小児脳神経外科
更新日:2024年3月29日
小児脳神経外科のホームページへようこそ
令和6年4月1日から「完全紹介予約制」となります。地域の医療機関等からの紹介状と事前の予約が必要となります。
松戸市立総合医療センター小児脳神経外科のホームページにお越し下さいましてありがとうございます。
私たち小児脳神経外科は、こども達の神経系に発生する外科疾患を担当しています。
松戸市立総合医療センター小児脳神経外科は、診療、研究、教育を重視し、以下の3項目を私たちのバリューと位置づけ、医療を展開しています。
- 最先端かつ最良の医療、そしてこども達や家族から信頼される医療を提供すること
- 多くの医療者に認めていただける臨床研究を行うこと
- 優れた脳神経外科医、小児脳神経外科医を輩出すること
小児脳神経外科部長 宮川 正
トピックス
2023年8月
- 宮川医師がPLOS ONEのEditorial board memberに選出されました。
- 研修医の佐賀医師が、当科で担当した症例を報告しました。(PDF:520KB)
2023年2月
- 小児脳腫瘍 新患者数が県内で最多でした。
- 「病院の実力2023」掲載より(PDF:378KB)
2023年1月
- 佐々木みなみ医師が、スタッフに加わりました。
- 当科で行った研究成果が発表されました。
2022年12月
宮川医師が分担執筆した本が刊行されました。
「小児内科2022年54巻増刊号 小児疾患診療のための病態生理3 改訂第6版」
2022年7月から12月
産業医科大学、浜松医科大学、千葉大学でそれぞれ小児脳神経外科学の講義を行いました。
小児脳神経外科とは
胎児を含む15歳以下のこども達に発生する、脳、脊椎・脊髄、末梢神経疾患の診断と外科治療を担当しています。また、脳神経外科治療を受けたこども達や移行期医療に達した成人のフォローアップも行っています。
こどもは、大人のミニチュアではありません。こども達の脳や脊髄といった神経系は、発育や発達段階によって大きく変化することから、それを診療するためには高度かつ専門的な知識、技術、経験が必要となります。私たちは、小児脳神経外科の専門家として、関連各科との密接な連携のもと、より高度で包括的な医療を提供しています。
当科の概要
小児脳神経外科のミッション
私たちは、以下の2項目を小児脳神経外科の使命(ミッション)と考え、診察を展開して参ります
- 脳神経外科診療を受けたこども達が、成長し、やがて成人となって社会に船出した時、社会で活躍することを通して、この国 の未来に貢献すること
- 脳神経外科疾患を持ったこども達に関係する全てのステークホルダー、例えば、家族、医療者、学校関係者、地域の人々などが、こども達を通して自らの存在意義を感じられるような医療を提供する組織になること
小児脳神経外科のビジョン
”その子らしく、その子のために”
一人ひとりのこどもたちがその子らしく生きるために、その子に合った医療を考案し、提供する "その子らしく、その子のために" を、私たち小児脳神経外科の理想の姿(ビジョン)と考えています
当科の特徴
小児医療センターならではの特色をいかし、小児系診療科各科との組織横断的連携によって、高度で包括的な医療を提供しています。
手術では、ニューロナビゲーションシステムを導入し、蛍光手術顕微鏡やエコーとリンクさせながら可及的多量の病変摘出を目指しています。脳腫瘍、てんかん、脊髄手術などでは、術中電気生理学的モニタリングやマッピングを使用し、後遺障害を回避する工夫を行っています。また、水頭症や深部の腫瘍には神経内視鏡を使用して、より低侵襲な手術を目指しています。
脳腫瘍
小児科、小児外科、放射線科との協働により集学的治療を施行しています。
【手術(腫瘍摘出、生検)】
一般的に 小児脳腫瘍は 、手術での可及的多量の腫瘍摘出が基本です。しかし、腫瘍が脳の重要構造物付近にあって、全摘出が困難な場合や術前診断で化学療法、放射線治療がよく効くと考えられる場合は、生検術にとどめて、あえて腫瘍を残し機能予後を優先することがあります。残存腫瘍に対しては放射線治療や化学療法を追加します。当科ではナビゲーションシステムなどの最新モダリティや神経内視鏡などを駆使して、より高度で正確、安全な手術を行っています。
【化学療法、放射線治療】
近年、脳腫瘍治療は形態学的な病理診断のみではなく、遺伝子診断に基づいた治療が必須となってきました。当科では、専門診断施設に遺伝子解析も含めた診断を依頼し、その結果に基づいた、最新かつ世界標準の治療を提供しています。また 、放射線治療が必要と判断された症例は、他院と協働し陽子線治療を施行しています。これらの治療法を用いることにより、先進的で後遺症を最小にする治療目指しています。
頭蓋顔面奇形
頭蓋縫合早期癒合症などの頭蓋顔面の奇形疾患に対しては、形成外科と協働で積極的に手術を行い、こども達の精神運動発達と整容の2つの面からこの疾患に対してアプローチしています。
