松戸市基本構想

1 位置

 松戸市は、千葉県北西部に位置し、江戸川をはさんで東京都と埼玉県に隣接しています。市の北側は流山市、東側は柏市と沼南町、南側は鎌ケ谷市と市川市に接し、西側は江戸川を境に東京都葛飾区と埼玉県三郷市に接しています。
 市域面積は61.33km2で、東西11.4km、南北11.6kmとほぼひし形の広がりとなっています。

2 沿革

 松戸市は、水戸街道の宿場町として、また舟運交通の要衝として栄えてきました。市制を施行した昭和18年の人口は4万人程度であり、昭和30年代の半ばまでは農業主体のまちとしてゆるやかな人口の増加傾向をたどってきました。
 その後、急激に膨張する首都東京の住宅需要の受け皿として、新しい市民が全国各地から移り住み、激しい人口移動と増加を繰り返し、人口約46万人を擁する全国でも有数の生活都市として大きな発展をとげてきました。 
 今日では、このような激しい人口変動の対応に追われた時期から、ようやく人口の増加も落ち着き、生活都市として成熟期を迎えつつあります。

3 基本構想の目的

 基本構想は、将来の松戸市の発展方向を展望し、21世紀の新たな時代の将来像を描き、その実現のため行政が推進すべき基本的方向を示すことを目的とします。

4 基本構想の目標年次

 基本構想は、西暦2020年(平成32年)を目標年次とします。

5 設定人口

 基本構想の目標年次である西暦2020年(平成32年)の人口を50万人と設定します。

 

<基本理念>

 首都東京に隣接した生活都市として急激な発展をとげた松戸市は、現在約17万5千世帯、人口46万人を擁し、常磐線沿線の中核都市を形成しています。
 まちの年輪とともに、松戸に生まれた「松戸っ子」が成長し、転入世代も松戸で長く暮らす人が多くなり、親と子が松戸を「ふるさと」として住み続けるようになっています。
 市民の多くが、21世紀の森と広場や江戸川の豊かな水とみどりのある松戸の風景に愛着を覚え、松戸に残された歴史的な資源とともに、梨やネギなどの農産物を自慢し、松戸での地縁や血縁はもとより、新たな交流により「知縁」を深めています。
 こうした本市の生いたちをふまえ、市民一人ひとりが尊重され大切にされ、これからも安心していきいきと住み続けることができるまちづくりが求められます。
 私たちの生活は、家族をはじめとした多くの人とのかかわり合いにより成り立っています。これから本市も、少子・高齢社会を迎えます。年齢を重ねることにより、若くて元気な時には一人でできたことも周囲からの支援が必要となり、次代を担う子どもたちについても健やかな成長を支えるきめ細かな支援が欠かせません。
 これからの時代は、今まで以上に身近なところでのかかわり合いが大切となり、身近な地域の果たす役割の重要性が増し、より思いやりにあふれ、互いに支え合う地域社会が求められます。
 また、四季を彩る豊かな自然があり、先人の日々の暮らしの中で築かれてきた、伝統と歴史が生かされた快適な地域づくりが求められます。
 本市が、これからも活気あふれる自立した生活都市として発展していくためには、これまでにも増して人々の就業の場となる産業の確保や、さまざまな人が出会い、集い、働き、学ぶなどの、日常的な交流を支える拠点となる商業・情報・文化機能などの充実が重要となります。また、活気やにぎわいとともに、市民が誇れる都市としての風格を備えることも大切です。
 次代を担う子どもたちに、快適なまち松戸として引き継ぐために、温暖化現象などの地球規模での環境問題を考慮しつつ、市民一人ひとりができる限り地球にやさしいまちづくりを推進することが必要です。
 自然の生態系を守り保全することの重要性を認識し、水資源の確保や有効活用、資源のリサイクル、自然エネルギーの有効活用、積極的な緑化推進への取り組みなど、地球環境と調和したまちづくりが強く求められます。  

 そこで、本市のまちづくりを行うにあたり、次の3つを基本理念とします。

 1 人権が尊重されすべての人が安心して暮らせるまち
 2 快適な環境の中で人と人が支え合う地域社会のあるまち
 3 地球にやさしい市民の交流を支える活力と魅力あるまち

