平成20年度施政方針について

 平成20年度施政方針を以下に掲載いたしました。最下部からPDFファイルもダウンロードでご利用いただけます。なお、当日の演説と表現その他に若干の違いがあることをご了承ください。


平成20年度施政方針

 本日ここに、平成20年度の予算並びに諸議案をご審議いただくにあたり、私の市政に対する所信の一端を申し述べ、議員並びに市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 日本経済は、堅調な外需と設備投資による企業部門の底堅さに支えられ、ここのところ一部に弱さがみられるものの、いざなぎ景気を越える成長を持続しております。しかしながら、中小企業や個人消費に景気回復の実感が現れていない現状となっております。 
  また、平成20年度国内総生産の実質成長率の見通しは、2%程度となっておりますが、米国サブプライムローンによる金融市場の混乱、原油・原料費の高騰、改正建築基準法の影響など内需へのマイナス要因が日本経済の先行きに不透明感を強めております。
 また、このような経済情勢の下、国の構造改革によって格差が生じ、深刻化の様相を見せております。この格差は、労働環境を変え、ワーキングプアなど社会問題をもたらしております。

 我が国は、平成17年度を境に人口減少社会に突入し、そして少子高齢化などに伴う社会保障費の増嵩、都市と地方との格差、地球温暖化などの課題が発生し、その対応が求められております。
 こうした状況において政府は、経済成長率を維持、持続させるために、成長力の強化に向けた取り組みを行う一方で、行財政改革も一つのテーマとしております。
 地方財政については、国の取り組みと歩調を合わせ、各分野にわたる再点検を行い、安定的な行財政運営に必要となる財源を確保することが求められております。しかしながら、現在、通常国会において議論されております道路特定財源を巡る状況は、市民生活及び地方自治体の財政に深刻な影響を及ぼしかねないことから、地方六団体は国に対し緊急決議をしたところでございます。また、千葉県市長会において暫定税率維持に向けた要望書を県選出の衆参国会議員に対し提出したところでございます。本市といたしましても、この動向を注視し、さまざまな機会を通じ、暫定税率維持に向けて訴えてまいります。


 初めに、本市の平成20年度の予算についてご説明します。歳入では、緩やかな景気回復により根幹をなす市税収入が微増し、住宅借入金等特別税額控除に伴う減収補てんのための地方特例交付金、そして国・県支出金に増が見込まれます。しかし、市有地の売払いによる収入が減額となるなど、歳入全体の伸びは微増となっております。
 次に歳出では、扶助費や医療制度改革による後期高齢者医療広域連合への負担金など義務的経費が増加しております。特別会計への繰出金は、介護保険特別会計への繰出金の増があるものの、医療制度改革による老人保健事業特別会計の大幅な減により繰出金総額では減となっております。ただし、後期高齢者医療事業に係る広域連合への負担を合せますと、一般会計の負担は増額となっております。
 また、大量退職時代を迎えての退職手当と再任用職員に係る人件費の確保など引き続き厳しい状況となっております。
 その結果、一般会計の予算規模は1,164億円、対前年比で見ますと3.7%増となっております。
 今後とも、収納率の向上をはじめとし、より一層の行財政改革を進めてまいります。

 私は、市長として市民の皆様から市政を付託され、4期14年目を迎えます。市民の皆様との公約、そして総合計画に描く「住んでよいまち、訪ねてよいまち」をめざして、着実にその歩を進めているところでございます。
 市長当選以来、緑花清流を掲げ、議会並びに市民の皆様とともにまちづくりを進めてまいりました。昨年には、かつて汚濁の進んだ坂川で鮎や水鳥が姿を見せるなど、これまで市民の皆様とともに歩んできた成果が、一つずつ実を結んでおります。
 また、東京外かく環状道路の一般国道部分の暫定供用が、20年3月に予定されております。この暫定供用に伴い、矢切斜面樹林の復元が計画されております。今後の計画といたしまして、斜面樹林の復元とともに、市民参加による公園の整備が計画されており、地域の憩いの場としてご利用いただければ、と思うところでございます。
 さらに19年度中には、栗山地区約2haの斜面緑地を都市緑地法に基づく特別緑地保全地区に指定しますが、引き続き、矢切地区の指定に向けて、準備を進めてまいります。
 今後とも、「緑花清流・ふるさと松戸の創生」にご協力を賜りたいと存じます。


