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各局・診療科のご案内

外科

 外科 外来担当医表

尾形部長
副診療局長 兼 外科部長
尾形 章

外科 について

消化器疾患、乳腺疾患、その他一般外科疾患の患者さんを対象に7名の常勤医師と2名の非常勤医師が診察、治療を担当しております。日本外科学会、日本消化器外科学会、日本大腸肛門病学会等の専門医、指導医を配し、特に地域がん診療連携拠点病院として、レベルの高いがん診療を目指し診療を行っております。また、日本外科学会、日本消化器外科学会、日本食道学会、日本乳癌学会、日本大腸肛門病学会の指導施設の指定を受けています。

消化器疾患

消化器疾患は食道がん、胃がん、大腸がん、直腸がん、肝がん、膵がん、胆嚢がんなどの悪性疾患を中心に、その他の消化器病の手術を含め年間約500例行っております。腹腔鏡を用いた手術も積極的に行い、食道がん、胃がん、大腸がんなどにおいては県内でも高いレベルでの手術を行っていると自負しております。腹腔鏡下の胆石の手術では術後3~4日で退院することが可能です。腹腔鏡下の大腸がんの手術では術後10日で退院することが可能です。肝がんに対してはラジオ波による焼灼療法も行っています。腹部緊急疾患として急性虫垂炎、腸閉塞、腹膜炎になっても迅速に対応できるよう心掛けています。

各悪性疾患の5年生存率は、胃がん:Ⅰ期90%・Ⅱ期78%・Ⅲ期46%、大腸がん:0期95%・Ⅰ期90%・Ⅱ期80%・ⅢA期75%・ⅢB期50%・Ⅳ期15%、直腸がん:0期95%・Ⅰ期90%・Ⅱ期80%・ⅢA期70%・ⅢB期45%・Ⅳ期15%、乳がん:Ⅰ期96%・Ⅱ期87%・Ⅲ期63%・Ⅳ期25%となっております。

「胆嚢小隆起性病変」について

腹部超音波検査が普及して胆嚢ポリープなどの胆嚢小隆起性病変を指摘される方が増えてきました。実際に胆嚢ポリープ言われたらどうしたらよいか悩んでいる方も多いと思います。腹部超音波検査を受けた方の1.2%~2%に胆嚢の小隆起を認めたとの報告があります。検査を受けて胆嚢にポリープがあり、「がんだといけないからとってしまいなさい」といわれている方もいるのではないでしょうか。胆嚢小隆起性病変は最大径が20mm以下の胆嚢隆起病変と定義され、多くの病変を含んでいますが、非腫瘍性と腫瘍性に大別することが出来ます。非腫瘍性病変の代表はコレステロールポリープと過形成ポリープで、腫瘍性病変は腺腫、腺腫内がん及び腺腫を伴わない純粋がんなどです。非腫瘍性ポリープの98%が10mm以下で15mmを超えるものは僅か0.5パーセントに過ぎなかったという報告があります。10ミリメートルを超えるものには腫瘍性病変と考えるのが妥当と言えそうです。腫瘍性病変の代表が胆嚢腺腫です。気になるのが腺腫内のがん化の問題です。胆嚢腺腫で15mm以下のもののがん化率は2~30%にすぎませんが、15mm以上では83%にがんを伴っていたとの報告があります。がんという名を聞くとだんだん怖くなってきますが、腫瘍性病変を考える時に最も重要なのが形態的特徴を見ることです。腺腫或いは腺腫内がんの形態では98%が有茎ないし亜有茎性で、その場合ほぼ全例粘膜内がんであり、胆嚢摘出術のみで再発はありません。広茎性や無茎性の場合は大きさが10mm以下であっても要注意と言えます。胆嚢の小隆起性病変は形態的に有茎か無茎性かで心配の度合いが違いますし、大きさとして15mmを前後しがんの確率が変わってきます。胆嚢ポリープと言われても慌てることなくその状態を良く聞いて、不安な場合は外科に来てみて下さい。

