リウマチ膠原病センター

リウマチ膠原病センター長
海辺 剛志
リウマチ膠原病センター について
リウマチ膠原病センター開設のお知らせ
リウマチ膠原病の医療は大変革を遂げつつあります。その変化に対応して充実した医療を提供するために、リウマチ膠原病センターを開設いたしました。
リウマチとは
リウマチは慢性的に関節が痛んだり腫れたりする原因不明の病気で、関節の滑膜という場所に炎症が生じることが病気の主体です。炎症が長く続く結果、軟骨や骨が壊れると関節が変形してきます。従来から用いられてきた鎮痛剤やステロイド剤は痛みを取り除くことはできても、長期的には関節の変形を防ぐことはできませんでした。その後抗リウマチ剤という薬による治療が広まったことで一部の患者様に恩恵をもたらしましたが、まだまだ十分満足とは言い難いレベルでした。
薬物治療の進歩
そんな中で生物学的製剤とよばれる薬剤が登場してきました。この薬は関節内の炎症を後押しするサイトカインと呼ばれる物質や一部のリンパ球の機能を阻害する作用があり、強力にリウマチの痛みや腫れを抑え込むことができます。そして今までの薬と比べても遥かに強く関節の破壊を防ぐ効果があります。現在日本では5種類が使用可能で、患者様の病状や併用薬の状況によって使い分けていきます。大変良い薬であることは間違いありませんが、いくつか困った点があることも事実です。まず第一は感染症、アレルギー反応といった副作用が出ることがあります。細心の注意を払いながら投与しても避けられないこともあるため常に万全の備えのもとで治療をおこなっています。次に大変高価な薬であることです。患者様の体重、使用する薬剤、加入している保険により支払額は異なりますが、平均して月に3-5万円の負担となります。さらにその治療をいつまで続けるかわからない事も不安材料です。中には治療が非常に良く効いて治療を中止できるケースもありますが、その後再燃して再度治療を始めなければならない方もいます。また初めは効いていても徐々に効果がなくなり他の薬剤に変更しなければならないケースもあります。このように現時点では治療効果を予測することは事実上不可能ですが、現在、千葉大学大学院医学研究院遺伝子制御学教室とともに効果予測が可能かどうかという共同研究もすすめております。
外科的治療
上記の薬物療法でも徐々に関節の変形が進行し日常生活に支障をきたす場合には
手術による治療も必要になります。
- 手:手の関節はリウマチで最も大きく影響を受けますが、初期の場合は滑膜切除術、手関節では手関節形成術、指では人工関節置換術などで関節機能回復を図ります。また腱断裂を合併すると縫合術が必要となります。
- 肘:初期では滑膜切除術、進行した場合は関節形成術、関節破壊まで悪化すると人工関節置換術などが必要となります。
- 膝:薬物療法に抵抗する膝関節腫脹には10年前までは滑膜切除術施行が適応でしたが、近年の生物学的製剤の効果により滑膜切除術が激減し、現在では人工関節置換術が主に行われております。
- 前足部(足の指の付け根):リウマチの高度進行例では外反母趾や他の指の変形により足の裏に魚の目ができ、歩行痛をきたします。歩行時痛が高度の場合は関節形成術や人工関節置換術で疼痛、機能の改善を目指します。
- 足関節:まずは装具療法の適応ですが、場合により関節固定術もしくは人工関節置換術を行います。
- 肩、股関節:高度に関節破壊が進行し日常生活に影響がでた場合に人工関節置換術により機能回復を目指します。
- 脊椎:リウマチが高度に進行すると頸椎の関節にも影響が出ます。特に第一頸椎(環椎)と第二頸椎(軸椎)の靭帯の緩みによる環軸椎亜脱臼も時にみられ、そのための脊髄圧迫症状を合併すると固定術が必要となります。
これらの手術により障害された関節の機能を回復し問題ない日常生活に復帰することが可能となります。
診断方法の進歩
より早い段階で治療を開始することがリウマチのその後の経過に重要であることがわかってきました。そのために超音波やMRIを用いて関節が破壊される前の段階で診断することが大切です。本年4月から関節超音波の専門枠を増設し対応しております。
膠原病治療の進歩
膠原病の治療も従来のステロイド中心から免疫抑制剤や生物学的製剤を併用して、可能な限りステロイドの減量を目指す方向に変わりつつあります。病気の種類や重症度、合併症の有無によって使う免疫抑制剤の種類が異なります。免疫抑制剤自体にも副作用があるため、注意深い対応が必要です。特に感染症は頻度の多い合併症ではありますが、診断の進歩、抗菌薬の進歩、患者様への周知の徹底により、以前と比較すると重篤な感染症は減ってきている印象があります。リウマチの治療と比べると劇的な変化はありませんが、着実進歩している分野です。
診療体制の拡充
初診の患者様の診療は、平日受け付け時間内であればリウマチ、膠原病を専門とする医師が担当できる体制を整えました。(各曜日で診療場所、医師は異なります)また点滴での生物学的製剤の投与が必要な方の増加に対応して点滴可能な時間帯を拡大しました。さらに重症例、急な状態の変化のため入院が必要な患者様に対しもほとんどのケースで対応が可能です。(慢性期のリハビリや社会的入院に関しては対応しかねます。)そして今までと同様に内科と整形外科との連携を密にとりながら一人ひとりの患者様に最も適切と思われる医療を提供していきたいと考えております。
初診患者診療ブース 医師
| 月曜日 | 内科新患 | 末廣、影山 |
|---|---|---|
| 火曜日 | 整形外科 | 河本 |
| 水曜日 | 内科新患 | 海辺 |
| 木曜日 | 内科新患 | 木村 |
| 金曜日 | 総合診療科 | 小林 |
リウマチ膠原病センター長 海辺剛志
スタッフ紹介
海辺 剛志(リウマチ膠原病センター長、S63年卒) 資格:日本内科学会総合内科専門医/日本リウマチ学会専門医/日本アレルギー学会専門医 |
河本 泰成(副部長、H2年卒) 資格:日本整形外科学会専門医/日本リウマチ学会専門医、指導医/日本リウマチ財団登録医/日本整形外科学会リウマチ専門医 |