 
 平成20年度にあたりまして、本市の市政運営の基本的な方針を以下順次申し上げます。

民間活力の導入による元気な松戸

 平成19年6月の定例会において可決されました「松戸市協働のまちづくり条例」に基づく協働事業が、いよいよ20年度よりスタートします。
 事業提案のあった18事業のうち、松戸市協働のまちづくり協議会からの答申を経て、9事業が実施できる運びとなりました。
 成熟した社会における市民ニーズに的確に対応するためには、行政はもとより、市民、市民活動団体、事業者などによる民間活力が不可欠であることは言うまでもありません。
 これら事業の実施により、市民活動の促進と、市民と行政との協働の推進を図り、条例でめざすまちの姿である、豊かで活力ある地域社会の実現に向けて取り組んでまいります。

松戸市警防ネットワーク事業

 次に、松戸市警防ネットワーク事業について、でございます。
 平成19年4月、「市民との連帯をより強固にし犯罪ゼロのまちをめざし、子どもたちを犯罪から守る」ための取り組みとして、議会、市民の皆様、そして警察など関係者及び関係機関の方々のご協力とご尽力により、松戸市警防ネットワーク事業がスタートできましたことに、あらためて感謝申し上げます。
 この取り組みにより、刑法犯認知件数は減少し、着実にその効果を上げているところでございます。20年度は、安全で安心な暮らしが確保できるよう、さらなる充実を図ります。

健康都市日本一

 近年、食の安全・安心、そして高齢者福祉に関し、企業倫理を疑う事件や全国で減少する産科や産院の閉鎖など、さまざまな問題が発生しております。
   これらは、市民生活の安全・安心にまつわる事件であり、誠に遺憾なことでございます。

 平成19年4月、農業団体などボランティアの方々の支援により、市役所正面玄関前にキッチンガーデンを開園し、無農薬で野菜を育て、食と農への理解を深めてもらうための取り組みをはじめたところでございます。
 私は、広報まつど元旦号の新春対談におきまして、食育に造詣の深い方々とお話しをさせていただきました。あらためて、心身ともに健全な食生活の実践が必要であること、さらに、食文化を通じた地域づくりの重要性を実感したところでございます。
 2月7日には、『食のウインターフェア in 松戸』を開催し、多数の方々にご参加をいただき、子どもたちへの食を通した躾けなど市民の皆様とともに、「当たり前からあらためて、食の大切さをみんなで考える」ことを共有できたものと思っております。
 本市といたしましては、食育のさらなる推進を図るため、20年度から25年度までを期間とする食育推進計画を策定します。この計画は、食に関する知識と食を選ぶ力を身につけるとともに、食の大切さと郷土のすばらしさを知り、生産者と消費者相互の交流を深め、生涯を通じて健やかに生きることをめざすものでございます。
 食育は、本市が掲げる「ひと・もの・しぜんを大切にする」まちづくり「もったいない運動 ワンスモア」にも通じるものがございます。
 二十世紀梨発祥の地としての本市には、幸水・豊水といった梨や、特許庁の地域団体商標として登録された矢切ねぎをはじめとする野菜など誇るべき資源がございます。また、4つの大学、市民ボランティア、そして食に関連する多数の事業者がおります。20年度も引き続き、多数の方々と連携を図り、食に関するイベントなどさまざまな機会を通じ、食育の輪を広げ、心身ともに健全な食生活の実践と食文化を通じた地域づくりを進めてまいります。


 次に、少子化対策でございます。
 申し上げるまでもなく、社会は次世代を担う子どもなくして存続しえません。19年10月には、乳幼児医療費の対象年齢の拡大を図り、家計への負担の軽減策を講じたところでございます。
 しかしながら、この経済的支援だけで、少子化対策が進むものではございません。配偶者などの家事分担や企業支援など男女共同参画社会の実現、地域での見守りなど、社会全体での取り組みが必要といえます。そこで、本市といたしましては、次代を担う子どもを安心して出産し、そして健やかに成長していけるよう出産・子育てに関する環境整備を促進します。