「ラジオ波焼灼療法」について

体内に腫瘍が出来た場合に何らかの治療をするのは現在の医療では当たり前のことですが、できれば手術などの治療はしたくないのが本音だろうと思います。外科医と言えば手術をしたくてしょうがない人種だと思っている方が多いと思いますが、ところが逆で多くは手術などしないで治れば一番良いと考えているのが外科医なのです。例えば肝臓に腫瘍が出来た場合、どのような治療をするか。切除するか、局所的治療をするか、抗がん剤治療するなど色々ありますが肝臓がんの場合にはもともと肝臓が肝硬変などの機能不良例が多くどの治療が一番良いと言えない事がよくあります。他の臓器に出来たがんが肝臓に転移した場合も切除できれば良いのですが簡単に取れると言いにくいこともあります。そのような場合どうするか。なにか切除するのと同等なものはないか考えるのが普通でしょう。何かで腫瘍を焼灼することが出来れば体にやさしい治療といえるのではないでしょうか。その焼く方法がラジオ波焼灼療法(radiofrequency ablation,RFA)なのです。RFAとは針の先からラジオ波(450kHz)が出て約3cmの組織を焼くことが出来る治療です。肝臓は大きな臓器で他の臓器との距離があり、刺しやすい点と腹部超音波下での操作に歴史がある事からこの治療が進みましたが、どうやって腫瘍に正確に針を刺すかの問題をクリアできれば難しい治療ではないと考えられます。よって色々な分野に応用が利くことになり、まだトライアルの段階ですが、乳がんに針を刺して焼いたり、外科以外でも肺、腎、甲状腺、推体などの腫瘍にも行っているようです。当科での現状としては肝の腫瘍に対しRFA治療を行っていますが数多くの症例とはいきません。それはやはり切除できない症例の中から適応を考えているからです。我々は臨床的に確立した医療しかできないのですが、患者さんへの負担の少ない治療が増えることを望み治療を手助けが出来ればと考えています。

大腸がんの腹腔鏡手術

傷が小さく体のダメージが少ないので、すぐに退院可能です。

■ 腹腔鏡下大腸切除術についてshinryoka_geka_daichogan_01
炭酸ガスで腹部を膨らませて腹壁に数ヵ所小さな穴を開けて、腹腔鏡と電気メスなどを入れて、モニター画像を見ながらがんを切除します。
従来の開腹手術(おなかを切る手術)は、腹壁を大きく切開(20 ~ 30cm)し腹腔内 (おなかの中)を直接見ながら手術をしていました。
腹腔鏡手術ならば 3~5cmの傷1か所、5mmの傷3か所、12mm の傷が1か所あれば手術ができます。術後の傷あとは一見してほとんど分からなくなります。
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(左写真:腹腔鏡手術、右写真:開腹手術)
■ 適応となる症例は?shinryoka_geka_daichogan_04
早期癌が基本的な適応ですが、進行癌であっても腹腔鏡手術が可能な症例が増えています。
■ 特徴
体のダメージが少なく美容的で、早く退院し社会復帰できます。さらに、腹腔鏡による拡大視効果があり、より繊細丁寧な手術が可能です。モニター画像をチーム全員の目で見て手術を行えます。  
■ 当院のCTによるシミュレーション
手術前に血管の走行や腸のかたちなどが分かっているため安全確実に腹腔鏡手術が可能です。
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■ 当院における腹腔鏡手術
2000年より積極的に導入し好成績を得ています。現在は直腸がんでもほとんど人工肛門になりません。
■ 今後の見通し
医療の発展と大腸がんの増加に伴い腹腔鏡手術は年々進化し、大腸がん手術の主役を担うことになります。近い将来には大腸がんの半数が腹腔鏡手術で行われる時代が来るといわれています。

胃がんに対する完全腹腔鏡下胃切除術

創が小さいため、術後の痛みも軽く、早期退院・社会復帰が可能です!

■ 腹腔鏡手術とは
腹腔鏡手術はお腹に炭酸ガスを注入して膨らませ、腹腔鏡や器械をお腹に開けた数箇所(約5-12mm)の穴から挿入し、モニター画面を見ながら行う手術のことです。(下図参照)

  • 腹腔鏡下胃切除のイメージ

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  • 創の大きさの違い(左:完全腹腔鏡下切除術、右:腹腔鏡補助下胃切除術)

