平成16年度施政方針

 平成16年3月1日、松戸市議会3月定例会本会議で市長が発表した施政方針について、ダウンロード用に houshin04.lzh を用意しました。(PDFファイルとテキストファイルをまとめた書庫ファイルです。ページ下よりダウンロードしてディスクに保存し、解凍してご利用ください。) 


 本日ここに、平成16年3月定例市議会におきまして、新年度予算案をはじめ、重要案件のご審議をお願いするにあたり、私の市政に臨む所信を申し述べ、市民の皆様並びに議員各位のご理解を賜りたいと存じます。

 市長就任以来、早や10年が経過しようとしております。
 この間、本市のめざす将来像を松戸市総合計画で示し、その実現のために心血を注いでまいりました。
 私は昨年の施政方針の中で、この将来都市像を実現し、自立した自治体となるために、「原点に立ち返って抜本的に見直すターニングポイントの年」であると説明させていただき、その種を蒔いてまいりました。
 そして安全で安心して生活が営める環境のもとに、市民自治をめざす芽が吹いてきたと感じております。
 本年4月からは、「安全で快適なまちづくり条例」を施行するとともに、「パートナーシップ条例」づくりに着手してまいります。
 新年度はこれらの芽を順調に育み、大輪の花を咲かせるための大切な育成期間であると考えております。
 また、流通経済大学の新松戸キャンパスがいよいよ開校します。
 経済効果への期待のみならず、地域に開かれた学校として、市民とともに発展していくことが念願されるものです。
 さて、我が国の2004年度一般会計政府予算案は、三位一体改革の第一歩を踏み出し、1兆円の国庫補助負担金削減という目標は達成したものの、地方への一般財源となる額は6,558億円に止まり、本格的な税源移譲も見送られ、自治体として今後の動向を注視していかなければなりません。
 一方、本市の新年度予算案においては、これら国の影響や千葉県財政再建プランによる補助金の廃止・縮小、並びに度重なる税収減という厳しい状況下での編成となりました。
 また、新年度は行財政改革計画の実行初年度にあたり、同計画でお示しした短期的な改革を反映し、一般財源不足を解消していくことが喫緊の課題であることから、改善・改革を強く意識したものといたしました。
 一例を申し上げれば、経費節減と情報提供量のバランスを考慮したうえで、行政情報の伝達手段のひとつである広報まつどの発行につきましても見直しをさせていただいております。
 ホームページのアクセス件数が伸びている状況でもあり、双方の特色を活かし、日常生活を営むうえで必要な情報を遺漏なきよう提供してまいります。
 その他諸々の事業の再構築を試み、その結果、一般会計の歳出規模は1,221億5,000万円、対前年度比7.8%増という状況でございますが、実質的には起債の借り換え分を控除しますと、0.1%の減と緊縮型の予算案となっております。
 行財政改革計画における短期的改革の目的は、平成19年度までに予測される財源不足を解消し、市政運営を継続的・安定的に進めることにあります。
 そのため、聖域なく改革に臨み、第2次実施計画事業においても検討の対象とし、事業方策の変更や当面の目標変更をせざるを得ない事業もございました。
 その結果、当初計画と比較すると37億3,000万円の計画事業費の削減という状況ではございますが、今後とも創意工夫を重ね、前期基本計画に設定した目標達成の実現をめざしてまいります。
 今後も政策的・投資的事業を行う場合には、現行事業の廃止を含めた見直しを果断に行うことが前提になると考えております。
 結果的に、第2次実施計画事業を見直さざるを得なかったことは誠に残念ではございますが、少しでも財政的な体力がある今こそ、未来のために積極的な改革に踏み出すべき時である、そしてそのことが皆様に信頼されることであると決断したものです。
 行財政改革計画においては、短期的な改革はもとより構造的な転換を図るために、中・長期的な改革にも取り組み、社会・経済状況の変化に柔軟に対応できる行財政基盤の確立を図ることを明示しております。
 そのための3つの方策として、効率的な市役所への変革、経営システムの確立と持続、住民が関与するまちづくりを掲げ、改革に取り組んでまいる所存です。
 私は年頭の事務始め式において、職員を前に自らの新年に臨む決意を「動こう・走ろう」と表現いたしました。
 行財政改革をはじめ、各計画を実行していくには十分な検討・協議が必要であることは言うまでもありませんが、とかく行政においては実行段階に移るまでに時間を要しがちです。
 計画は策定することが目的ではなく、これを実行に移していくことが使命です。
 そこで、私自身が率先して決意を表明し、職員共々一丸となって改革を実践する具体的な行動を起こす「動く」こと、加えてその成果をでき得る限り早期に皆様にお届けする「走る」ことと表現したものです。
 平成17年度以降に実施予定の改革であっても、「動こう・走ろう」を合言葉に、どのような方針・方法で進めていくのかを、できる限り早くお示ししたいと考えております。
 とりわけ、「民間にできることは民間に」を合言葉とした国の構造改革をはじめ、民間活力の導入はひとつの潮流となっております。
 行政のあるべき守備範囲、行政の役割を明確化し、民間事業者や市民ができることは、積極的に参画していただくことが必要であると考えております。
 民間事業者の経営能力や柔軟性を活かし、地域経済の活性化を図るとともに、市民の創造力・潜在力を引き出していくことにより、市民と行政のパートナーシップが構築されるべきです。
 行財政改革計画における事業の委託化にあたりましては、事業の効率性の観点ばかりでなく、事業の有効性の観点が疎かになってはなりません。
 事業の委託化がすなわち市民サービスの向上につながることこそ改革の本来の姿であり、コストを意識した行財政運営のあり方であると確信しております。
 そこで、庁舎内に設置しました行財政改革推進本部に対し、改革の動きを加速するよう指示したところです。
 その中で、公立保育所業務委託は、平成17年度に第1号を実現すべく具体的な検討・協議に入ります。
 また、ご案内のとおり、新年度より公立分の保育所運営費負担金が廃止され、一般財源化されることとなりました。
 三位一体改革の行方は定まっておりませんが、保育行政においては先んじて、分権下の自立的な行政運営が迫られているところです。
 その他、職員福利厚生業務の委託化や学校職員・用務員業務の標準化・効率化などにつきましても、その成果がより効果あるものになるよう改革を推し進めてまいります。
 今後の行財政運営はますます厳しく、減少する財源の中で事業実施の見直しを行っていくことが不可欠となってまいります。
 今後、推進強化していくべき事業と、さらなる合理化をめざし再構築を図っていく事業との双方を巧みに組み合わせ、将来にも対応する揺るぎないシステムを構築し、市政に邁進してまいります。