<松戸市の将来像>

 基本理念に基づき、西暦2020年(平成32年)の松戸市の将来像を

「いきいきした市民の舞台」
  「ここちよい地域の舞台」
    「風格ある都市の舞台」
      のあるまち・松戸

と設定します。


 「次代を担う子どもたちのふるさと・緑花清流による松戸の創生」を合言葉に、市民、事業者、行政が一体となり、真の豊かさを感じることのできる3つの舞台が調和したまち松戸をめざします。
 いきいきした人の顔、子どもの様子は、周りの人々を安心させ明日の生活に夢を与えてくれます。21世紀を歩む松戸市には、このような「いきいきした市民の舞台」があります。
 また、人と人がかかわり合い、安全で便利な活動の場があり、自然とふれあうことができる「ここちよい地域の舞台」があります。
 さらには、歴史や文化の香りの中で、活発な都市活動が広く展開している「風格ある都市の舞台」があります。
 これらの3つの舞台が相互に連携し調和することにより、緑が多く、美しい花が咲き、清流がよみがえり、さまざまな動物や植物の成育環境があり、また、歴史にふれあいながら快適に生活することができ、次代を担う子どもたちに魅力的なふるさとが創造されます。             

<まちづくりの基本方針>

-住んでよいまち・訪ねてよいまち-

 21世紀の新しい松戸は、将来像に掲げた3つの舞台のそれぞれが相互に連携し調和することによって創造されます。
 これは、すべての市民が、快適な地域社会に暮らし、本市を訪れる人々とともに50万都市にふさわしい風格を感じ、文化的で活力のある都市活動を展開することにより、住んでよかった、訪ねてよかったと思えるまちの創造です。
 そこで、社会や経済状況の変化への適切な対応と、生活都市としてこれまで培い蓄積してきた資源を生かしながら、すべての人々が住み続けられる「住んでよいまち」の実現を基調とするとともに、都市としての活気やゆとりを形成し、多様な世代がともに暮らし、来訪者にも喜んでもらえる「訪ねてよいまち」の実現をめざします。

 第1節 充実した生活都市づくり

 これまでの生活都市としての蓄積をもとに、さらに安全性を高め、福祉や文化・教育環境などを向上させ、より生活しやすいまちづくりを進めます。
 そこで、身近な地域を単位として、市民主体のきめ細かなまちづくりを進め、地域コミュニティの醸成を図ります。
 また、都市としての個性や魅力を高めるため、市域を自然と歴史を生かした3つのまとまりとしてとらえ、それぞれのまとまりごとの特性を生かしながら、市民生活がより豊かになる、真に「住んでよいまち」といえる「充実した生活都市」を実現します。

1 生活に身近な地域の形成

 充実した生活都市を実現するためには、まちの発展経緯や自然環境、日ごろの生活圏などをふまえた身近な生活の範囲に目を向け、それを基本に考えていく必要があります。
  そこで、支所の管轄区域を基本とした身近な地域を設定し、地域ごとの居住環境の改善や生活サービスの質を高め、自立した地域コミュニティを醸成するとともに、各地域の個性を生かしながら、愛着のもてる地域づくりを展開します。
 また、それぞれの地域には、中心となる生活拠点の育成と充実を図ります。生活拠点には、支所を中心として、身近な商店街、保健・福祉・医療サービス拠点や文化活動の場、地域公園などの充実を図り、市民生活を支えるための利便性や快適性を確保していきます。

2 環境特性を生かした3つのまとまり

 松戸市には、さまざまな特性をもった地域があります。生活都市としての機能をこれまで以上に充実するためには、地域の特性や地域相互のつながりを考慮して、都市としての個性や魅力を高めることが必要です。
 本市の地形は、江戸川沿いの低地部と下総台地の一部に属する起伏の多い台地部とに大別されます。
 低地部には、大小の河川や水路が張り巡らされた比較的平坦な風景の中に、各駅を中心とした商業地とともに、戸建の住宅を中心とした街並みが広がっています。
 また、台地部には、古くから人々の営みがあり、水戸街道沿いの集落から発展した歴史的な資源が残る地区と、都市部としては比較的豊かな自然と住環境が計画的に調和した地区とに大きく分かれます。
 市域を、このような自然と歴史を基本とした3つのまとまりとしてとらえ、本市のみどりのシンボルとして定着した21世紀の森と広場を中心に、それぞれを「水と親しめる川の手のまち」「風薫る歴史のまち」「光輝くみどりのまち」とします。
 この3つのまとまりごとの特性を生かしながら、自然・歴史的資源などを守り、育て、生かした、特徴のある充実した生活都市を実現します。