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■ 利点
1. 術後早期(術後2-3日)から食事が食べられ、入院期間が短い(術後約7-10日で退院可能)。
2. 創が小さいため(右上写真)術後の痛みが少なく、術翌日から歩行可能。
3. 術中出血量や術後の肺炎、腸閉塞などの合併症が少ない。
■ 欠点
1. 従来の開腹手術と比べて手術時間が長い
2. 施行可能な施設が限られている。
■ 当院での腹腔鏡下胃切除術の特徴
当院では多数の胃がん手術を腹腔鏡下に行っていますが、2008年からは「完全腹腔鏡下胃切除術」(胃の切除および再建・吻合のすべてを腹腔鏡下に行う手術)を導入しております。この手術は、多くの施設で行っている「腹腔鏡補助下手術(再建・吻合時に上腹部約5㎝の創を利用)」に比べ、創が非常に小さく(右上写真)、術後の疼痛も少ないため、退院までの期間が短縮できます。一方、この術式は技術的に難易度が高いため、施行できる施設が少ないのが現状です。当院では日本内視鏡外科学会の技術認定を受けた指導医の下、「完全腹腔鏡下胃切除術」を施行しております。
■ 適応
腹腔鏡下胃切除術の適応は内視鏡的粘膜切除術が困難で手術が必要な症例や術前のCT検査などで明らかなリンパ節転移を認めないもの(StageⅠA)等です。(適応の詳細については外来にてご相談ください。)
■ 治療成績
「がんにおける体腔鏡手術の適応拡大に関する研究」によると、腹腔鏡胃切除術を行った早期胃がんの5年生存率は99.4%であり、また、組織学的病期別5年生存率では、1A期が99.6%、1B期が100%で、開腹手術と同等の良好な成績でした。
■ 今後の展望
今後も腹腔鏡下胃切除術の割合はさらに増加することが予想され、胃がん手術の標準的治療になっていくものと考えられています。

「食道がんに対する胸腔胸下食道手術」について

創が小さいため、術後の痛みが軽く、術後の経過が良好です!

■ 食道癌の治療方法
食道癌の治療方法には①内視鏡的粘膜切除術(ESD)②手術③放射線治療④化学療法(抗がん剤治療)等があります。その進行度(病期)や治療方法により治療成績は異なり、また治療法ごとにそれぞれ長所、短所がありますが、治療の中心が手術であることに変わりはありません。
■ 食道癌手術
食道癌手術には頚部、胸部、腹部の手術操作を必要とするため、大手術の代表格といえます。
多くの場合行われるのは食道亜全摘術と呼ばれる手術です。胸部~腹部食道を切除し、周囲のリンパ節も摘出します。胃を細く管状に作成し(胃管と呼ばれます)、頚部で頚部食道と吻合し、再建します。
従来行われてきた、開胸・開腹食道亜全摘術は、胸部に約20cm、腹部に約25cm程度の創を必要とするため、術後の疼痛のみならず、呼吸機能の低下、喀痰排出困難や肺炎などの合併症が多く術後がとても大変でした。現在でも多くの病院で同様の手術が行われております。
■ 胸腔鏡下手術とは
数箇所(約5-12mm)の穴からファイバースコープや器械を挿入し、モニター画面を見ながら行う手術のことです。
■ 利点
(1)体への負担が少ないため、術後経過が良好。
(2)創が小さいため術後の痛みが少なく、また呼吸機能の低下はほとんどない。術後早期から歩行も可能。
(3)術中出血量や術後の肺炎などの合併症が少ない。

胸腔鏡下食道手術後の創

■ 欠点
(1) 開胸開腹手術と比較し手術時間が長い。
(2) 施行可能な施設が限られている。
■ 当院での胸腔鏡下食道手術
胸部手術は胸腔鏡で、腹部操作は腹腔鏡にて手術を行っています(完全鏡視下手術)。創が小さく(上写真)、術後の疼痛も少ないため、術後の呼吸機能の低下もなく、喀痰排出が比較的容易で、術後の肺炎も少ない等、開胸開腹手術と比べてはるかに術後経過が良好です。
■ 適応 
① 術前に放射線治療を行っていない。
② 腫瘍が周囲臓器に浸潤していない。
③ 遠隔転移がない
等を適応としています。
■ 治療成績
現在までのところ、開胸開腹手術vs胸腔鏡下手術における大規模な比較試験の結果はありませんが、当院では遠隔成績(生存率や再発率等)に差はなく、術後経過においては胸腔鏡下手術の方が開胸開腹手術に比べ合併症も少なく術後在院日数も短くなっております。
■ 今後の展望
今後は術後経過も良好で、開胸開腹手術と治療成績に差がない胸腔鏡下食道手術は食道癌治療の中心となると予想されます。