二分脊椎
胎児診断された場合は、出生後にスムーズな治療が出来るよう、産婦人科、新生児科と一緒に、出生前から治療の計画を立てていきます。出生後は小児外科、形成外科、リハビリテーション科、泌尿器科など複数の科が診療に当たり、ひとりひとりの疾患や重症度に応じたオーダーメードの医療を提供しています。
頭部外傷
首都圏有数の症例に対応している3次医療施設であることや、PICU(小児集中治療室)を有することを強みとして、多発外傷や重症頭部外傷の外科的治療、神経集中治療を行っています。
お子さんの入院生活、退院後の支援
小児脳神経外科治療の多くは入院期間が長期に及ぶことから、病棟看護師やソーシャルワーカー、院内学級の協力により、治療中の経済的、社会的な支援に力を入れています。退院後にこども達がスムーズに地域社会に戻っていけるよう、入院中からこどもたち、ご家族の生活背景を考慮した支援体制を整えています。
主な対象疾患
小児脳神経外科疾患=こども達の神経系に発生する外科疾患、を担当しています。
具体的には下記のような疾患です。詳しい疾患の解説は、リンクをご参照ください。
脳や脊髄に発生する悪性腫瘍、良性腫瘍
脳腫瘍、脊髄腫瘍、頭蓋骨腫瘍、脊椎腫瘍など
骨や神経系の先天奇形
頭蓋縫合早期癒合症、軟骨無形成症・骨形成不全症、環軸椎亜脱臼、骨髄髄膜瘤、二分脊椎、脊髄脂肪腫、脊髄係留症候群、キアリ奇形、脊髄空洞症など
事故、虐待などによる外傷
頭部外傷、脊椎・脊髄外傷、その後に続発する外傷関連疾患など
機能予後を問題とする疾患
痙性麻痺、痙縮、てんかんなど
髄液に関連する疾患
水頭症、ダンディーウォーカー症候群、くも膜のう胞など
脳血管に関連する疾患
もやもや病、脳動静脈奇形、脳動脈瘤など
末梢神経障害
末梢神経に関する疾患
腕神経叢障害、引き抜き損傷、下肢末梢神経障害など
受診案内
受診をご希望のお子さんやそのご家族の方へ
外来受診のご案内
当科は、お子さんの症状や日常の様子などを考慮して検査や治療の方針を立てるため、かかりつけ医との連携を重視しております。紹介状をお持ちになり、受診していただきますようお願いしております。
セカンドオピニオンのご案内
当科では、セカンドオピニオンを求める患者さんやご家族に対して、現在の主治医からの診療情報提供書と必要な資料に基づき、当院の医師から参考となる情報や意見を提供する、セカンドオピニオン外来を設置しています。
予約方法
受付先
予約専用電話:047-712-0685
受診に関する関連リンク
紹介をお考えの医療機関の先生方へ
脳腫瘍などの集学的治療が必要な疾患や、複数診療科の協力が必要な疾患(二分脊椎、頭蓋縫合早期癒合症、頭部外傷など)については、小児専門医療機関である当センターならではの特色をいかし、積極的に診療を行っています。
緊急で診察・治療が必要なお子さんのご紹介は医療機関専用ダイアルを通じてご連絡ください。
頭をぶつけたお子さんの診療について
当科では高度かつ専門的な外科治療を提供するためため、軽症頭部外傷に対する初期診療は困難となっています。平日の日中などは、まず、かかりつけの小児科や、他の医療機関を受診していただき、専門的な治療が必要と診断された場合に、当科を紹介受診していただくようお願い致します。(かかりつけ小児科や、他の医療機関が受診できない夜間休日は、救急外来で対応を致しますが、小児脳神経外科医が担当出来ないことがあることをご了承下さい。)
研修や見学を希望される医師、医学生の方へ
当科では、小児脳神経外科を目指す医師、研修医、医学生の方の研修や見学を随時受け付けています。研修期間や内容は個別に対応致します。下記までお気軽にご連絡ください。
スタッフ紹介
宮川 正(部長 兼地域医療連携局副局長 兼リハビリテーション科部長 兼入退院支援センター長 兼医療福祉相談室長)
専門分野 | 小児脳神経外科学(特に脳・脊髄腫瘍の集学的治療や機能予後を重視した外科治療、頭蓋縫合早期癒合症の外科治療、虐待による頭部外傷の診断・治療) |
---|---|
資格 | ECFMG・アメリカ医師免許 |
その他 | 小児神経外科学会評議員・学術委員 |
佐々木 みなみ(医長)
専門分野 | 小児脳神経外科 脳脊髄腫瘍 神経外傷 |
---|---|
資格 | 脳神経外科専門医 PALS provider ICLS Provider 小児神経外科認定医 緩和ケア研修会修了 The Hospital for Sick Children Division of Neurosurgery(トロント小児病院 脳神経外科) クリニカルオブザーバーシップ修了 |
所属学会 | 日本脳神経外科学会 日本脳神経外科コングレス 日本小児神経外科学会 国際小児神経外科学会 こども病院神経外科学会 日本脳卒中学会 日本血管内治療学会 日本神経内視鏡学会 日本頭蓋底外科学会 日本定位・機能神経外科学会 |
手術実績(2018年から2023年)