 以下、前期基本計画の施策展開の方向に沿って、新年度の主要な施策について説明させていただきます。


 初めに、「連携型地域社会の形成」をめざす施策について申し上げます。

 人権という普遍的文化を構築するためには、差別と偏見の解消に向けた教育及び啓発の推進が欠かせないものであると考えます。
 本市では、人に優しく全ての人の人権が大切にされるまちを築くために、「人権施策推進にかかる指針」に基づき、人権を尊重した行政サービスの推進及び市民一人ひとりの人権意識の高揚を図ることを目的に、人権施策に取り組んでおります。
 新年度については、先に実施した「人権問題に関する市民意識調査」の結果を踏まえ、さらに全ての人の人権意識が高まるよう、新たな指針作りに取り組んでまいります。
 また、男女共同参画社会の形成を促進するためには、市民と共にその施策の推進を図ることが肝要であります。
 そのため、女性センター機能の充実策として、「市民活動支援」「子どもの個性を育む学習支援」「女性の就労支援」の3つのコーナーの開設と併せて、貸し出し施設の拡充をします。
 さて、昨年秋には、56名の公募市民で構成された「松戸市パートナーシップ検討委員会」から、二百回近くの議論を重ねた集大成とも呼べるご提言をいただき、市民社会の成熟とともに、公共領域の再編の必要性を強く感じたところでございます。
 新年度はこれを受け、松戸の市民自治の礎となる「パートナーシップ条例」の制定に向けた取り組みを、市民の皆様とともに推進してまいります。
 また、地域における顔と顔との交流を推進する上で不可欠となる、自治会活動の基盤整備として、地区集会所の建設及び修繕の費用についても、引き続き支援してまいります。
 さらに、市民の皆様が希望する行政情報の提供手段である出前方式の「パートナー講座」は、内容の見直しを図りながら、より一層の定着化をめざし充実してまいります。
 昨今のインターネットの普及や市政への参画意識の高まりから、市民の求める情報は多様化・高度化しており、一層の情報公開と個人情報の保護が、市民サービスに欠くことのできないものとなっております。
 さて、本市では、行政の透明性の確保や行政事務の効率化・高度化などを目的とした「i・cityまつどアクションプラン」により情報化を推進しているところですが、新年度も市政情報の積極的な提供に努めつつ、市民の皆様との情報共有への仕組みの確立に向け、努力してまいります。


