貸借対照表の作成方法 3 有形固定資産
有形固定資産には、1年以上に渡って保有・利用する資産のうち、建物、土地および物品等有形のものを計上する。
3.1. 有形固定資産の区分
(1) 物品
物品台帳および車両台帳に計上されているものを計上する。現物と台帳との突合せは平成10~15年度では実施しなかったが、今後は実施することが望ましい。
(2) 普通財産
公有財産台帳で普通財産に分類されるもののうち、有形固定資産として計上されるべき建物、および土地について計上する。ここでいう普通財産は、公有財産のうち下記の行政財産以外のものを指す。なお、現物と台帳との突合せは平成10、11年度の試作では一部擬似的に実施したが、今後は完全に実施することが望ましい。
(3) 行政財産
公有財産台帳で行政財産に分類されるもののうち、有形固定資産として計上されるべき建物、および土地について計上する。ここでいう行政財産は、市が公用または公共用に供しているもの、または供することと決定したものを指す。なお、現物と台帳との突合せは平成10、11年度の試作では一部擬似的に実施したが、今後は完全に実施することが望ましい。
(4) 建設仮勘定
当年度に有形固定資産取得のために支出が行われているものの、貸借対照表日現在に物件の完成・引き渡しがなされていないものについては、その支出額を貸借対照表に計上する。具体的には繰越明許費や継続費に算定された事業のうち、当年度以前に支払われた額の合計を計上する。
(5) 道路、橋梁等
道路、橋梁等のインフラ資産については、有用なデータの入手が困難であるため、貸借対照表に計上しない。但し、注記情報として附属明細書上で延長、面積等の数量情報を記載する。
3.2. 取得価額の入手方法
原則として台帳から入手する。台帳不備の場合には可能な資料から作成する。
(1) 器具備品および車両運搬具等
器具備品については備品台帳より、車両運搬具等については車両台帳より取得価額20万円以上のものを有形固定資産として計上する。
なお、個々の備品等の耐用年数の判断については備品名鑑で分類している最小単位である小分類ごとに大蔵省令に定められた耐用年数表を参考に5、10、15年の3つのいずれかとする。
また、取得価額20万円以上かどうかの判断については、個々の取得価額が20万円に満たなくとも全体として20万円以上になるもの(百科事典等)については計上する。(2) 普通財産と行政財産の内訳
公有財産台帳に計上されている資産は土地、建物のみであり、設備、工作物等については建物に含まれている施設もあるため、平成10、11年度の試作においては区別しないこととした。今後は棚卸し等により区別が可能な場合は建物と設備、工作物を分けることが望ましい。
・建物
平成10、11年度の試作では保全設備課の管理する建物台帳と管財課の管理する公有財産台帳をもとに取得価額や建物の完成年月等を各課に照会することで擬似的に棚卸を行い、その結果について計上した。なお、各管理担当課においても取得価額が不明であった件については各管財担当課が加入、更新している火災保険の再取得価額を元に計上した。今後は個々の建物について精緻な棚卸しを行い、取得価額を計上することが望ましい。
・土地
平成10~13年度までの試作では、取得原価が判明するものについては取得原価で評価し、それ以外のものについては路線価を基に計上していた。平成14年度以降は、土地の評価を取得原価ではなく固定資産税評価額によるものとし、評価額が判明しないものについては路線価を基に計上した。今後は個々の土地について精緻な棚卸しを行い、取得価額を計上することが望ましい。
(3) 建設仮勘定
有形固定資産に計上される予定のもので、未完成、未引き渡しのものに対する既支出額を計上する。平成11年度の試作においては繰越明許費の11年度までの支出額と継続費の11年度までの支出額の合計を計上した。
3.3. 減価償却
(1) 減価償却の方法
資産の見積耐用年数にわたって、見積残存価額をゼロとする定額法により減価償却の手続きを実施し、取得価額よりこの減価償却累計額を控除した価額により貸借対照表に計上する。償却済みの資産については備忘価額1円として計上する。
ここでの見積耐用年数は、民間企業において一般的に利用している大蔵省令に基づく法人税法の規定及び行政財産の内容を検討し、以下のように種類及び構造別に設定している。<建物>
構造名 略称 耐用年数 鉄筋コンクリート RC 50年 鉄骨鉄筋コンクリート SRC 50年 鉄骨 S 35年 プレキャスト(プレハブ) PC 10年 木造 W 25年 コンクリートブロック CB 40年
<設備>
構造名 略称 耐用年数 (例)昇降機設備:エスカレーター 15年 (その他)今後分離して取得価額を計上した場合、法人税法耐用年数表等に基づき設定。
減価償却の開始年度は引渡完了年度の翌年度とする。これは物品については金額の大きいものが期末付近に購入されること、建物については予算との関係上期末に購入されることが多いためである。
また台帳上で区分が困難な場合は、設備及び工事については建物に含めて計上する。
(2) 減価償却計算(イメージ)
(A) (B) (D) (E)=(C)*(D) (F) (C)=(A)/(B) (G)=(C)*(F)=(C)+(E) (A)-(G) 取得原価 耐用年数 期首経過年数 期首減価償却累計額 期末経過年数 今期の 期末減価償却累計額 貸借対照表価額 減価償却費 当期取得分 40,000 50 0 0 0 0 0 40,000 前期取得分 20,000 50 0 0 1 400 400 19,600 過年度取得分 15,000 15 10 10,000 11 1,000 11,000 4,000 1,400 63,600
貸借対照表 有形固定資産 修正前 修正後 0 63,600 コスト計算表 工事請負費等 40,000 0 減価償却費 0 1,400
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