 第2節 活力ある交流都市づくり

 松戸市は、「住んでよいまち」を基調とする中で、東葛飾北部地域200万交流都市圏の一翼を担う都市としての大きな役割を自覚し、自立した幅広い活動のできる交流都市としての機能もあわせもつまちをめざします。
 そこで、都市の顔ともいえる広域交流拠点の整備や育成を図るとともに、交流を支える広域的な交通網の整備にあわせ、市内の交通網を効率的に結びあい、豊かでうるおいのある都市として、質の高い市民生活と活気ある産業活動や文化活動を展開できる「訪ねてよいまち」といえる「活力ある交流都市」を実現します。

1 交流拠点の育成・整備

1) 商業・業務拠点
 松戸駅周辺地区は、古くから松戸の中心であり、すでに拠点としての集積がなされていることや、将来の交通基盤整備の可能性などを考慮して、商業や業務機能を中心とした広域交流拠点として育成します。
 北松戸工業団地を中心とした地区は、今日の産業環境の変化を背景として、将来的に土地利用転換の可能性が高いことを見すえ、従来の生産機能に、新たな商業・業務・娯楽機能などを加えた広域交流拠点として整備を図ります。
 この2つの拠点の連携を図ることでさらに拠点性を高め、50万都市にふさわしい顔となるよう育成します。
 一方、新松戸駅周辺、八柱駅周辺、東松戸駅周辺については、鉄道の結節点としての役割とともに、これまでの経緯や将来的な開発可能性の高まりを考慮して、商業機能を中心とした拠点として充実します。

2) 文化交流拠点
 21世紀の森と広場は、松戸を代表するみどりのシンボルです。また、文化会館や博物館は文化活動の核となっており、今後も市民のみならず広範な人たちによる文化の交流が期待されます。
 この周辺は、今後新たな発展の可能性を有していることから、豊かな自然と一体となった広域的な文化交流拠点として育成、整備を図ります。

3) 川のレクリエーション交流拠点
 斜面林、河川、農地など、松戸を特徴づける自然景観のある矢切地区に、既存の豊かな水とみどりの広がりを生かした、川のレクリエーション交流拠点の整備を図ります。

2 交流都市を支える交通網の整備

 広域交流拠点の整備にあわせ、それぞれの機能、役割を十分に発揮できるよう、市内の交通ネットワークの充実はもとより、周辺の交通網整備との整合をとりながら、広域交通網の整備を図ります。
 また、公共交通事業者との連携を図り、市民生活に密着したバス路線網をより充実するとともに、一層の安全性・利便性の向上をめざした環境整備を進めます。
 また、地下鉄11号線の松戸延伸については、周辺都市との連携も視野に入れ、早期実現に向けて取り組みます。

  

 第3節 調和のとれた土地利用

 土地は、限りある貴重な財産であるとともに、市民生活や産業活動の共通の基盤であり、その利用は地域の発展に大きくかかわってきます。
 そこで、残された自然資源を守ることを基本に、人が住み、活動する生活都市と交流都市の調和を図る総合的な土地利用を進め、松戸の特性を生かした固有の風景を守り育て、各地域の調和のある発展に努めます。

1 豊かな自然環境との調和

 本市の自然と歴史を守り、育て、豊かでうるおいのある都市づくりを行うために、約3割を占める自然的土地利用の保全を基調とします。
 そこで、無秩序な開発を防止し、適正な誘導を図り、河川、農地、緑地などの保全や活用に努めます。
 また、都市的土地利用を行う場合は、自然環境を生かし自然にふれあえるよう十分に配慮する計画的な土地利用を図ります。

2 ゆとりある市街地環境の形成

 既成市街地は、交通体系の整備とともに社会経済活動などの動向や地域特性に配慮しながら、商業・業務・工業・住宅地を適正に配置し、有効かつ高度な土地利用を進めます。
 特に、地域の拠点となる駅前は、交通結節点の役割とともに地域の魅力を高める環境整備を行います。また、密集市街地の居住環境を向上させ、調和のとれた市街地環境を形成します。

3 拠点にふさわしい土地利用

 広域交流拠点、生活拠点などの市民活動が集中する地区は、特に効率的かつ計画的な土地利用を進めます。 
 そこで、それぞれの拠点の性格や機能に応じ、周辺環境と調和のとれた快適な空間づくりを行います。

<施策の大綱> 

 松戸市の将来像の達成に向けて、6つの施策の大綱を設定します。

  第1節 連携型地域社会の形成

  第2節 豊かな人生を支える福祉社会の実現

  第3節 次代を育む文化・教育環境の創造

  第4節 安全で快適な生活環境の実現

  第5節 魅力ある都市空間の形成と産業の振興

  第6節 都市経営の視点に立った行財政運営

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