臨床検査科

臨床検査科技師長 大沢真知子
臨床検査科へようこそ・・・
臨床検査科は、秋草部長、野呂医長以下、総勢49名で勤務にあたっています。
当科の目標は、精度の高い検査データを迅速に提供することです。
診察前検査などの迅速検査、救命救急センター、小児医療センター等の救急医療体制にも対応した24時間稼動の検査室として、市民の皆様が安心できる地域医療を目指しています。
また日々の内部精度管理はもとより、全国レベルで実施されている日本医師会、日本臨床検査技師会等、各種外部精度管理に常に参加し正確な検査データの提供に努めています。
輸血室には輸血認定技師を配し、血液製剤の管理と輸血関連検査を一元化しています。細菌検査室からは、院内感染対策委員会に参画し、院内感染の防止及び啓蒙普及活動にも積極的に関わり、患者様の早期退院にむけ貢献しています。
チーム医療として糖尿病療養指導士による療養支援、体外受精室への技師の派遣も行っています。
当科では将来にわたり次の世代を担う臨床検査技師の育成のため、実習施設としての学生の教育にも努めています。
さて・・・
病院で採血された血液、尿はどのように分析されるのでしょうか?
どのような検査をするのでしょうか?
採血された血液の分析経路をお知らせします。
外来診察 → 採血 → 血清分離 → 機械で分析 → 結果報告
生理検査ってどのような検査をするのでしょうか?
例えば健康診断でも心電図をとりますね。異常があると病院へ行くようにいわれます。
その時ホルター心電図といって24時間心電図を記録して、解析をします。先生はその結果を見て、異常がないか、あれば、薬を使うか、使わないかを判断します。
また、心臓超音波の検査もします。先生は報告結果をみて今後の方針を決定します。
細菌検査って?
急にお腹が痛くなって病院に行きます。下痢をしていれば、その便を培養してどんな菌がいるか調べて、治療に有効な薬を決めます。
専門分野・特色
1,中央採血室
外来を受診され血液検査をされる患者様の採血を主に行っている部門です。また糖尿病療養指導士による療養支援も行っています。
担当職員一同、患者様にとって「安全」・「安心」な採血を行うため、日々研鑽に努めています。
採血室の業務時間:月~金曜日(土・日・祝日を除く) 8:30~17:00
2,体外受精室
体外受精療法は、不妊治療の一つです。体外受精は、卵子と精子を体外で掛け合わせ(媒精)受精・分割した受精卵(2~5日間培養)を子宮内に移植する方法です。
医師、看護師、検査技師で構成されたチームにより、体外受精胚移植(IVF-ET)、顕微授精(ICSI)、凍結受精卵の保存(CRYO)を行っています。
この室における検査技師の役割は2つあります。
(1):体外受精コーディネーター(不妊コーディネーター)
・ 体外受精に関するオリエンテーション(治療内容の説明)
・ 不妊外来では不妊相談
・ 院外(保健所)では年に2回不妊相談を担当しています。
(2):エンブリオロジスト(胚培養士)
・ 卵子の培養、精子の調整、凍結受精卵の保存・管理
・ 採卵(卵子を採取すること)から移植までのスケジュール管理を担当しています。
| 当院の年間実施件数:80~100周期 移植周期当たりの妊娠率:25.7%(1997年10月~2011年12月) |
3,生理部門
① 一般生理
生理検査は患者様の体内の状態を電気信号として取り出し、画像やグラフ、または数値としてみる検査です。主に心臓を診る心電図・トレッドミル検査・24時間心電図検査から始まり、脳、神経、聴力を調べる脳波、ABR、聴力、誘発電位検査等まで幅広く実施しております。特に脳波検査は、年間1,800件を超える検査数を実施し、最近では新生児の難聴発見のために新生児難聴スクリーニング検査(AABR)も実施し早期での難聴発見に努めています。
心電図の機械です。 心臓の動き、状態を波形に変え記録します。両手・両足に電極を挟みます。胸に吸盤で6個電極を吸い付けます。 | ホルター心電計です。 これをつけて24時間心電図をとり続けます。 乾電池と比べて判るようにとても小さく軽いので、邪魔になりにくくなっています。 |
| トレッドミルの機械です。 左奥のベルトが動き、その上を走りながら心電図をとる検査です。運動で負荷のかかった時の心臓の状態が判ります。 | 脳波計です。 脳の状態を調べます。 頭にはたくさんの電極をクリームで貼り付けて検査します。 覚醒から睡眠時まで長時間記録します。 |
② 腹部超音波検査室
日本超音波医学会認定検査士と各科医師と共に検査を実施しています。主に腹部超音波、乳腺超音波、甲状腺超音波、下肢静脈超音波検査を行っています。ソナゾイドによる造影超音波検査(病院だより5号をご覧下さい。)やラジオ波焼灼術は医師と共に行っていて、肝臓がんの治療に役立っています。又、関節リウマチ診療のための関節超音波も行なう様になりました。
