平成18年度施政方針
平成18年2月24日、松戸市議会3月定例会本会議で市長が発表した施政方針について、ダウンロード用PDFファイルをこのページの一番下に用意しました。(ページ下よりダウンロードしてご利用ください。)
平成18年度施政方針
本日ここに、平成18年度の予算案並びに諸議案をご審議いただくにあたり、私の市政運営に対する所信の一端を申し述べさせていただき、議員各位をはじめ市民の皆様のご理解とご支援を賜りたいと存じます。
早いもので、私が市長に就任いたしましてから、今年で丸12年がたとうとしております。新しい年度を迎えるにあたり、この12年間を振り返ってみますと、行政を取り巻く環境は、一言で申し上げれば、極めて厳しい状況でありました。
いわゆるバブル崩壊後の日本は、経済全体が低迷する中で、それまで当たり前のように信じられていたことや物事の価値観が大きく変化し、新しい世紀の到来とともに大きな時代の転換期を迎えております。また、地方分権の大きな流れの中で、市民の日常生活に最も身近な基礎的自治体として、市町村の果たす役割もこれまで以上に拡大してまいりました。
こうした環境の変化や、社会の要請に的確に対応できる行政をめざし、平成6年の市長就任後、私は最初の取り組みとして、「松戸市行政リストラ市民会議」を発足させ、市民の方々が、市民生活を、より生き生きと満足して過ごしていただくことを目的として、“市民と行政の新しいパートナーシップの強化”、“社会環境の変化に適応した施策の再編”、“新たな行政システムの構築”を柱とした「松戸市行政リストラ実施計画」を策定いたしました。
この時の取り組みが、原点となり、その後の様々な施策の展開へとつながり、今日、一定の成果が得られ、私が市長就任当初にめざした目標は総仕上げの段階に入ってきたものと思っております。
「市民と行政の新しいパートナーシップの強化」は、平成14年度にボランティア担当室を設けるとともに、公募市民約60名からなる「パートナーシップ検討委員会」を設置し、パートナーシップの基本的な理念や公益的な市民活動発展の方策などの提言をいただきました。この提言に基づき、平成16年4月には「まつど市民活動サポートセンター」を本格的にオープンし、現在に至っているところでございます。
また、パートナーシップの理念とそれを実現するための制度や仕組みを保障する「パートナーシップ条例」の制定に向けて、「松戸市パートナーシップ条例案策定委員会」を設置し、ご審議の結果、ここに最終答申をいただいたところです。今後、この答申を基に平成18年度の条例制定および19年度の施行に向けて、多くの方々から意見を聴取し、議会と協議を重ねながら進めてまいりたいと存じます。
また、私が市長就任時から、まちづくりを進める上での基本的な施策としてきた「緑花清流の推進」は、潤いや安らぎのある充実した生活都市をめざし、子どもたちが「ふるさと」と呼べる松戸の創生に向け、「親水護岸や親水広場の整備」・「水辺の健康エコロードの整備」といった行政側の施策と同時に、河川愛護団体等を中心とした市民との協働による施策も展開してまいりました。特に「江戸川松戸フラワーライン」の活動は、10周年を迎え、春にはレンゲ、秋にはコスモスの開花が好評を博し、江戸川の新しい名所になりつつあります。
また、河川の水質につきましても、下水道整備や様々な浄化対策により、全国的に汚濁度が高いとされていた坂川は、浄化が進み、鳥や魚の姿も多く見られるようになりました。
「新たな行政システムの構築」は、平成12年度の「本部制の導入」により組織の独立性・柔軟性の向上を図り、各事務事業を政策の手段として整理した「政策目的体系の確立」や、事業を有効性や効率性といった観点で見直していくための「行政評価システムの導入」により、時代の変化に対応できる仕組みづくりを行ってまいりました。
また、地方自治体が直面する財政的な課題に対しましては、平成11年度に、「財政改革計画(財政危機突破プラン)」を策定し、さらに第2次実施計画期間内に予測された200億円を超える一般財源不足を解消するため、平成15年度には「松戸市行財政改革計画」を策定し、「短期的な改革」の実施により、事業の再構築を図ってまいりました。
これらの取り組みにより、一般会計における市債残高は、平成8年度の1,436億円をピークに年々減少し、平成18年度当初予算においては、1,044億円となり、392億円の減額、率にして27%を削減するとともに、平成5年度以来13年振りに一般会計の予算規模を下回りました。