 次に、市立病院の建て替えについて、でございます。
 老朽化した市立病院の建て替えを検討しているところでございますが、建て替えには多額の費用を必要とし、本市の財政に大きな影響を及ぼすことから、議会と協議し、慎重な検討を重ねているところでございます。
 現在、病院整備に係る建設計画や財政計画などを含めた基本計画を策定しているところでございます。これを基に、議会の特別委員会とさらなる協議を進め、建て替えについての柔軟な整備手法の検討も行い、可能な限り早期に、実行できるようその道筋をお示しします。
 最近の公立病院においては、全国に千余りある病院の約8割が経営状況に問題を抱え、医師不足などから、病床数の削減や、廃院に追い込まれる病院が相次いでおります。
 また、病院事業への一般会計からの負担金・出資金の増加は、地方自治体の財政悪化の要因の一つとなっております。本市におきましても、最近の市立病院の経営はますます厳しさを増しており、既に一般会計に多大な影響を及ぼしつつあります。
 一方、市立病院には、経営上民間では提供が困難な不採算となる小児医療、災害医療、救急医療など、地域における不可欠な医療提供体制を確保し、市民が健康で、安心に暮らしていけるよう、安定的かつ継続的に医療サービスを提供しなければならない、という使命がございます。
 このような中、19年末、国は、全国の公立病院の経営改善を図るべく、「公立病院改革ガイドライン」を提示し、20年度内に改革プランの策定、公表を求めております。
 本市におきましては、今後さらなる経営改革に取り組み、経営の効率化を図り、建て替えの実現性を高めてまいります。


松戸版教育改革

 次に、松戸版教育改革について、でございます。
 こちらは、後ほど教育長より教育方針として示されますが、今定例会におきまして、教育委員1名の定数増を図る議案を上程させていただいております。

【政令指定都市をめざした広域行政の推進】
 次に、政令指定都市をめざした広域行政の推進について、でございます。
 広域行政は、現在、東葛6市と葛南4市において政令指定都市に関する調査研究を進めているところでございます。一定の成果がまとまり次第、議会、市民の皆様にご提示します。
 また、国は、地方分権改革推進委員会の中間的なとりまとめに基づき、国と地方との役割分担や、国の関与のあり方の見直しなどについて検討を進めており、平成20年春以降、順次勧告がなされる予定となっております。その他にも、道州制に関する議論も関係機関で検討されており、地方自治体を取り巻く状況は、さらなる転換期を迎えることが予想されます。
 今後も、国の動向を注視し、市民生活の利益の向上に繋がるよう、本市におきましても広域行政に関する研究を重ねてまいります。

スリムな市役所の実現

 次に、スリムな市役所の実現について、でございます。
 私は、市長就任以来、行財政改革の断行に努めてまいりました。
 市民の皆様が、「人にやさしい・住んでよいまち 松戸」で、より豊かに暮らすことができるよう、真に必要とされる生活基盤を整備する一方で、財政の健全化に努め、市債残高の削減を図ってまいりました。
 今後も、本市の財政は厳しい状況が続くことが予測されることから、松戸市集中改革プランに基づき、民間活力の導入による外部委託、事業の見直し、職員定数の削減を断行していきます。

地球環境に松戸市も貢献

 次に、地球環境に松戸市も貢献について、でございます。
 この1月より京都議定書の第1次約束期間がスタートいたしましたが、この目標値を達成するには、厳しい削減努力が必要となります。
 本市におきましても、地球環境に貢献すべく、CO2などの温室効果ガスの排出抑制に取り組んでいるところでございます。松戸市地域省エネルギービジョン、新エネルギービジョンによる取り組みをはじめ、焼却灰などの搬出に鉄道輸送を使うモーダルシフトやごみの減量対策、さらに、まちに緑を残し、緑を増やす取り組みなども行ってまいりました。20年度には、消滅型の生ゴミ処理機を公共施設等に導入し、その効果を検証するとともに、住宅政策におきましてもCO2削減に寄与する取り組みの検討をはじめます。
 また、50万本植樹計画の一環として、松戸市の木でありCO2削減効果の高い“シイ”などのどんぐりから苗木を作り、市内に植樹するための試験的な取り組みをはじめたところでございます。
 どんぐりが成長し、やがて林となり、地球温暖化防止に貢献するとともに、人々が街の緑に接することで、心にうるおいをもてるような社会環境の形成に役立てたい、と考えております。
 さらに、より温室効果ガスの削減を図るため、20年度に「松戸市地球温暖化対策地域推進計画」を策定します。この計画は、市民、事業者の皆様などと連携を図りつつ、地域が一丸となって、“CO2”を“減”らす、という取り組みであることから『減CO2(ゲンコツ)大作戦』と名づけたいと思っております。
 また、「もったいない運動」の推進重点事業であり、産官協働で研究を重ねております廃食用油を活用したリサイクル事業、バイオディーゼルフューエル、BDFは、社会実験を開始いたしました。
 このBDFは、カーボンニュートラルという考え方により、燃焼させてもCO2を増加させない扱いとなりますので、本市におきましても、CO2削減の有効な方策のひとつとして取り組みを支援してまいります。
 また、低炭素社会構築に向け、新たに担当室を設け、さまざまな取り組みを積極的に推進してまいります。議会並びに市民の皆様、そして事業者の協力なくして、脱温暖化社会の構築は成し得ません。そこで、市民の皆様、そして事業者の皆様などから温暖化対策の斬新なアイデアを募り、松戸市発の事業として実現するような取り組みもはじめたい、と考えております。今後とも、より一層のご協力をお願い申し上げます。