 続きまして、「豊かな人生を支える福祉社会の実現」をめざす施策について申し上げます。

 わが国における少子高齢化の進展は、様々な社会福祉需要の増大や、労働力の低下による社会保障システムへの影響をもたらし、本市におきましても、それらのリスクをいかに軽減していくかが重要な課題となっております。
 一人ひとりが早い時期から健康に関心を持ち、健康管理・早期予防に配慮することは、医療・福祉に対する負担の軽減を図るばかりではなく、高齢期を第二の現役期として、社会の担い手となり活躍していただけることも期待されます。
 そこで、本市におきましては、事前予防策の有効性を高めるために「健康松戸21」を推進しております。
 その課題のひとつである「たばこと健康」をテーマといたしまして、新年度も引き続き、禁煙啓発活動及び受動喫煙による健康被害の防止の徹底を図ってまいります。
 その一環といたしまして、本市すべての施設館内を本年4月1日より原則禁煙とします。
 皆様の大いなるご理解とご協力を賜りたいと存じます。
 健診事業は、これまで5月と9月に実施してまいりました基本健康診査の集団健診を、新年度より年間を通して受診できるようにすることにより、利便性を高め受診率の向上を図ります。
 また、近年、増加傾向にある乳がんの早期発見と検診精度の向上を図るために、乳がん検診の一部にX線撮影を用いた「マンモグラフィー検診」を導入します。
 次に、健康づくりを啓発する活動の一環として、元気な高齢者を増やすことを目的に開催し、ご好評をいただきました「ご長寿健康コンテスト」を新年度も開催します。
 また、地域での市民相互の支え合いや、公私サービスの総合的な提供を目的とした「地域福祉計画」の策定に着手するとともに、福祉サービスの一元管理を行う「福祉総合システム化」の第一段階として、児童手当及び生活保護の業務に新電算システムを導入し、将来的には福祉の総合窓口化の実現をめざしてまいります。
 次に、高齢者福祉施策についてご説明します。
 「シニア交流センター」は、懇話会からの運営方針や、施設の機能・レイアウトについてのご意見を踏まえ、基本設計・実施設計を行い、平成17年10月開所に向け建設に着手します。
 また、近年、深刻化しております高齢者虐待につきまして、法律は未整備でございますが、虐待の予防、早期発見、早期対応、再発の防止を目的に、「高齢者虐待防止ネットワーク」を県内に先駆けて設置し、関係機関の役割の明確化、連携の強化を図り、高齢者虐待防止のシステムを構築します。
 また、これまで老人クラブの研修を目的とした、バス借上げ料の助成をしてまいりましたが、新年度より老人クラブの活性化を目的とした、「老人クラブ運営費補助金」、「老人クラブ連合会運営費補助金」に組入れることにより、支援してまいります。
 在宅福祉サービスは、本庁地区に在宅介護支援センターを新たに設置し、介護予防、生活支援等、自立支援のためのサービスを充実させてまいります。
 また、高齢者の自立した生活や、その家族などを支援するためのシステムをより充実させるため、新たに4地区に高齢者支援連絡会を設置します。
 施設整備は、平成17年4月開所予定の特別養護老人ホーム2か所140床に加え、新たに整備する社会福祉法人に対しましても、補助を実施してまいります。
 次に、障害者福祉施策についてご説明します。
 本年度より、従来の措置制度から支援費制度へ移行し、利用者本人がサービスの内容を自ら選択できるようになりました。
 引き続き提供サービスの充実に努め、安心して在宅生活が営めるよう支援してまいります。
 施設整備は、昨年度より建設費の一部を支援してまいりました、知的障害者の更生に必要な指導及び訓練を行う「知的障害者入所更生施設」がこの4月に開所します。