乳腺疾患

乳がんの手術を年間約70例行っております。乳房温存療法に積極的に取り組んでおり、センチネルリンパ節生検も色素法にて行っております。乳房温存療法後には、放射線を必要としますが、当院では継続して治療を行えます。又、当院では形成外科の協力で乳房切除の再建も行える強みがあります。

「乳房のシコリ」について

乳房のシコリを心配して外科外来を受診される方は大勢いらっしゃいますが、今回は乳房にシコリの出来る代表的な疾患について説明します。

1.繊維腺腫

好発年齢は20~35歳台です。シコリの境界は分かり易く、形は球状ないし卵円形で、表面は平滑です。可動性は良好で、皮膚にえくぼ様変化はみられません。シコリの痛みはありません。治療法は切除ですが経過観察ですませる例も多いです。

2.乳腺症

好発年齢は35~50歳台です。1側ないし両側の乳房にシコリあるいは硬結を認めます。腫瘤様の硬結は平板状、円盤状であり、境界はわかりづらいです。表面は粗大顆粒状を示し、可動性は良好です。触診ではがんとの区別がつかない例もしばしば見られます。皮膚にはえくぼ様変化はみられません。乳腺症の特徴として乳房の痛みがあります。自発痛ないし圧痛です。痛みは生理前に増強し、生理終了後に軽減することが多いです。時には乳頭からの分泌をみることもあります。分泌液の性状は漿液性、乳汁様、水様のことが多いです。乳腺症の原因はわかっていませんが、乳腺症が中年期に好発し、閉経後に減少することから内分泌的要因が関係していると考えられています。治療は特に行わず、慎重に経過を観察します。

3.乳がん

好発年齢は40~60歳台です。シコリの境界は比較的分かり易く、形は不正形、表面には軽い凹凸があります。シコリは固く、時に皮膚にえくぼ様変化が見られることもあります。血性の乳頭分泌が見られることもあります。がんが進行すると乳頭の陥没、皮膚浸潤や発赤が見られシコリの可動性がなくなります。乳がんのシコリは痛まない例が多いです。主な治療法は手術で、補助療法として放射線治療、薬物治療があります。

以上、代表的な3疾患について説明しましたが、症状等はあくまでも目安ですので、心配な方は外科外来を受診してください。

一般外科疾患

鼠径ヘルニア等の小手術も幅広く行っています。鼠径ヘルニアの手術では患者さん希望により術後早期退院も可能です。

その他

クリティカルパス

主な疾患の治療はクリティカルパス(治療計画書)に沿って行われており患者さんにも治療の推移がわかりやすくなっています。
毎朝8時のモーニングカンファレンスにおいてすべての患者さんの状態を確認し、毎週水曜日のキャンサーボード及び毎週金曜日の術後症例検討会を通じ、他業種とのコミュニケーションをはかりつつ、多くの研修医への指導を行っています。

スタッフ紹介

尾形 章(部長、S60年卒)
専門分野:外科一般/消化器外科/特に肝胆膵の外科

資格:外科専門医/消化器外科専門医・指導医/日本外科学会指導医/消化器がん外科指導医/医学博士/臨床研修指導医養成講習会終了/緩和ケア基礎研修会終了/日本がん治療認定医機構暫定教育医/日本肝胆膵外科学会評議員/肝胆膵外科高度技能指導医

吉村 光太郎(医長、H2年卒)
専門分野:消化器外科/乳腺/外科一般

資格:臨床研修指導医養成講習会終了

芝﨑 暎仁(医長、H6年卒)
専門分野:消化器外科/特に食道・胃・内視鏡外科/外科一般

資格:日本外科学会指導医/外科専門医/消化器外科認定医/日本内視鏡外科学会技術認定医/食道学会評議員/食道科認定医/医学博士

福田 啓之(医長、H8年卒)
専門分野:消化器外科/特に胃・腸内視鏡外科/外科一般

資格:外科専門医/消化器外科専門医/消化器がん外科治療認定医/消化器内視鏡専門医/医学博士/臨床研修指導医養成講習会終了/大腸肛門病専門医

金子 高明(医長、H10年卒)
専門分野:消化器外科/特に胃・腸・内視鏡外科/外科一般

資格:外科専門医/消化器外科専門医/消化器がん外科治療認定医/がん治療認定医/消化器内視鏡専門医/医学博士/産業医

伏見 航也(医長、H12年卒)
専門分野:乳腺外科/外科一般

鈴木 謙介(H19年卒)