病名 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
水頭症 | 水頭症 hydrocephalus |
32 | 9 | 11 | 2 | 10 | 28 |
シャント新設 | 3 | 0 | 1 | 0 | 2 | 7 | |
シャント再建 | 6 | 6 | 2 | 0 | 2 | 5 | |
神経内視鏡手術 | 2 | 2 | 1 | 0 | 1 | 3 | |
その他 | 21 | 1 | 7 | 2 | 5 | 13 | |
先天奇形 | 先天奇形congenital anomaly | 32 | 36 | 35 | 40 | 37 | 29 |
二分頭蓋 | 1 | 0 | 2 | 2 | 1 | 0 | |
脊髄髄膜瘤 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2 | |
脊髄係留症候群 | 24 | 28 | 24 | 26 | 24 | 16 | |
頭蓋縫合早期癒合症 | 2 | 7 | 6 | 8 | 11 | 8 | |
嚢胞性病変 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | |
頭蓋頚椎移行部病変 | 5 | 2 | 2 | 4 | 1 | 2 | |
腫瘍性病変 | 腫瘍性病変 neoplasm | 9 | 8 | 6 | 11 | 6 | 9 |
脳腫瘍 テント上 | 5 | 3 | 4 | 4 | 5 | 5 | |
脳腫瘍 テント下 | 4 | 4 | 2 | 2 | 1 | 2 | |
骨腫瘍 | 0 | 1 | 0 | 5 | 0 | 2 | |
外傷 | 外傷 Trauma | 6 | 5 | 11 | 11 | 4 | 11 |
急性硬膜下血腫 | 1 | 4 | 5 | 3 | 3 | 2 | |
硬膜下液貯留 | 3 | 1 | 1 | 4 | 1 | 3 | |
急性硬膜外血腫 | 1 | 0 | 2 | 1 | 1 | 1 | |
脳内血腫 | 1 | 0 | 3 | 3 | 0 | 0 | |
皮下血腫 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
その他 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
血管障害 | 血管障害 vascular | 5 | 4 | 3 | 3 | 1 | 10 |
Moyamoya | 4 | 1 | 1 | 2 | 0 | 2 | |
AVM | 1 | 3 | 2 | 1 | 1 | 2 | |
感染 | 感染 infection | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 |
脳膿瘍 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | |
その他 | その他 others | 6 | 15 | 6 | 21 | 21 | 7 |
頭蓋形成術 | 4 | 1 | 0 | 3 | 3 | 2 | |
その他 | 2 | 14 | 6 | 18 | 18 | 5 | |
計 | 91 | 77 | 72 | 88 | 81 | 95 |
診療実績(クリニカルインディケーター)
2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | |
---|---|---|---|---|---|---|
入院患者総数 |
1816 | 1819 | 1632 | 1961 | 1875 | 1999 |
新入院患者数 |
196 |
176 | 179 | 242 | 214 | 226 |
病床稼働率 | 124% | 125% | 112% | 134% | 103% | 134% |
定床数(床) | 4 | 4 | 4 | 4 | 5 | 7 |
手術数 | 91 | 77 | 72 | 88 | 81 | 95 |
手術率 | 46.4% | 43.2% | 39.7% | 35.1% | 37.9% | |
外来患者総数 | 1347 | 1403 | 1241 | 1374 | 1171 | 1211 |
新患総数 | 348 | 348 | 291 | 308 | 291 | 284 |
学術業績
臨床研究
臨床・研究(オプトアウト)のページにて、小児脳神経外科で行われている臨床研究を掲載しています。
Best Doctorsに選出された宮川医師
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松戸市立総合医療センター
千葉県松戸市千駄堀993番地の1
電話番号:047-712-2511 FAX:047-712-2512