要な施策の概要を申し上げました。

安全・安心なまちづくりなどの施策について

 続きまして、「安全・安心なまちづくり」など、総合戦略の4つの基本目標以外の施策です。
 犯罪件数のさらなる減少と、また小学校通学路における登下校時の児童の安全確保や、駅前繁華街及び主要幹線道路における街頭犯罪の防止を図るため、防犯カメラの増設を実施します。
 きれいな駅前づくりとしては、客引き行為等の防止のため、警察官OB2人を指導員として配置し、主に駅前周辺の客引き行為等禁止特定地区の巡回などを実施します。また、駅前での放置自転車防止に向け、誘導員を増員し、配置日数・時間を延長して実施します。
 本市南部地域の防災拠点施設とする基幹消防署としての機能の充実を図るため、平成31年度の開署に向け、中央消防署の現地建替え工事を引き続き実施します。あわせて、千葉北西部消防指令センター第2期整備事業を推進します。
 平成28年に発生した熊本地震では、新耐震基準の木造住宅にも倒壊等の被害があったことから、耐震診断・耐震改修助成の対象を拡大します。
 平成30年度から公営企業会計に移行する下水道事業では、さらなる健全経営に向けて、普及率の向上や経費回収率の向上を経営目標として取り組みます。また、災害時における避難所のマンホールトイレの整備及び管きょの耐震化を引き続き推進します。
 インフラ長寿命計画に伴うメンテナンスサイクルを構築し、予防保全型の維持管理を行うため、市道総延長1,120キロメートルのうち、一般市道955キロメートルの路面調査を行い、舗装修繕計画を策定します。
 市内の橋りょう336の橋に対し、できるだけ長持ちさせ、安全・安心を確保することを目的に、大きな傷みになる前に、点検を実施し計画的に直していく予防保全型の修繕を推進しています。劣化の順位が高い橋や、道路や鉄道に交差する橋など社会的に重要度の高い橋の工事を引き続き行っていきます。
 大雨による災害対策については、春木川、紙敷川、上富士川等の改修整備を引き続き実施するとともに、長津川流域である松戸新田地域の浸水対策を行うため、雨水幹線の整備を行います。
 通学路の安全性が長年懸案となっていた五香一号踏切では、道路の拡幅整備を推進します。
 市民サービス向上及び事務の効率化を図るため、市民課窓口の業務委託による住民票等の申請受付や手数料徴収等及びフロアマネージャーによる窓口案内を引き続き実施します。
 水道事業では、いつでも安心して水道水が使えるように、新基本計画に基づき、効率的な事業運営並びに経営基盤の安定・強化に努めます。また、小金地区2号井戸や、老朽管と鉛給水管の更新を実施します。
 廃棄物の適正処理については、ごみ処理基本計画に基づき、六和クリーンセンターの解体工事を完了し、同用地にこれまで3施設で処理していた粗大ごみを一元処理するなど、施設機能を集約する(仮称)リサイクルプラザの建設準備を開始します。
 また、平成31年度末に予定しているクリーンセンターの稼動停止に伴い、和名ケ谷クリーンセンター1施設では処理することができない、一部の燃やせるごみを効率的に搬出するため、資源リサイクルセンター用地の一部にごみ中継施設を設置します。和名ケ谷クリーンセンターは強じん化整備工事を実施し、施設の信頼性を高めます。
 家庭からの燃やせるごみの排出方法を4月から認定ポリ袋に統一し、雑がみやリサイクルするプラスチックの分別推進及び事業者への訪問指導等を行うことで、燃やせるごみの減量を目指します。
 旧紙敷土地区画整理65街区の東松戸まちづくり用地では、図書館や支所などの公共サービス機能を集約した複合施設を整備することで、様々な世代の住民が交流し、コミュニティを育む拠点となるよう、選定した優先交渉権者の事業提案書に基づき、公民連携型手法による施設整備に向けた具体的な協議を進めていきます。
 既存の公共施設については、中長期的な視点に立った計画的かつ戦略的な再編整備を推進するため、基本計画の策定に向けた取組を実施します。
 本市にゆかりのある著名人をお招きして、文化、芸術、経済界などの分野別に、各専門分野からの知見による意見を求める懇談会を開催し、本市をアピールするとともに、各界の協力を得た事業展開の可能性につなげます。
 市民の皆さまの安全・安心な消費生活を実現するため、今後も引き続き、消費者行政の体制強化に取り組みます。
 戦争を体験した人が少なくなる中、平和大使長崎派遣事業や、平和語り部や戦中戦後の市民生活等に関する資料を収集するなどの保存・継承事業を通じて、次の世代に平和の大切さや戦争の悲惨さを伝えていきます。
 以上、新年度の主要な施策について、その概要を申し上げました。

結び

 本市では、若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえられる、「子育てしやすいまちづくり」を市の最重要施策の一つとして掲げ、子育て世代に選ばれるまちづくりを進めてまいりました。「共働き子育てしやすい街ランキング」全国編1位を受賞し、生産年齢人口の増加や、年少人口が社会増に転じたことは、そうした取組が、市内外の皆さまに評価されているものと感じています。
 本市の様々な取組や魅力を市内外の皆さまにお伝えするシティプロモーションでは、最近、テレビを始めとするメディアで松戸が取り上げられる機会が増えました。
 今後も市民の皆さまの活躍する姿が取り上げられることなどで、市への愛着心が高まり、松戸を全国の皆さまに知っていただけるようなプロモーションを展開していきます。
 また、自動車の「松戸ナンバー」実現に向け、今月、導入申込書を提出しました。国の審査を経て7月ごろに決定・公表され、平成32年度中の発行開始を見込んでいます。新ナンバーでは図柄入りのプレートも選択できるため、デザイン案を公募し、市民の皆さまと一緒に松戸にふさわしい図柄を選び出したいと思います。
 昨年12月に移転・開院した「松戸市立総合医療センター」ですが、今後は、経営改善をさらに推進し、早期に経営を安定させるためにも、戦略的な経営マネジメントを確立し、適正な医業収益の確保に努めてまいります。
 高速道路のインターチェンジを始めとした、松戸のポテンシャルを高めるインフラが順次整備されてきています。これからもまちづくりへの必要な投資を行うことで、魅力的で、選ばれる松戸を皆さまと一緒に目指してまいります。
 私は、松戸が今後どのような街を目指すかを考えるとき、今の子どもたちが成人となり、様々な分野で輝こうとする際に、松戸に生まれ、育ったことに誇りを持てる街にしたいと感じています。そのためには、十年後、二十年後を見据え、ともに前に進めますよう、市民の皆さまをはじめ、議員各位のご支援、ご協力を賜りますことをお願い申し上げ、新年度の施政方針とさせていただきます。

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総合政策部 政策推進課

千葉県松戸市根本387番地の5 新館5階
電話番号:047-366-7072 FAX:047-366-1204

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