健全財政に向けての取り組みの成果が現れたものと思っております。
今後とも住民サービスの向上に努めるとともに、最小の経費で最大の効果を上げられるよう、行財政改革をはじめ、本市の構造改革をさらに加速してまいりたいと存じます。
平成17年度は、4月のJR西日本の鉄道事故にはじまり、アスベスト問題、耐震偽装問題、子どもたちに対する痛ましい犯罪等、これまで安全だと思われてきたことが次々に崩れていく、いわば「安全神話の崩壊」とも言うべき事件・事故が際立った年でありました。
これらのことは、本市においても少なからず影響する問題であり、今後とも市民の安全安心の確保に向けて、決意を新たにしたところです。
はじめに新年度の市政運営の基本的な考え方を申し上げます。
新年度にあたりまして、「五つの向上」を図ることを基本と考えております。
一つ目は、「住民の満足度の向上」でございます。
私は、行政において最大の目的は、市民が豊かな生活を送るための地域社会を実現することであり、そのためのサービスを提供することであると考えております。
サービス提供の基本である「顧客満足度の向上」を図ることは、当たり前のようでいて、ともすればその目的を見失いがちなことであるとも言えます。
サービスの提供者としての視点ではなく、常にサービスを受ける市民の視点に立って事業の改善を図ってまいりたいと考えております。
二つ目は、「行政の信頼度の向上」でございます。
現在、国が進めている「三位一体の改革」をはじめとする地方分権の流れは、国と地方の役割を見直し、地方の財政的な自立により、自治体の自由度を高め、地域の特性にあった施策を展開するためのものです。このように自治体の役割が増していく中で、市民と行政のパートナーシップを構築し、協働による地域社会を実現することが、重要となってまいります。
そのためにも、市民に信頼される行政となることが必要不可欠であり、信頼度の向上に努めてまいりたいと存じます。
三つ目は、「行政の有効性の向上」でございます。
現在の厳しい財政状況の中で、行政に求められているのは、限られた財源の中で、いかに有効な施策を展開していくかということではないでしょうか。
有効性の低い事業は見直し、「あれもこれも」ではなく「あれかこれか」というような「選択と集中」により事業を展開することは、この様な時代にあっては、行政の使命であると感じております。
本年度に実施した行財政改革の事業見直しにおきましては、民間のマネジメント手法を取り入れ、事業展開の見直しを図ったところですが、引き続き、有効性の向上に取り組んでまいる所存です。
四つ目は、「行政の効率性の向上」でございます。
現在、インターネットに代表される情報通信技術によって、私たちの日常生活における利便性は急速に高まっております。
本市におきましても「i-cityまつどアクションプラン」を策定し、庁舎内のIT環境の整備や行政情報の電子的な提供等、事務の効率化・高度化に取り組んでまいりましたが、今後もIT技術の進展に伴い、さらなる効率化と市民サービスの向上に努める必要があります。
また、公共サービスを担う民間企業やNPO等が多数存在し、サービスの提供手段が増えた現在においては、事業のコストや効率性をふまえ、サービス提供の方法も変えていく必要があります。
新年度から、市民センター等の施設において指定管理者制度を導入し、事業の効率性とサービスの向上を図っているところでありますが、今後とも、多様なサービス提供手段の導入により、効率性の向上に努めてまいりたいと存じます。
五つ目は「行政の透明性の向上」でございます。
市民と行政が共に考え、共に汗を流して、協力し合える関係を築き、様々な課題を解決していくためには、お互いに情報を共有し、コミュニケーションを深めていくことが大切であると感じております。
そのためには、広報やホームページ等、多様な手段により、行政が積極的に情報を公開し、市民と課題を共有し、事業の各段階において説明責任を果たしていくことが重要であると考えております。
以上、「五つの向上」について申し上げましたが、「住民の満足度の向上」と「行政の信頼度の向上」は、「行政の有効性や効率性、透明性の向上」によってもたらされるものと考えており、効率性の向上を求めるあまりに、市民サービスが低下し、住民の満足度が下がるようなことがあってはなりません。