 また、知的障害者が職業訓練や生活を通じ、社会への適応や、日常生活での自立をめざす「知的障害者福祉作業所」1か所を運営する団体に対し、新たに助成を行います。
 さらに、在宅精神障害者の自立と社会参加の促進のために「精神障害者共同作業所」3か所を運営する家族会及びNPO法人に対し、運営費の助成を行います。
 次に、児童福祉施策についてご説明します。
 年々深刻化する少子化問題を解消するためには、安心して子供を産み、育てることのできる環境づくりを社会全体の問題として捉え、進めていくことが重要な課題であると考えております。
 そこで、「次世代育成支援地域行動計画」の策定のため市民会議を開催し、中間報告会を実施するとともに、広く市民の皆様の意見を伺い、利用者の意見を反映した計画を策定してまいります。
 また、地域における育児支援を行うため、「地域子育て支援センター」1か所を民間に移行し、子育てについての相談やサークル等の育成・支援を充実してまいります。
 「放課後児童クラブ」は、利用者の増加に対応するため、新規1か所を設置し、老朽化の進む既存施設1か所を移設します。
 「野菊野こども館」は、運営をNPO法人に委託し、開設時間の延長及び管理体制の強化を図ります。
 さらに、対象を高校生まで拡大し、従来の活動に加え、少年問題への対策につきましても新たに取り組んでまいります。
 さて、本年度、建設費を補助してまいりました定員120名の民間保育園が、この4月、六実地区にオープンする運びとなりました。
 これにより、かねてからの懸案事項でありましたこの地域での待機児童が、ほぼ解消されるものと期待しております。
 また、保育料は、厳しい財政状況ではありますが、運営経費の削減及び保育料徴収の徹底により、新年度は据置きとさせていただきます。
 国民健康保険料は、一般会計からの繰入により引き上げを抑制してまいりましたが、介護保険分について改定をさせていただきますことをご理解賜りますようお願い申し上げます。
 今後も、保険基盤の再編・統合、老人保健制度自体の改正等、国県の動向に注視しつつ、健全運営に努めてまいります。
 「生活つなぎ資金貸付」は、貸付条件を緩和することにより、利便性の向上を図ります。
 北山会館は、火葬業務等の外部委託を行うとともに、式場等の改修工事に向けた実施設計を行います。
 近年、休日・夜間における小児救急医療に対する需要や専門医による診療需要が高まってきております。
 そこで、これまでの夜間急病診療所を小児救急に特化させた「夜間小児急病診療所」を開設し、小児科の初期診療に対応します。
 病院事業は、新年度より、「医療安全推進担当室」を新設し、「医療総合相談窓口」を設置します。
 受診者の立場に立って、受診者やそのご家族からの医療に関する相談や苦情に総合的に対応することにより、医療の安全と信頼を深め、医療サービスの向上に努めてまいります。
 また、受診者の待ち時間の短縮、医療事故の防止、院内での医療情報の共有による、病院業務の効率化と医療の質の向上をめざし、研究を進めてまいりました「総合電子医療情報システム」は、その第一段階として「電子カルテシステム」及び「画像情報システム」の平成17年度中の本格稼動に向け、開発を進めてまいります。
 次に、重要課題である松戸市立病院の建替えでございますが、市議会におかれましても「市立病院建設検討特別委員会」で研究をしていただいているところですが、同時に、担当部門におきましても調査を進めているところでございます。
 東葛北部地域における基幹病院として、市民の皆様、近隣市町にも多大な影響を及ぼすことであり、基本計画策定に向けて慎重な議論を進めるとともに、昨年に引き続き基礎調査を実施し、具体的な建設候補地の絞込み、運営方法をも視野に入れ、事業全体の方向性を見出してまいる所存でございます。