③ 心臓超音波検査
小児心臓外来をはじめ循環器内科・心臓血管外科等を設けている当院において、心臓超音波検査は先天性心疾患や心筋梗塞、狭心症、弁膜症等の診断に欠かせない重要な役割を果たしています。また動脈硬化の早期診断の一助となる頚動脈超音波検査も実施しています。
4,検体部門
① 輸血室
輸血室は、厚生労働省・輸血学会の指針に従い、輸血検査と血液製剤管理の一元化を構築して血液型検査(亜型の同定、その他の血液型など)や不規則抗体検査(抗体同定)・交差適合試験などを実施しています。そして最新の機器(オート・ビュー)や輸血システム、電子カルテの導入により、ミスの無い、安全で速やかな輸血医療と血液製剤の管理や適正使用に取り組み、管理が難しいと言われる輸血管理料Ⅰを取得しています。
また、千葉県と千葉県赤十字血液センター主催の千葉県合同輸血療法委員会の委員でもあり、千葉県内の病院における血液製剤の適正使用を指導する立場の病院(認定輸血検査技師)として貢献しています。
② 血液検査室
貧血や白血病など主に血液疾患に関わる検査データを提供しているのが血液検査室の役目です。例えば貧血は隠れた万病の現われと言われ、鉄不足や出血による貧血、癌の初期症状としての貧血、白血病や骨髄異型性症候群などに伴う貧血など様々な原因で起こり、正確な診断には多くの検査データを要します。
血液検査室では最新の多項目自動血球分析装置(XE5000、XT2000i/SYSMEX㈱、右図参照)をはじめ種々の自動分析装置(コアプレスタ2000/積水化学㈱、etc)を駆使し検査データを提供しています。また、赤血球抵抗試験、自己溶血試験、NBT還元能、各種特殊染色など熟練を要する用手法検査も数多く手掛けています。血液疾患の診断や悪性リンパ腫のstagingに欠かせない骨髄検査は約400件/年実施され、細胞分類は認定血液検査技師が担っています。
③ 一般検査
一般検査では尿検査を中心に、髄液、穿刺液、関節液、精液などの検査を行っています。
尿検査:全自動尿定性分析装置を用いて尿中の糖・蛋白・潜血などの成分を測定しています。また、尿沈渣検査では尿中の細胞や結晶を顕微鏡で観察し、腎臓から尿道までの尿の通り道にある病変を捕まえていきます。(下の写真は尿沈渣の例です。)
(左・赤血球と白血球、右・上皮円柱)
髄液一般:髄液という脳や脊髄を守るための体液の成分を調べる検査です。髄液中の細胞の数や蛋白・糖を測定する事により、髄膜炎を起こしているかどうかを知ることが出来ます。
穿刺液一般:胸水や腹水の性状を調べて、これらの体液がどのような原因で溜まってしまったのかを推測するための検査です。
尿は健康のバロメータ。腎臓の機能だけでなく、全身の状態を反映する大切な検査の一つです。もし、「ちょっと変だな」と感じたら早めに病院に行って相談してみる事をお勧めします。
④ 生化学
肝機能検査(AST・ALT等)・腎機能検査(尿素窒素・クレアチニン)脂質検査(総コレステロール・HDLコレステロール・LDLコレステロール・中性脂肪)・糖尿病検査(血糖・ヘモグロビンAlc)の至急検査を30分報告とし、その他肝炎ウイルス検査(B型肝炎ウイルス・C型肝炎ウイルス)・腫瘍マーカー検査(CEA・AFP・PSA・CA19-9)・甲状腺検査(TSH・FT3・FT4)も即日報告しています。『異常やリスクを改善し元気で長生き!!』のお手伝いをしています。写真は全自動免疫生化学分析装置です。生化学項目35項目・免疫項目(感染症・腫瘍マーカー・甲状腺関連)11項目をこの機械で測定しています。
⑤ 細菌
「熱が出た・・・インフルエンザかな?」「下痢がひどい・・・もしかして食中毒?」「傷口が化膿しちゃった・・・」「咳が長引いている・・・まさか結核?」など、感染症の症状を起こす原因となった細菌やウイルスを見つけ出し、治療に有効な薬を決定するための検査を行っています。
当検査室で行われている検査には次のものがあります。①採取検体(尿・痰・膿・髄液など)をスライドに塗り、色素液で染色を行った後、顕微鏡で細菌を探します。②採取検体を栄養成分が添加された寒天培地やブイヨンで培養した後、生えてきた細菌についてその種類を同定し、数種類の抗菌剤の効果を調べます。③採取検体から細菌やウイルスの抗原・産生毒素を、迅速検査キットを使用して直接検出します。『インフルエンザウイルス』、『A群溶連菌』、『咽頭アデノウイルス』、『RSウイルス』、『便ロタ・アデノウイルス』、『便C.difficile AB毒素』、『尿中肺炎球菌』、『尿中レジオネラ菌』について実施しています。
(左・全自動細菌検査システム、右・全自動血液培養検査装置)
⑥ 情報システム(兼務)
患者様の検査結果がいつも正確に迅速に医師のもとへ届くよう、検査システムを駆使し日々業務が行われています。このシステムがいつも最適なコンディションを保つよう、またトラブル時には迅速な復旧をすべく管理運用を行っています