次に、平成18年度予算についてご説明申し上げます。
歳入は、法人市民税と固定資産税、都市計画税は減収となる見込みですが、個人市民税の増収が見込まれることから、市税全体としては、3.2%の増額となります。所得譲与税は、13億6,000万円の増額ですが、地方特例交付金と減税補てん債は8億4,000万円の減額、地方交付税と臨時財政対策債は、8億円の減額となっております。
歳出におきましては、民生費が6.8%増加し、構成割合も31.5%となっております。また、義務的経費である扶助費が昨年度に引き続き8.9%の増加、特別会計への繰出金では、下水道事業は減額しておりますが、老人保健、介護保険は増加しております。
その結果、一般会計では1,089億3,000万円、対前年度比1.9%の増額となったところでございます。市税収入と所得譲与税の増加、財政調整基金繰入金の増額等により、一般財源を確保することができましたが、扶助費等、福祉関係経費が増加している状況もふまえまして、財政構造の弾力性を確保するため、行財政改革の推進に努めてまいりたいと存じます。
さて、平成18年4月から新たにオープンします三つの施設について、ご説明申し上げます。
一つ目は、「シニア交流センター」の開設です。
シニア交流センターは、高齢者の生きがい感を高め、健やかな生活を支援するための拠点として、旭町の旧ハローワークの施設を利用して、シルバー人材センター、高年齢者職業相談室、老人クラブ事務所を併設し、現在、生きがい福祉センターにある高齢者作業所を移設することにより、総合的な高齢者の活躍の場としてオープンします。
「はたらく・まなぶ・ふれあう・つどう」という4つの基本理念に基づき、シルバー人材センターなどを活用した就労や能力開発、各種イベントや講座の開催、サークル活動の場の提供等を展開してまいります。
二つ目は、「夜間小児急病センター」の開設です。
全国的な小児科医の不足による、子育て不安の解消策として、本市においてはかねてより、松戸市医師会との連携を図りつつ、救急時の小児医療体制の整備に取り組んでまいりましたが、これまで衛生会館の中にあった夜間小児急病診療所を市立病院敷地内に移転し「夜間小児急病センター」として開設します。
診療時間を、これまでより2時間拡大して、18時から23時までとし、市立病院の小児科医も参画させ、小児救急医療体制の充実を図ってまいります。
三つ目は、「根木内歴史公園」の開園です。
松戸市には、鎌倉から室町戦国期にかけて築かれた14ヶ所の城址が存在しておりましたが、多くは開発等により、今日、その姿を見ることができません。そうした中にあって、今もその面影を残している根木内城址を歴史公園として開園することとなりました。
「土塁(どるい)」、「空堀(からぼり)」、「土橋(どばし)」などが現存している根木内城址は重要な歴史的遺産であり、その保存を図ると同時に、市民の皆様に松戸の歴史を身近に感じてもらえるよう、より多くの方々に訪れていただきたいと願っております。
平成20年度から始まる第3次実施計画は、新年度からその策定作業に取りかかります。
第3次実施計画は、「中・長期的な改革アクションプラン(市役所の構造的な改革を図る工程表)」の中で、戦略計画手法を活用して、「選択と集中」を明確にした計画とすることが、位置づけられており、重点施策の明確化を図ってまいりたいと考えております。
新年度の施策につきましても、同様に、重点課題を設定して、取り組んでまいります。
そこで、次の6点につきましてご説明申し上げます。
第1点目といたしましては、「防災・防犯対策について」でございます。
昨年も日本のいたるところで、こどもたちの犯罪被害のニュースが多く聞かれました。市民の方々を犯罪被害から守るためには、正確な情報を、より早く、より多くの人々に伝達することが大切です。
そこで、本年4月から携帯電話による防災情報も含めた緊急重要情報の発信を開始します。
情報の発信にあたっては、松戸・松戸東両警察署との連携をこれまで以上に強化し、情報の正確性・速報性を確保するとともに、特に情報が必要となる児童生徒の通学時間帯や夜間の情報発信が重要であることから、消防局との連携により24時間いつでも情報発信をしてまいります。
第2点目といたしましては、「松戸競輪について」でございます。