 続きまして、「次代を育む文化・教育環境の創造」についてでございますが、教育委員会が管理する施策を除く、「国際化の推進と平和意識の高揚」について申し上げます。

 国際社会における緊張感が生み出される中、我々は平和への願いを強くするとともに、人としての尊厳を守ることの重要性を肌身で感じております。
 本市では、世界恒久平和を念願する市民意識をさらに深めるため、新年度も「平和バスツアー」、「戦争体験講話」等の体験型イベントを実施してまいります。
 また、昨年創設した「平和関連ビデオライブラリー」の充実により、平和の尊さに対する意識を受け継いでまいります。
 さて、本市を含め、それぞれの地域は世界に向けて開かれ、国際交流や文化交流が繰り広げられる国際化時代に向き合っています。
 このような状況下においては、子どもたちをはじめとする市民が、豊かな感性を持ち、広い視野に立って物事を見ながら、相互理解の理念を持って様々な交流活動を展開していくことが大切であります。
 そこで、ホワイトホース市との姉妹都市交流の記念日である「グリーンツリーデー」には、南部小学校において児童とともに、記念植樹等を実施し、国際交流を推進します。
 また、外国人市民向け生活ガイドブックの一部改訂及び増刷と併せ、外国人トークフェストの設置等により、外国人市民の利便性の向上を図ってまいります。