 以上、今期の柱となる項目について、ご説明させていただきました。


 
 続きまして、前期基本計画の施策展開の方向に沿って、平成20年度の主要な施策について、ご説明申し上げます。

 初めに「連携型地域社会の形成」をめざす施策について申し上げます。

 先ほど申し上げましたとおり、「松戸市協働のまちづくり条例」に基づく協働事業が、平成20年度よりスタートします。協働事業提案制度9事業のほか、同じく19年9月に募集を行いました「市民活動助成金」につきましても、8団体からの応募があり、審査の結果、うち5団体への助成を実施します。
 その他、市民を対象とした協働のまちづくり講演会の開催や、事業提案のためにワークショップを開催するなど啓発事業を実施します。
 男女共同参画プランの推進は、第3次実施計画が20年度よりスタートします。社会や経済の構造が大きく変化する中で、男女が対等なパートナーとして、個々の状況に応じ、仕事と生活の調和を図りながら、いきいきと暮らしていける環境づくりを重点的に進めてまいります。
 公共施設のバリアフリー化に関しましては、馬橋市民センターに続き、20年度、小金原市民センターにエレベーター設置などのバリアフリー化工事を実施します。また、六実市民センターにつきましても調査を実施し、今後も公共施設のバリアフリー化を継続してまいります。
 明市民センターは、構造上エレベーターを設置することが困難なことから、1階ながいき室を会議室としても利用できるよう改修工事を実施し、利便性の向上を図ります。
 住民自治活動の拠点である町会・自治会の集会所は、整備費の補助を行っているところであり、20年度は八ヶ崎連合町会の集会所建て替えに対して補助を行います。


 続きまして、「豊かな人生を支える福祉社会の実現」をめざす施策について申し上げます。

 保健・医療・福祉などの社会保障制度は、市民の皆様が豊かな人生を送るために欠かせない生活基盤であり、将来にわたり持続可能なものでなければなりません。
 社会保障制度を持続可能なものとするためには、受益と負担のバランスをとりながら、財源を確保していく必要がありますが、少子高齢化によるバランスの崩壊が社会問題となっております。
 本市でも、少子化対策として、出産から子育てに関する支援の充実に努めているところでございます。平成20年度は、利用者の皆様からも好評をいただいている「おやこDE広場」を、新たに、新松戸第1地区と第2地区、明第1地区の3ヶ所に開設し、地域における子育ての拠点として活用を図ってまいります。
 また、生後4週までを対象に行っている新生児訪問事業は、生後4ヶ月まで対象を拡大し、より多くの家庭訪問により、保護者への支援や児童虐待の予防・早期発見に努めてまいります。
 さらに、妊婦健康診査を、2回から5回に増やすことにより、さらなる母体の健康保持と妊娠中の不安の軽減を図ってまいります。
 毎年度整備を進めております放課後児童クラブは、20年度に金ヶ作小学校と殿平賀小学校の2校にクラブを設置するとともに、運営費の補助を行ってまいります。これにより、全校区設置まで2ヶ所となりますので、引き続き整備を進めてまいります。
 さらに、高塚新田に保育園を新設する社会福祉法人に対しまして、建設費の補助を行い、待機児童の解消を図ってまいります。
 健康増進・病気予防に関する施策は、20年度から医療制度改革が実施されることとなります。まず、従来、本市が行っていた基本健康診査に代わり、市は国民健康保険の保険者として被保険者等に対して従来の基本健康診査項目を確保した特定健康診査を実施します。この健診結果により、生活習慣の改善が必要な人には特定保健指導を実施します。生活習慣病予防対策を強化することにより、病気の予防とともに健康の維持・増進を図ってまいります。なお、がん検診、肝炎検査や骨粗しょう症健診などは、従来どおり、市民を対象として実施します。
 また、75歳以上の高齢者を対象とする後期高齢者医療制度の創設に対応するため、新たに担当室を設置し、制度の円滑な導入をめざします。
 さらに、介護予防につきましても、介護が必要となるおそれの高い虚弱な高齢者を把握する事業を特定健康診査の導入に合せて見直し、効果的な展開を図ってまいります。