競輪事業は、昨年度に千葉県が撤退し、本市が単独で競輪事業を運営してまいりました。入場者数及び売上の減少傾向が続いており、厳しい状況ではありますが、この窮状を打開し、将来展望を描くには、競輪事業の抱える様々な問題に対する抜本的な改革が必要なことは申すまでもございません。なかでも日本自転車振興会交付金及び公営企業金融公庫納付金の引き下げが喫緊の課題であると考えており、そのため自転車競技法の改正を、何とか実現させなければならないと様々な努力を続けているところでございます。
運営面は、事務事業の包括外部委託をはじめ、あらゆる経費の見直しを行い、新年度におきましても、一般会計に1億円を繰り出すよう措置をいたしたところでございます。
また、競輪事業の収益金等を活用し、2つの基金を創設します。
一つは、市民生活に密接に関わる「安全で安心なまちづくり基金」であります。“犯罪防止活動に関する支援事業”と“公共施設等のバリアフリー化の推進に関する事業”のための財源とします。
もう一つは、貴重な緑を次世代に残すための「緑地保全基金」であります。“市内の貴重な緑地の用地取得事業”に充て、緑地保全対策の強化を図ってまいります。
第3点目といたしましては、「子育て支援の充実について」でございます。
子育て支援策といたしましては、子育てを行う家庭の経済的負担の軽減を図るために、国の法改正に伴い、児童手当の支給対象年齢を小学校3年修了時から小学校6年修了時まで引き上げるとともに、できるだけ多くの世帯を対象とするため、所得制限額の引き上げを行います。
また、小学生が、放課後から親の帰宅までの間、安心して遊び、過ごすことができる場として、放課後児童クラブの整備を進めておりますが、新年度は、和名ヶ谷小学校の敷地内に、放課後児童クラブの設置を行い、開所します。また、障害児をあずかる放課後児童クラブに対する運営補助費を増額するなど、補助金制度を改正し、放課後児童クラブの経営の安定と児童に対するサービスの向上を図ります。
保育所、放課後児童クラブと並ぶ第三の子育て支援の中核施設としてこれまでの「つどいの広場」を「おやこDE広場」と改め、整備します。乳幼児を抱える保護者やこれから子育てを始める妊産婦の方の交流や情報交換の場として、新年度は、新たに女性センター内に開設します。
本市では、「もったいない」の精神に基づいた、「もったいない運動」を展開しておりますが、子育てに関しましても先人の知恵や心を、時の流れとともに風化させてしまうことは大変「もったいない」ことであると認識しております。
先人の子育てに関する知恵と心を引き継ぐために、子育てに関する百の知恵・百の写真・百の手紙を公募し、「百人百様展」を開催する予定でございます。さらに、入選作品を冊子にまとめて、子育て中の市民に配布し、子育ての参考としていただくよう考えております。
第4点目といたしましては、「市立病院の建て替えについて」でございます。
市立病院の建て替えは、かねてより市議会の建設検討特別委員会でも、ご審議いただいているところでございますが、まもなく、新病院整備基本構想が策定される予定でございます。新年度は、この基本構想に基づき、より具体的な機能や部門別計画など詳細な内容についての基本計画の策定に着手します。
第5点目といたしましては、「土地区画整理事業について」でございます。
紙敷土地区画整理事業は、事業再建のため、組合の自助努力である再減歩を行い、債務の早期償還による事業の収束をめざす区画整理組合を適切に指導してまいりたいと存じます。
秋山土地区画整理事業や二ツ木・幸谷土地区画整理事業につきましても、保留地処分や補助金等により事業資金を確保し、建物の移転や整備工事等の実施により、事業の推進を図ってまいります。
第6点目といたしましては、「バリアフリー推進事業について」でございます。
駅やその周辺のバリアフリー化は、法の趣旨に則り、本年度、「松戸市交通バリアフリー基本構想」を策定いたしました。
現在、構想に基づき重点的かつ一体的な整備を推進するため、鉄道等を含めた各事業者と具体的な整備に向けて、総合的な実施計画の検討を進めているところです。
