第三章 プリンス・トクガワ 昭武の欧州歴訪

パリ万博の主要行事終了後、昭武一行は、幕府との条約締結国を歴訪しました。国と国のトップが直接会うことによって、これからの友好関係を深めるためでした。
幕府の外国奉行、向山隼人正(むこうやまはやとのしょう)を全権公使とする一行はフランスを出発。スイス、オランダ、ベルギー、イタリア、イギリスの各国で昭武は各国国王らと会見、初の首脳外交を繰り広げたのです。
訪問を受けた各国の新聞は、昭武の来訪を報道しました。イギリスの絵入り新聞ザ・イラストレイテッド・ロンドン・ニュースでは、「プリンス・トクガワ」として精巧な彼の肖像を掲載。現将軍(慶喜)には子供が無く、昭武が慶喜の寵愛厚い弟であり、将軍を出しうる家、清水徳川家の当主でもあるので、次期将軍の有力候補だと詳しく報じたのです。
イラストレーション 黒鉄ヒロシ
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