 続きまして、福祉施策について申し上げます。
 高齢者福祉施策は、介護保険の地域密着型サービスとして、金ヶ作と高塚新田に開設予定の地域密着型介護老人福祉施設の2ヶ所に対し、建設費の補助を行います。
 また、市内の介護施設を訪問し、施設利用者からの相談を受けることで、サービス利用者とサービス提供者の橋渡しを行う介護相談員派遣事業は、相談員の増員を行い、訪問回数を増やすことで、きめ細やかな対応をめざしてまいります。
 障害者施策は、18年度に施行された障害者自立支援法の主旨に基づき、これまで、身体・知的・精神にそれぞれ障害のある方ごとに提供されていたサービスの一元化を進めてまいります。
 併せて、障害者の地域における生活を促進するために、自立支援協議会を設置し、就労支援など地域の障害福祉のシステムづくりを進めてまいります。また、精神に障害のある方の退院の促進が図れるよう、入居支援を行ってまいります。
 さらに、障害者グループホームの運営費の補助を開始し、障害のある方の地域生活や社会参加を進めてまいります。

 続きまして、平和事業について、でございます。戦後60年以上経過し、戦争体験者が少なくなってきている現状から新たな事業展開を検討してまいりました。20年度より、平和基金を活用し、継承事業及び保存事業を重点的に実施してまいります。特に21世紀を担う青少年を対象とした事業として、原爆投下の地である長崎市で開催される「青少年ピースフォーラム」へ中学生を派遣し、平和の尊さ、世界の恒久平和、核兵器の廃絶などを学んでいただきたい、と考えております。

 続きまして「安全で快適な生活環境の実現」をめざす施策について申し上げます。

 多くの人々が質の高い生活を求める今日、快適な生活環境は、都市に求められる大切な価値であり、市民の期待は大きいものがございます。
 矢切地域には、矢切の渡し、野菊の墓文学碑、栗山配水塔など、歴史的価値の高い数々の資産があります。平成19年度末には農地や河川、斜面樹林などの自然的資源を活かした「矢切耕地土地利用構想・案」がまとまりますので、今後、その実現に向けた検証を進めてまいります。
 景観行政は、新たに担当室を設け、「景観基本計画」を策定し、法に基づく「景観行政団体」へ移行するなど、本市の景観づくりの本格的な取り組みを進めてまいります。
 19年5月に開園いたしました「東松戸ゆいの花公園」が、1周年を迎えることから、本年5月に記念事業を実施します。
 水辺環境の整備・保全といたしましては、国分川や坂川で植栽を行うことにより、修景に配慮した川づくりを行ってまいります。
 また、小山親水水路は、広く市民の皆様に利用される、水辺に親しむ施設として再生を図ります。
 さらに、生物などの生息地となる江戸川のワンド整備に合せて、新しい環境学習の場として活用されることを期待しております。
 松戸橋有料道路、いわゆる松戸三郷有料道路は、昭和55年4月の供用開始以来、地域の活性化に寄与してまいりました。一般国道298号松戸市区間の暫定供用が予定されていることから、今まで以上に広域的、かつ活発な地域交流が予想されます。そのためには、市民の利便性の向上や地域経済発展のため、松戸橋有料道路の平成20年度内の無料化と渋滞対策について千葉県に要望してまいります。


