将軍のフォトグラフィー-展覧会ノート-
戸定歴史館刊行図録より
◆おわりに
展覧会の準備を進めてゆくにつれ、様々な情報が集積されてくる。いずれも、展覧会を企画するものにとっては、魅力的な情報ばかりである。しかし、それらのすべてが、展示に反映され、展示品解説などの形になってゆく訳ではない。展示の趣旨に従って選択を加えらるものもあるし、時間、人、もの、金などの様々な事情から将来の展覧会を待つ事になる情報もある。当たり前の話だが、展覧会は、展覧会の実施に必要なすべての条件をクリアーしたものだけで構成されている。展覧会を企画するものは、それらを用いてどの様に話を進めて行くか、言い換えれば、いかに垂直の方向に話の筋道をつけて行くかに腐心するわけである。しかし、その一方で、その道筋を探しだすには水平方向に広がる情報が欠かせなかった。それらの多くは展示の表面に出てくる事はないが、展覧会には欠かす事の出来なかったものである。この小文は、そういった、展覧会の準備の段階で知り得た情報やその段階で考えた事柄のノートを公開する試みである。水平方向への広がりを意識しているので、結論を得るに致っていない調査中の事柄も記されている。準備の結果として実施された展覧会だけでなく、その背後にある情報をも共有したいという趣旨からであるが、展覧会を見ていただく上でなにがしかの参考にでもなればと念じている。