市民の皆様から要望の高い、鉄道駅のエレベーター設置は、平成18年4月からJR北松戸駅西口エレベーターが稼動しますが、新年度は、馬橋駅のホームと東口にそれぞれ1基設置し、乗降客の多いJR常磐線各駅のエレベーター設置につきましても、法の期限である平成22年を整備目標として順次支援してまいります。路線バスにつきましても市内事業者に対しまして、ノンステップバス導入の支援をしてまいります。また、鉄道駅と同様に市民センターのバリアフリー化につきましても、新たに創設される「安全で安心なまちづくり基金」を活用し、検討してまいりたいと考えております。
また、これらの施設整備を進めると同時に、「思いやり」や「いたわり」の気持ちを持つなどの市民の連携を高める「心のバリアフリー」につきましても、わかりやすい冊子の作成など、さらなる市民意識の醸成を図ってまいります。
次に、前期基本計画の施策展開の方向に沿って、新年度の施策をご説明させていただきます。
初めに、「連携型地域社会の形成」をめざす施策について申し上げます。
戸籍事務は、証明書発行手続きにおける処理時間の短縮による市民サービスの向上や、事務処理の正確性・効率性をより一層高めるため、平成20年度からの電算化システム稼動に向けた準備に取り組んでまいります。
IT環境の整備として、既存の情報システムの全体最適化を図るため、現在の住民記録や税関係業務を担っているホストコンピューターシステムをオープンシステムへ再構築するための作業に着手してまいります。パッケージ化されたシステムへの移行を予定しており、経費の削減や開発時間の短縮はもとより、各事業の法改正時の対応や文書管理の電子化等に適切に対応してまいります。
また、住民自治の育成のために、町会・自治会が行うコミュニティ活動の基盤となる地区集会所の建設費用は、引き続き助成してまいります。
続きまして、「豊かな人生を支える福祉社会の実現」をめざす施策について申し上げます。
まず、高齢者福祉施策は、平成18年度から20年度を計画期間とする第4期松戸市高齢者保健福祉計画及び第3期松戸市介護保険事業計画を「いきいき安心プランII」として策定いたしました。特に、介護予防は、平成18年4月に本庁舎内に地域ケアの拠点となる「地域包括支援センター」を立ち上げ、高齢者が自立して生活が送れるように、支援体制を整えるなど、制度の充実を図ってまいります。なお、これまで、近隣市に比べ比較的低い基準額を維持してまいりました「介護保険料」につきまして、本格的な超高齢社会の到来などの社会背景をふまえ、改定させていただくことにご理解を賜りますようお願い申し上げます。また、同じく本庁舎1階に高齢者無料職業紹介所を移転し、シニア交流センターやハローワークとの連携を図り、高齢者の就労対策の充実をめざします。
さらに、社会的な問題となっている「認知症」に対しましても、松戸市医師会と連携をとりながら、実践を交えた研究をしてまいります。
障害者福祉施策は、障害者自立支援法の施行に伴い、本市でも平成18年10月より、新障害程度区分に移行し、障害者の状態やニーズに応じた適切な支援を効率的に行う仕組みを構築してまいります。また、本市では平成10年度に「障害者計画」を策定しておりますが、平成15年度から始まった支援費制度や、法改正などによる大幅な制度改正に対応するために、新年度には、計画の見直しを図ります。また、知的障害者が職業訓練や生活を通じて、社会的な自立を図るための施設である「知的障害者福祉作業所」を運営する二つの団体に対し、新たに助成を行います。
児童福祉施策は、市民団体により新たに開設された、ドメスティック・バイオレンスや虐待などを受けた女性や子供のための一時保護施設1ヶ所について、支援を行い、被害者の救済を図ります。保育料は、引き続き、国の基準と照らし合わせた料金改定を行いますことを、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
市立保育所は、引き続き1ヶ所の運営を、社会福祉法人に委託し、併せて保育所施設の整備を実施します。
また、国民健康保険制度は、診療報酬の引き下げや、前期高齢者の負担割合の変更など、国の制度改正がございます。本市といたしましても、国民皆保険と公平の原則に基づいて、利用者本位かつ持続可能な制度とするために、保険料の適正化に取り組んでまいります。保険料率は、診療報酬の引き下げ等に加え、平成17年度3月補正において一般会計から14億円を繰り出すことにより、新年度は据え置くこととします。
病院事業は、全身用X線CT装置等の高度医療機器の更新を図るなど、本年度に本稼動した病院総合電子医療情報システムのさらなる充実を図ってまいります。