 続きまして、廃棄物処理に関して、でございます。
 クリーンセンターは、昭和55年12月に稼動を開始し、27年を経過いたしました。経年変化による老朽化が激しいことから、平成20・21年度の2ヵ年にわたり基幹整備工事を実施します。
 続きまして、「松戸市安全で快適なまちづくり条例」に関しましては、条例施行以来、市民の皆様からのご理解等により、順調な運用がなされているところでございます。20年度は、新たに八柱駅周辺を重点推進地区として追加指定を行い、めいわく行為を抑制していくことで、安全で暮らしやすい生活環境づくりを推進してまいります。
 また、放置自転車対策として、平日に行っている自転車撤去作業につきまして、放置台数の多い市内5駅周辺を対象に、月1回程度の土・日や祝日の撤去作業を開始し、良好な駅前環境を確保してまいります。
 建築後年数が経過した新松戸市営住宅は、外壁の劣化が著しいことから、改修工事を実施します。
 続きまして、建築物の耐震化の促進について、でございます。建築物の耐震改修の促進に関する法律が改正されたことから、住宅及び特定建築物の耐震化を促進するために「松戸市耐震改修促進計画」を策定しております。
 20年度には、この計画で示した施策を遂行していくための制度等について検討してまいります。
 また、今定例会におきまして、耐震改修基金創設に係る議案を上程させていただきました。これにより、小学校及び中学校等の市有建築物の耐震化を積極的に推進してまいります。
 地域防災の核として消防団の強化を図るために、第18分団・小金消防センターの改築を行います。
 次に、消費者行政について、でございます。
 消費者行動の多様化により、インターネットトラブルや多重債務者の救済等に係る相談が増加しております。20年度は、消費生活センターに消費生活相談員を増員することで、事業者と消費者との取引によって生じた苦情の相談や斡旋など対応の充実を図ります。また、本年1月、千葉県弁護士会松戸支部と本市を含めた東葛6市による「東葛多重債務問題対策フォーラム」を設立し、さらなる相談体制の充実を図ったところでございます。



 続きまして「魅力ある都市空間の形成と産業の振興」をめざす施策について申し上げます。

 平成17年7月に松戸市交通バリアフリー基本構想を策定し、松戸地区及び新松戸・幸谷地区を重点整備地区に指定いたしました。20年度には、松戸駅から市役所までの経路について、道路整備を実施するとともに、馬橋駅西口自由通路エレベーター設置工事及び階段架換工事を実施します。
 鉄道駅エレベーター設置事業は、18年度より着手しております新松戸駅のバリアフリー化工事に対して、引き続き、支援してまいります。
 松戸駅の改造は、本年3月に基礎調査が完了し、20年度から基本設計に着手する予定である、と聞き及んでおります。施設計画は、できるだけ早い時期にお知らせできるようJR東日本に働きかけてまいります。
 22年度の開業をめざして整備が進められている成田新高速鉄道は、沿線の自治体とともにこの鉄道の建設費の負担に協力してまいります。
 また、東松戸駅への成田新高速鉄道一般特急停車は、前提となる北総線の特急・急行の東松戸駅停車実現に向けて全力を傾注してまいりますとともに、京成電鉄をはじめ関係機関への働きかけを継続してまいります。本市といたしましては、東松戸駅のホーム増設、バリアフリー化の前倒し、耐震補強への支援など、一般特急が停車するにふさわしい施策を推進してまいります。
 東京外かく環状道路は、今後、千葉県区間が全線開通することにより、県道の交通渋滞の緩和、生活道路への車両の進入を抑制するなど市民の安全・安心が確保されるところでございます。
 そのためにも、27年度までに、東京外かく環状道路の千葉県区間が確実に開通することを強く願うところでございます。
 また、千葉県が実施しております県道市川松戸線の整備と合わせ、引き続き、都市計画道路3・3・6号三矢小台主水新田線の上矢切交差点の改良事業を進めてまいります。
 さらに同路線の八ヶ崎・二ツ木区間につきましても引き続き、事業を推進してまいります。
 千葉県が実施しております都市計画道路3・4・16号葛飾橋矢切線、小山字浅間台・三矢小台3丁目区間他の整備及び3・4・17号稔台六実線の松飛台交差点の改良事業につきましても、引き続き支援をしてまいります。


