第六章 維新後の永き生活 終生の沈黙

第六章 維新後の永き生活 終生の沈黙

 慶喜は、将軍から一転して、天皇の敵「朝敵」とされました。明治元年2月、幕府の本拠地である江戸城を自ら退去した慶喜は上野、水戸、静岡と場所を移しながら謹慎生活を送ります。
 明治2年9月には謹慎解除となりますが、それからの慶喜は、沈黙を守り、旧臣たちとの交流も制限し、政治とは関わらぬことが自らの使命であるがごとき生活を送ります。
 しかし、維新後も彼の政治性はゼロになった訳ではありませんでした。周りからあらぬ誤解を受けてはならない。慶喜は政治からは遠い、数多くの趣味の世界に没入していきます。それは、自己の内的充実を求めると共に、その一つの道しか許されていないという厳しい生き方でもあったのです。

イラストレーション 黒鉄ヒロシ

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