続きまして、「安全で快適な生活環境の実現」をめざす施策について申し上げます。
緑地保全対策といたしましては、市内に残された貴重な樹林地を市民共有の財産として保全し、次世代に引き継ぐための「緑地保全基金」の創設をはじめ、本年度実施いたしました緑の現況調査を基に、平成19年度を目途に、「緑の基本計画」の見直しに取りかかります。
公園の整備は、引き続き、栄町第3公園の用地を取得するとともに施設整備を行い、平成19年4月の開園をめざします。
平成15年度より実施してまいりました「水辺の健康エコロードづくり」は、坂川放水路沿いにウォーキングなど健康づくりを支援する距離標などの施設整備を進めます。
また、貴重な水辺空間として坂川の松戸神社周辺に、桜を植樹します。愛着を持って育てていただけるよう、現在、里親制度を検討しており、この一帯の水辺に、新たな桜の名所ができることを願っております。
魅力ある街づくりを構築するための、景観形成は、市民意識の向上を図るとともに、景観基本計画の平成19年度策定に向けて、引き続き松戸市景観形成検討委員会において、地域の景観づくりの方針を検討してまいります。
また、昭和56年以前に建築された既存木造住宅の耐震診断は、耐震診断費用を助成してまいります。併せて耐震安全性に対する意識の啓発を図り、地震に強いまちづくりを促進してまいります。
環境施策といたしましては、「地球環境にやさしいまち」の実現をめざして松戸市地域省エネルギービジョンに取り組んでまいります。啓発的な事業の一つとしまして、つる性植物の特性を生かして室内の温度を下げる「緑のカーテン普及事業」を進めてまいります。
また、千駄堀最終処分場の跡地は、暫定利用として、現在スポーツ広場として使用しておりますが、恒久的な利用方法について、国の補助制度の活用等も視野に入れながら、引き続き検討してまいりたいと考えております。
現在、全国的な規模で問題となっている「アスベスト対策」は、昨年、松戸市アスベスト対策連絡協議会においてとりまとめました基本方針に基づきまして、市の公共施設への対応を順次行ってまいります。
自転車駐車場の管理運営に関しましては、自転車駐車場施設内での犯罪発生を防止するため、「北小金駅北口第2」と「北小金駅北口参道第1」の両駐車場に監視カメラを設置します。
放射性物質、生物剤、化学剤等に起因するいわゆるNBC災害など複雑・多様化する災害に、より的確に対応するための機能を有した「水槽付消防ポンプ自動車」「救助工作車」の整備を進めるとともに、救急需要の増加や救急業務の高度化に対応するため、市内で9台目となる「高規格救急自動車」を大金平消防署に整備します。
また、地域防災の核である消防団の活動拠点となる消防センターの整備は、第2分団・上本郷消防センターを機能性と地域環境との調和を両立させた手法により建設します。
本年度作成している震災・洪水ハザードマップは、新年度にはホームページ上で市民の皆様に公表するとともに、これらの情報を紙ベースのマップとしても作成し、市内全戸に配布します。災害が発生した時に適切に対応できるよう、各ご家庭や地域で活用していただけることを期待しております。
続きまして、「魅力ある都市空間の形成と産業の振興」をめざす施策について申し上げます。
排水路整備といたしまして、本年度に引き続き長津川、新松戸駅東側および上富士川上流を整備します。また、春木川は、改修工事に向けて実施設計に取りかかります。
河川改修事業といたしましては、国分川、神明堀(しんめいぼり)につきまして、引き続き浸水対策を実施してまいります。
松戸駅西口周辺における、車と歩行者の共存を目的とした道路整備は、駅前広場を取り囲む歩道部分を平成18・19年度の2ヵ年で整備し、遅れ気味となっていた「ふれあい通り」につきましても、新年度に整備してまいります。
都市計画道路事業は、矢切地区における東京外かく環状道路の今後の整備状況をふまえまして、混雑解消のため、本年度に引き続き3・3・6号三矢小台主水新田線の三矢小台地先の交差点改良事業を進めてまいります。
また、同路線の和名ヶ谷地先は、黎明橋から大山橋区間の平成19年度末の供用開始をめざして整備を進め、八ヶ崎・二ツ木区間につきましても順次整備してまいります。
また、3・5・30号南花島日暮線の未整備部分につきましても、引き続き整備を進めてまいります。