 続きまして、「安全で快適な生活環境の実現」をめざす施策について申し上げます。

 多くの人々が質の高い心豊かな生活を求める今日、安全で快適な生活環境は、都市に求められる極めて大切な価値であり、これを創造していく事に対する市民の期待は大きいものがございます。
 また、優れた都市景観や魅力的な都市空間の存在は、コミュニティに愛着と誇りを育むとともに、多くの人々を惹きつけ、地域の活性化を実現するものと考えております。
 そこで、新年度には松戸駅周辺をはじめとして、本市にふさわしい景観の創出を図るため、さらに検討を深めてまいります。
 多数の区分所有者が居住するマンションは、維持管理の困難さから専門家による相談業務を実施し、管理の適正化を促進します。
 また、建築後年数が経過した「幸田第二市営住宅」は、老朽化も随所に見られることから、外壁の改修工事に併せて耐震補強工事も実施します。
 さて、暮らしが自然と調和する緑のふるさと松戸をめざして、都市全体で緑と水辺がネットワ-クされたまちづくりを実現するためには、緑地の保全や公園整備の果たす役割は非常に大きなものがございます。
 本市においては、緑のふるさとづくりをめざし、さまざまな緑の団体等が活動しておりますが、より広範な「緑のボランティア活動」を含め、参加者が活動しやすい環境づくりを進めてまいります。
 市民生活に身近な緑の空間などを提供する公園といたしまして、稔台第二公園の用地取得をします。
 また、根木内歴史公園は、貴重な歴史的遺産の保存及び活用を図るため、早期開園をめざすべく、整備を進めてまいります。
 戸定ヶ丘歴史公園は、本年度から実施しております「緑の回廊プロジェクト」にもとづき、千葉大学園芸学部庭園との連携を見据え、垣根の取替えをはじめとした整備と併せ、クスノキをはじめ、イトヒバ等の貴重な樹木の樹勢回復への取り組みを開始します。
 市民の皆様のみならず、近隣の方々からも親しまれております、21世紀の森と広場は、「光と風の広場」に憩いの場を提供できるよう造成を進めるとともに、八ヶ崎方面からの来園者の安全確保を図るため、歩道の整備を行います。
 また、緑の恩恵を自覚し、緑の価値を高めていくための行動の規範として、「緑推進委員」の協力を得て「松戸緑の市民憲章」を制定してまいります。
 本市の貴重な財産である、江戸川の良好な水辺空間の維持と水辺環境の活用を図るため、新年度もフラワーボランティアの方々の参加をいただきながら、江戸川・松戸フラワーラインの整備を進めるとともに、「水辺の健康エコロードづくり」として、古ヶ崎・主水新田間にウォーキング支援施設の整備を進めてまいります。
 また、本市の中心部を流れる坂川は、親しみのある川の復活をめざし、県の水際整備に併せ、植栽や照明灯の施設整備を進めてまいります。
 多くの人々は、これまで、環境と経済は両立しえない関係にあると考えてきました。
 しかし、我々が持続的発展をしていくためには、環境、経済が共存する取り組みが必要となります。
 本市では、「松戸市地域新エネルギービジョン」の推進を図っているところですが、新年度には牧野原中学校に、ビオトープ用の電源として、風力と太陽光によるハイブリッド型発電装置を設置し、自然エネルギーの有効性を体験できる教育環境を整備します。
 また、ごみ処理基本計画の推進策といたしましては、今年度の基礎調査結果を踏まえ、本市がめざすべき資源循環型社会の形成に向けた基本的政策を取りまとめるため、市民を交えた検討委員会を設置します。
 「千駄堀最終処分場」の跡地暫定利用は、地権者のご理解をいただけたことから、秋には、サッカーのみならず、グラウンドゴルフやソフトボールなどにも利用できるようなスポーツ広場として、市民の皆様に開放できるよう準備します。
 一方、生活排水対策といたしまして、単独から合併処理浄化槽への転換促進と併せ、窒素・りんの除去効果の高い高度処理型浄化槽の普及に力を入れてまいります。
 さて、安全で暮らしやすい市民生活の実現を図るため、「安全で快適なまちづくり条例」が新年度から施行されます。
 「防犯」「環境美化」「環境浄化」をめざした本条例の効力を高めるためには、市民をはじめとした関係者の衆智を結集することが必要であることから、先日、「安全・快適まちづくり協議会」を設置したところです。
 新年度は、重点推進地区の指定をするとともに、現行の安全パトロールに加え、歩行喫煙並びにつきまとい勧誘行為等の防止を目的としたパトロールへ拡大してまいります。
 また、市民主体のコミュニティベースの取り組みである「自主防災組織」への支援により、防災体制の強化に努めてまいります。
 さらに、新年度は古ヶ崎小学校に「簡易備蓄倉庫」を設置し、災害時の生活必需品等の確保を図ってまいります。
 地域における消防力・防災力の向上、地域コミュニティの活性化に大きな役割を果たしている消防団活動は、紙敷新田の第28分団1班の消防センターを整備し、機能の強化を図ってまいります。
 また、救急隊が救急現場において実施する医療行為の内容を医学的に担保し、かつ救急隊員の技術と救命効果のさらなる向上を目的とした「メディカルコントロール」体制の整備として、救急医との連携による指示助言及び事後検証等の実施を開始します。
 さらに、六実消防署に消防車と救急車の機能を併せ持つ日本初の「消防救急自動車」を配置し、救急補完機能の向上を図るとともに、テロ等による核・化学・生物兵器使用時のNBC災害への対応策として、化学防護服並びに除染シャワーを配置します。
 自転車駐車場事業といたしましては、盗難・痴漢・恐喝等の犯罪から利用者の安全確保を図るため、新たに八柱駅南口並びに六実駅の駐車場内に防犯カメラを設置するとともに、駐車場運営に関する市民の皆様の意見を聴くためのアンケート調査を実施します。
 市民のくらしの安全を守る上で、消費者被害の未然防止並びに拡大防止が不可欠であることから、引き続き相談事業の充実を図るとともに、消費生活に関する情報の提供と啓発に努めてまいります。