 続きまして、土地区画整理事業について、でございます。
 秋山土地区画整理事業は、事業資金を確保するための保留地処分や秋山地区の中心に位置する都市計画道路の一部着工など、早期事業完了に向けて、引き続き支援をしてまいります。
 二ツ木・幸谷土地区画整理事業につきましても、都市計画道路事業や水道事業と連携を図りながら、事業の進捗に努めてまいります。
 上水道事業について、でございます。
 長年の課題でありました第5次拡張事業である新小金浄水場建設は、配水池及び管理棟はすでに完了いたしました。現在、機械・電気設備及び場内整備工事を進めており、20年度早期に供用開始の予定でございます。
 また、年次計画に基づき実施しております石綿管更新事業は、25年度の更新完了をめざし、20年度は約6,000mの更新を予定しております。
 下水道事業は、19年度とほぼ同様に、約30haの面整備を継続するとともに、既存施設の機能及び市民生活の安全を確保するため、計画的な調査及び点検に基づき、適切な改修を実施してまいります。
 また、阪神淡路大震災にはじまり、新潟県中越沖地震などの教訓もふまえ、県下市町村に先駆け、20年度から下水道耐震化工事を実施してまいります。


 続きまして、駐車場会計について、でございます。松戸駅西口駐車場は、駐車場事業会計の収益金から一般会計に、3,500万円の繰り出しをします。
 19年度着手いたしました春木川の河道改修工事は、浸水被害解消を図るため、22年度までの4ヵ年で事業完了をめざしてまいります。
また、神明堀は、引き続き河道改修工事を実施するとともに、紙敷川につきましても、国分川改修工事が完了したことから、下流合流点から県道市川柏線までの改修工事に着手します。
 さらに、長津川排水整備事業につきましても改修工事を行うとともに、上富士川上流につきましても、事業進捗に併せて、引き続き用地買収を行い、事業完了をめざしてまいります。
 続きまして、産業の振興について、でございます。
 中心市街地の活性化は、活性化計画の策定に向けて検討を進めているところでございます。松戸駅周辺地区の活性化は、この周辺地区の事業者により結成された「松戸駅周辺にぎやかし推進協議会」に、20年度より正式に参加し、商業振興に寄与してまいります。また、西口デッキにステージを設置し、イベントで使用できる音響や照明なども用意し、松戸駅周辺のにぎわいを創出してまいります。
 また、例年実施しております、商店街への街路灯設置に係る補助を実施してまいります。
 就労支援に関しましては、フリーターやニートなど、正規就労できずにいる若者の就労支援事業として、パソコンや簿記などの職業能力開発セミナーに加え、個々の状況に応じた個別就職カウンセリング窓口を勤労会館に開設します。
 続きまして、松戸競輪について、でございます。入場者数は依然として減少傾向にありますが、今後も引き続き経営努力を行い、入場者数の増加を図り、一般会計に1億円の繰り出しをします。


 続きまして、「都市経営の視点に立った行財政運営」をめざす施策について申し上げます。
 本市におきましては、松戸市行財政改革計画及び集中改革プランなどに基づき、市立保育所の民営化をはじめとした民間活力の導入による外部委託、事務事業の見直しを実施してきたところでございます。今後も「簡素で効率的な市役所」をめざすとともに、市民の皆様にとってより質の高いサービスを提供する観点から、個人情報の保護など適切な管理運営方法などに注意しつつ、窓口業務も含めて総合的に民間委託等を検討してまいります。
 次に、外郭団体は、これまで効率的で柔軟な市民サービスに寄与してきたわけでございますが、国の公益法人制度改革等の動向を見極めつつ、設立趣旨を問い直し、今後の方向性を検討してまいります。
 続きまして、納税者の利便性を向上させるため、平成20年4月より市県民税、固定資産税をはじめとする一部の市税の納付や国民健康保険料の納入に関し、コンビニ収納や金融機関等の窓口のほかインターネットバンキングやATMなどから「いつでも・どこでも・かんたんに」支払えるようにするペイジー(Pay-easy)による収納を導入します。また、軽自動車税の納付に関しましては、県内初の取り組みとしてクレジットカード収納を導入します。
 学校跡地の活用は、19年4月に担当室を設置し、具体的な活用の検討を進めているところでございます。さまざまな条件、行政課題、市民ニーズなどを考慮した上で、活用案を議員をはじめ、各地域の皆様にご提案させていただいたところでございます。
 今後も、議会との協議を重ねるとともに、地域の皆様をはじめ、市民の皆様のご意見を伺い、本市の貴重な財産である学校跡地の有効な活用について検討を進めてまいります。