さらに、県事業として整備中の3・4・16号葛飾橋矢切線は、外かん道路の側道となる国道298号線の暫定供用を控え、交通渋滞の緩和および歩行者空間の確保が急務となっており、引き続き事業に協力してまいります。
松戸駅西口駐車場は、本年度の駐車場情報高度化の試みに引き続き、新年度は商工会議所と共同で、実験的に、松戸駅東西地区のいくつかの民間駐車場も含めまして、駐車場の位置や空き情報を携帯電話・カーナビゲーションシステム等に提供してまいります。違法駐車の減少にもつながるものと期待しております。
下水道整備は、本年度は市街地の約77%、3,419haが整備済みとなり、新年度は整備面積を約30haとして事業を実施してまいります。
松戸市総合計画の基本構想では、矢切地区を「川の交流拠点」と位置づけ、斜面林や河川、農地などの自然を生かした整備を図るとしております。
この矢切耕地について、その特質を生かし「土地利用の基本構想」や「基盤施設の整備方針」を検討していくため、新年度に現状分析等の調査を実施します。
商業振興といたしましては、「商店街のホームページ作成事業」に対し、引き続き支援するとともに、商店会が実施する空き店舗対策事業を支援します。新年度は、「梨香台ショッピングプラザ」に対して、新たに支援してまいります。
また、商店会への施設補助事業といたしまして、二十世紀ヶ丘商店会の梨をデザインしたモニュメント設置事業に対する助成をはじめ、街路灯・アーチ等の設置及び修繕費用につきましても引き続き助成してまいります。
中小企業支援策といたしまして、本年度も中小企業者及び起業家に対する中小企業診断士による窓口相談や出張相談を実施します。
ところで、松戸市内には、現在「佐渡ヶ嶽部屋」と「鳴戸部屋」という人気力士を擁する二つの相撲部屋があります。本年度、この相撲部屋の力士を応援する意味で、松戸駅東西自由通路に力士たちの写真パネルと場所中の星取表を掲示いたしましたところ、大変ご好評をいただいております。私は、「ふるさと意識」の醸成につながるよう、この二つの相撲部屋を松戸の顔として市民の皆様と一緒に盛り立てていきたいと思っております。
続きまして、「都市経営の視点に立った行財政運営」をめざす施策について申し上げます。
市はこれまで、公文書の開示や審議会等の会議の公開など、情報の提供に努めてまいりました。新年度におきましては、政策立案過程において、その案を公表し広く意見をいただき、意見に対する市の考え方などをお示しする一連の手続きを定める「パブリックコメント手続」を制度化し、市民に対する説明責任を果たし、行政の透明性の向上に努めてまいります。
行財政改革計画の短期的な改革といたしましては、保育所の民間委託や未利用財産の売却などの従来の展開に加え、広報編集業務の全面委託化や限られた本庁舎駐車場を有効活用するための有料化を実施し、効率的な行財政運営を進めてまいります。
また、行財政改革計画の大きな課題である補助金制度を見直すため、有識者を交えた検討委員会を立ち上げ、具体的な方策を探ってまいります。
人材育成は、団塊世代の職員の大量退職に備え、管理職に対する研修を充実強化してまいります。
以上、新年度を迎えるにあたりましての、所信の一端を申し述べさせていただきました。
さて、私は昨年12月定例会の一般質問の答弁におきまして、今年実施される市長選挙への出馬を表明いたしました。
私が市長に就任してからの3期12年間、経済の低迷に始まり、高齢化や少子化の進行、地方分権の進展等、自治体を取り巻く環境は大きく変化してまいりました。
本市におきましても、それまでに展開して来た、どちらかといえば画一的な施設整備主体の、「量的」充足を提供する施策展開から、財政的な制約の中で、多様化する行政ニーズに対応するための、「質的」向上を図る施策展開へと軸足を移してきた時代であり、言い換えれば、外部環境の変化に対応するために、行政が体質改善を図ってきた時代であるともいえます。
現在、日本はこれまでに経験したことのない「人口減少時代」に突入し、さらに大きな転換期を迎えようとしております。
地方自治体にとりましても、今まで予想し得なかった新しい課題に取り組まなければならないことと思います。また、本市にとりましても、区画整理事業の再建や市立病院の建て替えをはじめ、まだまだ取り組むべき課題が残されております。