 続きまして、「魅力ある都市空間の形成と産業の振興」をめざす施策について申し上げます。

 経済の長期低迷からの脱却を図っていくためには、都市の再生を進めることが極めて重要であります。
 このため、災害に対する脆弱性、高齢化社会への対応、バブル崩壊に伴う負債の清算などに取り組むとともに、再生の動きを活性化させるため、事業の選択と集中を進め、新たな施策展開を講じていかなければなりません。
 現在、施行中の土地区画整理事業は、非常に厳しい事業運営を余儀なくされていますが、長期化する事業の早期完成をめざしてまいります。
 特に、紙敷地区は、昨年の和解を前提とする裁判所の所感に基づく再減歩案の策定と併せて、まちづくり交付金等の国からの支援を受けながら、再生のための手段を講じてまいりたいと存じます。
 さらに、紙敷と秋山の両地区をつなぐ、都市計画道路3・4・35号線の事業推進と、「成田新高速鉄道」の整備について、沿線自治体とともに協力してまいります。
 また、秋山地区は、事業区域内の家屋等の移転により事業を推進し、二ツ木・幸谷地区においても、引き続き事業の早期完了をめざします。
 交通バリアフリー化推進事業といたしましては、現在までの検討結果を踏まえ、新年度はワークショップの開催並びにパブリックコメントの実施により、基本構想を策定します。
 また、鉄道駅エレベーター設置といたしまして、元山駅に引き続き、五香駅東口のエレベーターにつきましても、今年度中には供用開始されます。
 新年度は、常盤平駅北口に1基、改札口とホームを結ぶ駅構内に1基、それぞれ設置を支援してまいります。
 路線バスは、新京成バスの牧の原線並びに馬橋線について、ノンステップバス導入を支援します。
 ふれあい通りは、県事業である松戸駅西口駅前通り整備と整合を図りつつ、地域活性化に寄与するよう実施設計を行います。
 近年の都市型水害に強い、安全なまちづくりをめざすための重点事業といたしましては、国分川、長津川、紙敷川等の河川改修を進めるとともに、松戸新田下須地区のバイパス管の整備と、新松戸東口地区の浸水被害の解消をめざした事業に着手してまいります。
 また、前田川についても、下水道事業として浸水対策を実施してまいります。
 より良い歩行空間を提供するための道路整備事業といたしましては、新松戸けやき通り南側に引き続き、北側歩道の整備の実施と併せ、新たに松飛台中原地区の道路拡幅に伴う歩車道の整備を実施します。
 また、市立病院から21世紀の森へ抜ける迂回路として交通量が増加している狭あい道路の通称「安忠坂」については、今年度の第1待避所の工事完了に引き続き、新年度は、第2待避所の設置により、通過交通の円滑化を図ってまいります。
 都市計画道路3・3・6号三矢小台主水新田線、3・3・7号横須賀紙敷線、3・5・30号南花島日暮線の整備は、完了予定年度の延伸を図るとともに事業費を減額し、整備を進めてまいります。
 なお、南花島日暮線は、用地取得が完了した箇所の道路改良工事を実施し、歩行者の安全確保を図ってまいります。
 また、東京外かく環状道路は、江戸川を横断する葛飾大橋の外回り側の開通が見込まれており、周辺の交通渋滞の緩和が期待されます。
 さらに、県事業である3・4・16号葛飾橋矢切線、小山浅間台から下矢切長作区間につきましても、事業の円滑な推進をめざし、関係機関に要請してまいります。
 下水道整備は、本年度より年間整備量を50haに縮小したところですが、新年度も江戸川・手賀沼の水質汚濁を防止するため効果的な整備を実施し、平成16年度末には普及率73%をめざすとともに、受益者負担金・使用料の収納率向上を図り、財源の確保に努めてまいります。
 また、水道事業は、漏水・震災対策として、引き続き石綿セメント管の布設替により管路の強化を実施してまいります。
 次に、活力ある産業の振興についてでございますが、本市を取り巻く地域経済におきましても、長引く景気の低迷に加え、個人消費も冷え込んだ状況が続いていることから、景況感も同様に足踏み状態が続いております。
 まちづくりと密接な関係にある商業の振興・発展を図るためには、商店街のさらなる活性化が必要であることから、商業振興に必要な基礎資料とするため、商圏調査を実施します。
 また、松戸駅周辺を対象とした「中心市街地活性化基本計画策定」の準備として、地元商業者の皆様をはじめとした、専門家等を交えた勉強会を開催します。
 さらに、商店街自らが賑わい回復を目的として実施する事業への支援策といたしまして、街路灯設置修繕と併せ、アーケード及びアーチ等の修繕費用を新たに助成するとともに、ポイントカードシステム導入に係る経費の一部を補助します。
 新松戸地区からは、地域の商店街の方々が中心となって、流通経済大学新松戸キャンパス開校を歓迎するイベントを開催するとの、明るい話題が届けられております。
 このような、地域活性化のための個性溢れる催し物と併せて、五香地区のらーめん寺子屋に代表されるような、創意工夫ある空き店舗対策事業の継続により、活気ある商店街への転換を促進します。
 また先月、地域商工業活性化の旗手である商工会議所が、新商工会館に移転したところですが、「電子商工会議所システム」構築費用の一部を助成します。
 現下の経済不況下、地域経済の担い手として大きな役割を果たしている中小企業への支援策として、新年度は中小企業診断士による総合相談窓口を創設し、窓口相談のみならず、出張相談による融資・経営革新等の相談事業を実施します。
 また、中小企業における労使関係の安定を図ることを目的として実施しております、労働相談事業は、月2回から毎週1回に拡大します。
 厳しい雇用失業情勢に対応するためには、再就職の促進等の支援を行うことが重要です。
 そこで、新年度は現在実施しているパソコン技能を初めとした実技講習に加え、就職活動そのもののスキルアップを図るカリキュラムを追加し、高年齢者の雇用促進対策を充実するとともに、ホームページを活用した求人登録情報サービスの提供により、就労機会の確保をめざします。
 また、本年度「技能功労者表彰制度」を創設したところ、街の職人と呼ばれている方々の経験と能力に改めて感服したところでありますが、制度の定着化を図ることにより、後継者育成と併せて技術水準の向上をめざしてまいります。
 私はかねてより、地産地消を通して人間の生活の基礎である「食」を見直すことが、健康面だけにとどまらず、食文化の伝承、環境保全、食糧自給率の向上等、様々な問題を解決していくと考えております。
 生産者と消費者の交流といった地域に密着した活動を促進するために、松戸産農産物のブランド化の定着を図るとともに、産地直売情報パンフレット作成への支援をします。
 また、都市型農業への理解を深めるため、オーナー農園の普及・拡大に努めてまいります。
 二十世紀梨を活用した交流事業といたしましては、鳥取県への二十世紀梨導入百周年を記念したイベントを開催しますが、その一つである同県倉吉市の「影絵市民劇団」と「松戸市民劇団」の共同公演の実施等を通じて、市民レベルでの交流を深めてまいります。
 次に、観光の振興は、野菊の小道及び周辺道路に芝桜等を植栽するとともに、矢切苑の景観保持のために、美化整備を実施することによる矢切地区の観光環境の整備と併せて、本年も、夏の夜を彩る風物詩として定着した「松戸花火大会」を、広く市民参加のもと開催します。