 以上、平成20年度を迎えるにあたりまして、所信の一端を申し述べさせていただきました。


 さて、平成20年度は松戸市総合計画、第3次実施計画のスタートの年となります。
 第3次実施計画は、前期基本計画期間最後の実施計画であると同時に、後期基本計画への橋渡しとなる実施計画でございます。
 前期基本計画期間を締める最後の実施計画でございますが、「百里の道は九十九里を半ばとす」とあるように、不断の努力を怠らず、事業を遂行してまいります。
 懸案でありました紙敷土地区画整理事業は、事業再建のため、組合員の皆様による再減歩や保留地処分がなされ、20年度には工事完了の見込みがたちつつある現状でございます。
 本市といたしましては、公共施設管理者負担金の拠出、残工事の施工など、きめ細やかな支援・指導を行い、一刻も早い換地処分に向けた積極的な対応を行ってまいります。
 都市計画道路3・3・7号横須賀紙敷線、二ツ木・幸谷区間は、この路線の重要性に鑑み、早期開通に向けた取り組みを継続して実施してきたところでございます。昨年12月定例会における「早期開通に関する決議」も踏まえ、地権者の方から同意が得られるよう最善の努力をしているところではございますが、法的手続きも視野に入れつつ、早期開通に向け、全力で邁進してまいる所存でございます。

 さて、今定例会終了後の4月1日には、昭和18年の市制施行以来、65周年の節目の日を迎えます。
 振り返ると、市制施行以前から松戸駅周辺は賑わいのある東葛飾の中心地域として発展してまいりました。また本市は、首都東京の隣接都市として人々や産業が集積し、47万を擁する生活都市として発展をとげてまいりました。
 要望活動を続けております常磐線の東京駅乗り入れが実現することで、さらに発展が期待されるところでございます。
 一方、平成19年11月には、我が国の近代化に大きく貢献したとして、柳原水閘が経済産業省の近代化産業遺産に認定されております。矢切地域には、柳原水閘をはじめとする数多くの歴史的資産などがございます。また、斜面樹林、そして耕地が広がり、観光ルートの一つとして市民の「和み」の空間となっております。本市には、この地域だけでなく、多数の資産が蓄積され、さまざまな場面で心にうるおいのもてる「和み」の空間がございます。
 昨年、千葉大学園芸学部の戸定祭におきまして、与謝野晶子が松戸を訪れた際に詠んだ短歌が紹介されました。

「丘の上雲色(きらら)の色の江戸川の見ゆるあたりの一むらの罌粟(けし)」

 園芸学部が建つ丘、戸定が丘から江戸川を見た風景を詠んだ短歌で、その情景が目に浮かびます。
 現在、博物館で開催しております『新収蔵美術展』の松戸ゆかりの美術作品は、まさに松戸のたからものと言えるものであり、これら短歌や美術品に限らず、なおこれからも新たな創造と発見が期待されます。
 私は、賑わいや利便性とともに、自然や文化・芸術があってこそ市民生活の充実につながり、真の豊かさを実感できるものと思っております。
 市政を担った13年間は、行政リストラにはじまり、今も行財政改革を進めなければならない厳しい状況下での市政運営となっております。また、冒頭申し上げましたとおり、我が国を取り巻く課題は多く、閉塞感を否めない状況ではありますが、私が市民の付託を受け、こうした状況に屈することなく前進できるのは、時々刻々と変化する社会の中で、悠久の流れを見せる江戸川をはじめとする自然の変化や、本市に蓄積されたさまざまな文化・芸術の薫りを感じ、時に励まされ、時に和まされることが大きい、と切に感じているからでございます。

 平成20年度より後期基本計画の策定作業に取りかかります。基本構想で描いた将来像、「いきいきとした市民の舞台、ここちよい地域の舞台、風格ある都市の舞台のあるまち・松戸」の3つの舞台に薫る自然や文化・芸術などの豊かさの中で、賑わいや和みを享受し、互いを尊重しながら、活発な都市活動が広く展開している“元気な松戸”、“魅力的なふるさと松戸”づくりを進めてまいります。
 今後とも、市政にご協力いただく議員の皆様並びに市民の皆様のより一層のご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げまして、私の施政方針説明とさせていただきます。

ダウンロード

adobe Reader

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先から無料ダウンロードしてください。
ファイルをダウンロードするには添付資料を見るには

お問い合わせ

部署名:総務企画本部 政策調整課

電話番号:047-366-7072

ファックス番号:047-366-1204

mcseisaku@city.matsudo.chiba.jp