また、広域的な観点からの課題も、多々ございます。例えば広域道路網に関しては、先ごろ事業が進捗している状況下で「千葉外かん有識者懇談会」が開催され、建設促進の動きが加速してきましたが、さらに千葉県区間全体での東京外かく環状道路の整備促進に努めるとともに、成田国際空港方面へのアクセスが強化される北千葉道路の事業化につきましても、積極的に取り組んでいかなければなりません。さらに、市域内を南北に縦貫する数少ない幹線道路として、本市にとって重要な都市計画道路3・3・7号線の整備促進ですが、国道6号線から新松戸地区に直結できる懸案の区間は、多くの市民の開通への期待が高まっていることを感じております。新年度においては、新たな視点での打開策をもって、早期開通を期してまいりたいと考えております。
柏市・我孫子市・取手市とともに力を合わせてJR本社等に要望してきた常磐線の東京駅乗り入れは、都心への時間短縮とともに東海道線との相互直通運転を実現します。JRとしての課題もあるようでございますが、平成21年度の乗り入れ実現に向け、今後も機会を捉えて要請をしてまいりたいと考えております。
都市間における広域連携は、国は合併新法を施行し、地方分権・住民サービスの向上と、基礎的自治体の行財政基盤の強化という観点から、合併中核市・合併政令指定都市をさらに促進しようとしております。千葉県では、先ごろ、千葉県市町村合併推進審議会を組織いたしましたことはご案内のとおりです。私は、かねてからその必要性を認識しており、東葛広域行政連絡協議会の研究会において、その基礎的研究を2年に渡り行いましたが、残念ながら、その具体的な方向性までは見出すに至っておりません。そこで、このたび、柏市長・野田市長など、東葛6市の市長で相談し、これまでよりもレベルを上げた検討会を6市で立ち上げる準備に入りました。新年度にこの検討会が正式に発足いたしましたら、より深く具体的な議論ができるよう、広域合併に関わる情報を関連市で共有し、議会・市民の皆様に積極的に提供してまいりたいと考えております。
最後に、「もったいない運動」の全市的・全庁的な取り組みについて、お話をさせていただきます。
昨年、私は、ノーベル平和賞を受賞したケニアの環境副大臣ワンガリ・マータイ氏が推進する「MOTTAINAI」という日本語を世界共通語として広めようとの運動に共鳴し、「もったいない運動 ワンスモア」を立ち上げ、「もの」それぞれが持っている存在価値を100%有効に活用する「もったいない」の精神を醸成し、次世代を担う子どもたちに引き継ぐとともに、「ひと・もの・しぜんを大切にするまちづくり」の推進を提唱いたしました。
2月15日には、新松戸南小学校に、マータイ氏が訪れ、平和の尊さや環境の大切さについて児童の皆さんと共にお話を伺うことができました。
私は、この運動を「ごみの減量などの環境問題」や「行財政改革」等にとどめることなく、「もったいない」という言葉に込められた「自然や人間を慈しむ心」を育てる運動として、全市的に発展させてまいりたいと考えております。その手始めとして、新年度には、小中学校の図書室にマータイ氏の著書「モッタイナイで地球は緑になる」等の図書を置き、子どもたちに「もったいない」精神が育まれるようにと考えております。
「もったいない」という言葉は、国際的視野を持つマータイ氏が興味と関心を持たれたことからもわかるように、地球的規模において共感できる概念であるとともに、私たち一人ひとりが身近なところで実現できる精神でもあります。私は、今、この「もったいない」精神を心深く刻み、議会・市民の方々、市職員ともども、街づくりの精神として生かしていくことに、喜びと情熱を感じております。
私はこれまで、厳しい行財政運営の中でも、希望を持ち、元気のでる事業に意を注いでまいりました。鳥や航空機は向かい風を受けて、上昇するそうです。
新年度も、私は「もったいない」精神を胸に、ふるさと「まつど」のまちづくりのため、向かい風を上昇のエネルギーに換え、さらに飛躍してまいりたいと存じます。
この12年間の実績と経験を生かし、「恐れず、怯まず、侮らず」、市民一人ひとりが生き生きとした生活が送れるまちの実現に向けて行政運営に全力を尽くす決意です。今後とも、議員各位をはじめ市民の皆様のより一層のご支援、ご協力をお願い申し上げまして、私の施政方針説明とさせていただきます。
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