 続きまして、「都市経営の視点に立った行財政運営」をめざす施策について申し上げます。

 まず、効果的・効率的な施策を実現するシステムの形成についてでございます。
 本市を取り巻く財政状況は、今後一段と厳しさを増してくると予想される中、これまで以上に計画的、かつ、柔軟な行財政運営が必要となってまいります。
 現在、予算編成、財務会計、評価システムなどを稼動しておりますが、このたび、財務管理システムのリース期間更新に伴い、新たな管理システムの構築に着手し、各情報の一元管理、システム間の連携を図り、事務処理の効率化や行政課題解決のツールとして活用してまいります。
 人材育成は、人材育成基本方針に基づき、本年度「業務改善プロジェクト支援研修」などを実施いたしました。
 新年度は、全課長職を対象に「経営倫理・リスクマネジメント研修」を実施し、経営倫理の確立に努めてまいります。
 次に、行政としての経営基盤の強化について申し上げます。
 行財政改革計画でお示しいたしましたとおり、一般会計全体における平成16年度から19年度までの4年間に予測される一般財源の不足額229億円は、短期的な改革の遂行によって解消を図っていくことといたしました。
 このうち、平成16年度の一般財源不足額50億円に対し、53億円の削減を図ったものでございます。
 総人件費の抑制は、前年の各種手当の見直しに加え、公用車管理・運転業務、庁舎案内業務などの事業の委託化により、職員予算定数は52人を削減いたしました。
 いずれにいたしましても、行政サービスの継続性を確保しつつ、今後とも創意工夫を重ね、市民サービスの向上に努めてまいります。
 また、組織においては、事務処理並びに意思決定の迅速化を図るために、担当室の設置を新年度も進めてまいります。
 財務本部においては、係制を全廃し、組織のフラット化を推進するとともに、積極的な課税客体の捕捉による、特別徴収の強化を目的に、市民税課内に「特別徴収担当室」を、公売をはじめとする換価事務の執行による収納の強化を目的に、収納課内に「特別整理担当室」を設置することにより、さらなる税収の確保に努めてまいります。
 行政の経営基盤強化のためには、厳しい状況下での行財政運営となりますが「迷わぬ者に悟りなし」と申します。
 苦労を糧に変えて強力にリーダーシップを発揮し、道筋をつけてまいりたいと存じます。
 うれしいことに、早速、私を支える職員の意識改革の芽が出てまいりました。
 行財政改革の確実な遂行をめざす「実行スタッフ」及びパートナーシップ推進の先導役となる「ファシリテーター」の公募をしたところ、挑戦する意思を表明した職員が数多く出てまいりました。
 自らが積極的に改革しようと意識する職員がいる限り、この改革は達成できるものと確信しております。


 以上、新年度を迎えるにあたり、所信の一端を申し述べさせていただきました。

 混迷する時代を乗り切り、自立した自治体を築き上げていくためには、今後も様々な難関が待ち受けていることと思います。
 「断固たる決意は不可能を可能にする」との信念をもって、行財政改革計画において述べておりますとおり、ピンチをチャンスとして捕らえる、危機ではなく挑戦する機会であるとの認識で臨んでまいります。
 事業の成果は伸ばしていく、増やしていくことばかりではありません。
 市民との協働による市民主体の行政の推進、限りある資産・資源の有効活用、事業の再構築などを行うとともに、市民が将来に渡り日々の生活に満足感と安心感を得ることができるよう、どのような時代環境にも適合できる自治システムの構築をめざしてまいります。
 この時代を市民の皆様と、共に考え共に汗を流すことで、互いの信頼感がより育まれ、パートナーとしての絆が強固なものになっていくと確信しております。

 引き続き絶大なるご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げ、施政方針の説明とさせていただきます。 

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